活字中毒のワタシの日記

2009年08月31日(月) 渡邉 美樹『強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか』★★★★☆

強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか (祥伝社新書114)
強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか (祥伝社新書114)
渡邉 美樹
祥伝社

ポジティブ、という言葉だけでは説明できないワタミのCEOの著書。
清々しさが残る一冊でした。

「自分に起こることは、起きた時点では悪いことのように見えても、将来起きるよいことにつながっている、と心から信じています。」(p24)

「だから、今私ができること、やるべきことは、手に入らなかったという今のシナリオを、最高にハッピーにするために最善の努力をしていくことなのです。」(p33)

「過去は変えることができず、未来は変えることができるのです。」(p33)

「大事なのは、自分以外のところにひとつの視点を持つこと、第三者の目を自分の中に持つことだと思います。」(p67)

「一番いいのは、神様が応援したくなるような行動が好きであることです。」(p72)

「人を成長させるためには負荷を与えなければならないと思っています。」(p73)

「会社が生き残ることよりも大切なのは、自分らしいということです。自分が自分であるということは、この空気より大事だと、私は思っています。」(p89)

ワタミらしさがなくなったら、ワタミが生き残る意味がないと著者はいいます。
それがなくなったら会社をつぶそう、と。

企業の使命。

「長く続けるためには、損得ではなく、善悪を判断基準にしなければなりません。(略)これは、100年企業を目指すうえでも、また、一人の人間として成長していくうえでも、絶対に外してはならない原理原則といえるでしょう。」(p119)

おちこまずにすむコツ。

「まず現状把握をします。そして、今あるものを数えるのです。」(p143)

マイナスではなく、プラスにフォーカスする、そうすると感謝の気持ちがわいてくる、と。そうなると元気になってくる。
また、リセットすることもコツの一つ。

「そもそも私は、自分をよく見せたいとか、大きく見せたいとか思ったことがありません。自然体でいるのが一番気持ちいいし、等身大の自分でいるのが一番楽なのです。」(p147)

以前読んだ仏教の本を思い出しました。
とらわれない心。

「自分はどんな人間なのか。自分は普段どんな表情をしているか。自分はなにを基準にどういった行動をとっているか・・・。
人とのよい出会いを求める前に、まず、自分自身について考えるべきだと思います。」(p150)

自分の中に基準をもつということ。

「自分らしくあるために、私は、自分にとって『越えてはいけない一線』を常に意識するようにしています。」(p157)

うしろめたくないこと、やましくないこと、それらはとても大切だと思う。

スケジュールをたてる時のコツ。

「家庭も仕事も趣味も含めて、『緊急ではないけれど大事なこと』から埋めていきます。」(p169)

著者が考える天命は「自分の存在対効果が最大になること」(p178)。

「私は、常に自分を最も『ありがとう』を集められるポジションに置きたいのです。」(p178)

天命を見つけ、ギリギリまで挑戦する、それが人として生まれたものの負う義務だと。

私自身の天命は?

強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか (祥伝社新書114)
渡邉 美樹



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2009年08月24日(月) 遠藤周作『狐狸庵人生論』★★★★☆

狐狸庵人生論 (河出文庫)
狐狸庵人生論
遠藤 周作

心に残ったところ。

「病気はたしかに生活上の挫折であり失敗である。しかしそれは必ずしも人生上の挫折とは言えないのだ。なぜなら生活と人生は次元が違うからである。」(p13)

「我々の人生のどんな嫌な出来事や思いですらも、ひとつとして無駄なものなどありはしない。無駄だったと思えるのは我々の勝手な判断なのであって、もし神というものがあるならば、神はその無駄と見えるものに、実は我々の人生のために役にたつ何かをかくしているのであり、それは無駄どころか、貴重なものを秘めているような気がする。」(P15)

「善魔の特徴は二つある。ひとつは自分以外の世界をみとめないことである。自分以外の人間の悲しみや辛さがわからないことである。(略)もうひとつの特徴は他人を裁くことである。この心理の不潔さは自分にもまた弱さやあやまちがあることに一向に気づかぬ点であろう。」(P29)

「屈辱感を噛みしめられることは挫折のもたらす一番大きな効用だ。」(p60)

挫折をした時に選ぶ道は二つ。
敗れた自分を認め、立ち直ろうとする道と、敗れた自分を正当化する自己弁護の道。

どちらを選んでも、長い目でみれば同じである、と。後者には後ろめたさがつきまとうので、最終的には弱い自分に向き合わざるを得ない。

「夜、眠れぬ時死んだ友人たちの顔を思い出し、俺はあの男の人生で傍役だったんだな、と考え、いい傍役だたかどうかを考えたりする。」(P94)

自分も子どもの、夫の、親の、兄弟の、友人の、同僚の、人生の傍役。
私はその役を、それなりによくこなせているか?つとめられているか?
ヒールになってないか?

年とってよかったこと。

「たいていのことを許せるようになる。」
「生きることで本当に価値のあるものとむなしいものとの区別がおのずとできてくる。」(p126)

自分はまだ、そうなれば楽に生きられるだろうなあと思えるようにやっとなってきた段階。実行はまだ始めたばかり、なレベル。

それでも、これからこのようになっていきたいと思う。

この本を面白いと思えるようになったのも、きっとそのおかげ。

狐狸庵人生論
遠藤 周作



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