『ミス〈下〉』赤川 次郎読売新聞 (1994/08)どうでもいいことだけど、『ミス(上』『ミス下)』となっているのが面白いな、と思った。登場人物がドタバタしながら進行していくお話にそこそこひきこまれた。丹下くん、脇の脇の脇の脇役だけど、好きだわ。『ミス〈下〉』
『ミス〈上〉』赤川 次郎読売新聞 (1994/08)元気な女性真由美が活躍するお話。登場人物のアイドルの名前が私の娘と一緒なので、「死なないでくれ〜」と願いつつ読んだ。下巻に続く。『ミス〈上〉』
『過熟の実』赤川 次郎角川書店 (1998/07)赤川次郎さんの長編恋愛小説。でした。昔の恋人の精神状態と登場の仕方がかなり恐く、大学生水浜の奔放、ずるっこい女性とのおつきあいにひじょーに不快感、でも共感も…。『過熟の実』
『丸の内の午餐―OLお食事物語』酒井 順子マガジンハウス (1990/06)副題は「OLお食事物語」。酒井節のきいた食事にまつわるエッセイ。笑えます。「されるとムカつく質問」「チャイナ・クライシス」「農耕OL vs 狩猟OL」といった項がとっても共感できました。『丸の内の午餐―OLお食事物語』
『いいとこ探しののびのび子育て―お母さんのための元気読本』高柳 滋治合同出版 (1997/07)優しい母になりましょう。おおらかで、子どもの気持ちをしっかり受け止め、愛情をいっぱい注ぎ、太陽のような、笑顔の耐えない母でいましょう。そういったメッセージがちまたにあふれている。どの母だって、そうしたいと思っている。けれど、できなくて苦しんでる人も多いはず。そして私もそのひとりだ。副題は「お母さんのための元気読本」。そう、子育てに重要なことは、お母さんが元気でいること。心身ともに。ラストでは母のためのフリースペースも必要、と書かれていて、わかってらっしゃる!とほっとした。反抗期は自立への道。「もっと母は手抜きしていいんだ」と思えばいい。そんな、母が楽になれる(心身ともに。特にこころが)メッセ−ジがつまっている、良書だと思う。目次生きる力の基礎工事お母さんと子どものいい関係上手な薬の飲ませ方かぜ薬の効能いつまで薬を続けるの?泣かないとき要注意泣きたいから泣いているの母乳の大切さ食べる喜び好き嫌いは悪いこと?〔ほか〕 『いいとこ探しののびのび子育て―お母さんのための元気読本』
『眠るまえに、お話ふたつ』南 果歩講談社 (2000/11)子どもに読んであげた本が紹介された、エッセイ。愛情たっぷりに、ポリシーしっかりと、子どもに向かっている、愛情をそそいでいる筆者に敬意。数日前に読んだ『どんなにきみがすきだかあててごらん』も紹介されていて、その文章のタイトルは、『伝えることは大事なこと』。育児が近視眼になってて息苦しい時に読むと、ちょっと離れることができていいかも。『眠るまえに、お話ふたつ』
『本当は病んでいる「幸せな家族」』加藤 諦三PHP研究所 (2000/04)家族の感情的恐喝による苛め。それを受けたがための、鬱病の発症。鬱病になっちゃった、ではなくて、鬱病になることによって健康を取り戻す一歩を踏み出すことができた、と考えた方がいいのかな、と思った。なれたからよかったのだ、と。鬱病にもなれず、苛め抜かれて、病む(helpを求める)こともできぬまま死んでいく。それが一番悲惨かも。死んだ気で現状をかえろ、と筆者は言う。どうせ今のままなら殺されるのだから、死んだ気で、というのも比喩ではないのだ。私は家を出ることで現状を変えた。無気力、自己無価値観、自暴自棄、自己蔑視、罪悪感。そうすることでサバイバルしてきたのだから(それが生きる手段だったのだから)、それを変えることは困難だったし、今でもやっぱりそうだ。それでも、少しずつでもわかりかけている。かわろうとしている。1歩進んで2歩さがる、って感じだけどね。自分だけは、自分を見捨てないで、見守っていこう。恨みのループから抜けて、愛情のループを作っていけるように。NOがいえる自分になりたい。怒りを表現できるようになりたい。大切に扱う、とはどういうことか、ちゃんとわかりたい。そしてそれができるようになりたい。あなたも苦しんでいるとしたら、一歩踏み出してみようね。一度の人生、しあわせになろう。『本当は病んでいる「幸せな家族」』
『私は恥ずかしい』石坂 啓ネスコ (1994/05)石坂啓さんのコラム集。一本芯が通っている人の文章は、ささいなことをとりあげていてもなんちゅーか、核があって好き。怒ることは、疲れるし、自分がないとできない。流されることは楽だから。でも、とちょっと立ち止まって考えてみること。変だと思うことには変だと声をあげること。それって大事。優しさには、強さと深さが必要なのだな、と考えさせられた。『私は恥ずかしい』
『空飛び猫』アーシュラ・K. ル・グウィン Ursula K. Le Guin S.D. Schindler 村上 春樹 S.D. シンドラー講談社 (1996/04)私の魂の一冊(?)『ゲド戦記』(今のところ4巻まであるから正確には4冊)の作者の短いお話。村上春樹訳。『ゲド戦記』みたいに、うちのめされたりしないけれど、不思議がそばによってきた、という感じで不思議な雰囲気を楽しめた。窓の外に翼を生やした空飛び猫が現れたら、私もミルクをおいてみよう。翼をなでられるくらい、通じあえたらうれしいな。息子に読んであげたら、彼は本当に会えるかもしれない。それって、いいな。『空飛び猫』
どんなにきみがすきだかあててごらん『どんなにきみがすきだかあててごらん』サム マクブラットニィ Sam McBratney Anita Jeram 小川 仁央 アニタ ジェラーム評論社 (1995/10)コドモを叱りすぎちゃったなぁ。あれはやつあたりだったなぁ。悪いことしたなぁ。でも素直に「ごめんね」って言えないなぁ。そんなママに、ものすごくおすすめ。寝る前の一冊としてベッドに持ち込んでみて。そして、たわいない二頭のウザギの「こんなに好きだよ」「ぼくはもっとだよ」「こーんなに好きだよ」というやりとりを、淡々と読んでみてください。それできっと伝わるから。ごめんね、大好きだよ。という気持ち。コドモはちゃんと受け取るから。愛されてることを。ラストの1ページが私は泣けてしまいます。泣きそうになります。おおきなおおきなおおきな愛情。そんな愛情で包んであげたい。包まれたい。いや、気づけばコドモが小さな体で大きな愛情で包んでくれている。幸せだなぁ。などということを考えたりする一冊。何も考えなくても、アニタ ジェラームさんのかわいいいじらしいイラストを眺めてるだけで、胸があったかくなります。私のスーパーお気に入り。『どんなにきみがすきだかあててごらん』
『快速・快適家事のススメ―少しの手間で「気持ちよく暮らす」本』百瀬 いづみ三笠書房 (2000/12)手抜きではなく、無駄を省いて、家事をこなす。不必要なものは切り捨て、本当に必要のあるものだけに囲まれて暮らす。それによって、生活が豊かで楽しくなる。物を捨てられない性分で今でも必要のないものにたんまりと囲まれている私だけど、この手の本を読む度に、思い切りがよくなるというか、捨てる勇気をもらっている。今日はキッチンの水切り篭を洗った。ひっくりかえしたら、世にも恐ろしい状態になっていた。きれいにして日光消毒までしたけれど、『これは本当に必要なものか?もしかしてなくてもいける?ない方が効率的だったりする?』と検討中。シンプルにシンプルにシンプルに。そして、こだわるところはこだわる。なくしていいものはなくす。必要なものは手に入れる。掃除道具もシンプルに。重曹とせっけんと、酢。これのセット作ろうっと。重曹はもう使ってるけど、ほんとオススメ。暮らし上手に、人生お楽しみさんに、なろう。『快速・快適家事のススメ―少しの手間で「気持ちよく暮らす」本』
『ナース川柳 看護婦七転八倒』小林 光恵 宮子 あずさベストセラーズ (1998/10)帯にあるのは「今日も元気だ!夜勤明け。病院病棟悪戦奮闘オモテウラ事情 川柳はナースの基礎知識です。」そう、短い文章の中に大事なこと、必要なことを簡潔に入れて伝えること。ナースのみなさんのやっている「申し送り」に必要なこと。それでなくても、川柳って俳句と違って「要はリズムよく五七五で言葉を列ねればよい」ので(乱暴な言い方だけど)、それでかつ、面白ければ素晴らしい。看護婦の仕事って、中毒症で入院、お産で入院、それと子どもの頃に整形外科だかで入院した乏しい経験から見ても、すごくヘビー。肉体的にもだけど、精神的にも。人間相手だし、基本的に病んだ人を相手にするし。それだけ「希望」や「悟り」「回復」といった明るさももちろんあって、やりがいがある仕事だと思う。糞尿の処理がツライ、というホンネも載せられてて、息子と娘の糞尿の処理で一日が暮れていく私、はっとさせられた。息子2才のはもう大人と同じのが出てくるから臭いもきつくて爪の間に入ったらギャー!という感じなのだけど、自分の子どもだし何年も続かないと思ってやってる。それは確かに空しくもなりそうだ。けれど尊い仕事、やりがいのある仕事。その誇りが愚痴の中からも感じられるのがうらやましく感じた。全国の看護士さんに幸あれ!『ナース川柳 看護婦七転八倒』
『新 お客様は悪魔です―100職種をこえる接客・販売業の日頃のウップン大爆発!!』萩原 英昭 萩原 和子ハギジン出版 (1996/09)お客さま相手の仕事をしている人たちのホンネの投稿を集めたもの。ほんとに世の中、むちゃくちゃな「お客さま」がいるものねーと驚くと同時に、これをウィットでかわしたり、前向きにとらえたりする強さや知恵を私も持ちたいと思った。そういう私も客商売に携わっていた時は「こんのやろ〜〜〜〜〜」と思うこと多々。一方で、自分が客になった時は、どっちかというとふんぞりかえっているタイプかな。一見「お愛想お願いしま〜す」とか丁寧ではあるけれど、(これで食っているからにはそれなりの仕事せいよ)という意識があるので(偉そう)、これまで何度かやりました。「責任者呼んでください」ほんと、客も、売る方も、とんでもない人がいるよね。人の振り見て我が振り直せ。気をつけよう。ちなみにこの本、けっこう笑えます。笑いたい人にオススメ。『新 お客様は悪魔です―100職種をこえる接客・販売業の日頃のウップン大爆発!!』
『幼児期には2度チャンスがある―復活する子どもたち』相良 敦子講談社 (1999/12)マリア・モンテッソーリ教育について書かれた本(らしい)。帯には『「子育てに失敗した」とあきらめないで!まだ間に合う注目の”実践幼児教育”どんなに荒れていた子どもも必ず「復活」させるモンテッソーリ教育の「決定版」と、コピーを考えた人の気合いのすごさを感じるのだけど、内容はそんなに過激でも、理想でも、宗教ぽくもなく、未熟なハハは、参考になった。実は私、教育学を修めている(はず)。なのに、エミールもフレネもモンテッソーリも、言葉しか知らない。すごーく情けないと思った。今からでも勉強しよう。はい。で、なるほどなるほど、と思ったのは、モンテッソーリが呼んだ「活動の周期」。『自由に選ぶ→くり返す→集中する→充実感や達成感をもって終る』このステップを踏みしめた時に子どもは内面から変わり、善さを現し、自立していくのだそうだ。この実例がいくつか紹介されていて、それについては「そんないきなり、そんなうまいこと変わるものか?」と疑問が残ったけど、このステップについては納得がいった。大人だって、私だって、同じだもの。自由に選んだものは、失敗しても、非生産的でも、楽しい。また、自分で選んだものを投げ出さず、最後までやりとげる「責任」も大切なのだとか。これも、「自由」を本当に理解するためには必要で、理解していれば当たり前のこと。子どもは、なめたらあかん。自分が子どもの頃、大人に対して感じてた疑問、反感はあなどれないな、と今でも思う。(それだけ、とてもかわいくない子どもだったということですが)自分の子どもにはそれは感じさせたくないと、冷静な時には(?)思うので、昨日と今日で言ってることが違うとか、おにいちゃんでしょ、とか看護婦さんに注射してもらっちゃうよ、とか本質を取り違えた発言をしないようには気をつけてる。そういえば、昨日健康センターで知人が帰り際にタッチパネルで遊んで靴をはかない息子に、「触ってるとおじさんに叱られるよ」と言ってた。ちょうど出ようとしていた職員のおじさん、苦笑い。すごい気の毒。「それはちがうでしょ。おかあさん早く帰りたいからそれをやめて早く靴履いて、じゃないの?」と言えない自分にも弱いな〜と思ったけど、こういう言い方って、自分が子どもの頃からめっちゃ嫌い。「おじさんが叱らなければ何してもいいのか?」「叱る人がいなければ何してもいいのか?」「おじさんを悪者にして平気なのか?」そういうことだものね。違う?違うかな?まとまりがないけれど、間違いばかりの子育ての中で、「あ、これはできてるかも。いいことなのかも」と思えたことがあったのは、嬉しかった。ま、めったにないけれど。さらに、子どもの困ってたこだわりや遊び方に対して、寛容な気持ちで眺めてられるようになった(気がする)。何度も何度もくり返してこっちが勘弁して〜と思うこと。なんでそんなものを気に入るのよ〜と思うこと。そういったことも、子どもの「仕事」なのだ。子どもはどんどん変化(成長)していく。それをまるごと受け止めること、尊重すること、せっかくなのでこっちも楽しむこと。そんなことを考えさせられた一冊でした。『幼児期には2度チャンスがある―復活する子どもたち』
『南十字星』赤川 次郎双葉社 (2004/09)舞台はドイツ。喫茶店アルバイト、20歳の奈々子が犯罪に巻き込まれて、大活躍。いかにも赤川次郎さんの青春ミステリーといった感じで、授乳、おむつがえに中断させられつつ読んだ。★がひとつなのは、つまんなかったからではなくて、彼のもーっと面白いのと差をつけたかったから。もーっと面白いのは、私にとってはホームズとか、三姉妹とか。長編もいいな。彼の作品に出てくる女性は、とても魅力的。宮部みゆきさんの描く女性と共通点があるような。おきゃんで正義感が強くて、キュート。リンドバーグの渡瀬マキさんの書く詞に出てくるような!そりゃーかわいいや。また借りて、読もう。『南十字星』
『ふたりで暮らすインテリア―忙しくてもおしゃれに暮らしたい!』成美堂出版編集部成美堂出版 (2001/10)副題が「毎日忙しくても、やっぱりおしゃれに暮らしたい」。二人暮しをしている人たちの暮らしぶり、部屋、こだわりなどを紹介。みなさん、おしゃれー。真似はできなくても、こういうのを眺めると、掃除の意欲がわいていい。それと、捨てるか迷っていたものをスカッと捨てられる。「これはここにある必然性があるのか…。ない」最近こういうことを考えるようになって、行動に移せるようになってきた。小さい家だけど、もーーーっと小さくしていたこれまで(今もか)。この頃オークションや処分やリサイクルやらで物が減っていて、この部屋こんな広かったの?と思うことも。今までもったいないことをしてたー。快適ライフをめざす皆様、がんばろーね。『ふたりで暮らすインテリア―忙しくてもおしゃれに暮らしたい!』
『文句があるなら、自分でおやりッ!―私の家事物語』沼野 正子草思社 (1996/02)絵本作家さんのエッセイ。家事にまつわるものばかりかと思いきや、昔を振り返り、かつての友人知人についてのエッセイなども取り上げている。そのあたりは期待してなかったというか、家事にまつわるエッセイを期待していたのでちょっといまいち。人物描写はそこそこ面白かったけれど。過激なタイトルとは違って、そこそこ頑張って家事をこなしてきはった人のよう。だから、「だからあんただってもっと頑張らないと」と言われてるようで気持ちがひいてしまったのかも。『文句があるなら、自分でおやりッ!―私の家事物語』
『生きにくさの抜け道―子どもと大人の黙示録』毛利 子来岩波書店 (1999/07)小児科医(町医者)のたぬき先生のエッセイ集。日々の困難と向き合う秘訣とは?と帯にあるのだけど、いまいちピンとこなかった。ただ悩みがあるのはいいことだ、というくだりはストンときた。悩みは対人関係性のものが多くて、それはすなわち社会性の広がり、深さを意味しているから。また、感受性が高いということも意味しているから。確かにね、乗り越えると少しずつでもたくましくなれる。私の場合、ずぶとく、しぶとく、ずうずうしくなった、というのが正確のような気がするけれど、小さく縮こまって悲しんで苦しんでいたかつてよりは、ずっと今の方が生きやすい。悩みはつきないけれど、それは無駄、苦労ばかりでもないんだよね。『生きにくさの抜け道―子どもと大人の黙示録』
『すてきなガーデンデザイン成功実例アイデア500』主婦と生活社主婦と生活社 (2000/00)プロのガーデナーの手による製作例を集めたもの。写真がふんだんに使われていて(あたりまえだ)、眺めているだけでもなんだかいい気持ちになれる。いいデザインは真似させてもらおうと思うし、こんな庭で過ごしたい!というモチベーションも得られる一冊。枕木を使った小路のデザイン、レンガの種類など参考になった。予算もあるから、同じようにはできないけれど、「エッセンス」「雰囲気」「こつ」を学んで、いざうちの庭にも応用だ!がんばるぞ。庭を眺めて、リラックスできるようにね。『すてきなガーデンデザイン成功実例アイデア500』
『ふるえて眠れ、三姉妹―三姉妹探偵団〈15〉』赤川 次郎講談社 (2001/05)お気に入りのシリーズものの、15巻目。図書館で見つかったら借りるようにしてるので、全部読めているのか不明なのだけど、おもしろい。今回のお話も、三姉妹がそれぞれいい味を出していて、楽しく読めた。でも結局母親の死因はなんだったの?という疑問は残ったのだけど。最初に出てきた、挫折したエリート青年の狂気はとてもありそうで、ちょっと背筋が寒くなった。次も楽しみだ♪『ふるえて眠れ、三姉妹―三姉妹探偵団〈15〉』