2008年09月28日(日) |
岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』★★★★☆ |
『いつまでもデブと思うなよ』 岡田斗司夫 新潮社
良書、でした。
「自分の人生をコントロールできる。 本書で説明しているダイエット法は、単純だけど奥が深い。実はダイエットだけでなく、生き方や人生に対する姿勢そのものも劇的に変えうる効果がある。」(P23)
と書いてらっしゃる通り、私が学びたい日々の暮らしをいかに気持ちよく、ムリすることなく作り上げていくか、ということについてのヒントを求めて読みましたが、とても参考になりました。
キーワードは自己コントロール。 「把握」「イメージ」「工夫」「習慣」「応用」そんな言葉が残りました。
心に残ったところ。
「その結果、学んだこと。『続けられないダイエットは意味がない』『ガマンだけで楽しくなければ、人間は続けることができない』 続けること。これが、ダイエットにとって最大の課題なのだ。」(p15)
ダイエットのメリットについて、いくつか紹介されている中から。
「自分に自信がつく。(略) ダイエットは、目に見える形で、はっきりした成果があらわれる。(略)見ただけで、明らかな変化が自分にもわかる。他人にもわかる。」(p21)
お部屋の片付けも同じ。 ごちゃごちゃの部屋も、一つ一つ片づけたらその分だけすっきりする。 一カ所だけ片づけたらそこだけはすっきり。 ほこりまみれの場所を拭けばすっきり。
いざ始めてみるとやっただけ成果が目に見えるというのはほんとうに嬉しいこと。 しかもそれが人を傷つけたり、誰かを出し抜いたり貶めたり、勝ち負けがあったりしない。皆で頑張って皆でゴールができるというのもすばらしいこと。
「『やせない』というのは『やせる努力を続けることができない』という意味なのだ。」(p62)
部屋をきれいにした後維持できないのも同じこと。 いかに習慣にしていくかがポイント。
著者はカード破産する人が自分の借金額を知らない(怖いので直視しようとしない)ことと、自分がデブであることとは同じではないか?と考えます。
どうして今自分は太っているのか(なぜ汚部屋なのか)。 現状を知ることがまず重要。 そのためにできること。
「わからないときは、詳細なデータを集めるに限る。 現状を、冷静に数字で把握すること。(略)と、冷徹な事実が見えてくる。」(p83-84)
そこで、食べたものを記録し始めた著者。
その結果、直面したのは、
「私自身が思い込んでいた『太っているけど、グルメで優雅な食生活』という幻想はガラガラと崩れてしまった。」(p98)
「食べた総量よりも、その頻度と無自覚さがショックだった。」(p99)
太っている人は、太り続けるための行動をとっている。 汚部屋の人は、汚部屋であり続けるための行動をとっている。
好きじゃないものに囲まれてる暮らしも、自分がとった行動の結果。 ほこりまみれの部屋も、見ないフリをするという選択の結果。 人間関係がうまくいかないのも、うまくいかないようにしている行動の結果。
無自覚に、でも確実にそうしていたこと。
まず、そこに気づくことが改善への鍵。
そのために有効なのがレコーディング。 無理矢理どうこうしようというのではなく、ただ書き連ねる。 悩みを、迷いを、捨てたモノを、買ったモノを。 これが助走。
そしてある時、気づく。わかる。見える。 これが離陸。
人生は夜間飛行しているようなものを著者は言います。 レコーディングは迷いや悩みの中を飛び続ける自分という飛行機を安全に行きたい場所へ導いてくれる計器のようなものと。 レコーディングが教えてくれる今の自分と、そこから見えてくる自分がどちらの方向へ行きたいのかという声に耳を澄まし、ハンドルを切る。
まず、助走から始めてみよう。 このエールを胸に。
「豪華な旅行は、終わってみればいつもの日常といつものあなたが残るだけ。(略) でも、ダイエットの旅は違う。思い出深く、楽しく、そして誰もが聞きたがる『冒険譚』の終りにあなたを待っているのは『生まれ変わった自分』なのだ。」(p223)
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