活字中毒のワタシの日記

2002年10月17日(木) 大原広軌著藤臣柊子マンガ『精神科に行こう!』★★★★☆

精神科に行こう!
精神科に行こう!
大原 広軌 藤臣 柊子
情報センター出版局 (1999/04)

副題、心のカゼは軽〜く治そう。

精神科に行く。
そのハードルは、一般人にはとてーも高い。
かくいう私もそのひとり。

行くべき、行った方がいい、行ってみようかな、と思いつつ、行けたためしがない。
「こんな程度で病院なんて」
「これって性格のせい」
「生理の前だし」
なーんていいわけしつつ、涙ダーーーーーっだったり、周囲に当たったり、もう皿の一枚も洗えない状態になったり。

そういう時もあるよね、と思っていたけど、この本読むと、どうも違うやり方があるみたい。
心の風邪には、おくすり。
それで、ものすごく楽に、にこにこに、なる、と。
薬を使ってまで…って思ってたし今も思っているけれど、もしかしたら薬飲んで楽しく楽に過ごした方が生き方として、ハッピーなんではなかろうか。
自分にとっても周囲にとっても。

もっと自分にやさしくすることって大切なんだろう。
癒し系グッズに囲まれたりすがったりするよりも、一錠のおくすりがずっと心を、体をラクにしてくれるのかもしれない。

この頃うそみたいにぶちぶち切れては落ち込む私、楽になりたい。
笑顔でいたい。
ぐっすり眠りたい。
こころからリフレッシュしたい。

舌打ちする自分なんて、ほんとうにいやだ。

精神科、かぁ。
いってみるべ。

マンガもイイ!
文章もとても私好みで、デビュー作らしいのだけど、次も出たら読むよ!
ひさびさにがんばれーと思える人に出会えた。

あなたも、わたしも、ラクに、楽しくすごせるように。
人生一度だからね。

(…数年後。神経科受診デビュー、通院、服薬を経て、現在フルタイムで就業する程私は回復しました。悩んでる方、ほんとおすすめ、もっと早く行けばよかった〜と思うはずだから、一歩を踏み出してみてね。まずはこういう本読んでみてね。読む気力があるうちに)

精神科に行こう!



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2002年10月05日(土) 『ゴルゴ学』★★☆☆☆

オフィシャル・ブックTHEゴルゴ学
オフィシャル・ブックTHEゴルゴ学
ビッグコミック特別編集プロジェクト
小学館 (2000/11)

ゴルゴ13をいろんな角度から分析、そして語って味わおう、という本。
相方が図書館で借りてきた一冊。

実は私、記憶に残るほど読んだことがなくて、その状態で徹底解剖!というのを読んだのだけど、そこそこおもしろかった。

ゴルゴって、人間じゃないやん。

でもおもしろそう。
読みたい読みたい読みたい。おいてあるユースホステルに泊まるとかしかないのかなー。(マンガ喫茶はけむそうだから行けないのだ)

政治的背景とか哲学、神学、社会学、美学、いろんなことがつめこまれていて読みごたえのある漫画らしい。ううう、読みたい。

ただね、ベッドテクがうんたらかんたらはあんまりいらないなー。

オフィシャル・ブックTHEゴルゴ学



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2002年10月04日(金) 赤川次郎『老兵に手を出すな』★★★☆☆

老兵に手を出すな―一億円もらったら〈2〉
老兵に手を出すな―一億円もらったら〈2〉
赤川 次郎
新潮社 (1999/03)

「一億円もらったら」の第二巻。

莫大な財産を持った実業家が、ドラマがあること、を条件に一億円をあげる、という話。
悲喜こもごものドラマが繰り広げられて、実のある一億円の使途になんだか納得させられる。

短編が5つおさめられているのだけど、私は『崩壊家族』がリアルでおもしろかった。
リアルということはお金への執着がリアルに描かれていて、その気持ち悪さが実感できたということで、おもしろい、というのとはちょっと違うのだけど、ラストがさわやかに決められてて、やっぱり赤川次郎だなーと思わされた。

タイトルの「老兵に手を出すな」も人物描写に深みが感じられていい。
「青春の決算」はウッソー、って感じだけど。
秘書の田ノ倉のさりげない活躍もいいね。

私の中では、このシリーズはおすすめです。
日帰りで電車で旅行に行く時のおともにいいです。

老兵に手を出すな―一億円もらったら〈2〉



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2002年10月03日(木) 山崎豊子『沈まぬ太陽(五)会長室篇(下)』★★★★☆

沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
山崎 豊子
新潮社 (2001/12)

国民航空会長室の奮闘。
そして限界。
改革の諸。

事実に則しているわけだから、水戸黄門や金さんみたいにまーるくおさまるとは思わなかったけれど、もう少し改革や摘発がなされてクリアになってるのを読みたかった。
まあ、それが現実の難しさなんでしょう。

国見氏の更迭には、私も義憤にかられた。
渡米して調査をする恩地をこれでもかとやれる限りの卑劣な手で邪魔をする、利権しがみつきさん。

恥を知れ!

と読みながら叫んでた。
でもって、私も国見氏、恩地のように「淡々と」なすべきことをしていけるようになりたい、と思った。

美学、かな。
ひととしてよく生きるのに大切なことだよね。

最後は、みーんな御用になっちまえ、と思っていただけにちょっと物足りない結末だったけど、行天の出頭、巨悪が暴かれるといいな。
現実はどうだったんだろう。社会面経済面にうとすぎだ、わたし。

この小説のモデルになった小原さん(だっけ)の本もあるそうで、次はそれを読んでみたいと思う。

沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)



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2002年10月02日(水) 山崎豊子『沈まぬ太陽(四)会長室篇(上)』★★★☆☆

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
山崎 豊子
新潮社 (2001/12)

さて、ひたすら痛ましい墜落事故から少し時間がたち、会社の刷新のためにトップ人事が行われる。

航空史上最悪の事故を起こした会社、内部に多くの、深刻な問題を抱え、厳しい世論の非難を浴びている会社のトップなどやりたい人もやれる人も見つからず、難航する。

そして白羽の矢がたったのが、関西紡績の国見氏。
就任まで、そして就任後の国見氏の着手、手腕、会長室に抜擢された主人公恩地の仕事ぶり。

(四)では、国民航空の内部、上層部の腐った様子が書き列ねられ、もう読んでてむかむか。
もうね、アフォかと。ヴォケかと。(最近2ちゃんねらなわたし)
利権に群がり、保身に走り、私腹を肥やすことしか考えていない、お荷物なひとたち。
今でもこんな暮らししてるお荷物さんはいるんだろうなぁ。
いややなぁ。許せない!というよりは、気持ち悪い。
そういうのが平気な感性が。

娘純子の結婚相手の父親もキモイ。
恩地が会長室の部長になったから結婚を認める、って…。
結婚式の主賓に国見さんを呼べ、って…。

さあ、果たして国見さん率いる会長室は、会社を食い物にするろくでもないやつらから会社を正常にすることができるのか?
恩地の活躍やいかに?
と、むかむかとどきどきをさせながら最終巻にいくのだった。

ちなみに国見氏だけ「氏」つきなのは、私がとってもファンになってしまったからでーす。かっこいいんだもの、ホント。

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)



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2002年10月01日(火) 山崎豊子『沈まぬ太陽(三)御巣鷹篇』新潮社★★★☆☆

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
山崎 豊子
新潮社 (2001/12)

この本って、ベストセラーだったんだ…。
ちょっとググって見て、知った私。
旬のものにはあまり関心がないとはいえ、アンテナが鈍っていたことにちとショック。読書好き、乱読派、とはいえないなぁ。おはずかしい。

もう、家事育児そっちのけ(ごめん)で読みふけっている三作め。

主人公恩地が組合委員長時代に尽力した(そして踏みにじられた)空の安全の崩壊。最悪の事故が発生。

520名の命を奪った墜落事故。
その多さが実感できないほどだ。
痛ましい事故現場、残された遺族の悲嘆、狂いそうな(くるってしまえた方が楽なのかも)やり場のない思い、沈痛な遺体の確認作業、社員の責任、恩地の苦しみ。
そういったものを著者山崎豊子さんは迫力のある、それでいて静謐な筆致で伝えている。
伝えている中には保身に汲々とする経営陣の姿も。
電卓をはじいて人の命をはかる遺族係。
被害者遺族の横の連帯を阻止しようとする経営陣。

ひととして「卑しくない」であろうというのは難しいのだろうか。

わたしもかなり卑しい性格であるけれど、恩地のようでありたい。
めざしたい。

あらためて、被害者のみなさんの冥福を祈ります。
そして、ご遺族、周辺の心いためて今も暮らしている方のこころがやすらかならんことを祈ります。
そして、二度とこんなことが起きないことを。

毎年、誕生日がくると御巣鷹のニュース。
墜落の音を長野にいて聞いた身として、身近に感じて忘れないように。

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇



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