2005年09月26日(月) |
群ようこ『いいわけ劇場』★★☆☆☆ |
『いいわけ劇場』 群 ようこ 講談社 (2005/03)
いるいる、こういう人。
でも、近くにいたら嫌。
でも、ちょっと自分にもそういうところあるかも、とドキドキ。
私の近所にも「困ったちゃん」はいるのだけど(私も困ったちゃんかもしれませんが)、もっと強烈に周囲をひかせてしまう『マイペース』を貫く人々が主人公。
スキンケアに命をかけるOL。 無添加食生活は譲れないが彼女も欲しい大学生。 コドモが欲しくて欲しくてかわいくて他には何も見えない会社員。 小遣いをせびる孫よりも、野良猫やカラスの方がかわいくて世話しまくる老夫婦。 洋服を買うのが生き甲斐で、借金しまくっても買わずにはいられないOL。
他にも、あらあらまあまあ、と読みながら人ごとながら作り事ながら「いいのかそれで?」とちと心配になってしまいそうな人々が登場。
でまぁ、群ようこさんらしく、ぜーんぜんハッピーエンドでもなんでもないところが、リアルでよい。
「おもしろうて、やがてかなしき」といった風情の短編集。
秋の夜長にいかがでしょうか。
『いいわけ劇場』
ジャンルでまとめました→読んで捨てる片づける整理する掃除する!
ジャンルでまとめました→本を読んで町へ出よう。
ブログ→捨ててスッキリ。キレイに暮らす。
2005年09月02日(金) |
大勝 文仁『いつのまにか「お金がたまる人」のさりげない習慣―ほんのちょっとした工夫で気がつくとお金がたまる50のヒント』★★★☆☆ |
『いつのまにか「お金がたまる人」のさりげない習慣―ほんのちょっとした工夫で気がつくとお金がたまる50のヒント』 大勝 文仁 こう書房 (2001/11)
ライター、編集の仕事をしてきて様々なお金持ちに出会ってきた筆者が、無理せず自然体にお金をためるためにどうすればいいか、のヒントをあげている。
参考になるものも、ならないものも。 (ちゃんと筆者も個人の意見だと断りを入れている) そりゃ無茶よ。というものもある。
そりゃないだろと思ったこと。 「ダイエットもかねて1日2食主義も悪くない」 「お金のかかる女とは、いますぐ別れよう」
けれど、共感できたのはまえがきにあるこの言葉。
「あるとき、私はその理由がわかりました。それは、「自分の生活スタイルをそのままにして、無理してためようとしている」からである、と。ならば、その人の生活習慣や考え方自体を、お金のたまるかたちに変えることができれば、あとはごく自然に、いつのまにかお金がたまっていくのではないだろうか…」(P1)
そのとーり。 実際お金持ちはそうしているのだろう。
その中で、意識していきたいな、と思ったことを挙げると。
「効率のよい『はがきコミニュケーション』でお金と時間を節約する」
「目標額を決めなければお金は絶対にたまらない」
「小さな目標を立ててお金をためる」
「高いものを買う方が結果的に安い場合もある」
「子供にお金の教育をしておこう」
「たとえ親・兄妹でも保証人には絶対ならない」
一番イタイところ(おっしゃる通りですがなかなか)を突かれたのが、
「お金の資産より時間の資産のほうが貴重である」
私、ほんとに無駄遣いしすぎ。 意識していこう。
『いつのまにか「お金がたまる人」のさりげない習慣―ほんのちょっとした工夫で気がつくとお金がたまる50のヒント』
ジャンルでまとめました→読んで捨てる片づける整理する掃除する!
ジャンルでまとめました→本を読んで町へ出よう。
ブログ→捨ててスッキリ。キレイに暮らす。
2005年09月01日(木) |
長坂 秀佳 川田 弥一郎 高野 和明 真保 裕一 新野 剛志『乱歩賞作家 赤の謎』★★★☆ |
『乱歩賞作家赤の謎』 長坂 秀佳 真保 裕一 川田 弥一郎 講談社 (2006/04/14)
乱歩賞受賞作家の短編集。 面白かった! 面白かった順に並べます。
・真保裕一 『黒部の羆』 冬型の気圧配置が強まっていた。季節も終わり、山小屋を去ろうとする元救難隊の男に届く遭難事故の知らせ。 25年前の馬鹿な男の姿が胸をよぎった。
・高野和明 『二つの銃口』 迷い込んだ大量殺戮者と、閉ざされた無人の校舎に閉じ込められた青年。 極限の恐怖と、精神の深淵を描く緊迫スリラー。
この二つが かなり ド キ ド キ いたしました。
しかも『黒部の羆』は登山モノで、小道具の形状や使い方が私にはさっぱりわからず、小説と私の貧困な想像とはかなり違うはずなのに、それでもものすごいドキドキした。 そして筆者のひっかけに見事に「やられたー!」。 最初「あれ?誤植?」と思った自分が恥ずかしい。 えええーっとまた最初から読み直すミステリーって、騙されても痛快。 そして、人情ものとしてもナンかええ話で読後感よし。 この話だけなら★4つです。 真保さん、面白い!もっと読みます。
『二つの銃口』は映画『危険な情事』のようで、映像がリアルに浮かんで怖かった。 最後までドキドキハラハラの展開。
・新野剛志 『家路』 師走の街で通り魔に刺された主人公。 被害者なのに、加害者のごとく扱われ、その謎を解きに行動を起こす。 冷酷な父との関係、記憶にない過去の犯罪との関係は。
悪くはないのだけど、ちょっと美談にもっていくのが強引じゃないかと。
・川田弥一郎 『ライフ・サポート』 大金持ちの末期癌患者の最後の願いは「昔捨てた娘探し」 同行したプライベイト・ドクター一行は娘を見つけることができるのか、娘が逃げているわけは何か。
これもまぁ面白かったけれど、人物にあまり入り込めなかったです。
・長坂秀佳 『「密室」作ります』 “喪服婦人”からメールで届いたキイワード。「密室」でそのキイワードどおりの事件が・・・・・・。
ちょっとピノ子が変人で(登場人物みんな変ではあったけれど)、ついていきにくかった。 でてきた密室トリック問題、もちろん私は全滅でありました。
それにしてもミステリーは、面白い!
『乱歩賞作家赤の謎』
ジャンルでまとめました→読んで捨てる片づける整理する掃除する!
ジャンルでまとめました→本を読んで町へ出よう。
ブログ→捨ててスッキリ。キレイに暮らす。
|