気分刊日記

2007年05月31日(木) 空の見える生活

色々用事とか気分とかタイミングとか有ってお休みを取った。晴れた日に時間にせかされず歩くのは気持ちがいい。これでお金があれば気になる街で気になった店に片っ端から入って気になったものを片っ端から買って、気になったカフェで逐一休んでスイーツ喰って、また歩いて〜って事をしたいのだが、来月はお祝いビンボーでマリッジブルー&ウォレットレッドの予定なので、今から節約節約。

天気がどんなによくても、映画館の暗がりに吸い込まれるのがキネマに取り憑かれた者の性でして、昼日中の渋谷で『バベル』なんか観てしまったよ。あんましオモロくないです。

いあやぁ〜だめだ、仕事はもとより最近映画館でじっとしているのも苦痛です。遠くへいきたい!旅がしたい!日常を離れたい!五感をフル稼働してコミュニケーションしたい!日本語が聞きたくない!本を読みたい!お腹のポコリを引っ込めたい!歩き疲れたい!たいたたいたい!

バベル』・imdb
ご存知の通り3つのストーリーが少しずつ絡みながらも独自の進み方をします。全てに渡るテーマはタイトルに評される通りコミュニケーションであったり人と人との繋がりだと思います。“言葉が通じな”、“言葉が無い”、“言葉だけではない”それぞれの関係せいが描かれています。でも、それぞれを観ても、「で?」ってだけです。これは、オチを求めてるのではなく「その手法でそう言うメッセージを映画で今やってる意味は有るんかい?」っていう冷たい視線です。

役者さん達の演技派それなりの人たちを使っているので水準はクリアできていますが、映画風呂敷が中途半端です。よっぽど、3本のドキュメンタリーを撮って上手い具合に纏めて編集した方が興味深いです。結局描かれているのは、わざわざ役者が演じてみせなければならない程のドラマではないのですよ!ここが問題。

で、菊池凛子ですが、けつ汚いとか、女子高生はキツいでしょ、とか色々有りますが、賞をもらう程の演技は有りません。ジェニファー・ハドソンの歌と菊池凛子のケツを比べたらまだ歌の方がエンタテインメントです。くれぐれも注意して欲しいのは、そこに演技は有りません。菊池凛子はまだ菊池凛子じゃなかった頃(?)に寺島進と共演した「空の穴」の頃が良かったです。



2007年05月27日(日) ついてる様なついてない様な

よくある事ですがバイオリズムが低下してテンション低めの引き蘢りがちになって来た。でも、渋谷のTOWER RECORDSで5/23発売のクラムボンの新譜を買うために、そして今月一杯の東急株券で『リーピング』を観るために動いた。

なぜ、今日の渋谷かといえば、一つはアルバムの初回特典で指定のショップで買うとミニライブの応募はがきが着くこと。これは、後ほど向かう新宿のタワレコでもつくのだが・・・。そこで2つ目の理由として、渋谷タワーは改装リニューアル記念で6/3まで特に制限の無いWポイントなのだ(新宿は6千円以上買わないとWにならない)。更に5000円以上買うとくじ引きも出来るのだ。で、ビョークの新譜も合わせて購入5千円ちょっとだったので、くじを引いたらTシャツがあたった(でもデザインは今一つ)!

そこから原宿経由で新宿で「リーピング」。そのままもう一本観ようかと思ったが、一旦家に帰って家事を少々こなし、府中のシネコンで『スパイダーマン』21時の回を車で出向いて鑑賞。株券で観ようと思ったら、マイルが付かないのは知っていたけど駐車券もダメになっていた!しょうがないから金払って観た。

リーピング』・imdb

スパイダーマン3』・imdb



2007年05月22日(火) だからTVは馬鹿なんだ!

今日帰ってHDDを確認したら、いきなり『セクシーボイス・アンド・ロボ』が2話の再放送に成っていました。これは、先週の予告を観る限りその題材が“立て籠り事件”とリンクしていた事から馬鹿な4ch・日テレが、最近立て続けにリアルで起こった“拳銃立て籠り事件”に対して『現実の事件を想起させる』とかなんとかってことで、勝手に不謹慎だと思い自粛を行ったのだ。

そんな事をするくらいなら、事件現場の警察官の配置を空撮やらなにやらで詳細にTV画面を使って犯人に教える様な事をするんじゃぁ無い!もっと頭使って先の事考えてTV造れ!!それに、再放送するなら第1話だろ普通!あ、第1話は通常より少し長かったから、編成上無理だったってか?!そこは自分都合かよ!視聴者の事は考えない中途半端なことしているからいつまでたっても三流なんだよ。

だいたい、今回放送されるはずだった話のゲストはモロ師岡。いま開催中の第60回カンヌ映画祭で、60周年企画として制作された、世界25か国、33組(35人)の監督が、“映画と人”をテーマに撮った3分間の短編を一纏めにした短編集『トゥー・イーチ・ヒズ・オウン・シネマ(原題)』の中の、世界の北野監督作に、武と共に出演している世界的な俳優だぞ!TVならこの美味しい状況をそんな中途半端な倫理で逃すなよ!TBSを見ればわかる様に、今更変な気を使ったてしょうがないだろ。日本のマスコミ、特にTVメディアが下品で下らなくて低俗な事はもうみんな知っているんだから。そんな君たちに視聴者が望むのは中途半端な正義感ではないのだよ。

全く、最近のTVや映画は自分たちの貧相な想像力の限界の範囲でしか視聴者や観客を想定できないのか。マーケティングでこれだけの人数に見せると言う数字&データは出せるけど、どんな人々が観るかを想像する能力が欠如している。想像力の欠如している人たちが創造する様な物を観せられる訳だから面白いはずが無く。逆に観る者の想像力を限定拘束してしまっている節さえある。

こうなると、自ずとスポーツやドキュメントに人気が流れる訳だ。しかし、スポーツも最近は露骨にシナリオがある。これはやはり想像力の無いTV局の人たちが、金になる臭いを追って来た結果、政治や経済力でスポーツをコントロールしているからなのだ。同様の事がドキュメントにも起こり、それは“やらせ”と言う仕組みを導入してシステム化している点でも明らかだろう。

まあ、TVが悪いとばかりは言わない。大衆がそれを求めている面も多分にあるからだ。国政にしてもそう、まさに衆愚政治が進行している。ヤン・ウェンリーが嘆いていた自由惑星同盟の末期みたいな状況が人類に訪れようとしているのか・・・?ってやたら風呂敷広げてしまった。



2007年05月21日(月) 桂三四に成りました。

本日より一年間は桂三四を襲名します。ま、「椿三十郎」とか「エルフ17」みたいなものです。



2007年05月20日(日) せめて大倉がネズミ男なら

はぁ〜〜、ため息付きたくなっちゃう位どうしようもない映画を観てきました。実写版『ゲゲゲの鬼太郎』です。どうしてこんな映画撮れてしまうのでしょうか。「デビルマン」「キューティー・ハニー」「鉄人28号」「タッチ」「ラフ」「どろろ」・・・もう勘弁してください。それ程原作に思い入れがある訳でもないので、原作の冒涜とか言うつもりはありません。

ただ、創作物として一定の完成度を得た作品・物語をもって全く想像力の欠如したストーリーすら失われた物に作り替えるのは辞めてください。特に、オリジナル脚本でコケる位なら原作のエピソードをそのまんまのカット割りで撮るだけでかまいません。ただし、キャラクターが出来た上がっている所に全くミスマッチなキャスティングを芸能界の政治が作用して決定されるのもウンザリですから、取り敢えずweb上で誰が当てはまるか投票をして、出来る限り上位の方に話を持って行く様な方法をとってみてください。

また、お金が無いくせに制作準備期間も撮影期間もポスプロの手間もろくにかけず特撮映画を撮ろうとしないでください。制作、企画が先にありきで映画としての完成形が想像できない様な映画は作っちゃいけません。脚本家はきちんと監督とイメージの共有をしてください。原作があるから共有できていると思ったら大間違いです。出来る物なら、「ルパン三世 念力珍作戦」「ドカベン」位の事をやってください。そんな訳で、インデックスの出資する日活の「ヤッターマン」「ガッチャマン」も今から空恐ろしいわい!

そんな、アニメや漫画の実写版よりも寧ろこちらの方が面白いんじゃないと思う事しきりです『巨乳をビジネスにした男』一目瞭然、元イエローキャブ、現サンズの野田社長の半生を描いた実録物です。エンケン(遠藤憲一)激似です!しかし、主演が浜田翔子って全然巨乳じゃないのですが?ここにも芸能界の政治をちょっと感じます。6/1までシネマアートン下北沢でレイトショーですが、7月にDVDの発売が決まっています。

ゲゲゲの鬼太郎
さて、“ネズミ男”だ。大泉洋も悪くはないのですが、どう考えても大倉孝二が適役だと思う。劇中の大泉の演技を観ているとなおさらだ。出来る事なら、大泉には同じ実写でも、本作ではなく今後公開の「ヤッターマン」でボヤッキーをやって欲しかった。鬼太郎が箸も棒にもかからないウェイツなので、なんとか場をつなげてはくれたのだが、思っちゃった物はどうしよう無い。

室井滋の砂かけ婆はビジュアルはOKだが、演技がクドい(クドいで言えば無理に竹中直人を出す事はないだろうに)。間寛平の子泣きはもう何度か観た事がある様な気がするのだが?もちろん異論は無い。塗り壁の声が伊集院で、一反もめんの声が柳沢慎吾ってのは殆どどうでも良い。せめて猫娘の田中麗奈はノースリーブのミニのワンピースで生足と細くて長い腕をあらわにコスプレでがんばっていたのだが、全く色気はない。少し乳があれば良かったかと言うとそう言う物でもないが、現在同じ様に毒にも薬にもならない、全くセックスアピールのない女優で加藤あいと言うものも居る。もう少し年を取ると木村佳乃なんても居る、田中麗奈もその部類に入りかけている。

キャスティングのズレはいくらか目をつぶるしても、脚本が最悪だったために観てる途中から胸くそ悪くなって何度も途中で出ようかと思った。その、筋の通らない説教臭さ、その説教がご都合主義に合わせて並べられているので、いくら作り事の世界とは言え客層のおおよそを占めるであろう子供達に誤った考え方を植え付けかねない偽善的なご都合主義は恐怖さえ覚える(妖怪映画なのでこれはこれで正解か?)。制作手動で作られたご都合主義の映画で、現場にも三池や塩田のようなどんなに酷い要素でもそれなりの着地点を想像して組み立てて行ける人が居ない現場だったのだろう。造るって言ったからには体裁だけ整えて、DVDで回収する事は考えていても、この作品が後世へ残される事なんてみじんも想像していなって感じだ。それでも、興行的にそれなりの結果を出せている所が今の方がブームが末期症状である印でもある。



2007年05月16日(水) あひる職人

以外と知られている事だが山ちゃんこと山寺宏一はディズニー公認のドナルドダック声優だ。だが、ドナルドダックは言語を話さない...多分、私の知っている限りでは。また、このつながりと言うのか、昨年公開された三谷幸喜の「THE有頂天ホテル」に出演したアヒルのダブダブの声も実は彼だった。この時も、アヒルは言葉を発しては居ない。

で、こんど発売されるちょっと変わったアメリカ・アニメ「クイア・ダック ザ・ムービー」では、主人公”ゲイのアヒル”を吹き替えている。今度は言葉を発しているのだが、オネェ言葉で下ネタ満載のようだ。このアニメ、ブラックで有名な「サウスパーク」を越えたとか言われているそうです。やはりブラックなアニメ「シンプソンズ」スタッフが制作しているかなりキワドいジョークが満載の作品との事。一話(字幕)が配信されているけど、タイトルはその名も「カミング・アウト」!出来る物なら、本作を「おはスタ!」で宣伝してみて欲しい。いいのか、山ちゃん?この仕事ディズニーには内緒ですか?

さて、最近思った「思っちゃったんだからしょうがない」のコーナーです。(TBSでやっている爆笑問題のラヂオのコーナー)最近見かけない中山エミリとベッキーの末路が似ている。長渕剛の出演していた「さんまのまんま」が怖くて最後まで観れなかった。最近の吉本スキャンダルは、実は裏で糸を引いているのはジャニーズ事務所では?

次は最近見つけて嬉しかったニュース。ジャック・ブラックのバンド”テナシャスD“主演のバカ映画『テネシャスD 運命のピック』の配給権を所有している会社のHPを見つけたらこの夏公開と描いてあった。一応、ニューラインシネマなんだけどね、がんばればバカ映画!



2007年05月11日(金) 優先順位がお子様です

今年に入って4回くらい試写会が当たっているのですが、一つもいけた試しがありません。で、また当たったんですが、今度こそと週の前半からなんとか仕事の調整をして、6時チョイ過ぎに会社を逃げ出し『主人公は僕だった』の試写会に行ってきました。更に時間があったので、金曜の夜だと言うのに『プルコギ』のレイトショーにも行ってしまいました。

「プルコギ」は友人に誘われていたのですが、優待券の期限が今月一杯なので、時間のある時に早めに観にゆかないと消化しきれないんですよ。5月に入って既にスクリーンで9本も観ている事に成りますが、財布の中に入っている優待券を数えると少なくとも今月中にあと4本は観なければいけない予定です。「スパイダーマン3」と「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」と「ゲゲゲの鬼太郎」と「リーピング」かな?う〜ん、私は本当に社会人ですか?こんなだから彼女もおらんのですよ。ってか、映画依存症ですか?

そう言えば、今日も昼休みに人形町まで足を運んで壽屋で黄金芋を食して、松榮堂で箪笥用のお香を買ってブラブラして来たのですが、人形町一丁目辺は今日明日は二年に一度の神田明神例大祭だそうです。神輿やテントの準備がちらほらと観られました。観にゆきたいのもやまやまなのですが、ちょうど、金曜で定期が切れて、次の定期が月曜からなので足を伸ばすのがおっくうになっています。

主人公は僕だった』・imdb
わたしはどうにもマギー・ギレンホールが好きです。ちょいブスなんですが愛くるしいと言うか、柔和なイメージがあります。そんな彼女が観れるだけでもOKな映画です。

プルコギ THE 焼肉 MOVIE



2007年05月06日(日) 疲れはお肌に出る

連休最後の日は目一杯グダグダして昼頃でかけて新宿武蔵野館で『神童』を観てきました。映画の日に渋谷のシネマライズで観る事も出来たのですが、ヤフオクで武蔵野興業の株券をもっと安く仕入れたので、こちらで観る事にしました。

ただ、武蔵野興業の株券は劇場で非常にぞんざいな扱いを受けるんです。特にHPをみたらゴールデンウィーク中は覚悟しろよと言わんばかりの限定条件があるようです。ま、それも見越して東急の株主権も携え、万が一の場合は「ゲゲゲの鬼太郎」に切り替えられる様にゆとりを持って行きました。

最終日だし天気も悪いので、そうは言っても座ってみれるでしょ!?と、思っていたら席数80席が開演前には90%埋まってしまいあわやと言う所。一人の席は上手い具合に開いている物なのでなんとかギリでも座れた。その一方、案の定劇場入り口では不当な扱いを受ける株主権使用者が「責任者呼んでこい!」ともめている。どうやら、本当の株主なのか総会に出席して不平を述べるとかなんとかまで言っていた。それも、私の嫌いな貴闘力に似た、顔の不自由な女性マネージャーにだ。彼女は、非常に事務的で機械的で気に触る面構えで口上を述べるので、理は通っているのだが、如何せん生理的に皆の反感を買うようだ。

まあ、そんなこんなの喧噪を尻目にしっかり連休中2本目の成海璃子主演を観てきました。どうもこの頃の彼女は忙しかったようで、おでこにうっすらとニキビが出来ていた(これが、眞鍋かをりとかだったら吹き出物と呼ぶ)。まあ、仕事の量もそうだけど年齢的に演じている役柄(今後公開の「きみにしか聞こえない」とか)なんかも考えるとちょっと働きすぎだし、難しい役をやり過ぎじゃ無いかとも思うので役者として、一少女として青春を疲弊しないか心配です。

さて、先日、天才子役女優共演希望リストをかきましたが、追加でどうでしょう?志田未来、谷村美月、成海璃子、夏帆、大後寿々花、多部未華子、ボケは夏帆しかおらんのか・・・・?

神童
最初に確認です。映画の前半、体育の授業中にうたが投げたバスケのボールを下腹部に当てられた天然パーマの少年が倒れ込むシーンがあるのですが、あの髪型と言い倒れ方と言い明らかに「太陽に吠えろ」のジーパンこと松田優作の殉職シーンへのオマージュに見えるんですが違いますか?わたし、劇場で一人で大笑いしてしまったんですが。

松山ケンイチのダメ男っぷりが「セクシーボイス アンド ロボ」とダブります。または、才能の無い「のだめ」と言ったキャラですか?あと、八百屋のとなりの服飾店のオネェちゃんは「松ヶ根銃乱射事件」で、村の男子の性欲処理を担当してた知恵遅の床屋の娘を演じていた方ですね。吉田日出子に串田和美ってオンシアター自由劇場のコンビですね。浅野さんが嫌みな音楽教師をやっていたりとか。なんだか、細かいキャスティングでウフフとほくそ笑んでしまう作品でもあります。

もちろん原作物なのですが、「トトの世界」を描いた漫画家さんなんですねぇ。あの作品も、NHKでドラマされたんですけどDVDでて無いみたいですね。もしかしたらVHSで撮っていた様な気がするので今度探してみよう。

物語に関して言うと、根本的な点で一つ疑問だったのは、手塚理美演じる母親がどうしたらそんな借金を作れるのかって所です。あと、ワオの好きだった人が留学する時のパーティーのエピソードとか今一つ浮いている様な気もします。悪くはなかったんですが、全体的に長いと感じたのも確かなので、後いくつかのエピソードは切れたかなとも思います。



2007年05月05日(土) パンを狩る

最近、散歩のついでにその街のパン屋でパンを狩る事にしている。朝が慌ただしい我が家は朝食の95%がパンになる。調理パンや単品のパンなら急いでいる時はそのまま会社に持って行くことも可能(電車で潰れない様にするが苦労)。時間がある時は食パン系をトースターに突っ込んでバターをさっと塗って、前の日に切ってあった野菜や瓶詰めのピクルスを皿のうえでワンポンドナイフでカットしてのせ、マヨネーズをさっとかけ最後にハムを載せてガブリ!さしたる調理もせずに、洗物も皿一枚程度。

もちろん朝食の残り5%はご飯だし、私は白いご飯も大好きだ。時間のある休日は陶器の窯で炊いたふっくら炊きたてにちょっぴりおこげも食べる。卵飯や、からし明太、野沢菜、お新香、佃煮、キムチ、etc...何杯でもいける。でも、ウィークデーの朝は時間がない。ご飯は炊きたてとはいかないし、器によそって食卓に並べる余裕が無い。洗物もちょっと多い。別所哲也のグッドモーニング・トーキョーに気分を害しつつ眠気に足を取られ時間にせき立てられて家をでる私には、作業行程が多すぎる。

そんなわけで朝食の95%をより充実させるべく、ゴールデンウィークの前半、4/30は、吉祥寺に買い物に出かけた際に某所で情報をつかんだ【ダンディゾン】なるパン屋を急襲した。吉祥寺のパン屋は何軒かまわったつもりだったがこの店は今まで気付かなかった。それもそのはず、東急裏の大正通りを三鷹方面に歩いてゆき、魚屋さんの手前を右折した行き止まり道の奥。向が空き地の様な公園、1階が洋服屋の打ちっ放しの建物の半地下がお店だ。行き止まり、半地下、それに看板も殆どない(建物の向の植え込みに地味なプレートが立ててあるだけ)。

店の雰囲気は見た目ちょっと気取ったセレクトショップ的な佇まい。半地下、打ちっ放し(コンクリート剥き出し)で店内には装飾や家具も殆ど無く奥の厨房が大きなガラス戸越しに見える構造。売り場の平台に置かれたパンの熱か、はたまた奥の厨房からの熱なのか、結構ムッとする暖かさで、さながらパン焼きの竃の中に居る印象を受ける。

着いたのが夕方6時過ぎだったので、パンの種類も残り僅かだった中で、以下の2点購入。ベーシンクな食パン系のBE20は購入日の翌日まで焼かなくても保湿と弾力性がそのままで美味しいし。グリュイエルブルー(グリュイエルチーズ+ゴルゴンゾーラ)はこの店のコンセプトにもあるワインに合うパンの権化たる商品で、強烈なチーズ、それもゴルゴンゾーラの香りと味が先に立ち、ちょっと固めできめが荒い生地は、一齧りしてワインでのどを潤すのにちょうどいい。どちらもなかなかのパンだったが、まだちょっと物足りないので、後日別のパンも買ってみたい。

そして連休後半、5/5のこどもの日。間近に迫った母の日&母の誕生プレゼントに送る”DSライト”を購入するため、友人の情報をもとに朝から二つ隣の駅のスーパに並んで物を入手。結構あっさり買えたので拍子抜けしたが、この連休色々と出費がかさむ・・・。家に帰って飯喰って少しまったりしてから、昼過ぎに下北沢にふらりと出かる。

昔からよく遊んでいる街で、通勤の途中なので定期で降りれる駅なのだが、最近めっきり来ていなかった。それでも、下北商店街にできていた【mixture】も含め駅周辺のパン屋は把握しているつもりだったのだが、やはり某所での口コミから、下北沢の【パン焼き人※1なるお店のどれそれが美味しいと言う情報を仕入れ。ここは一つ探してみようと降り立った。

どっこい、うろ覚えの情報で駅周辺だと思っていたら、前出の友人に携帯連絡で再度調べてもらった結果駅からだいぶ郊外である事が判明。下北沢メインの改札を出て南口、駅前のマクドナルドとみずほ銀行のATMの前の通りを道なりに直進、茶沢通りに合流して三軒茶屋方面に向かってひたすら直進。小学校を左手に通り過ぎJOMOのガソリンスタンドがある十字路、梅が丘通りを右折。環七方面へ真直ぐ歩いてゆくと道の左側に面したその店が現れる。なんと言うか、下北と言うよりは小田急線の世田谷代田駅の方が近い。

店のつくりは、天井も高く、道路側はカフェスペースを挟んで一面ガラス張りで日の光が入って明るい。腰上の高さに並べられたパンは、その種類の多さもさることながら味、素材、製造工程が細かく区別されていて、とにかくどれを買うか迷ってしまう。で、嬉しい事に併設のカフェスペースにはパンバイキングなるメニューが用意されていて、常時10種類以上のパンのバイキングに珈琲or紅茶orオレンジジュースが付いて600円で食べれるのだ。また、こちらのカフェではランチやディナーの食事もできてその際もパンは食べ放題!

一旦、購入するパンを確保した後、試しにパンバイキングを体験。まだ夕食には早かったので、珈琲にパンのシンプルセット。ここで、黙々とパンを食う!飲み物がおかわりできないのでちと微妙だが、この試食で今度買うパンを探したり、気になったパンの味を確認してみた。出ていたパンは結構さっぱり系が多かっただが、名物のくすくすのパンは私の好きなモチモチ感としっとり感が素晴らしく、密度もギッシリしていて喰い応えがあり、かなり気に入った。その他、変わり種としてよもぎのトーストと馬鈴薯のパンが気に入った。

よもぎのトーストは、しっとりふわふわな生地に練り込まれたよもぎの香りと素朴な草っぽい味わいがパンの甘みと相まった和風のハーブブレッド。馬鈴薯のパンはアクセントに混ぜられたピンク胡椒が香ばしく、密度がある割にサラッとした味わいでバターとハムもあえば、ハチミツなんかも合う不思議な柔軟性を持ったパン。結局この試食を経て、今回は馬鈴薯のパンを追加で購入(このパンはなぜか量り売り)。

帰りは、位置を把握出来ているので大通りを避け住宅街を通り抜けて帰る事に。この辺の住宅街は私鉄沿線各駅から程よく離れていて、環七か以外はさほど大きい通りもなく、静かで緑も多い。特に、庭先にバラを植えている家が多く蔦の絡まる野バラや、白や深紅のバラはもちろん、鮮やかな黄色いバラの大輪が咲き誇る苗が玄関先に植えられているのは圧巻だった。そしてまたもや、ジャスミンの匂いは何処からとも無く漂って来ていた。



2007年05月03日(木) 長い散歩

さて、映画の日の凶行から一日置いて、今日は『かちこみ』『ラブソングができるまで』を観に行くつもりで揚々と家をでたのだが・・・。連休、それも真夏日に迫ろうと言ういい天気の中、昼から映画館にこもるのもどうだろうと思ったので、予定を切り替えて陽のある間は散歩に切り替える。

そうと決まれば、ずっとターゲットに定めてあった井の頭線“浜田山”の散策へ向かうべく電車に乗り込む。で、電車で座っていたのだが、途中から乗り込んで来て前に立っていた女性のお腹があまりにもふっくらしていたので妊婦なのかどうか判断しかねて席を譲かどうか迷っていた。妊婦じゃなかったら暗に「お腹出てますね(デブ)」って言っているような気がして・・・、でも降りる駅が近づくに連れて多分妊婦なんじゃ無いかと言う確信が強まって来てしまい、でもマジマジと見るのもどうかと。そんなこんなでタイミングを逸した自分がいたたまれなくて予定の駅より前の駅で降りてしまった。

基本的にある程度定期が効く範囲をスタート地点にしているので、一駅や二駅位どうと言うことは無い。ただ、方角は判断付くけど道のりが未知なので、行き止まりや迂回などに捕まり易くて無駄な距離を歩く率が高くなるのだ。それに、通常スタート地点にするある程度栄えている駅の前後の駅は、その煽りを喰って寂れている事が多く面白味が無いのだ。

まあ、今回のスタート地点下高井戸は日大も近く、世田谷線の始発でもあるので結構面白い街で楽しめる。とは言え、何度も来ているのでそれ程時間をかけずに町を離れ、明大前、明大の脇を通って井の頭線沿いに北上、線路を挟んで井の頭通りとは反対側の住宅街をテクテク歩く。

歩くのは全く苦ではない、特に世田谷区や杉並区の住宅街はその家、建築物を観るのも楽しい。また民家ばかりの中にポツンと現れるお店を覗く楽しみもある。そしてこの季節は家々の庭、塀や垣根から顔を覗かせる植物は、春から初夏にかけての新緑と花々で彩り鮮やかだ。ジャスミンやキョウチクトウ(?)なんかが密集して咲いている近くを通ると咽せ返すほど。どちらかと言うとジャスミンの香りは少し涼しげな空気に漂う方が控えめで気持ち良い。赤紫のツツジが公園の石垣から咲きこぼれ、優雅で可憐でドスの利いたバラも季節を迎えている。

わずかに異質な暖かみが残る日差しを見上げると、控えめな雲を配して降り注ぐ空の青みを跳ね返す様に瓦屋根が黒灰色に重く光り輝く。高層マンションも少なく渋みのある木造の日本家屋が多いこの辺りは、空と人と土の境目が適度に共存した景観を保っている。しかし、所々空き地や廃屋が点在し、廃墟マニアを垂涎させる様な家もちらほら。人の住む家でも、大谷石で出来た塀は酸性雨の浸食も激しく色も茶色く黄ばんで、まるで小学校の頃保健室の掲示板に張ってあった“歯磨きしない歯が重度の虫歯にかかっている写真新聞”みたいだ。

このように、目を楽しませてくれる景色は事欠かないのだが、ドライブにはカーステが付き物な訳で、私の散歩にはipodが欠かせない。個人的に、サイクリングや徒歩での移動中にイヤーフォンやヘッドフォンで音楽を効きながら街を歩くのは危険だと思うのだが、さすがに2〜3時間も歩いていると飽きてくる。取り敢えずは音量をニュートラルにしてなるべく外の音も入ってくる様に、一方で景観を眺めつつ周囲の気配と目視で警戒しながら歩く様に心がける。

やっと付いた浜田山、南口の商店街というか商い小道程度の長さしかない通りに入ると、魅力的な飲食店が建ち並ぶ。主に飲み喰いどころなので昼間は休みの所が多く特に連休中は通しで休む店もあるようだ。ピッツェリア【ピッツァ・ピアツァ】も魅力的!渋谷に本店があるらしい欧州直輸入のレースやリボンのお店【Necklace-necklace】もいい雰囲気。通りの奥踏切手前、八百屋の2階にカレー屋(正確にはバングラディッシュ料理)【ショナルバングラ※1も発見、西永福に2号店があった。

そして何より、最近ハマっているパン屋探索のお目当てでもあるいい感じのお店【ムッシュ・ソレイユ】、パン屋と宗教法人のメッカ西荻に本店があると言う事なのだが、浜田山のお店はうなぎの寝床の様な感じで、売り場は1・2畳程の縦長。名物のキャベツとアンチョビのパンは無かったけど、あまりの香りの良さにバタールを買ってしまった。あと、店員のお姉さんの白いワイシャツユニフォームが眩しかった。(結局そこかい!)

北口は何度かウロウロしたことがあるのでそれ程新しい発見は無かったのだが、井の頭通りに向かう商店街にあったナポリ風のイタリアンレストラン【カプリッチョ】もお値段も手頃で休日の夕食に夫婦で来たりするのに向いた落ち着いた雰囲気の店。で、注目したいのがこの商店街に隣接する集合住宅“ライブタウン浜田山”※1※2※3。土地柄もいいうえ、低層で統一された家々は、レンガの色合いと、緑、日差しとか計算された感じでとても住み心地もよさそうで魅力的だった。どうやらこちらの建築は結構有名らしい。

さて帰り際に、北口の駅前通りに珈琲の香りを充満させている張本人【珈琲焙煎工房 函館美鈴】で豆を買って、いつも大繁盛の【丸正精肉店】の前を通り、今度は井の頭通り沿いを明大前に向けてテクテク。途中の永福には、有名な窯焼きピッツァの店【ラ・ピッコラ・ターヴォラ】があったが、店の入り口に芸能人来店の記念写真がベタベタ貼ってあるのはちょっといけてない。私は、その弟子筋とも言える下高井戸の【トニーノ】の方が天井も高くて開放感のある店の雰囲気が好きだ。

まあ、なんとか明大前まで戻った所で電車に乗って渋谷。少し時間があったので【元祖仲屋むげん堂 参番組(渋谷店)】でガラムマサラを買ったら、バックの中が挽きたて珈琲の香りとガラムマサラのスパイシー臭でもの凄い事に!周りの迷惑を無視して、そのままシネマGAGAで『かちこみ』を観てから、木曜日は野郎1000円の日を目当てに『ラブソングが出来るまで』を観てきました。さすがに、野郎1000円とは言え、ゴールデンウィークに唯一封切りの王道ラブコメを一人で観に来ている野郎は僅かでした。

かちこみ タイガー・ドラゴン・ゲート
ラブソングができるまで』・imdb



2007年05月01日(火) 夏目漱石が活躍する日

そうです、今日は映画館の窓口で夏目漱石が大増殖する映画の日です。でも、カレンダー的には普通に仕事がある日でもあります。どちらをとるか、それが問題です?!で、取り敢えず両方とって見ました。

朝一から渋谷で『恋愛睡眠のすすめ』『あしたの私のつくり方』の2本を見て、午後会社に出社してメールチェックほか2時間程仕事してまた渋谷に戻って『リンガー』『明日、君がいない』の2本を見ました。夜中は地元で3時くらいまで麦焼酎をちびちびと。

恋愛睡眠のすすめ』・imdb
流石、妄想大臣ミシェル・ゴドリーのアイディアてんこ盛りって作品です。その目眩く目紛しさが朝一だったこともあって、眠気を誘い睡眠映画鑑賞に成りそうなこともしばしば。しかし、お話的には主人公の妄想&現実の暴走っぷりがちょっと身につまされる様な気もして、なんとか最後まで付いて行きました。

今回みたいな妄想メルヘンロマンチックは、バランスを崩すと変質的なキ○ガイ映画かはたまた独りよがりの実験映画に成り果てるのですが、その辺を大いにカバーしていたのがシャーロット・ゲンズブールの可愛さ(この可愛さは近年の宮沢りえにも通じる)ですかねぇ?でも、フランス的ユーモアってのも日本人には微妙なので、口コミとかが出回ると、今後の興行的には失速してゆくのじゃないでしょうか?

あしたの私のつくり方
映画的には終始前向きな描写で青春を描くのですが、私は途中で「なんて恐ろしい話だろう」って思いました。だって、14歳の少女が一人の人間の人生(日常)を想い通り操作してしまうのですから。もちろん、操作されていた方も自分のアイデンティティの喪失に気付いて自分の言葉を回復すして、前向きな終わり方をするので安心できるのですが。あと、“キャラを演じる、使い分ける”と言う現在の日本におけるコミュニケーションのあり方を描いている点は十分考えさせられると思います。

で、注目の成海璃子ですが、市川監督の「小6から高1までを演技できる年齢(14歳)」とはよく言った物です。その14歳同士でも共演の前田敦子と比べて、成海璃子はオーラでまくりです!この歳でどんだけ完成されているんだと・・・。

今後も容姿や体型はガンガン変わるとは思うのですが、今のこの娘は一つの完成系です。ただ、コメディエンヌの才能があるかどうかがまだ未知なので、その辺を上手く引き出せる作品にでてもらいたいです。その上で、2つ年齢上ですが、金村美月や志田未来なんかと共演させたら恐ろしいドラマが出来そうです。ただし、この3人は天才肌の女優でタイプが被ってしまうので、もう一人くらい天然系の女優が欲しいですね。「ジョゼ虎」の頃の上野樹里みたいな娘が。

リンガー!替え玉☆選手権』・imdb
おバカ映画万歳です!ストーリーラインとしては、バカ映画版「ロッキー」ではないでしょうか?実際、それ程差別ネタが目立たない、障害者パワーが炸裂していて寧ろ普通の映画でした。
ジョニー・ノックスヴィルの演技は微妙にジム・キャリーっぽい、ジェリー・ルイスっぽく見えることもしばしば。まあ、体はって笑いを取る点ではジョニーが上ですね。障害者の方達の方がキャラが立っていて面白いし、ジョニーはまだ、それを弄りきれる程の役者じゃないんですよね。

フォックスは本作や「ボラート」など体質とは真逆の作品も平気で作って、ビデオスルーに成る作品(主にコメディー&恋愛)もたくさんあるけど、年に数本“バカ映画の心”を持つ担当者が劇場公開までこぎ着けてくれるのですよ、ありがたい。でも、3週間限定ロードショーで、2週目からいきなり2回上映に格下げされてる状況は、せっかく劇場公開してくれたのにこういうのもなんですが・・・これはやっぱりビデオスルーレベルかな?と思いました。

明日、君がいない』・imdb
極論を言うと「あしたの私のつくり方」と本質は同じなんじゃ無いかと思う。ただし、状況設定がローカライズされているので、テーマのあぶり出され方が異なる。

本作では、最終的に「誰が自殺する?」と言ったことも映画に集中させる求心力なのだが、殆どの登場人物が非常に重い悩みを抱えていて、観ている方にもこんなに苦悩するなら自殺してもおかしくないと感じさせる。しかし、仮に彼らの誰か自殺を選ぶのは“逃げる手段”としての自殺であり、本質のカモフラージュでしかない。

で、見えてくる本質って言うのは・・・自分自信のアイデンティティが形成されていない人(ここでは子供)は、他者と自分の距離によって自分の位置を確認して、他者から観た自分でアイデンティティを形成しているため、他者に観られていないと、いとも簡単に自分の存在・アイデンティティを見失って崩壊してしまうと言うことではないだろうか。引き蘢りなどは周囲との関係が築けずアイデンティティが崩壊しそうな人が、崩壊を防ぐために本能的にとる行動で、殻に閉じこもると言う以前に、殻が無いため中身が垂れ流しに成って周囲に溶けて無くなってしまうのを防いでいるのだ。

最後に、19歳が撮った映画としては脚本はもとより、編集・構成が図抜けてる。視点の切り替えタイミングや流れが途切れること無くスムーズでストーリーもきちんと進む。ガス・ヴァン・サントの「エレファント」なんかより余程観易く、無駄が無い。しかしまぁ、アメリカだと思たらオーストラリア舞台らしのだが、黒人が少なかったりドラッグがあまり絡まなかったり以外は、その病みっぷりは凄まじいのですな。日本もいずれこう成ってしまうのだろうか。


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