2003年04月30日(水) |
アニタ・ジェラームさく・え常陸宮妃華子やく『せかいでいちばんおりこうないぬ』★☆☆☆☆ |
『せかいでいちばんおりこうないぬ』 アニタ ジェラーム Anita Jeram 常陸宮妃華子 国土社 (1996/12)
ここ数年で私のハートに一番ずしーっときた絵を描いたアニタ・ジェラームさんの絵本。しかし星はひとつ。
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2003年04月27日(日) |
松岡圭佑『マジシャン』★★★★☆ |
『マジシャン』 松岡 圭祐 小学館 (2003/05)
帯より。 「二転三転四転五転 騙す、誤魔化す、まやかす、眩ます、嵌める、惑わす、誑かす! 前人未踏の記述詐欺ノヴェル」
帯のオーバーな書き方には眉唾な私だが、これはホント、松岡圭佑さんの真骨頂、『二転三転四転五転』、どっちにいくかわからないスペースマウンテンに乗って、あっちゃこっちゃ振り回される楽しさ満載のおはなし。
目の前でカネが倍になる。 参考人が全員そう証言する詐欺事件に挑む枡城刑事。 彼の前に現れたマジシャンを志す少女。 彼女の背後には、すっかり足を洗ったように見える、かつて枡城が追いつめ逮捕した天才詐欺師がいた。 次々に起きるトリックを用いた犯罪、それを追う刑事と少女の知恵。 少女の羽ばたきは、成功するのか。 トリックは。 「犯人」の実像は。
マジックとか、トリックとか、詐欺とか。そういったものって一体なんだ?とあらためて考えさせられた。 騙すことっていけないこと?なんでマジックを見て楽しいの?詐欺ってどこまでがそうなるの?いとも簡単にだまされる人って?
枡城刑事と一緒に捜査に参加する若輩2人もいい味を出してていい。 お互いに「自分はこの人たちのお守かぁ」と思ってるところが。 そして、成長していく様が。
上下2段の363ぺージ。 重厚のようで、あっという間に読まされるおもしろさ。 これもマジック?なんてね。
さて、この方の『千里眼のマジシャン』も借りてきた。 わくわく。楽しみだなぁ。
ところで、読んだ方へ。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ注意!)
そんな私はやっぱり騙される側の人間なのでしょう。 あなたはどうでした?
『マジシャン』
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2003年04月24日(木) |
宮内美沙子『看護病棟日記』★★★☆☆ |
『看護病棟日記』 宮内 美沙子 角川書店 (1996/11)
多くの示唆に富んだ、というのはこういう本のことをいうのだろう。
医療現場の実態、看護婦の過酷な労働環境、やるせない思い。 日記の形で書かれた読みやすい文章。 あとがきに書いてあってはっとさせられたこと。 看護婦による看護婦のための本があまりにも少ないということ。
確かにそうだ。 教師と同じくらいいる看護婦。それなのに看護婦によって書かれた看護婦の現場を語った本があまりにも少ない。 読みあさっている私の実感としても、「まだまだこんなに」というより「だいたい読んじゃったなあ」だもの。
看護婦モノはそれでも多数あるが、その中でもっとも真剣に考えさせられる、看護婦の問題だけにとどまらず、もっと広く大きな視点に立たなければいけない、と感じさせられる。
心の琴線に触れた部分をちと紹介。 『子供の成長をささえ励まし、人間としての人格を尊重し、個性と可能性を引き出し、自分自身や環境とたたかって生き抜く力を育てるのが本来の教育の仕事だとすれば、看護もまた、かけがえのない人間の生存、人間の可能性に働きかける仕事である。』
できるかどうかは別として、そう努力することは必要だろう。 その意欲を持てない、あまりに過酷な環境は少しずつでも改善していかなければ、もちろん、いけない。
このゴールデンウィークにも、休まず(そう。夜勤だってあるのだ)働く看護婦さんに、感謝とエールを送ります。
『看護病棟日記』
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2003年04月22日(火) |
倉島厚『やまない雨はない』★★★☆☆ |
『やまない雨はない―妻の死、うつ病、それから…』 倉嶋 厚 文藝春秋 (2002/08)
あとがきより。 『「伴侶との別れ」や「うつ病」の状況は人により千差万別ですが、この本に書かれてあることの共感や批判を通じて、何かヒントになるようなことがあれば幸いです。』
妻の死に直面した筆者。 自責の念、後悔にとらわれ、いきる気力をなくし、うつ病に。 死に場所を決め、屋上に立ち、とびあがる。 気づけば上に飛び上がり、元いた場所に着地していた。 周囲のサポート。 信頼できる精神科医との出会い。入院、そしてどん底からの回復。
どんなこころの傷も、いやしてくれるのは「時」であること。 そしてサポートしてくれる人(ペット、花など物でもいいと思う。本でも!)の存在。そしてそれを遠慮なく求めること。求めていいこと。
なるほどなぁ、と、まだひどい喪失感を覚えるような別離を経験していない身の自分は心構えを教わった気分。 30過ぎてまだ、というのはすごく幸せなことなのだろう。 逆に、喪失感を感じられる人間関係を築けてこなかった空虚さもちら、と思う。 同居していた身内が亡くなって、泣けなかったんだものね。 悲しくなかったものね。
それはともかく。
もしそういう状況に置かれたら、「責め過ぎないこと」を忘れないようにしたい。人に声をかける時も。 せめて、「残される寂しさ」を味わわせずにすんだ、という救いもあったということを。 やまない雨はなく、晴れっぱなしの日々もない。
人間の死亡率は100パーセント。 少しでも長く一緒にいたいし、逝く時は一緒がいいけれど。 こういう本をたまには読んで、「生きている今」をもっと大事にしようと思い、行動してみるのもいいね。
あの人に、手紙を書いてみよう、なんて。
『やまない雨はない―妻の死、うつ病、それから…』
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2003年04月21日(月) |
赤川次郎『ひとり暮し』★☆☆☆☆ |
『ひとり暮し』 赤川 次郎 幻冬舎 (2002/10)
こんなに読むのがつらい赤川次郎は初めてだった。
どうつらいかというと、「もうやめたい」という衝動と戦うこと。 これくらいの量なら1時間もあれば読み終えてしまえると思うとやめるのもシャクだし、『歴代の途中でやめた一冊』に入れるのもいや、記憶にとどめとく価値を感じないのでさくっと読んで、「あんまりおもしろくなかったな」ですませたい。 ということで、やっとこ読んだ。
なんだか笑いのポイントが違うんだよなぁー笑えなくてつらいんですけど、と人間関係で感じることってある。 かつてしたことのあるお見合いでもそういう人がいて、逆にその重要性に気づかせてもらえてありがたかったという経験をした。
それに似た感覚。
新女子大生の依子が初めてする一人暮らし。 アパートの住人は複雑な事情を抱えた人ばかりで、いきなり部屋に他人の荷物はおかれてるわ自殺未遂はあるわ、トラブルに巻き込まれつつ、けなげに、明るく、前向きに、解決していく主人公。
えっ。 背表紙より。 『頼りなかった少女が様々な事件や恋を通して成長する姿を描いたライト・コメディ。』 うそ。ライトなのは苦痛を感じるくらいよくわかったけれど、コメディだったのこれ。いったいどこで笑えと…。
この作品は『家の光』に連載されていたものだそうだ。 だからかなーと思う。 学生は勉強が本分だし、痴漢には毅然と立ち向かうべきだし、誰かを傷つけてまで自分の恋を優先させられない。正論すぎて、つらい。 それができない人間の性といったものに直面するのが楽しみで読書をすることが多い身としては。 修身の教科書としてはよくできてるのか、な。
赤川次郎さんもつらかったのではなかろうか。 こんな道徳の教科書みたいなお話を書くのは。 大金持ち、リゾートホテル、芸能界ときらびやかな道具を使ってみたところで、白々しさ倍増という気もするのだけど。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ関係なし) 暴論ですが、実感です。
『ひとり暮し』
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2003年04月20日(日) |
東野圭吾『犯人のいない殺人の夜』★★★☆☆ |
『犯人のいない殺人の夜』 東野 圭吾 光文社 (1994/01)
帯より。 『犯人がいないのに殺人があった!? でも犯人はいる。あなたに挑戦する本格推理小説』
短編でもない長編でもない、中編?(あってる?なんて言うんでしょう。ああ語彙の貧困)小説が7編。 読みやすく、推理を楽しめる。 でもでも、東野圭吾さんというと私には「イタイ思いをさせてくれる人」という期待が先立ってしまうので、推理小説はいいかなぁ、なんて。
とはいうものの、それなりのイタさが各編にあり。 よかった順に並べると、 『踊り子』 真相を究明するのが少年ではなく家庭教師なのはなぜかが最後にわかって、イタタタタタ。あこがれが、善意が悲劇を生むこともあるなんて。 『小さな故意の物語』 男二人、美少女一人、三角関係、優等生の死、彼の名は達也。 といえば、タッチ。 ぜーったい意識してると思うのだが、それはともかく。 自殺のようでいてしかし動機が考えられない友人の死の真相に迫る主人公。 最後に明かされる動機に元女子高生としては、切なくなった。 まあ私は南ちゃんというよりはたまに出てくる脇役の女の子でしたけれど。 『エンドレスナイト』 大阪が嫌いな主人公。東京で暮らせて安心していたら、夫が仕事で大阪に引っ越すことに。単身赴任の夫が殺されたと聞かされ…。 大阪(の雰囲気)が大好きで、それが理由で進学先も決めたくらいの私には興味深く読むことができた。 刑事の一言一言がしみてくる。おおだこ食べたいなー。 並んで買ったチーズケーキもまだ売ってるのかなー。 びっくりパフェもなつかしいなー。 『白い凶器』 って、何のことか、今気づいた。ああ、ほんとうにそうだ。 自分の第一子が低体重児で危なかったんだけど、妊娠初期に勤務してた職場が分煙不徹底のところだったから、その影響も少しはあったのかな、と思う。 タバコは、人に吸わせないでください>喫煙者さん これが当たり前になならなくちゃ。
あとは略。 『闇の中の二人』『さよならコーチ』『犯人のいない殺人の夜』でした。
『犯人のいない殺人の夜』
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2003年04月19日(土) |
東野圭吾『嘘をもうひつだけ』★★★☆☆ |
『嘘をもうひとつだけ』 東野 圭吾 講談社 (2003/02)
帯より。 『嘘は必ず暴かれる 本格的謎解き小説』
殺人犯の『嘘』を、我らが(!)加賀刑事が暴くというより、解きほぐす、光を当てる。 ささいな矛盾に気づき、追及し、証拠を動かぬ物にする。アリバイを突き崩す。 アホな一読者の私は、全部読み終えてから「あ、そっか。なるほど」とわかったようなやっぱりわからぬような感想をいだく。 読みながら先を読むミステリファンにはとても楽しいであろう一冊。 単純に加賀ファンにも嬉しい一冊だ。
では、おもしろかった順に。 『冷たい灼熱』 これはおもしろかったというよりは、痛ましくてリアルで嫌だった。 先日もこれと同じ状況で隣の市で赤ちゃんが亡くなった。 なんとなく、『交通警察の夜』同様東野圭吾さんの問題意識がとてもうまく小説になっているように思う。 『狂った計算』 夫と呼ぶのも不愉快極まりない存在を、うまく消す方法を考えた、いわゆる不倫のふたり。 計算が狂い、彼女は菊とマーガレットを買う。 後悔先に立たず。しかしこんな不愉快な夫、今もいるのかな。いるんだよね。我慢してるんだよね。いくない、いくない! 『嘘をもうひとつだけ』 真の動機にせまっていく、でも冷静な加賀刑事がかっこいい。 『友の助言』 妻に睡眠薬を入れられたのではないか。高速道路で死にかけた友人に助言する加賀刑事。証拠はあるのか。動機はなにか。 ワーカホリックはいけないね。 『第二の希望』 犯人の意外さもさることながら、殺人の方法が驚き。 またその動機もせつない。せつなくても殺しちゃあいかんと思うが。
というわけで、まだまだ読むぞ!東野圭吾さんっ。
『嘘をもうひとつだけ』
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2003年04月18日(金) |
ドン=フリーマンさくまつおかきょうこやく『くまのコールテンくん』★★★★☆ |
『くまのコールテンくん』 ドン=フリーマン まつおか きょうこ 偕成社 (1975/05)
デパートのおもちゃ売り場。 くまのぬいぐるみ。 ボタンもとれちゃってて、新品なのに誰も買ってくれない。おうちに連れて行ってくれない。 ある日、「ずっとまえからこんなくまがほしかったの」と言ってくれる女の子リサがやってきてくれた。 でも、ママはお金がないこと、ボタンがとれてることを理由に買ってくれず…。 コールテンくんのしたことは。 リサのしたことは。
コールテンくんのさみしさ。 リサのけなげな努力。 好きという気持を行動に移すこと。 ありのままの相手を受容する強さ優しさ心地よさ。
そういったものがストレートに表現されていて、ハッピーエンドにほっとさせられる。
「あたし、あなたのことこのままでもすきだけど、でも、ひもがずりおちてくるのは、きもちわるいでしょ」とボタンをつけてくれる女の子リサ。
ありのままつながりでいうと、 『かあさん、わたしのことすき?』ジョシー作ラヴァレー絵渡辺一枝訳 『ガチャガチャゆうれい』マイケル・コールマン文クリス・モルド絵ながくぼれいこ訳 『ちっちゃいかわいいちゃん』アニタ・ジェラーム/さく 小川仁央/やく 『どんなにきみがすきだかあててごらん』かな。
『かあさん…』は娘が母親に自分のことを好き?こんなでも好き?と確認、それに母親はだあいすきよぉぉーっと答えてくれる、親子の絆、愛情をうたった本。 悪いけど、私はダメだった。 『ラブユーフォーエバー』だっけ。これと同じ居心地の悪さを感じた。
『ちっちゃいかわいいちゃん』『どんなにきみがすきだかあててごらん』では泣けるのに、なんでだろー。 おしつけがましさ、を感じるか否かかしら。 ダメな方は、「好き!」「愛してる」どまりだけど、いい方は、「(好きで)嬉しい」「(愛してて)しあわせ」を表現してるから。 理屈をつけてみたけど、そんな気がする。
愛する対象がいて、しあわせ。 しあわせだから、にっこりする。 にっこりすると、まわりもしあわせ。
そんな毎日を送りたい。
『くまのコールテンくん』
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2003年04月17日(木) |
貴志祐介『青の炎』★★★☆☆ |
『青の炎』 貴志 祐介 角川書店 (2002/10)
最近私好みの「いたい」小説が続き、嬉しいのだけど、いたいんだなぁ…。 つられてブルーになったりして。 「手紙」を読んだ後は2日ほど口数が少なくなってしまったし。
帯がまた煽ること煽ること。 『こんなにもせつない殺人者がかつていただろうか 光と風を浴びて、17歳の少年は、海沿いの道を駆け抜ける。 愛する妹と母のためにーー。氷のように冷たい殺意を抱いて。 人間の尊厳とは何か。愛とは、正義とは、家族の絆とはーー。熱き感動を呼ぶ現代日本の『罪と罰』。日本ミステリー史上、燦然と輝く永遠の名作、ここに誕生。』
ということで、相当期待して読んだら、裏切られずに嬉しい! でもやっぱりいたた…だからなぁ。(しつこい) ただ、帯はちょっと書き過ぎでは。『燦然と輝く永遠の名作』って、ねぇ。
17歳の未熟さと成熟の加減、限界といったものを思い出させてくれた。 すごーく醒めた部分と、熱くなっていた、しまっていた部分。 ためらいと、一歩踏み出した時の達成感とも後悔ともいえない、後戻りできな責任の重圧。罪悪感。 ラストはあの選択が彼にとってはベストだったんだろうか。 んー愛する母や妹、彼女(微妙な位置だけど)を『手紙』の主人公にしちゃうわけだものなぁ。 彼なりの『愛』だったんだよね。いたすぎる、選択。
おじさんの病気や彼が酒は飲んでもタバコは吸わないとか友人に恵まれていること、知的にも優れていることなどはあえて効果を狙ったことだとわかっていても、「生きてて、まっとうな社会人として活躍してほしかったなぁ〜」なんて、将来を嘱望してしまう気持にさせられた。
刑事の追いつめ方も緊迫感があってドキドキ。 真実にせまる、認めたくない、受け止める、家族や彼女の気持にもきゅーんとなった。
『愛』って大事。
『青の炎』
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2003年04月16日(水) |
飯野和好『ねぎぼうすのあさたろうその1』★★★☆☆ |
『ねぎぼうずのあさたろう〈その1〉とうげのまちぶせ』 飯野 和好 福音館書店 (1999/11)
すっきだなぁ。この人の、絵が。
ぐちゅっ、べちゃっ、どりゃあっ。 こんな擬音をつけたくなるタッチ、勢い、色遣いがいいんだなぁ。
お話はというと、やつがしらのごんべえとこいものちょうきちが、しいのみのおようちゃんをいじめている。それをやっつけたねぎぼうずのあさたろうは、仕返しが周囲に及ぶのをおそれ、ひとり旅に出る。 茶屋で一服、そこで出会った怪しい浪人。山道で切り掛かってきた彼は、ごんべえに頼まれた刺客だった。はたしてあさたろうはこのピンチを乗り切ることができるのか…?
もう、笑えて読み聞かせするのが大変だった。 そばでミステリーを読んでいた相方も何事かと耳をそばだてウケる始末。 「ゆうきのねぎじる」って何よ…おかしすぎる。 あさたろう反撃のページは、絵といい、文といい、展開といい、たまらない。 わかっちゃいたけど、こそばゆすぎる。 息子2歳11ヶ月もどこにぐっときたのか、「もっかい!」コール。
ぜひ、みなさん、声を出して読んでみてください。ぜひぜひ。 しょーもないことで落ち込んで、元気だしたい時になんかベストでは。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ注意!) それにしても、「二代広沢虎造風浪曲節で」ってのがどんなんなのか、ぜひ聞いてみたいと思います。
その2も楽しみだー。
『ねぎぼうずのあさたろう〈その1〉とうげのまちぶせ』
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2003年04月14日(月) |
東野圭吾『手紙』★★★★★ |
『手紙』 東野 圭吾 毎日新聞社 (2003/03)
星は4.5ってとこなんだけど、5に近いので、星いつつ。
読み終えて、うわぁぁぁーーっとうなってしまいました。 痛い、痛すぎる。 泣いちゃうと後が大変なのでぐっとこらえる。 かなしくて、さびしくて、やりきれなくて、わかるような気がして、せつない。
貧しいけれど、仲のよい兄弟がいた。 兄は弟の進学費用をどうしても用意したくて、こそ泥を思い付く。 お金をポケットに入れて逃げようとしたところ、家人に見つかり、通報しようとした彼女を殺してしまう。
すぐに逃げればよかったのに。 そうしなかった理由にも、いきなり泣かされそうになる。バカ!バカバカ!
で、お話は服役中の兄を持った弟の人生の紆余曲折と、苦悩、選択へと続いて行く。 住まい、就職、結婚、夢、「殺人を犯した兄を持ったこと」で弟がしょわされた重荷、苦労、被差別。 差別を肯定し、ヒントをくれる人との出会い。 そして彼の選択は。
この作品がイタイのは、フィクションでありながら、ノンフィクションだということ。 殺人も毎日のように起きている。交通事故も起きている。 加害者被害者がいて、その家族がいる。 関わったすべての人が、傷ついている。苦しんでいる。
フィクションとして距離をおいて読める、今の自分はなんて幸せなんだろうと思う。 ノンフィクションどころか、そのままの人生を送っている「弟 直貴」の立場の人、彼の妻の立場の人、彼の子どもの立場の人、被害者の人、遺族の人、被害者家族の人、そういったすべての人が心やすらかでいられるように。 なにができるだろう。 自分の周囲がやすらかで平和でいられるようにすることだよね、まずは。
最後の兄からの手紙が、もぅ、くぅう、と思わされます。 最後から読んじゃ、絶対ダメ! 松岡圭佑さんの『煙』もそうだけど、最後のどーん!を楽しみに、じりじりと読んでくださいね。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ注意!) …と思いませんでした? bk1の『手紙』のページ
『手紙』
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2003年04月13日(日) |
アニタ・ジェラームさくおがわひとみやく『ぼくはぼくのほんがすき』★★★★☆ |
『ぼくはぼくのほんがすき』 アニタ ジェラーム Anita Jeram おがわ ひとみ 評論社 (2002/05)
最近はまっている、アニタ・ジェラームさんの本。 んもう、たまりません。 たべちゃいたいくらい、素敵。
背表紙より。 『ぼくは ぼくの ほんが すき。 みためも すきだし、てざわりも だいすき。 ぼくを いろんな ところに つれていってくれて、 すてきな ともだちにも あえるんだ。 さあ みんな、ぼくと いっしょに ほんの なかに でかけよう!』
どういう話かというと、これだけの話です。 ムズカシク言えば、「本の世界の素晴らしさを伝える」。むずかしくないか。 えーと、その「素晴らしさ」を、食べちゃいたいくらいにかわいい絵で、いろんな角度から光をあてて、大人から子どもまで、気持よくさせながら感じさせてくれる。 「頭」ではなくて、「心」に響く本。
絵本を読むと国語の力がつくとか、文字を覚えていいだとか、内面の世界が広がるだとか、そういうのを「脱皮」したところにある、
美しいもの、楽しいものが、好き そういう世界に連れてってくれる本が、好き
そんな感性が自分にあったことを気づかせてくれる素敵な本。
いまだかつて、こんなに美しく、楽しく、わかりやすく、心地よく、おしつけがましくなく(ここ重要)、本の楽しさよさを伝える本には出会ったことがない。 本が大好き、絵本も好き、というアナタにおすすめです。キライな人にさえ、手に取ってみてもらいたい。
本は暑いときパラパラめくって涼むことができたり、まぶしい時にひよけにもなる、なーんていう「すきな理由」が載ってるんだけど、 さいごのページがまた、キュートっ!
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ注意!) 読めそうで読めなかったオチでした。
『ぼくはぼくのほんがすき』
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2003年04月09日(水) |
嵐山光三郎『活字の人さらい』★★☆☆☆ |
『活字の人さらい―愛書少年不思議譚』 嵐山 光三郎 筑摩書房 (2002/07)
帯より。 『本邦初の冒険読書小説! ルパンとホームズとベルヌのような事件が僕の身にふりかかるなんて!』
昭和20年代の終わり、東京の国立。 愛読少年裕太はテレビより映画より、読書に耽溺していた。 ものすごい読書欲、膨らみまくる妄想。 そんな裕太の家に、あやしげな父の旧友ジョンが訪ねてきてから起こる事件の数々。
この裕太の読書っぷり、妄想っぷりには敬服。 もうワタシなんて、正直こんなタイトルの日記をつける資格はまったくもってないとあらためて反省させられました。 まあワタシは読書中毒というより活字中毒だからちと違うか。
それはすなわちこの作者の読書っぷり、妄想っぷりのすごさでもあるわけで。 解説で椎名誠さんもびっくらこいてました。
少年向けの小説なのかな?昔少年だった今大人向けなのかな? すこーし退屈しながら読みましたが、ラストのあたりでぴりっときいたどんでんがえし。 読み終えてなお、残る余韻。 読み切ってよかったと思えた。
私も活字にさらわれて非日常の時間を楽しみたい。これまでも、これからも。
『活字の人さらい―愛書少年不思議譚』
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2003年04月08日(火) |
秋山とも子『でんしゃがまいります』★★☆☆☆ |
電車好き、のりもの好きのお子さまをもったおとうさま、おかあさまにオススメ!
私のイチオシのりものの本というと『しゅっぱつ しんこう!』なんだが、これもなかなかおもしろくていい。 けれど、2歳児にはちと早いかも。たっぷり楽しめるのは3、4歳かな。いや、年長さん、1年生くらいかも。
めくったところにこうある。 『この ほんは、とうきょうの しんじゅくという おおきな えきの、5、6ばんせんホームの いちにちを えがいたものです。』
朝6時から、深夜1時すぎの閉鍵までが描かれている。 新宿駅だけあって、すごい人。 田舎暮しの私には絵だけでも「うっひゃー」となってしまう。(人混み苦手なので)
電車に乗りにくる人、降りる人、働く人、乗り換える人、通勤の人、遠足の子ども、結婚式の人、靴を落とす人、迷子になる子、旅行に行く人、忘れ物をする人、寝過ごしそうになる人、お金を拾う人、転ぶ人。 人の数だけドラマがあるのだなぁ、と「他者」の存在をあらためて実感させられる。
ホームで流される放送のセリフもページの上の方に書かれていて、ついつい声色を作って「えーっまもなくぅ6番線にぃでんしゃがまいりっまぁーす。はくせんのぉうちがわまでぇおさがり、くださぁい」なんて頼まれもしないのにやってしまう。えっ私だけ? (絶対、やってるはずだ!やらずにいられないはずだぁ)
人が多いのだけれど、さりげなく何度か出てくる人もいて、私がたまんない!と思ったのは迷子の親子。 ↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ注意!)
どこに出てくるか、さがすのも楽しい『ウォーリーを探せ!』『とこちゃんはどこ』のような楽しみ方もできる、いい本だと思います。
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2003年04月07日(月) |
島津睦子『手作りケーキ失敗の原因がわかる本!』★★★☆☆ |
『手作りケーキ』 島津 睦子 グラフ社 (1993/11)
こう見えてもお菓子作りが好き。
というとほとんどウソだが、ここ半年くらいはご近所さんを巻き込んで、ちょこまかちょこまかと作っている。 去年買ったホームベーカリーがきっかけかなぁ。 生チョコ、ポンデケージョ、苺のケーキ、クッキー、シフォンケーキ、ガトーショコラ、パンナコッタ、マフィン。 作ったといってもなんとかミックスを多用しているので本格派さんにとってはまさに「ままごと」だと思うけど、おいしくて楽しくて安い!というのはセコケチ主婦のハートをがっちりとつかむわけで。
で、図書館から借りてはほとんど眺めて返すばかりだった私が、この本を見て、スポンジケーキを焼いてみた! 別のレシピでは一度失敗してるのだが(厚さが2センチ…)、この本は失敗した状態のケーキ、まぜた状態などを写真つきで丁寧に解説してくれているのでわかりやすくてよい。 スポンジケーキも共立てと別立てと両方紹介してくれていて、私が選んだのはもちろん「失敗の少ない」方。 画像を確認しながら、レシピどおりにすすめる。 (一か所、入れるボールを逆にしてしまった。ダメ?) style="border:1px solid green;color:#000000;background-color:#ffffff"> ↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレなし)
ケーキ屋さんのような、ふっわふわ、にはとてもならないけど、まあ満足。 でもいつかアレを作ってみたい。
他にもいろいろとレシピが紹介されている。どれも写真もついてておいしそう。私がやってみたいなーと思ったのは、クリームチーズタルト、紅茶のケーキ、シフォンケーキ、アップルパイ、アイスボックスクッキー、ブッシュドノエル、チーズスティックパイ。 単に食べたい物を並べただけになってしまった。
料理もそうだけど、ホント、『なにごとも先達はあらまほしき』ですね。
『手作りケーキ』
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2003年04月06日(日) |
東野圭吾『白夜行』★★★☆☆ |
『白夜行』 東野 圭吾 集英社 (2002/05)
長い。 そして痛い。
長くて痛い小説です。 こういうの、スキです。
上段下段に別れていて506ページ! 相方に1週間かかるといわれましたが半日で読んでしまいました。夜中になっても止まらなくて、朝刊を配達するバイクの音が聞こえた時はヤバイ、と思ったけれどやっぱり止まらない。止めたのは娘の夜泣きでした。 ラスト10ページを残して寝たので、夢の中でつづきを考えてしまって疲れた。 ふたりくらい余計にはめられて殺されたような。
ずいぶん力を入れて書かはったな、というのが感想。 東野圭吾さんてもっとさくさく読める文章、内容が多かったと思うのだけど、これは微にいり細にいり、懇切丁寧に、でも無駄はなく書かれてる、と思う。 次々と登場人物が出てきて、ついていけるかどうか心配になった。(苦手なのだ)
東野圭吾を評価し宮部みゆきをけちょんけちょんにいう相方は、これも面白かったそうだ。 これがいけるなら『模倣犯』もいけるって!と思うのだけどどうでしょう。 ちなみに私は『模倣犯』は途中まではめちゃめちゃ面白かった。後半で力つきたのか?時間がなかったのか?という印象を持ったのは「深さ」が感じられなくなったから。中居くんのイメージがつく前に読めたのはよかった。
孤高のふたり。 彼等の人生に太陽がさしたことはなく、白夜を行くかのよう。 自分(たち)で自分を守るために、生きるために。 よりよく生きる、とかいうキレイ事ではなく自分の現在を生き残るため。 そのための手段は選ばない。選ばない方が効果的でもあるし。
で、あんなひどいこと、こんな痛ましいことを画策、実行していく。 証拠は残さず。 それを追う探偵、刑事。違和感、危機感を感じた身近な男性。 その起因となる不幸な事情が最後に明かされ、痛さの極地でストーリーは幕を下ろす。
汚い大人は許せない。でもだからといってやっちゃいけないことはいけないよ…。でも「復讐」なんだよね。目には目を以上のことはしてないとも思う。
さーってっ、次は何を読もうかな。
『白夜行』
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2003年04月05日(土) |
梶尾真治『黄泉がえり』★★★☆☆ |
『黄泉がえり』 梶尾 真治 新潮社 (2002/11)
背表紙より。 「あの人にも黄泉がえってほしいーー。 熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして”黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みをかかえ…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。
いつもながら、こういう文章を考える人というのはうまいなあ、と思う。 ここで「うっ読んでみたい」とつかんだ本を持ってレジに向かわせなくちゃいけないわけだから書く方は、真剣勝負。 それでお金をもらうプロでもあるわけで、読み手としてはその本の面白さをさらっと教えてもらえると助かる。たまに「誇大広告だ!」とクレームをつけたくなるケースもあるのが困るけど。 この本はそこそこ適切に解説されていると思います。
ホラーはほとんど読んだことがないジャンルなのだが、これは面白かった。 黄泉がえる人たちがゾンビみたいではなく(全部では…ごにょごにょ)、黄泉がえりの条件が愛されていた、もう一度会いたいと思われていたということがミソなんでしょう。
行政の困惑した対応ぶりもありそうで面白かった。 黄泉がえりの希望をもって転居してくる人たち、病苦で苦しむよりはいったん死んで健康な姿で黄泉がえる方がいい、と自殺する人たち。ありそう。
現実に起きたら、どうだろう。 自分の周りで起きたらどうだろう。 母方のおばあちゃんは黄泉がえるだろうなぁ。私含め、本当に大好きだったもの。 犯罪で亡くなった人も遺族の念によって黄泉がえるだろうけど、犯人はこのひとでした、ってなったら警察も大忙しだ。これについてはあえて書かなかったのかな。違う話になっちゃうものね。
私自身はどうだろうなぁ。 黄泉がえらせてもらえるかしら。そこんところを考えるのが一番の「ホラー」だったりして。恐い恐い。そうでありたい。努力もしなくちゃ。
ところで、クライマックス。地震のエネルギーを吸収した「彼」がごにょごにょした後で、「彼」だけごにょごにょだったのはなぜでしょう??? 誰か教えてください、わかりたい、わからない。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。 もうその年はこれ以上恐い本はけっこうでございます、というくらいびびりました。
『黄泉がえり』
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2003年04月04日(金) |
岸本葉子『三十女のおいしい暮らし』★★☆☆☆ |
『三十女のおいしい暮らし』 岸本 葉子 講談社 (1997/12)
帯より。 『おいしくて、きれいで、元気がイイ。 おんなの興味は果てしない。 でも、でも、 おいしい暮らしにゃワナがある!?』
著者のいいたいことを理解するには、あとがきだけ読めばOKです。ぶっちゃけ。 大事なメッセージがそこにあるから。
三十を迎えるまでの、落ち着かない気持ち、焦り、悩み。 それが、迎えてみたら何も変わらない現実。 そして、あるトシになったらキッパリ何かにケリがつく、というわけではなく、やっぱりそれなりにジタバタしながらトシを重ねていくんだ人生は、と気づく。 そして、すうっと気がラクになった。
わかる、わかるなぁ。 私は欲張りで要領が悪い人なので、焦りはしょっちゅう。 最近というか、昨日ふうっとラクになった。 アピタで目にして買ってしまったミニ掛け軸。 『泣いても怒っても悩んでも同じ一日。どうせなら笑って一日。それが幸せへの道』とかなんとかがトンボとお地蔵さんのイラストとともに書いてある。 ああ、そうだなぁ。 最近、いい一日を毎日過ごしてないよなぁ、笑って過ごしたいなぁ、と衝動買いしてしまった。
この本は、そんな感じで、著者が人生楽しもっと!と気になってやってみたかったことにトライ(と言うほど力入ってないのがまたいい)してみた記録。 エッセイになるのかしら?読みやすくて楽しかった。 私も気になってた、やってみたいことめじろ押しだもの。
高級レストランの食べ放題。 足つぼマッサージ。 韓国式あかすり。 料理教室体験。 占い。 健康器具。 海外通販。 オーダー下着。
なんか、「ギャル」でもなく、「おばさん」でもなく(…か?)、微妙なまさに「妙齢」の女性の関心事を捉えているので、この年代の女性を理解する一ツールとしてもよいかもしれません。ほんまかいな。
『三十女のおいしい暮らし』
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2003年04月03日(木) |
アニタ・ジェラーム/さく 小川仁央/やく『ちっちゃいかわいいちゃん』★★★★★ |
『ちっちゃいかわいいちゃん』 アニタ ジェラーム Anita Jeram 小川 仁央 評論社 (1999/06)
昨日は読み聞かせボランティアの打ちあわせ。 そこに持ってきてくれた数冊のうちのひとつ。 あ、うちにあるお気に入りの『どんなにきみがすきだかあててごらん』人のだ、とぱらぱらめくり…。
買う! 絶対買う! 1400円、安いっ!この本なら安いっ! 思いがけず大興奮。おちつけ、おちけつ。興奮しすぎて2ちゃん語まで出る。
まず、絵が素晴らしい。 かわいくて、たまらない。 サラ・ミッダの絵が好きな人なら、これもきっとはまる。 淡い色のさささっという塗り方が好き!色遣いも好き好き!
私のハートには「いじらしさ」がどーんと飛び込んできて、全ページに泣かされそうになる。 そう、表紙をめくったところにもちまちまと野にある物たちのイラストからしてきゅーんとさせられる。 ストーリーは「ちっちゃなかわいいちゃん」ウサギの日常と小さな冒険。
ともだち、そしてママ。 大好きな人に囲まれた平穏な暮らしがいかに幸せで大切か。 平和と愛される喜びといったものを優しく、あたたかく、心地よく伝えてくれる一冊。
迷子の”Bunny, my honey”が不安の中であっママだ!と気づく音のないページ。 むぎゅーっとママが”ちっちゃいかわいいちゃん”を抱きしめるページ。 かわいくて、いとしくて、うれしくて、泣けるよ、ホント。 うちにも”ちっちゃいかわいいちゃん”がいるからかもしれないね。ぷりぷりおけつに頬ずりをしちゃったり、はな垂れさんでも「こんなにかわいくてはさらわれてしまうっ」と不安になったり。バカ親まるだし。すみません。
原書も欲しくなること間違いなし。
↑押すと続きが読める投票ボタンです。(ネタバレ関係なし)
『ちっちゃいかわいいちゃん』
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2003年04月02日(水) |
東野圭吾『十字屋敷のピエロ』★★★☆☆ |
『十字屋敷のピエロ』 東野 圭吾 講談社 (1992/02)
帯より。 『いまはただ”すごい本格推理”としか言えない。 ピエロ人形が目撃した殺人事件のありのまま。そこに大きな罠と意外な結末が!斬新な発想で読者に挑戦する野心作!』
これが”すごくない本格じゃない推理”だ!というのを読んだことがないので、ほんとにすごい本格推理なのかは私は言えないんだけど、全く読めない推理小説でありました。 面白かったです。
こんなに凝ってて、でも「無理矢理やん」「むちゃくちゃやん」「なんでもありかいな」と思わせない作りなのが東野さんのすごいところかなぁ。 (そういうのを集めたのが『名探偵の掟』。あ、もっかい読みたくなった)
あとは、えっあれがそうだったの、あの人はあの人じゃなかったの、真犯人はえっあの人、ええーっずるいーっと思わされること多数で、ころっとだまされたり信じ込んだり思い込んだりしてた自分が恥ずかしくなったりしてしまい、「いけずーっ」と叫びたくなる。そういう気持にさせるのも、すごい。
いやしかし、なんですな。 (なんで今日は小枝な気分なんだろう。ま、いっか) いろいろ読ませてもらってきたけど、東野さんの作品にははずれがない。 けど、推理小説よりも泣ける話、切ない話、笑える話の方が好きだなぁ。 てことで、次は『白夜行』を読みます。
『十字屋敷のピエロ』
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2003年04月01日(火) |
エイダン・チェインバーズ著こだまともこ訳『みんなで話そう、本のこと』★☆☆☆☆ |
『みんなで話そう、本のこと―子どもの読書を変える新しい試み』 エイダン チェインバーズ Aidan Chambers こだま ともこ 柏書房 (2003/02)
副題『こどもの読書を変える新しい試み』。
帯より。 『国際アンデルセン賞作家賞受賞(2002年)の著者がみつけた ”最強の「ブックトーク」とは?” いますぐ役に立つ15のワークショップとオリジナル作家別ブックリスト付き」
えーっと…。 読みました。ざっくりと。一通り。 わかるような、わからないような。わかりたいような、わかりたくないような。 そんな気持。
今は「語り」の時代。 だからよく(自分の考えを明確に)語る能力を磨く必要がある、と。 で、この本は読んだ本についてよりよく語れるように手助けをするヒントとノウハウを教えてくれる。のだそうだ。
子どもが本についてよりよく語ることができるようになる、ということは、彼等のこれからの人生で出会う様々な事象についても、自分の頭と心で考え、感じ、語ることができるようになる。 それは、語りの時代である現代を生き抜くために、役に立つ、と。
「生きてる時代に必要とされる能力は身に付けた方がいいだろうこと」 「自分の言葉で語れることは重要」 というのは、わかる。 わからないのは、もとい、わかりたくないのは、その手段が本である必要があるのかということ。
子どもに対して、本の面白さを伝えるのに、感想を聞くな、という鉄則がある。 本嫌いにするには、感想を聞き、質問をして、確認をすればいい。 その立場からすると、この本は、この方法は噴飯もの。
と思ったけれど、違うんだろうね。
「子どもの読書」を変える新しい試み、とあるくらいだもの。 変える「子どもの読書」がすでにある国の話だもの。 「子どもの読書」がそもそもない(非常に少ない、深刻なほど少ない)国の人にとっては、ちょっとすすみすぎててついていけないのかもしれない。 もちろん「子どもの読書」ができてる国でも、この”Reading & Talk”の鉄則やタブーはある。たとえば「どんなことでも発言でき、どんな発言でも尊重する」。 私はこの本、つまんない!嫌い!と言えるかとか。
もひとつ消化不良なのでまた機会があれば読んでみたいと思う。 ただ、本について語ることは、「教育的効果」を考えてってのは好きじゃないけれど、実際楽しい。 最近夫婦でミステリーを読みまくっててそれについて話すのがとても楽しい。 自分の言葉で自分の感じたこと、考えたことを語ること、相手の言葉を理解すること、そういうのが楽しい。 そうだね、小さな頃からこういう経験を積むのもいいことなんだろうね。 この本は
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『みんなで話そう、本のこと―子どもの読書を変える新しい試み』
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