それだけでけっきょくわたしはなんばいもなんじゅうばいもかなしい
絡まってしまった胸中の糸をゆっくりと引いている、 ときほぐせるものならもうとっくに終わってしまっただろうと思う 憂欝なのは、 きっと恋がいつまでたっても風化してくれないせいだ、 そしてなんであのひとの来訪はこんなにも唐突なんだろう、 と思って僕はどうしようもなく沈んでしまう
永遠というものについて、 かつて僕は誓ったことがある いっぽんのゆびわと、 それにともなうねがいについて
もうとうに売り渡されてしまったこころの あおじろい残骸で
いとしいひとをみつける。
そのことはどうやってもほのぐらくかなしい
2005年10月21日(金) |
やりきれずこのてのひらのうえ |
ゆうじゅうふだん。 そういうひとが好きなんですと言う。 そういうひとに好かれるんですと言う。
喉が痛いなー。 愛してないとできないことだ。
いや、そんな崇高なことじゃないか。
いつも街中で暮らしているので、少し遠くへ行きたいときは緑の多いところがいい。 というか切に希望。 何処に連れて行こうかな。
ゆるく、霧雨に煙る道を下ってゆくと、 朝が少しずつ翳ってゆくのが見え しらじらと昼が 浸透してゆくのがわかる 実は傘は嫌いなんでした。 少しずつ重くなってゆく前髪と そこに露のように宿る白い水玉を やわらかな視界にゆるしながら僕は小さな駅へ向かう それらはあこがれに似ている。 かばんに はちきれそうに詰めたおみやげもののどことなくしあわせな重みだとか きのう会ったひとの眠そうな眼のやさしさとか ふかく恋をしているひとの無敵な笑顔とか そういう 手に触れればたあいなくほどけてしまいそうないとしさに浅く息を
する
いとしいひと とどかない声はどんなに遠くでもおなじように響くと僕は信じる あなたの眼の奥の疑いを僕は愛する それらが僕をここにとどめる 簡単な僕の嘘を安堵するひとにだけ僕は焦がれる そしてかぎりなく平凡な朝を僕は愛する
だれかひとりのためだけの僕の名前なんか何処にもないのだと知っているあなたにだけ僕は焦がれる
連日友人に会う。 高校時代の友人とか、大学時代の友人とか、先輩とか色々。 睡眠時間とか生活リズムとかもうぐちゃぐちゃ。 やりたいことやってる感があって単純じゃない感じでわくわくする。 悪いことをしてる気分じゃないけど、脳内麻薬の分泌が激しくて凄く目が冴えるような。
友人たちに会う合間に母校に行ってきた。 もうどんぴしゃで創立記念日とかいうオチだったけどね・・・。 だけど駅から、うららかな陽の下を歩いていくと、強く金木犀の香りが歩く僕を包んで、まるであの頃から何ひとつ変わっていないかのように郷愁が色濃く襲ってきて。 変化は頓に著しいのに、何故か金木犀ばかりが僕を過去に誘うようで眩暈がするようでした。
まったりと、夜。 思い出を振り返るのは趣味じゃない、と、言ってみる。 けれど突き刺すように、夜と思い出が襲ってくる。 四方八方から串刺しにされながら、足取りだけは優雅に、オレンジ色のカクテルライトの中の横断歩道を渡る。 何が間違いか、なんてわからないよ。 ただひとを惜しむ。 言葉を交わすひととしてのひとを、惜しむ。
しばらく恋をしたくない。 行きたくないなぁ。 淋しいのがあなた一人ならどんなに楽だろう。 これはリハビリ、なのかな、どこか間違っていると思わずにいられない。 そうやって、淋しいときだけ大丈夫みたいに笑うんだね。 誰が嫌いって、僕に嘘をつかせるひとさ。
思いもかけぬところでひとに会う、 うつくしいひとだ、とても。
そして恋を思う自分がまるで道化のように切ない
僕は嘘つきに生まれたことを誇りに思おう。
雨の日は朝の気配が感じ取れなくてつらい。 靴を買おう。 薄暗く翳った山を上り穏やかな金木犀の香りをまとい薄く汗の滲んだ額で昔の僕に会いにいく、講堂の前に座ってあの日のように誰かを待つ。 ロウソクは4本。 明らかに間違った情報は聞いていて不快だった。 あざやかな、あざやかなひかり。
そうして僕の神様、 今すぐここでキスして。
所詮はもう泣かないひとだもの。
2005年10月04日(火) |
その手が喉元に伸ばされるのを待って |
うんもうわかっているよ いとしいいとしいひと
旅先で金木犀が咲いたのを知る。 華やかな香りは雨の前の道に薄く香って秋が深まったことを告げる。 手をつないで、 足元のゆるゆるとした坂道を上がっていくと 雨は次第に強く激しくなって あのひとに聴いてほしかった歌がもうどこからも聴こえないのを見る
眠らなきゃ。 ホントに。 熱が少しずつ、少しずつ上がる。 行きたい場所が多すぎて怖い。 やりたいこと、行きたい場所、会いたいひと、全て叶えてしまえば僕は死んでしまうような気がするからこんなに、心を埋め尽くすように探すのかな。 そうやって探して、何処まで行っても逃げられないのを何度も悟るんだろうか。 あのひとの真っ黒な髪を想う。 その暗闇に顔を埋めればもう、それだけで穏やかに死んでいける気がした。
その手が喉元に伸ばされるのを待って
心底からうれしそうに
わらう
美しく笑う人だった。 それで僕は、あぁ悪魔はこんな顔をしているのだと、悟る。
悪魔はヒトにとって最も魅力的なものの姿を取って現れる、と言うから。 おそらく悪魔はこんな風に笑うのだろう。 美しい穢れない儚げな、顔で。
美しい髪と、素直な力強い手と、のびやかな身体。 慈母のような笑み。 あこがれはこんなひとにこそふさわしい 魅せられたように思って。 僕は自分に少しずつ、鎖を掛けはじめる。 一切ノ希望ヲ捨テヨ、と刻まれた門はもう僕の背後、既に遠い。
*
家に帰ってから無心な手で香を焚いた。 告げる、という名の香。 僕はそろそろあのひとに告げなくてはならない。
*
そうやっていくつの秘密を抱えていくのだろう。 秘密なんてないよ、という顔で相手を騙しながら抱いていくのにも疲れた。 かと言って秘密のあるのをわかった上で僕を望む人なんて怖くて隣で眠りこけることもできない。 なんで自分のくちびるがあいしてると言うとこんなに嘘くさいのだろう
だけど今も やっぱり今も、あのひとに会いたくて会いたくて死にそうなのです
『 一切ノ希望ヲ捨テヨ、コノ門ヲ過グル者! 』
2005年10月02日(日) |
ことわりなく (旅行後) |
ことわりなく書く。 意外に旅行中のことだな。
*
目を開けるとまだ4時台だった。 寝返りを打つと何故か腰が一瞬ひどく痛んで、たぶんもう眠れないんだろうな、と思った。 確か寝たのは2時ごろだ。 『もう寝た?』と訊くまでもなく、規則正しい寝息が聞こえていて、馬鹿みたい、と思いながら背を向けて丸くなった。
人をおいて眠ってしまうなんて、たぶん今の僕にはできないこと。 もうずいぶん昔、待たせていた約束をすっぽかして眠り込んでしまったのをものすごく悔やんでから、眠りももう僕を妨げなくなった。 あの頃の睡眠はずいぶん健康的だったな。
いつ眠り込んだのか知らない。 一度目が覚めてしまうと、もうダメなんだろうな、と思いながらも一応努力はしてみる。 けれど目を閉じると嫌な夢の気配が襲ってきて、目の裏側を一杯にしてしまうので、もう目を開けるしかなくなって身体を起こした。 隣の寝息がふと止まったので、穏やかに声をかけると何故か返事をする。 なのにまたすぐ眠り込む寝息が微笑ましいなぁ、と思いながらごそごそと起きる。
窓を細く開けて、カーテンにこもるようにしながら煙草に火をつける。 風は案外涼しくて、もう既に明るくなってしまった外を観察しながらいい風、と考えて。 そして帰りたいなぁ、と思った。 一人で。
持ってきていたメモ用紙を全部使って手紙を書いた。 帰りたい、と思った自分を忘れないように。 置手紙を残して帰ってしまってもこの人はあんまり怒らないでいてくれるといい。 ・・・けど、普通は怒るだろうな。 睡眠が足りなくて身体がうまく動かなくて、手紙は途切れ途切れに続く。 本を読んだりメールを打ったり、だけどどこにも帰れないまま僕はその窓辺に座っていた。 一緒に居るのがこの人だから帰ってしまいたいんじゃない。 それはもうわかってた。
ひとが部屋の中で寝返りを打つ気配がする。 窓辺のカーテンの中から僕は暗い部屋の中を覗く。 まだ起きないなぁ。 ひとが持ってきた本のページを繰る。 ところどころの何でもない所で泣きそうになる。
8時には起きる、と言っていたので声をかけた。 結局起きない。 頑張っているようなので放っておくことにする。 僕が別にこの人のために一生懸命なことは全然ないけど。でも、これでも気を遣ってくれてるのかな、とちょっと気になる。 まぁ、寝起き悪いらしいのは知ってるので。 お茶とビタミン飲料とアイスクリームを買って帰る。 僕の好きなのは特になかったので、連れの好物の。 部屋に帰って飲み物を飲んで着替えて顔を洗っても、やっぱり起きないのでぶうぶう言う。 ようやく起きる。 おめざのアイスに感動したらしい。 「リアルじゃない」とか言うのにムカつく。ひどく。ムカつく。
*
なんだか思ってたよりも気候が暑かった。雨も降ったし。 だけど旅先で雨に降り込められる感覚はキライじゃない。
そして死ぬほど眠い。
だけど耳の奥に 嘘でしょ、と哂うじぶんのこえ
2005年10月01日(土) |
淋しいときは (旅行中) |
風邪をひいたな、 ってこれは金曜日に気付いて、 小旅行に行くのにと思って風邪薬で抑えようとか悪あがきをしてました。 正直、風邪薬って飲んで風邪が治ったためしがない。 せいぜい熱を抑えるくらいしか効かないし。 まぁおかげで適当にふらふら家に帰ってくるころには、へたり込んだら立ち上がれないレベルになってて。 けっこうやばかった。
でもそのわりに今日は旅立ってます。 なんだ、気力? 僕をあんまり甘く見ない人だったらそれだけでもう全然大丈夫になっちゃうんやけど。 でも正直見破られそうで怖いです。 言葉がうまく出てこないのは久しぶりに会うせいなのかどうなのか。 電車の中ではずっと寝てて、でもそのおかげでまだマシだった、かも。 夕飯は贅沢に鮨!でした・・・☆ けっこう美味しかったんだけど味があんまりしなくて、昼飯が消化しきれてないせいなのか体調のせいなのかもうよくわからなかった。 でもたぶん、ネタはけっこう良かったし(そりゃ市場のとことかには負ける気がするけど)最後に食べたトロの炙りはかなり舌にとろける感が雰囲気的にもすごく美味しかったよ。 それからぶらぶらホテルまで歩いて帰って、途中で買い込んだ冷酒を飲みつつぐうたら。 アルコールがすごくまわった。 僕は普段もけっこう弱いんですけど異様にまわりすぎ。 2時間くらいは顔真っ赤でした。 のへーっとベッドにだらーんとしてたからかな。もっとちゃんと水の用意とかしといたらよかったのかも。
ふにゃ。
だけど、こんな狭い部屋に他人といるってのはちょっときつい。 きついっすよ。
淋しいときは、僕はもう死んでしまったと思ってください。
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