グランドの 中央に 蛍光色のパーカーを着て 倒れている人影 それが 僕 でした
一時あんなに晴れていた空がまた少しかげってきて、 閉会式の頃はそれでもまだ熱気の名残りのように夕焼けのほむらが見えていたものが もうどこか夕暮れて灰色に暗くなりつつある。 片付けをする人影も減って 大方は打ち上げと称してどこかの喫茶店やお好み焼屋やらに流れて行ってしまった たぶん、 君も。 オツカレ、と言い合って ああこれで終わり ずいぶん荒れた芝生の上に倒れてみればまだ少し砂ぼこりの匂いがした。
ここにいるよ、 とわかるように持ってきた蛍光黄色のパーカーはなかなか優秀で、 今日いちにち防風防水、日差しと淋しさから僕を守った。
あぁ、広い 広い空。
ここにこう寝ていれば誰かが迎えに来てくれそうで、 蛍光黄色のパーカーはたぶん ほったらかしで帰るには目立ちすぎるから、 もう少しだけ、 と思ってふっと目を閉じる。 空はお世辞にも綺麗な色とは言えず もう辺りも暗くなる。
何処へでも行けるさ、ここから。 このこころひとつ、あれば。
2008年09月07日(日) |
somewhereelse |
誕生日一ヶ月前、…わあ。 何だか不思議な感じ。
住み慣れた町を離れる。 そう思ってみればひどく懐かしく慕わしい輪郭の諸々のモノたち。 なんだか、泣きそうな、と思ってみるとどうやら熱が高い。 世界と自分がふわふわしている。
今日はいいことがたくさんあって怖い感じ。 感情がプラスとマイナスの両極に一度に振れる、アップダウンではなくて同時に強い引力を受けてしまう。 ぐらぐらする。
祈りすぎて頭が痛い。 もう少し、早く、 とそう考えたのは何故か何のためか。
空とか暗闇とか階段の上にたゆたっているとろりとした日溜まりとか、 これが、 旅立ちなんだ、と 旅の終わりを唄う歌にようやく気付いたみたいに風を吸っている、 ひとひとり、こころひとつでは何もかも鮮烈でクッションのない直接的な感触がいたい、痛い、
(そうしてあのてがみがほんものだったんだってようやくさとっている)
思えば昔から旅暮らしが好きで、 旅先のホテルなんか一日篭もっていても飽きないくらいで、 小さな冷蔵庫の中が空っぽでもなんだかとてもわくわくした、 心がどこか、ここにないのだと、
夢で人が死ぬのはいつも家の中なのだとか、
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