2015年08月31日(月) |
松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』★★★★☆ |
松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』
繰り返し読みたい、と思えた本でした。 教えを自分のものにしたい。できたら人生変わるし、変わりたいな、と。
変わりたいというより、整えたい。
心に残ったところ。
「シンプルな暮らしと、自分をみつめる時間。その中で一瞬一瞬を丁寧に生きること。」(p2)
「人生は日々是修行。 私たちの一つの行いがそのまま、私たちのこころをつくります。」(p2)
「『家に在りながらこころを磨きたい』と発心されたあなたなら、毎日の家事もたちどころに『こころ磨き作務』へと変わるでしょう。そしてそれは、自分のこころだけでなく周りの人のこころも磨きます。」(p4)
「掃除とは、汚れるからするのではなく、こころを磨く『修行』なのです。」(p13)
「ものを大事にしない人は、人も大事にしません。」(p16)
「目の前のものを、大切にしてください。」(p17)
前後際断。 「こころの汚れは、長く放っておくと落ちにくくなります。 しなければならないことは決して明日に持ち越さず、一日一日、気持ちよく過ごしましょう。」(p33)
四九日。 「永平寺の雲水は四のつく日と九のつく日を身の回りを整える日とし、ほつれた衣類の修繕などを行います。」(p80)
「ひとつのものを、そのもののいのちがある限り、大切に、直しながら使う生活をしていくと、ものとの向き合いかたが変わるとともに、人への向き合いかたも変わってきます。そうして、こころも落ち着きを取り戻してゆくものです。」(p81)
「どんな部屋でも、ものがひとつもないところに、カビは生えません。(略)つまり、カビが生えるということは、こころにカビが生えているサインなのです。」(p87)
「こころも同じです。きれいに磨き上げたと思った瞬間から、汚れが積もりはじめます。過去への執着や未来への不安で頭がいっぱいになり、『今』という瞬間からこころが離れてしまいます。」(p84)
「だからこそ、われわれは床磨きに全力を注ぎます。掃除は『今』に集中する修行です。部屋を美しく保つことにこだわるのは、そこに理由があるのです。」(p94)
玄関は玄妙な道に入るための関門。 「玄関が汚れていては、その後の仏道が台無しになってしまいます。われわれが玄関を特に美しく保つのはそのためです。」(p114)
「靴をそろえて脱げない人は、こころが乱れている人です。(略) これは『今現在』からこころが離れている証拠。」(p115)
「庭の作務で大切なのは、一日の作務を『これくらい』と決めて、無理をしないこと。」(p121)
「身体をつくるのは食事ですから、それを疎かにするということは、身体も疎かにするということになります。そして、身体を疎かにするということは、そこに収まるこころも疎かにするということ。」(p150)
「量も、足るを知る。」(p151)
「実は、ものを持たない生活はとても心地よいもの。」(p156)
「ものを大事にするこころというのは、大事にしたいと思えるものに出会わないと、育ちません。」(p157)
整理整頓は 「あるべきものが、あるべきところに、あるべきようにして、ある。」(p159)
やっぱりこれに尽きますね。
「掃除というより行事に近いものですが、だからこそ大掃除はみんなで一緒に行うことに意義があります。今年も無事、家族がみんな一緒に一年を過ごすことができたことを喜びながら、一緒に掃除をする。これほど嬉しいことはありません。」(p167)
インドの山奥で。 「人間というのは、こころがけ次第でこんなにシンプルに生きられるのかと、目から鱗が落ちた瞬間でした。 モノも電気もないけれど、そこには間違いなく『豊かな暮らし』がありました。」(p171)
「自由とは、自分の思い通り好きなようにすることではありません。報われることなく、日々おだやかに、こころを喜びでいっぱいに満たして生きることです。それは、私たちの一つひとつの行為の積み重ねから生まれます。」(p173)
日々おだやかに、こころを喜びでいっぱいに満たして過ごせたら、他に何もいらないんじゃないかなーと思います。 そのためには、ひとつひとつ目の前のことを丁寧にしていくこと。
松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』
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