あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2006年04月30日(日) 4月、何事もなく終わる日々。





あー、なんかわかってきた。
たぶん今、僕かなり鬱だ。


微妙にギクシャクしていることがあったり、自分を再点検していたりで、
けっこうよくぐるぐるしている。

特に用もなかったので何も予定を入れずにこの週末はぐだぐだしてた。
そして、何にもしなかった。
ほとんど本も読まずにぼぅっとしていた。
おかげで何にも見えてこないけど。
こういう状態が鬱なんじゃないかって思う。


食生活がぐちゃぐちゃになってて、それのぶり返しか土曜日は体調が最悪だった。
朝に、急いでいたので走ろうとしても全然走れなくて。
全身から水分が抜け切ってるような感じがしたのでとにかく水分を流し込んでたら、今度は腹痛。
おかげで早々に帰宅。

なんだろう、五月病じゃないと思うけど。
とりあえずぐだぐだしている。
立ち止まっている。
何にもできない。
うーん。勉強くらいはしたいんだけど。
ぐるぐるします。
すごく。








↑ただひどく寒い

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昔、同じ題で詩を書いた。
読み返してみるとどうやらこの日記を書き始めた頃。


→四月、何事も無く終わる日々





2006年04月23日(日) 主よ、われらをこころみにあわせず




わかっている
僕がこのこいをいとおしんでいるうちは
きっと何も変われないだろう
僕がこの くるしみをあいしているあいだは
しあわせになんかなりたくてもなれないだろう
わかっているよ



ひとを、
うしなってしまったものを、
なつかしんで
そしてさまざまなこころを、
捨ててしまっているあいだは
愛情がどんなに、僕にふりそそいでも
僕は目を覚まさないだろうし
たぶん他の何も見えないだろうから

だけどすこし
 それが哀しいと言って泣けるようにはなったとおもう





僕からすれば もうとてもとてもむかしのこと
このこころはもう捨てたと
こおらせると決めたのでした
シェイクスピアの悲劇のように この命続く限りの最期の日を賭けの対象にして
僕は生きて
 きたのでした













↑悲鳴のように。

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It was many and many a year ago,
   In a kingdom by the sea,
That a maiden she lived whom you may know
   By the name of ANNABEL LEE;
And this maiden she lived with no other thought
   Than to love and be loved by me.

I was a child and she wa a child .
   In this kingdom by the sea:
But we loved with a love that was more than love −−
   I and my ANNABEL LEE;
With a love that the winged seraphs of heaven
   Coveted her and me.

And this was the reason that, long ago,
   In this kingdom by the sea,
A wind blew out of a cloud,chilling
   My beautiful ANNABEL LEE;
So that her high-born kinsman came
   And bore her away from me,
To shut her up in a sepulchre
   In this kingdom by the sea.

The angels, not half so happy in heaven,
   Went envying her and me −
Yes!− that was the reason (as all men know,
   In this kingdom by the sea)
That the wind came out of the cloud by night,
   Chilling and killing my ANNABEL LEE,
But our love it was stronger by far than the love
   Of those who were older than we−
   Of many far wiser than we−
And neither the angels in heaven above,
   Nor the demons down under the sea,
Can ever dissever my soul from the soul
   Of the beautiful ANNABEL LEE.

For the moon never beams, without bringing me dreams
   Of the beautiful ANNABEL LEE;
And the stars never rise, but I feel the bright eyes
   Of the beautiful ANNABEL LEE;
And so, all the night-tide, I lie down by the sea
Of my darling − my darling − my life and my bride
   In the sepulchre there by the sea,
   In her tomb by the sounding sea.

( ANNABEL LEE by Edgar A. Poe)



2006年04月19日(水) よろこび




あの、と

ロッカー室に入ってきた誰かに口を開きかけて、止まる
手の中には1通の封筒がある

誰に 託すわけにもいかなくて 仕方なく指先で細く封を切る。

中には、
ひとに渡さなくてはならない請求書とか 連絡書きだとか そういった事務的な大切な書類が入っている

ほんの 15分ほど前に見たひとのことを思う。

ぐら と
世界が歪む感覚。
あの ひとに 渡さなくては、と
考えて



 あぁもうあのひとには会えないんだったと

 会わないと決めたんだったと


思い出して不意に視界がぼやけた。




あぁ、会いたいなぁ とか
声を交わしたいなぁとか
こまごました すべての感情を押しのけるように

あの偶然のようにすれ違うようにあの ひとの 姿を見たこと を

紛れもなくこの自分は悦んでいた。
何の、作為もなく只の偶然のもとにあのひとの居る場所に居たことを
息もできぬほど


そして
知っていた
あのひとも
たとえ目を見交わすことすらしなくとも ここに、この自分が居ることを知っていたと。
あのひとを見たことも、
それを今 思っていることも
焦がれるように此処にその 想いがあることも
あのひとは知っていると
知っていた


それだけで まだ
死んでもいいくらいにこころがうごく



 *


そんな、夢を見たのでした。
目を覚ましてなお、現実のような。
夢の方が魅力的なことは多々あります。が、終わらないでほしい夢はやはり、年にたったの2、3度です。








↑もうすぐ紫陽花が咲きます。

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2006年04月18日(火) 半強制的モラトリアム





春の温むような夜の外気。
気も狂いそうな衝動が不意に襲ってきて、不意に外へ、ぬめるような闇の中へ出て行きたくなって全身からそうっと力を抜いている。


夜半、何故かぽっかりと目を覚ますと、皓々と月が明るくひらいている。
半分ほど欠けた月が、しんしんと光を降らせて家々の屋根を照らす。
何かが不思議な気がしてずっと月の面を見ていると、いつのまにかことんと眠ってしまって明け方は既に遠くなってしまっている。


春は不用意に狂おしいので、僕は時折憎しみに満ちた目を、している。
行きたかった場所が急に甦ってきて、そこにいない自分を責めてみたりする。
もう、なんだか、欲しいものなんか何もなくってただ眠りたいだけで、その感覚はどうにも幸せすぎて苦しすぎて泣いてしまう。


わかっている。
春はもうすぐ終わりだ。
もう、すぐに。









↑半強制的なモラトリアム。

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2006年04月12日(水) 花の下





夜、雨の後の濡れたアスファルトの匂いと桜の散る前の熟れたような匂い


  行くなら春の宵が良い
  雨の前に なまぬるく湿った闇が良い


願わくば、とうたった古き人のことを僕は笑えない。
一途なだけに真摯に、僕もそう思うから。



  手をつないで
  足音も忘れて
  あたたかく凍ったアスファルトを踏んでゆこう



もう桜が散ってしまう。
酷く惜しい気持ちがする。
不意に、昔見た
満開の桜の 暗闇の中にざわめくのを どうしても聴きたくなって(それはもう無性に)
どうしてもどうしても見に行きたい、と
渇するように思う。



  闇の中に みずやかな木蓮が立っているだろうから
  そこまで
  包帯だけ巻いた裸足で



行ってしまうのなら春の宵が良い。
誰を連れて行きたくもない。
けれど1人で行くのはどうにもさびしい









↑散り敷くもの。

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2006年04月09日(日) わるもの




行けなかった 公演のチケットを一枚 ひらり と 捨てる

こういうときは あやまらないでいいのだ と あきらめるようにおもう

どうせあやまったところで許されるわけはないのだ

だけど意外に わるものになるのはむずかしくてこまる



すこしうたぐっている病気がある

性病とかそんなのではないけど

右腕がすこししびれたり

定期的な発疹とか のどのいたみとか




もちろん空想としてだけれど

じぶんのお葬式のことをかんがえることがある

ないてほしくないひとが二人だけいる

うん たったふたりです

ゆるせないひとは

たったふたり




最近 だいじなひと と 言ってもらうようになったので

甘えが出ているのかもしれないな と おもう

だめだなあ

もうすこし卑屈になったらいいのに










↑もう日が暮れてしまったよ

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2006年04月07日(金) おもいで







あなたひとり、ここに居なければいつか、うすくかるくなってしまって、どこかへとんでいけたのに、







 うそつき、と責めたくて唇がゆがむのをとめられなくて泣きそうになる





 いつかは忘れてしまいたくても今はまだ、とてもとてもいとしくてつらい
 この誇りに満ちた呪いのような恋が終わるのはいつ










 


ここに、縛られる僕がいる。
結論的にどこへも行けなかった。そういう、消極的な孤独。
あのひとは知らなかったんだ、そう言い訳をして正当化で罪をなすりつける。

うつむくと雨が咲いていく。
白く煙った世界であのひとの手が何度も、
何度も、










↑花占いみたいに、ゼロか総てかを秤にかけるみたいに。

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2006年04月02日(日) この世のすべての うつくしいものを




風邪をひいた。
うちから内科の医者に行くまでの道は自転車で約5分。
帰り道はしんどくても少し遠回りをする。
ふるさとは遠くにありて思うもの、と言うけれどここは、この場所の春は、目に新しく美しい。
ミモザの咲きかけた並木道。
雪柳。
白木蓮。
そして桜。

熱に、どこか眠ったような頭で、桜の薫る橋の上を自転車で走る。
たしか去年も、同じようなことをしていた。



あのひとに会いに行く約束と、あのひとに来てもらう約束を、していた。
うん。
もう叶わない。
たぶん最後の、『もしかしたら守れたかもしれない約束』だと思う。
もうこれ以上先のことなんか、ひとつも、おぼえていないから。
だから少し、また僕は軽くなる。









↑もう守りたいものなんか無いし。

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うん。
だからあのひとに、この美しいものを見せたかったなんて、
本当は僕はもう言ってはいけない。

だけど僕は、この世のすべてのうつくしいものを、あのひとに見せてあげたかった。



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