活字中毒のワタシの日記

2008年10月19日(日) 近藤典子『近藤典子の片づけが生んだ奇跡』★★★★☆


近藤典子の片づけが生んだ奇跡
近藤典子

以前から抱いていた近藤典子さんの見方ががらっと変わった一冊でした。
偏見持ってました、ごめんなさい。

モノはとにかく捨てちゃダメ、とにかく収納しまくる、ほら工夫さえすれば収められるのよ、これでよし!

という仕事をされている方かと思ってましたが、そうではないようです。

でも、ニーズがきっと「どれも捨てたくないんですけど…」だったり、捨てずにいかに収納するかを見せた方が視聴率が取れるし(捨てればすっきりする、そりゃ当たり前だから。でも捨てられなくて皆困ってるのだから)、結果的に「捨てないで収めるテクニック」を発揮するところばかり目立ってしまうのだろうと。

彼女も私のイメージの「生活オーガナイザー」だ!
とこの本を読んで強く感じました。

心に残ったところ。

「奥様の話を聞いて、私は言いました。
『片づけるの、やめましょう。奥様が本当にこうしたいと思う方法をゆっくり選んでください。それまで無理に片づけなくてもいいと思うんです。』」(p17)

近藤さんとスタッフが仕分けて置いたゴミを再び家に戻してた依頼者は、それを聞いて何日も考えたそうです。そしてプツンと何かが切れた。

「『私は何をしたかったのだろう。なんのために片づけたかったのだろう。(略)私はどうしたいの?このままでいることが私の望んでいることなの?って。そうしたら、ある日突然、こんなものをとっておくことがバカバカしくなったんです。』」(p19)

夫が家を出て行った。
もしかしたら戻ってくるかもしれない。
その時に家の中を出て行った時のままにしておきたい。

その気持ちを吹っ切るきっかけが欲しかったのだと思います。
吹っ切ることができた依頼者は離婚届を出し、物を整理し、家を売り、さばさばと快適に暮らしているそうです。

「それまでの私は、片づけを頼まれたら、片づけなくてはいけないと思っていました。でも、そうじゃないんですね。大切なのは、なぜ散らかってしまったのかを考えること。どうして片づけたいと思っているのかを考えること。それがわからなければ、本当に片づけることなんてできないのです。もしかしたら片づける必要なんて、ないのかもしれない。」(p20)

片づけなくてもいい。
片づけない方がいい。
そういう時も人も場所もあるのだと。

それなりの理由があって、そうなっている。
やみくもに否定するのではなく、なぜそうなのかを考えることが、片づけより大事なこと。

「だって人生の目的は『片づけること』じゃないでしょう?『幸せに暮らすこと』のはずです。なのに、みんな片づけることばかり一生懸命で、幸せになることを忘れている。片づかなくなった理由を考えることが先決なのに、そんなことは考えず、表面ばかりきれいにしようとするから、どんどん幸せから離れていってしまうのです。」(p20-21)

はっとしました。

私の行動は、『幸せに暮らすこと』にほんとうにつながっているか?
『幸せに暮らしてそうに見えること』になってないか?
似てるけど、これは違う。

幸せに暮らすことは、今を丁寧に生きること。
モノときちんと向き合うこと。
モノからのメッセージを受け取ること。
周囲の気持ちを考えること。
感謝できるモノに気づくこと。

ただモノを減らせばいい。捨てればいい。
そうではなくて、『幸せに暮らしている自分(と家族)』のイメージをまず描く。
それに必要なモノ、不要なモノが見えてくれば、きっと行動に移していける。
時間は人それぞれかかっても、方向を間違えてなければいつかたどり着ける。

とても刺激的で、ほっとできて、自分のペースで片づけていこうというモチベーションがあがった一冊でした。
近藤さん、ありがとうございました。(*^-^*)

「そう!目的は『片づけること』『収納すること』ではなくて、『快適な空間を作る』ことなのです。」(p33)

快適な空間を作っていきます!

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