何も言わないでいいと思う、
それは著しく傲慢だということもわかっていて、なお。
今は目をつぶらない 心がふるえるのも今は感じない 手のひらに 未来が 載っているのを わかっていてただ こぶしを握りこんだままでいる
そうだこれはおびえだ
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僕はあのヒトを傷付けてもいいと思っていた、なぜならあのヒトは僕の目を覚ましてしまったからだ。
本当はもう 顧みるべきではなかった渇望や羞恥やその他諸々の混沌を あのヒトは手のひらいっぱいに載せて僕の口に押し込んだ
それはたぶんソドムの崩壊を待ち望んだロトの妻と同じで 怖いもの見たさに似た愚かな好奇心
だから僕はあのヒトを思うさま傷付けてもいいと思っていた、そうして僕はようやく穏やかに見える朝を始めていく
いつかまた何処かで会ったら逃げるといい、
僕は君の知る誰でもありえない
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ひとのやさしさをつなぎとめようとあがく、
それはいまもむかしもかわらずこの手のえがくこと
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