気分刊日記

2007年07月31日(火) おっさん二人に思い入れ

一足先に今週末公開の「トランスフォーマー」を観てきちゃいました。あ、ジャパンプレミアに行ってきた訳ではないです。えっと誤解のないように前置きすると、シリーズ物ではない新作、頭ン中空っぽにして観る“カウチムービ=ブロックバスター”としてはスゲー面白かったです!某オタクな友人には絶対観にいってもらって色々確認したいこともあるのでお願いします!あと、できれば吹替で観て下さい、なんたって“オプティマスプライム”(コンボイ)の声が玄田哲章と言う当時のアニメファンとしてはすんなり入っていける素晴らしいセッティングだから。なお、今回の日記はネタバレがガンガン有るので、観てから感想読むように。

トランスフォーマー』・imdb
実は今回、特撮・CGに関してはそれほど心配していなかった。むしろ公開前から徐々にUPされるトレーラーやHPの情報を観て、ここまでリアルでゴッついデザインのトランスフォーマーズやトランスフォームの映像が、どのようにドラマを紡ぎ出すのか?そこが最大の懸念であり、製作総指揮スピルバーグ&監督マイケル・ベイ共に、彼らの作品が滑る時の最大の原因でもあったのだ。

ところがどうだろう、始まってみるとこれが意外にドラマ部分においてかなり観応えがあるのだ。とは言え、そのドラマ、全体的に「アルマゲドン」や「ID4」テイストなので、ストーリー自体は単純そのもの、ところがれを構成するシーンやカット、台詞がスピルバーグやマイケル・ベイの過去作品を筆頭に、「マトリックス」やジョン・ウー作品、更には「ガンダム」「新・必殺仕置人」までもを想起させる(私が勝手に想起していると言う説もある。)恐ろしいコラージュなのだ。

では細かいストーリーはと言えば、思春期の少年の成長を描くナードな主人公の青春ドラマ(学園ドラマ)パートを軸に、中東の戦場でいきなりデストロンに遭遇した熱血マイホーム・ソルジャーのサバイバル・アクションと、中東の事態を受けて本国でうおさおする国防長官と政府に、事態の解明を図るべく集められた学者達がドタバタするSFサスペンの3本が後半に向かって収束。で、この収束のしかたは、いかにも「アルマゲドン」や「ID4」の様な挙国一致体制なのだ。

と、ここまで書いて、じっくり書く気力が無くなって来たんで何処が何処っぽいかってことをいくつか書いてお茶を濁します。
0、ナードな主人公が、ギークの彼女に惚れる学園ドラマは「スパイダーマン」ぽい。
1、偵察型のロボットがとにかく「ショートサーキット」。で、その悪意に満ちた声や動きは「グレムリン」の変身後。
2、因に、主人公が中古自動車やでビーグルを手に入れるのはどことなく「グレムリン」。
3、勝手に着いてくるビーグルは「激突!」または「ナイトライダー」的。
4、ビーグルが捕まるシーンは「E.T.」
5、砂漠又は、ラスト近くの建物の床を突き破ってメガトロンが出てくるシーンは「ジョーズ」。
6、高速での大乱闘は「マトリックス」
7、メガトロンを捕獲してある秘密基地がダムが「ターミネーター3」のラスト。
8、ラストの市街戦で、ベリーロールで弾をよけるイシーンは「マトリックス」とジョン・ウーアクション。
9、主人公が戦場で成長するのは「ガンダム」、特に熱血軍人さんに「お前は既に戦士だ!」とか言われちゃいシーン。
10、後半、足がダメージを受けてしまいレッカーで引きずられながら砲撃するのは「新・必殺仕置き人」の最終回の中村嘉葎雄。
11、最後のメガトロンがくたばるシーンは「レイダース 失われたアーク」(無理矢理っぽい)。

つづく・・・



2007年07月29日(日) 夕立選挙

夕立、怒号のような雷雨、一瞬だけ夏(まだ梅雨明けしてないけど)の暑さを吹き飛ばしつつ、あまりの集中豪雨に近所の川が大氾濫していた。どうしようもない日本の政治に蚊に刺されたほどの影響を与える選挙の日。こんな時しか使われないかび臭い近所の集会所で、足止めを喰らった人も多々いたのではないだろうか。この夕立のように民主党の支持も一過性で終わり、次の衆議院選挙の時には又みんな自民党を指示するのだろう。

久しぶりに酒のない週末を過ごしたので、土日とも早起きして細々とした事をこなしていると昼時なっている。今日は久しぶりに半身浴などして少し疲れ気味で渋谷の街に繰り出した。

先々週ぐらいから、何処の街でも夏物売り尽くしサマーセールが行われている。しかし、まだ梅雨すら明けてないのに夏物売り尽くしですか?たぶん今年も9月いっぱい残暑という夏が続くと思うんですが、それでも店頭には秋冬が並ぶんですか?暑苦しくないですかねぇ?流通業界もそれほど臨機応変にはサイクルを変えられないんですネェ。因みに、うちの地元の花火大会は9月末ですって。


ルネッサンス』・imdb
白黒なんだけ、非常に目が疲れる作品でした。都市の描写、都市機能や構造物のデザインが緻密で斬新なのが見所ですね。ストーリーやドラマ、物語としての魅力は「ブレードランナー」を筆頭に「ティコ・ムーン」「フィフス・エレメント」「ゴッド・ディーバ」とかこれまでのフランス系SF、特にエンキ・ビラル的な雰囲気を継承しているというのかなんと言うか。

せっかくCGを駆使して2次元を陰影のみで描くという敢えてコンピュータの特異とする精細な映像描写を封印して望んだ画なのだが、モーションキャプチャーを使用したおかげで無駄なリアルさが付加されて、なんだか緻密な動きが残像のように目に残ってしまい目が疲れる要因にもなっている。せっかく光と影だけで物や動きの境界を付けているのに、残像なんてボンヤリとしたカット=動と静の間=中間色(グレーゾーン)が有るせいで尺も長くなり、特徴も薄められてしまった感がある。

まぁ、そのイラスト的な美しさがムービーとして連続するという所に興味を惹かれて観にいったので、要所要所では満足しているし、期待を完全に裏切ったというほどでもない。でも、やはり、イラストか尺の短いCMでの表現が向いているかもしれないと思った。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
「キサラギ」もそうでしたが、過去に舞台を結構観てきた人にとって、舞台が原作だと聞いてしまうと、どうしても状況設定とかを抽出してやっぱり舞台の方がオモシロのでは無いか?という観方になってしまうのです。

本作も、田舎の閉塞した感じが(舞台的な)状況設定の要素として深く関わっていると思うのですが、そこが映像として上手く伝わってきません。というかむしろ微妙な開放感を感じてしまう空や畑や山々の映像が挿入されます。因みに、田舎の村の閉塞感という事で行けば「松ケ根乱射事件」なんかは結構いい感じに出ていた。

ストーリー的なことで言えば松尾スズキの「ドライブインカリフォルニア」を想起させるような部分も有るんですが、原作者の本谷有希子自らが松尾スズキチルドレンといってはばからないので根本的な点では同じなんだと思います。



2007年07月28日(土) 思い出し泣き

午前中はあまりの天気のよさに洗濯しつつ、家の事全般を処理。3時頃出発して『夕凪の街 桜の国』を観に新宿へ。一応本丸劇場は東急シネマスクエアが劇場なのですが、本日は初日の舞台挨拶があるため、ミラノ2で上映。手元にある東急株主優待券A券はシネスクは指定外劇場なので本当は観れないはずなのだが、より大きめのスクリーンで観てしまいました。

夕凪の街 桜の国』
麻生久美子にやられた!もう、前半の夕凪の街の麻生久美子がごっそり持って行くものだから、後半の桜の国での回想シーンに彼女が出てくると、もうそれだけでウルウルですよ。映画終わっても、麻生久美子の事を思い出すと、思い出し泣きしちゃいそうで全く・・・

全体的に非常に丁寧に造られた作品です。伏線と言う訳ではないけど、前半で出て来た道具や場所や設定、そして台詞や人が後半と上手い具合にリンクして麻生久美子の存在感を更に強く浮き出させる。景色の合成も最初違和感有ったけど徐々に馴染んでくるの問題なし。アート・ポート級の会社で、ここまで丁寧な作品が造れるなんて、羨ましいってのでまたウルル!

佐々部監督は「半落ち」の時にも思った“説教臭さ”や“ベタな台詞&演出”にちょっと拒絶間もあったのだが、今回もそのきらいは有るのだけど、重い題材の反面、原作のトーン&映画全体のトーンを意識的に軽めにしているのでその分肩の力を抜いて観れる。

戦後60年以上経ち、当時の人々の多くが亡くなりつつ有る現在。年金だ汚染食品だ環境問題だと、自分自身以外にも不安や悩みが耐えないなかで、私たちの日常は松尾スズキの様なリアル(=生きるのって苦行みないな)が常識化し来ている。生きているだけでも幸せだった昔に比べ、生きる事に+αを求めるのが当たり前となり、大前提の「生きている毎日にありがとう」がおろそかになっているのではないか?

北の国からに出た文太さんばりに『幸せって、何じゃろうねぇ?!』と私に問うてくるのである。



2007年07月27日(金) 建築は良いですなぁ〜

武蔵野館のレイトショーで今週いっぱいになった「スケッチ・オブ・フランンク・ゲーイリー」を見て来た。

 スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』・imdb
ファッションに近いデザインのしかたなんじゃないでしょうか?



2007年07月24日(火) せっかく夏なのに・・・

がんばって会社帰りに『憑神』を観に行った。せっかくヤフオクで全国鑑賞券を仕入れたのに、結局レイトの回を観る事になってしまった。今の時期なら昼間に行けば隣の都立新宿高校の屋上プール丸見えなので、女子高生のスクール水着姿が見れるかもしれません。でも夏休み中だから見れないかもしれません。どっちにしろヤバイっしょ!

いやぁ〜、別にチケット無くても劇場に入らなければ映画館自体は出入り自由なので映画見ないでもお隣のプールだけ観に行く事も出来ます。って言うかそれってただの変態ですから!

 憑神
相変わらず東映は今イチ、今ニに作品を造る。浅田次郎の原作なので本当はもっと面白いはずなんだけど、なんだか物足りなさが終始拭えない映画。妻夫木君は大根なんだね、何をやっても妻夫木君って言うか等身大の演技しか出来なので時代劇はちょっと。あと、キャスティングも微妙って程でもないし。



2007年07月21日(土) 今年も野音本番

毎年行けているのは幸運な事です。でも、年々チケットを取るのが難しくなってきます。A列で見れたのは何時の事だったか。一応梅雨明けしてないので心配させられたのだが、当日は先々週に負けず劣らずの好天。会場に子連れが多いのがクラムボンらしい。で、先々週の教訓で今回はヱビス ザ・ホップを半ダース持ち込み。一緒に行った友人の嫁さんは飲まないのでひたすらワシだけ飲み。勢い着きすぎてちょっと悪のりしてしまったりしてしまったのは反省。今年はメドレーなんかあって捻りが利いていて、曲が進むに連れて会場がヒートアップするのがよ〜くわかった。

今年も気持ちのよい3時間を満喫できたのだが、昨年や一昨年の方が良かった様な気になってしまう贅沢な悩みが発生してしまった。実は、今年の春の渚フェスでも少し感じた事なんだよね・・・。

 clammbon 2007「tour Musical」



2007年07月16日(月) 遠い日の記憶

先週一回書いたのに、いきなり固まりやがって・・・今時固まるかぁ?で、書いてるのがもう一週間後なんで簡単に。『ファウンテン 永遠につづく愛』に行った。

 ファウンテン 永遠につづく愛』・imdb
レイチェル・ワイズは可愛かったんですが、久しぶりに厳しい映がだった・・・。あんた偉いよヒュー・ジャックマン。



2007年07月13日(金) ツイてぬ男'07

ええ、13日の金曜日はそこそこ忙しい中、仕事を残して8時に退社して渋谷へGO!(16日に休日出社ですよ・・・)今日までの『きみにしか聞こえない』を観るために。行こう行こうと思っていて行けない作品と言うのは多々有るのだが、今回はこの作品と「監督万歳」で迷った。いつの間にか今週一杯になていたのでかなり悩んだけど、たけしより成海璃子。ええ、可愛い女の子を取りましたよ、たけしチルドレンとしても映画観としても失格ですな。

映画としてはどっちもどっち、と言うか性質は全く違うんですが出来と言う点ではね。何度も言うようだが、成海璃子はこの作品制作時点でも多分14歳でしょ?高校2年の役って、違和感無い。おじさんはこの娘の行く末が心配だよ〜。

最終日と言う事で終映後サイン入りグッズの抽選会が行われました。ここら辺は座席指定の有る映画館の利点ですね、チケットの半券が権利になるんですね。でも終映後じゃなくて上映前にした方がよかったみたいで、エンドロールで帰った人が何人欠いてその分抽選が長引いていました。レイトショーなので終電との兼ね合いも有るから難しいんだよね。で、私は外れました、私の前にチケット買っていた人がサイン入りプレスが当たっていた。成海璃子サイン入り生写真欲しかったですぅ〜、残念!

きみにしか聞こえない



2007年07月08日(日) 再来週の前哨戦

再来週の「クラムボン」@日比谷野音への前哨戦と言う訳では有りませんがliquid cherry‘07 in YAON〜 starring ゆらゆら帝国、THE HELLO WORKS(スチャダラパー&SLY MONGOOSE)、Ink(TAKKYU ISHINO+HIROSHI KAWANABE)ってのに言ってきました。

すっかり晴れて、全然蒸し暑くなくて なんかイイ風 なんて吹いて涼しかった。もう蝉まで鳴いとったよ。そんな中、野音は持ち込みOKなんで一番搾りの500ml缶を2本持って行ったら友人もスーパードライの250ml缶を持って来ていたんですが、1っ発目のInKで速攻飲み干してしまいました。で、次のTHE HELLO WORKSっていうかスチャダラで私のテンション最高潮になっておりまして、「サマージャム‘07(’95改)」をやられちゃったらもう急ピッチで酒も進みまんがな!去年のクラムボンの「サマーヌード」然り、うだつの上がらないまったりオヤジの夏心を鷲掴みですよ!!それぞれ1時間の出番の中で、さすがに酒が効いて来て、とりの ゆらゆら帝国 はシットダウンでお休みモードでした。

その後は電車の中で友人と「大日本人」何処がいかんかを話し合いつつ、友人の友人がそのまた友人と飲んでいる自宅へ酒もってお邪魔してグダグダ飲んできましたよ。私以外のかたがたはそれぞれ面識は有るらしいのですが、居にも介さずあんた誰?って谷啓にも突っ込ませないC調っぷりで、自己紹介すらせず、人の家で飲んで帰ってきました。(よく考えたら朧げながら面識あった。)

liquid cherry‘07 in YAON



2007年07月07日(土) 毎日は昨日のくりかえし

一週間が一瞬で過ぎてゆく今日この頃、あっという間に2007年も折り返し地点を過ぎてゆき、活況を呈していた香港映画を観るためだけに旧正月.夏休み、年末と、年に3度も渡航していた香港も返還の年以来行かなくなって早10年。

返還翌日、統治国だったイギリスに行くため早めに重慶マンションのスリランカ人宿を後にして、まだ閉鎖前のカイタツ空港へ向かう途中にヤウマティの映画館でウォン・カーワイの『ブエノスアイレス』を観たのが懐かしい。英語も広東語も理解していなかったけど、これから向かう未知の大陸への込上げる高揚感、異国ながらも1・2年の間に5・6回も訪れまほど近所の様に親しんだ香港を後にする言われの無い郷愁は、レプリカントと街から逃げ出す「ブレードランナー」のハリソン・フォードになった様な気分だった。

最近の日本も、香港や台湾の様に一年のほとんどが温暖になり、四季の風流も衰えつつ有る。そのせいではないのだが、ここの所殆ど目的も無くただ日々をやり過ごしている。実は、ずっとそうなんだけど特に先月ぐらいからグっと無為の日々に拍車がかかっている。この調子で行くと、十代の頃ゲームから足を洗った様に、一昨年ぐらいに演劇から足を洗った様に、映画からも足を洗ってしまうのではないだろうか?寧ろ金もかからなくなって歓迎なのだが、そんな事をしてはとうとう、完全に禁治産者で無趣味な人になってします。

でも、取り敢えず今日はまだ、趣味:映画鑑賞、ってことにしておいてください。『しゃべれども しゃべれども』『図鑑に載ってない虫』を観てきました。

しゃべれども しゃべれども
題材は今、女性に大人気の落語では有るが、その落語界の一端や現状をさりげなく見せてくれるのには関心しますが、ドラマとして微妙です。如何せん主人公が浮世離れしすぎている様な気がして腑に落ちなかった。浮世離れっていうか、30過ぎて二つ目で悶々としている落語家にしちゃぁ恵まれた環境なんじゃぁないですか?それに、主人公のみならずヒロインもニートだし・・・。

なんかねこの主人公の人間関係って、凄く小さい世界なんですよ。余り知った風な口はきけませんが、落語家さんって人間観察も勉強の一つなんじゃ無いかと思うんですが、そんな事微塵も気にかけてない、って言うか自分の事ばかり。それを、落語に真剣に向き合っているので周りが見えない真面目な性格って言う風に読み取らせるんですが、う〜ん、今時それで良いの?

もちろん本作のテーマの一つ、って言うか主人公の当面の目標となるのが“自分らしさ”だったり“自己表現”や“自己主張”ってとこかとは思うんですが、どうも”自己中”って感じに見えてしまう。だって、最後の色恋のオチが「俺の家に来るか?ばあさんいるけど」みたいな感じなんですが、どうよ?

ドラマ部門は置いておいて、題材にしていた下町やそこで暮らす人々の生活、寄席や落語の世界なんかは(多分)誇張も造り込みも無くサッパリとしていて、それで居て同じ東京に暮らしていながら殆どそこいら辺に足を運んだ事の無い人には、とても新鮮にみれて面白かった。

役者も、「舞妓Haaan!」に続きベテランの多芸を魅せてくれる伊東四朗。この人は本当に器用で佇まいも堂に入っていた。不謹慎な言い方だが、この人が死んだ時は昭和の喜劇人の最後なんじゃないかと、最近よく思う。歳を感じると言う点ではないのだが、八千草薫の品の良さはどうにかならないだろうか?もう、あれでお茶目な演技をされるこっちが気恥ずかしくなる。ヤバいくらいにいいおかぁさんなのだ。でも、あの歳(70ちょと?)では本当はオバァちゃんでしょう?この人の跡を継ぐのは、(岸恵子も良いのだが)市毛良枝かな。

あとは山本浩司、山下淳弘監督と共に着実にキャリアを重ねて、今や邦画界の若手名バイプレーやとして多忙な日々なのではないだろうか。えいが、とういか緊迫した演技の時でも彼画で来るだけでヌキの一瞬ができて映画に緩急が出る。

国分にしても香利奈もたいして期待はしていないし、TVドラマとかでも殆ど観た事無いんですが、一番上手かったのは関西弁の子役くんですね。もう、子供ではないけど当時子供で「金髪の草原」なんかにも出ていた“りあるキッズ”と同じぐらい生き生きとしていた。

国分は前半の落語と、最後の「火炎太鼓」では確かに調子が違うのが解るのだが・・・あそこは話を1本まるまるノーカットで納めて欲しかった。そうしないと今一つ成長が解らない。確かに、興行的な問題も有るけど、先程言った通り人間関係では真の成長を感じ取れなかっただけに、主人公の姿勢や成長を映す鏡としての落語でしっかり見せて欲しかった。

あと、香里奈は取り敢えず化粧をなんとかすればもちょっと人当たりが良くなるんじゃないですか?特に眉とか。

図鑑に載ってない虫
ダメジンの時も同じ川崎の湾岸・工業地帯をロケ地に使っていたみたいなのだが、この無国籍感&時間を超越した感じは、映画の質は極端に違うのに、「叫」などで特に感じられた黒沢清の舞台設定に通じる所が有る。ある意味、日常の生活感を排除した所に純粋な人間の恐怖であったり滑稽さであったり生からにじみ出る感覚がライブに見て取れるってことなんじゃぁ?

なんて、意味深な事は多分無いと思うのですが、乞食の巣のシーンはあれ「地獄の黙示録」のパロディでしょ?で、その後は「バットマン」だったり。ネタ解析でもクドカンとはまた違った奥深さが有って今回もゆる〜く楽しめました。



2007年07月02日(月) 映画の日の反動

一年の折り返しの最初の日が映画の日で日曜と言う絶好のスターにも関わらず、土日は堕ちてしまい一本も観に行かず家に引き蘢っていました。その反動と言う程の物では有りませんが、月曜からレイトショーで『キサラギ』を観てきまして。

随所で好評が目立ちますが、それど絶賛するかぁ?って感じでした。まぁいい感じで役者のごった煮が観れたっちゃぁその通りなんですがね。

 キサラギ
 やっぱり、「十二人の優しい日本人」が如何に傑作だったかって言う事が確認できましたね。これは、パンフの脚本家インタビューでもあからさまに当人が意識しているってことを言っているのでどうしようもないんですが。あちらは舞台原作とは言え12人もの登場人物を有る程度捌き切ったのに対して、こちらは4人と、かなり絞り込まれた一なのにそれぞれキャラや設定のに関して、全体的に深みに欠けていて書き込みがたらないんじゃないかと思った。


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