気分刊日記

2003年05月31日(土) 朦朧日記

 昨日のワインは高かったのにまだ残っている、やはり苦手なお酒の中でもワインは体調と凄く関係してくる、だるい。外は豪雨で家の中は湿気に満ちている。完全に梅雨に突入だ。低調な体調と最悪の天候の中、今日は14時から三軒茶屋に有る世田谷パブリックシアターでサイモン・マクバーニー演出『エレファント・バニッシュ』を見なければいけないのだ。

 ギリギリまで寝てたらシャワーを浴びる余裕が無くなってしまい、洗髪だけして、酒臭さを香水で誤魔化す。ギリギリの電車に飛び乗り下高井戸で世田谷線に乗り換えた。今日は駅の階段や電車に乗り込む時に、皆の靴底がゴムのせいなのか、湿気も手伝いつるつる滑る人が多い。世田谷線も新型車両で新しいせいか、乗り込んだ時に滑っている人がいた。

 先日聞いて驚いたのだが、世田谷線は完全に世代交代をしてしまい、もう初代のちんちん電車は走っていないのだ。あの味の有る板張りの床や、一昔前の個人病院の待ち合い室に有るソファーの様な座席。沿線のお店の広告がついたつり革などが懐かしい。
 滅多に利用する機会のない路線なのだが料金は130円と安い。思い出すのは小学生に成るか成らないかの頃、母と出かけた際に世田谷線を利用したのだが、昔からボケッとしている私は、下車する際に当時お気に入りで使用していたミフィーの絵が書いてある水色のトートバッグを電車内に置き忘れてしまい、泣いた覚えが有る。帰りの際、駅に問い合わせたら無事回収され戻って来たのだがなぜかこの一件は私の世田谷線に対する鮮明な記憶として残っている。

 まあ、猛烈に体調が芳しくない時に観た舞台の印象は知れたもの。観賞後に渋谷で『8Mile』を観るつもりだったが絶対体力が持たないと思い、千駄ヶ谷でやっている靴のバーゲンに行く。以前私が気に入って買ったROYAL ELASTICSの靴が尋常じゃない値段で売っていると聞いて行ってみる。
 ただ、今日は国立でサッカーの日韓戦があって、駅前が異常に混んでいる!その鬱陶しさをすり抜け、辿り着いた店では、ROYAL以外の靴も色々あって欲しいもんが多い。が、如何せん既にバーゲンも最終日で既に漁場は荒らされたあと。めぼしい物は殆ど無く、あってもサイズが無い。取り敢えず自分が持っているのと同じのが、買った時の半額以下だったので悔しくて買ってしまった。次の給料日迄まだ一月ある。昨日今日の散財で今月持ちこたえられるのか?!

 サイモン・マクバーニー演出『エレファント・バニッシュ』at世田谷パブリックシアターかなり解らなかった。この舞台を見るにあたって全くギアが入らなかった。ただ、始まって驚いたのは役者の身体表現以前に舞台装置&音楽のスタイリッシュでカッコいい事!近代的でテクノの様な舞台装置と黒いスーツを着た役者達が装置の転換も行いながら舞台を動くのがとにかくカッコいい。ある意味動きに無駄が無いと言える。
 しかし、体調不良のため次第に嫌な汗をかき始め、高泉さんのパートでは完全に落ちていた・・・失敬。



2003年05月30日(金) 馳走日記

 昨日、久しぶりに早く帰った週末だった。21時だ。誰かを誘おうか迷ったけど週末に緊急呼び出しも不粋なので、給料も出た事だし家のジャムが底をついてヨーグルトが素っ気無いので買物もかね、下北沢で飯を喰おと。場所が場所だけに給料を抱えた私にはお手ごろ価格の魅力的なお店が幾つも有る。新規のお店開拓をかね、南口を出て三軒茶屋方面のお店を散策してみる。

 1年ぐらい前迄イタリア料理屋だった所が、今は日本酒と魚の美味しい飲み屋になっている。下北と吉祥寺のお店の入れ代わりは激しい。雑貨屋と飯屋は山のようにあるのだが、定着するのが難しいのだ。
 飲み屋のトレンド的に今は日本酒と和食(魚)を中心にしたナチュラルで木の暖かみが有る様な和風志向の店造りが多く見られる。如何せんお酒があまり好きではない時点で問題が有るのだが、週末の飲み屋に入って飯喰って出てくるだけと言うのもつまらない。興味の有る店は何軒かあるが、いざ入ろうとするとためらう。そんな感じで下北を散策していたらお店以外にも結構面白い木々や建築物を発見して楽しかった。

 最近こんな散歩して無いなぁ・・・。いい加減、追われる生活に区切りを付けてゆとりを取り戻さなきゃ。そんな事を考えつつ、結局入ったお店は馴染みのイタリアン“めるか〜と”。水菜とうどのサラダ、マグロのタルタル、なんか食べていたらいい感じのオジサンが来てマスターに一番高いワインを注文!イイ感じによっているので隣に居たお嬢さんにもグラスをお奢る。マスターや、お手伝いのお姉さんにも奢る。ついでに私にも奢ってくれた。そんな感じで2本空けて1時間くらいしかいなかったのに2万円位払って帰って行く!豪気じゃ!カッコいいオヤジだ。おかげで、1っ本分くらい飲んだ。流石に帰るのが面倒臭く成ってしまたので友人に迎えに来てもらった。

 今クール始まったアニメで観続けているのが『エアマスター』『LAST EXILE』12ch。で、『LAST EXILE』「青の6号」の面子が作っている3D+2Dアニメ(今更この言い方も無い)なのだが。話も面白いし、絵柄も2Dと3Dが技術的にもデザイン的にも程よくマッチしていて素晴らしい。DVD売れると良いなぁ、でもビクターからなんだよねぇ・・・それも初回はなぜか3タイプ発売されるし。



2003年05月28日(水) 小津日記

 因みに、今日水曜日は、お仕事で某老舗映画会社が今年の末に発売する「小津安二郎DVD-BOX」の制作発表というものを覗いてきました。生誕百年の今年、小津安二郎生誕100年記念プロジェクトなるプロジェクトを結構前から組んで、かなり入れ込んでいるようです。年配層へのDVD普及への更なる拍車がかかること間違い無しのキラータイトルだね。

 連載開始からずっと読んでる週刊少年チャンピオン『アクメツ』。いいのかこの暴走は、いつまで続くんだ?いつブッシュを殺しに行くかと期待してるんですが。まさか、『コミックマスターJ』同じ作者だったとは。道理でテンション・ヒートUPしまくるわけだ。

 5/25日の日記書きました。



2003年05月25日(日) 時差日記

 今更、日曜日の日記とか書くけど、あくまでもここは私の記憶補完機能なのでそこんとこヨロシコ(寒〜)!

 さて、結構体調もよかったりしたんで、良い感じでお昼食べて今日も映画の日・・・て、まただよ。寂しいですね〜、でも誰か誘うにも一日に何本も見て、こうばらばらな作品を分刻みのタイムテーブルで観て回るなんて、誘えんわな。
 今日の献立『小さな中国のお針子』『星に願いを』『あずみ』。どう?今日のは女の子でも誘えそうなラインナップでしょ。でも、普通の人は良い映画を観た後その余韻に浸りたいものなんだよね。所が私にはそれが許されないのさ。

 『小さな中国のお針子』imdb中国映画なのに、泥臭さが無いので‘おや?’と思ったら、フランスメイドの逆輸入中国映画なのね。フランス育ちのベトナム人『青いパパイヤの香り』『シクロ』『夏至』の監督トラン・アン・ユンの作品と感じが似ている。文革(文化大革命)時代の中国農村部を舞台にしているお話だけど、つい最近の中国の田舎の話でも通っちゃいそうなほど、私達は中国について知っている事が少ない。
 映画の中では、お針子のお爺さんや、猥歌のお爺さんがイイ味出していたんだが、パンフを読んでいたらこの年代のイイ役者は文革のせいで結構少ないとの事。
 お話は、エリート学生が再教育で送られた山間の寂れた村で、周りは皆無知で無教養の下層農民ばかり。あまりにも退屈&ストイックな生活に欲求も溜まるし、ここは一つ純粋無垢な少女を調教教育して自分好みの自立した女に育てることに。そしたら、自立しすぎて手におえなくなっちゃったって話。中国映画とは思えない、垢抜けたドライな印象を持つ映画。実は自分の国を(フランス人と同じ)見下ろした目線で描いている映画。(女の人ではなく)女の子はどういう感想を持つのだろう?

 『星に願いを』私が日本映画の監督で常々注目している監督の一人、『非バランス』『ごめん』の富樫森監督。今回はなぜか原作が香港映画『星願 あなたにもういちど』セシリア・チャンの主演作)と言うリメイク。
 関係ないけどセシリア・チャンて若いころのブリジット・リンを思い出す丹精な美人。もしくは原史奈小西真奈美を足した感じで、なぜか次回作は韓国映画で浅田次郎原作の「ラブレター」をリメイクした『パイラン』に出演。
 作品に戻ると、元が香港映画だけにコテコテのラブロマンスなのですが、竹内結子が可愛いんだ。で、『火星のカノン』(富樫監督の下で脚本を書いていたこともある風間詩織監督の作品)にも出ていた中村麻美ちゃんとかいい感じのつながりが拝める。なので、今回の脚本に参加している人も今後気になるかも。で、作品は超オーソドックスなファンタジー&ラブロマンス。23歳以下の女の子と観に行くと感動してくれるかも・・・。

 『あずみ』北村監督やりたい放題!今まで手にした事無いお金が使えたのであれもコレもで欲張りすぎてしまった感じがする。でも、原作ものだし、なんと言ってもアイドル映画なのですべてOK。この経験を生かして今後の作品が面白くなればいいんじゃない?原作を読み返して見なきゃ分からないんだが、2時間30分は長いかな?幾つかエピソード切れたと思うよ。
 出演者は、最近の(それなりの規模の)日本映画には必ず出てくる竹中直人は今回もやりたい様にやってたっぽい。もう一人、“エンケン”こと遠藤憲一もかなり遊んでいた。更に、ヒーロー上がりの北村輝一やオダギリジョーは逸材。『浪人街』を思い出す原田芳雄の暴挙も暇が無い。若い男の子達も小橋健太が年上なだけあって演技は抜けて上手かったけど、他の男の子もそこそこ良し。“やえ”役の岡本綾ちゃんは『桜の園』の頃の‘中島ひろ子’と‘和久井映美’を足した感じの落ち着いた女優さんになりそうな風貌。色々あるけど、上戸彩のムチムチの太ももを眺める2時間半。



2003年05月24日(土) 無限日記

 延々この繰り返しだ。いや、普通の人は社会に出たらこれ以上の繰り返しに加えやれ付き合い酒だ、なんだと目も当てられないような、それでいて目をつぶっていてもこなせてしまうような果てしないルーティーンの連続を生きていたりするんだ。しかし、終わらない。ちょっと体調を崩したからって、遂に生存年数が大台に乗るからって気を抜いた5月(給料日換算)が過ぎたら、また徹夜している。

 そして、その脚でまた映画をはしごしている私は、傍目かなり寂しい奴。映画オタクと言われるほど映画が好きなわけではないんだが・・・。ハイハイ、気を取り直して本日のラインナップです。『ブリー』『トゥー・ウィークス・ノーティス』『ハンテッド』『過去のない男』
 あんまり惰性に任せて生活してるから、感性が動脈硬化を起こしているのか殆どどうでもいい映画だった。唯一最後の『過去のない男』に、何か違ったものを感じたのだが、いかんせんこの時点で体力が残っていなかった・・・。

 『ブリー』imdbここまでしつこく10代のセックス&ドラッグ&バイオレンスを描かれると正直おなかいっぱいだ。

 『トゥー・ウィークス・ノーティス』imdb「何でこんな映画一人で観てるの?」と言われてしまいそうだが、「間がさした」としか答えられない。だってサンドラ・ブロックってケツ顎じゃん!どうしてラブロマンスが出来るのよ?って言うか、単にヒュー・グラント観に行っただけ。

 『ハンテッド』imdb『濃すぎです!』(某オカマの映画解説者風に)。ベニチオ・デルトロがぎらぎらしっぱなし!まぁ、その昔は、ベトナム戦争の後遺症ということでよく使われたネタです。なもんでストーリーラインは「ディアハンター」+「ランボー1」+「追跡者」。しかし、監督のこだわりのおかげでやたらめったら『サバイバル教室映画』と化していて、一歩間違うとヤバイ映画です。バカな若者達が(私の後ろに座っていた)真似しないようにきちんとレイティングかけてくださいね! 因みに、この映画を観ていて浦沢直樹『パイナップルARMY』『MASTERキートン』って凄かったんだなぁと確認。

 『過去のない男』imdbアキも、ミカも全然観た事ないんでが、アキは不思議な間を持つ監督さんだ。多分、ホウ・シャオシェンと同じ位独特の時間の流れを作り出す監督さんだと思う。でも、こちらの方が私には心地よかった。



2003年05月18日(日) 穴埋日記

 今月は前半に時間があったのに、思わぬアクシデントで出足が遅れたので、朝一から映画行脚。『魔界転生』『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』『ボイス』『ミレニアム・マンボウ』『X-men2』の順で。本当は6本の予定を組んでみたんだんだけど、『TAXi3』は観たくなかったので外したら5本が限度になりました。睡眠3時間での挑戦だったのでかなり疲れましたが落ちたのは唯一『ミレニアム・マンボウ』。スー・チーは好きだけど、監督がホウ・シャオシェンだから仕方ないかなぁ。ま、5本も見に行くのは気狂いなのでなんとも言えんがね。

 『魔界転生』酷いと言われていたが、ある意味こんなものでしょ。何時窪塚君が「〜ジャン」とか言うかと思ったら別に言いはしませんでした。ま、おおかたの評論が述べているように深作版のリメイクであり、それを超える事は出来ないんだね。だいたい、どうして転生する奴(武蔵とか柳生但馬守、家康)が全盛期の若い肉体じゃなくて爺なの?他には、荒唐無稽と意味不明を履き違えていそうなシーンも幾つか。宝蔵院胤舜の殺陣なんかリンチェイの棒術っぽいけど、カット割も流れも緩いのでせっかくアクション出来る古田さんなのに生かし切れてない。因に柳生但馬守をやった中村嘉葎雄は言わずと知れた故・萬屋錦之介の弟。やはり、深作監督の「柳生一族の陰謀」で萬屋錦之介が但馬守を演じているのだが、そっくりなんだよね!これだけは見れて良かったと思ったよ。女優陣は軒並み健闘、又兵衛門の転生媒体に使われる生け贄はきれいでスタイルよかったなぁ。仰向けになっても乳がしっかり形を維持していたのは作り物かと思った。東映だし、‘Vシネ’レベルの映画と考えればまあ良しじゃない?でも、Vシネ版の「魔界転生」も既に連作で発売されていて、そちらの方が出来がイイかも知れません。

 『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』imdb本日一番観ていて心がリラックス出来る‘イイ映画’でした。出てる女の子皆可愛いし!去年のMy Favorite Actress‘ヘザー・グラハム’と、今年のMy Favorite Actress‘ブリタニー・マーフィー’が出てるのが決めて。客はカップルもいたけど、私の様なダメ夫くんも結構いたんじゃないかな?女優陣は‘カッコイイ女’‘カワイイ女性’‘綺麗な女性で於出迎え。ダメ夫を元気づけ肯定する、ポスト‘ウディ・アレン’のオシャレなNYシネマ。

 『ボイス』imdb笑った。前半10分位でほぼ全部読めてしまう。あとは、どれだけガキが‘可愛くないっプリ’を発揮するかを楽しむお笑い映画。結局ドロドロ三角関係痴情の縺れが巻き起こす「昼メロ」+「あなたの知らない世界」=“夏休みに見る昼の番組の組み合わせ”の様な映画。

 『ミレニアム・マンボウ』imdbスー・チーは好きなんだけど、売るのきつい作品だなぁ。2時間位使って結局主人公は前に進めたのかは疑問だし。どうもホウ・シャオシェンの描く時間の流れは私には、それに身を委ねるのがいまだにきつい。「好男好女」で痛いめにあってだいぶ避けていたのが・・・でも、彼女の心流れの時間としては美しく切ない感じがしっかりと出ていた。それを演じたスー・チーの成長は益々加速して欲しい。タイトルに反して 全然未来を見ない、可愛くて切ない女性の話。

 『X-men2』imdb前作よりもストーリーがより重層的で面白くなった。キャラクターや物語の流れ、各エピソードも十分今後の世界観を広げてさらなる続編や、スピンオフを期待させてくれる作品になっている。こうなると、映画ともリンクしたより細やかで全体を網羅した解説本が欲しいな(パンフに広告が載っていた)。あと、『スタートレック:ネメシス』の時のも思ったんだけど、これだけ裏設定や既に完成された 世界観が有るものを日本に紹介する時は、映画番組で特集を組むより「X-menが100倍解る番組」「スタートレック大解剖」みたいな1時間くらい特集番組か、帯で10〜15分の番組を公開1週間前にTVでやってくれないかなぁ?続編は作るべきだが、役者のギャラが心配になって来たのでメンバー交代や世代交代をする場合は慎重に!って「モー娘。」かい!



2003年05月17日(土) 石油日記

 開口一番、『オイル』を観て来ました。で、感想は後程。ずっと調子悪いです、このまま生誕記念日を迎え人生が3/1-10世紀に成るのかと思うと先が思い遣られます。なんてことを言いつつそんなに先きは要りません。良い感じで先を見れればオーライです(窪塚風)。
 毎度のことながら、週末は猛烈に堕落して15時起き位になります。きちんと家事をしているとすぐに時間が来てしまいます。本当は『オイル』の後にレイトショーを観ようと思っていたんだけど、駄目だね。観た意識をそのまま持ち帰らなきゃいけないと思ったもん。で、地元帰って来て友人と飯喰ってダーツしてカラオケ行って終了。

 NODA MAP第9回公演『オイル』:近年の野田芝居を観ると必ずその時とその数日思う事は“ああ、もっと頭と身体を使わねば・・・”だ。無論彼の芝居からはその才気は止めどもなく溢れ出て、頭のイイ人は違うなぁと思うことしきりなのだが。それが頭でっかちではなく身体にも伝わっているのが十二分に感動させられる。やはり、桁違いに人間力が勝る人の創造物は、日常のカンフル剤としてえらく効果的なのだ。

 ただ、芝居の題材や、得に選ばれた‘言葉’がえらく生生しくて戸惑う。そして、その言葉を使い差し出されるテーマも「パンドラの鐘」よりもずっと具体的なので直接の感想はもう一度反芻してみなければ吐き出せない。

 なので、役者とかの事を言うと、先ず、舞台始まった時の松さんが一瞬深津ちゃんぽく見えた。でも、進むに連れて作為的な面や何かがおりる様なオーラは、あ、松たか子だとしっかりと思わされた。深津ちゃんが降ろす狂気はどちらかと言うと悪戯っぽい所も有るジャック・ニコルソン的な印象が有るのだが、松さんのはヒットラーとかベニチオ・デルトロ様な生生しさが出る。ただ、こういう役者は野田さん好きだろうなぁと思った。藤原君はその声と役の捕らえ方が、こんなにしっかりした人なのか!と驚かされ、蜷川のでなんだなぁと感じる所がしばしば。橋本さんは初見なので上手いしか解らない。はいりさんとか小林聡美さんはベテランだなぁと思わせる、演出家にも合わせつつ自分の味がしっかり見える。一番驚いたのが山口紗弥加、昔ッから好きだけどここ迄声が出て動ける人だとは思わなかった。もっと年期を積むとコメディエンヌとしては「あぶデカ」の浅野温子は軽いでしょ。親友(だたと思う)のともさかりえよりとにかく身体が全然舞台向き。あとは、拙者ムニエルによく客演する小手さんが結構頑張っていたのは嬉しい。あと、男性では山中崇がきになった。衣装も立たず退かずで非常によかった、と、思ったらワダ・エミ!?先日のヒーローでも印象は良かったので実は私はワダ・エミの服が好きかも、と思った。音楽は「カノン」お思い出させる。舞台美術は前回の「桜の森の満開の下」を思い出したけど同じじゃないみたい。
 
 ああ、どんなにテーマが辛いモノでも、野田の芝居は私を日常の惰性から、思考する人間の本質を、確実にサルベージしてくれる。これは、アイデンティティを再確認する作業も含めて、自分が自分であるために必要不可欠で、自分と言う人間として生まれて来たのに、日常の生活に流され、自分も人間も見失っている事を気付かせる装置として1年に1回は利用しなければいけないと再認識した。映画で言うと黒沢清が最近そうです。



2003年05月13日(火) 英雄日記

 いや、なんか色々あってバイオリズムが乱丁気味の今月なんで取り敢えず試写に行って来ました。図々しくも3本見に行ったんだけど、また見れませんでした『二重スパイ』。なぜ?それほど迄に注目の作品、北朝鮮が旬だから?それとも試写状ばらまいてるの?余りにも好評らしくて、今回は入り口でビデオに落したやつをもらって来ました。ホントに好評みたいね。一旦会社に戻って1時間程仕事して再出発!
 今度はワーナーの試写室で『HERO 〜英雄〜』!!試写状来た時、モーレツに嬉しかったんで早く観たかったんだけどようやく。でも、ワーナーの試写室ロクに調べないで行ったら、見つけるのに時間かかって付いたら満席。スクリーン最前列で見るはめに、トホホ。感想は後程、まあ、予想通りっちゃぁその通り。
 急いで六本木に戻って『ムーンライト・マイル』の試写。結構気になっていた作品なのでちょっとワクワク。でも18時からなので終わったら直帰しようと思ってたんですが、会社戻って終電迄働いちゃったよ。

 久々に最近気になっている事を幾つか。
 1、倉木まいが気になる。アーティストとしてではなく、女の子として。彼女物凄くスレンダー・ボディーでそのくせ結構バストが有る様なパットの様な・・・3サイズの公表をお願いします。

 2、コンビニで見かけて思わず買ったKitKatのWベリー味。これ自体は不味かったのですが、この箱に書いてあったサイトに行ったら岩井俊二監督、蒼優、鈴木杏主演の短編「花と小箱」『はなとアイリス』を上映中。これが、短編なんだけどネットで見るには結構長い。岩井俊二らしい作品で悪くないんですが、こんなに長くてしっかりした映像がストレスなく見れる環境が家庭にやって来た事に改めて感激。思わずDVD付のKitkatも買ってしまいました。商品案内はこちら

 3、上戸彩の露出が大過ぎです!

 『HERO 〜英雄〜』imdbもともと懸念していた通り、ウォン・カーワイの『楽園の瑕』に近い作品になっている。ただ、共通して参加したクリストファー・ドイルのカメラがそう見せてしまっているのかもしれない。もちろん、ほぼ全編に渡る程小東導演のアクションは美しいし、ドイルのカメラ、ワダエミの衣装も、セットも絶品の一言。特に程小東のアクションは棒術や剣術が逸品と確認。
 お話は前半の偽りの戦いの回想が激しいアクションなのだがちと短い。その後の「じつは・・・」からがちょっと長くてアクションのテンポとしては盛り上がりを見失っている。その分、演舞といって良い程美しいシーンがながれる。
 ストーリーは、私怨に駆られた『義』と、大平の世を導くための『大儀』の重さの違いを説くお話なのだが、これをブッシュに見せたら如何に理解するのか?絶対勘違いして、大儀のための戦争は正当化されると思ってしまうかも。
 難を言うと、矢を打ち払うマギー・チャンのCGがウザイのと、チャン・ツッィーとマギー・チャンが闘う銀杏の葉が舞うシーンは、まだCGが人間の想像力に追い付かないことを感じさせた。あと、根本的にチャン・ツッィーの役は要らんのではないかと思う。
 チャン・ツッィーとドニー・イェンの出番は少な過ぎ!トニー・レオンが美味しいとこを全部持って行く。芸術>アクション>ストーリーの比重が目立つ映画。『マトリックス・リロード』の予告で流れるそうだが、どれくらいの人が観に来るだろう。あと、またもやエンディングがフェイ・ウォン(王菲)なのは、中国が世界に誇れる歌手は彼女だけと言う事ですか?

『ムーンライト・マイル』imdb『ドニー・ダーコ』以来ジェイク・ギレンホールに注目!『バブル・ボーイ』も無理してサンプル仕入れたのだ。トビ−・マグワイアーっぽいひ弱なアンニュイ系の男の子かと思いきや、イタリア系の小男ダスティン・ホフマンと列ぶとガタイもデカイし、脱ぐと結構逞しい事が解る。これなら、今後ファニー・フェイスの悪党なんかが来ても十分戦える(できればアメコミ系作品の悪役)。
 さて、作品は監督が自らD・ホフマン、S・サランドンに当て書きしただけあって、思い入れ十分の演出・演技。おまけにS・サランドンはプロデューサー迄買ってでているので、そのせいかどうか必要以上に作品が長い!特に前半のもたつき、皆が名優達が回りくどい演技で哀しみを表現する段とか。あと20分は切れたと試写後関係者に言っている方がいたが、全くその通り<116分>2時間は辛い。道に迷ってしまった人々が自らの指針をえてそれぞれ次の一歩を踏み出すお話。でも前半は作品自体が迷走している・・・



2003年05月08日(木) 絨毯日記

 まだ体調戻ってませんが、仕事の関係で対して観たくもなかったけど『風の絨毯』を観て来ました。なんか頗る首を捻る様な感動作なので、狐に摘まれた感じ。

 『風の絨毯』多分監督はフィルムが有ればもっと撮って3時間映画にしたんじゃないかぁ。それぐらい話が長く、全体的な構成が悪い作品。また、日本の人物造形が非常に薄く心の壁が越えられても、意志の疎通が出来てないのが可哀想な作品。
 先日観た『アフリカから遠く離れて』とプロットが似ているので見比べてしまうが、『アフリカ〜』の方が断然面白い。ラストの強引さが物凄いので、観た人の感想を聞きたいぐらいです。
 アラブの生活や社会観はぼんやりとだが見えてくる、その中に居て日本人の社会観などは全く浮き上がって来ないのはアラブ人監督だからだろうか?だって、少女が心を開いた切っ掛けや、やたら子供を可愛がるホームステー先の奥さん、少女に恋をする少年、ほらフキな大叔父さん。など、日本人よりはしっかりかけているけどやっぱり中途半端。



2003年05月07日(水) 扁桃日記

 連休後半から死んでました・・・。なんでこうなんだろう?休み、それも大きなやつになると必ず倒れる。飲みやら、飲みやら、打つやら、観るやらみ〜んなぶっ飛んでしまった。ゴメンマサイ菜!普段が無理し過ぎなので緊張の糸が「プツッ」と切れてしまうのだろう。
 もう、咽が痛くて熱が出て、白いお米が咽を通るのですら痛い程真っ赤に腫れた。扁桃腺は小さい頃は弱かったけど、サッカーをやって鍛えてバカになって問題無くなっていたのに、ここ何年かの不摂生と如実に落ちて来た新陳代謝率が、再びウィークポイントを曝け出して来たというとこだ。
 火曜日は最悪の状態で、正月の残りの鎮痛剤で騙し騙し終電迄仕事をしていたら、翌日もう洒落にならないぐらい熱だして、ボーとして、飯食えない。流石に午前中に医者に行ったら、待ち合い室はジジイババジジババジジババジジババ爺婆の大軍が。彼等の目的は70%が整形外科(節々痛むでよ〜)、次が内科20%、それに糖尿専科なんて窓口が有った。なんとか1時間待って診察は2・3分。こっちもわかってるしあっちもその通りって感じで“急性扁桃腺”。
 取り敢えず薬ももらったし、フラフラしながら午後から出社。その前に薬を飲むために飯を!でも咽に通りやすいもの‘お粥’を求めて高島屋のデパ地下へ・・・。でもないから他に行こうとしたら、店内広告に『3月、高島屋新館6階に“糖朝”オープン』が目に入り。速攻新館へ!青山の様に待たずとも即入店&オーダーできた。やっぱシンプルに『鶏と椎茸のお粥』&『豆腐花』(冷)でしょ。まあ、変な中華料理や行くよりもよっぽど美味しかったア。豆腐花は懐かしい味だった・・・・。昼食をリッチに食して薬を飲んだら、午後の仕事がムチャクチャ眠かったので早退した。

 因にこの『糖朝』香港が本店なのだが、現在のテンポの場所は’93年頃はたしか、ジャッキーチェンのお店や初期のプラネットハリウッド香港のあった跡地に出来た様子。実際、私が香港に言っていた時はもっと庶民的なお店の「マンゴー・プリン」や「豆腐花」、「牛乳プリン」を食べていたので行った事がない。



2003年05月02日(金) 白餡日記

 ゴールデンウィークは一日置きに仕事。今日も朝からお仕事お仕事〜♪平常業務だけで時間が経ってしまいせっかく休みに出て来ている意味無し。同僚は昨日出て来ていたようだが何やってたのか解らない?仕事してたんかいあの穀潰しは。

 帰りに試写会に寄るつもりで、その前に1本映画観ようと思っていたのだが、仕事が長引いて試写会場にギリギリ間に合うかどうかの時間になってしまった!たら、満員で入れませんでした、トホホホ・・・・。六本木くんだりまできて時間が余っちゃったよ。と、思い付いたのは、先日見つけたお店・六本木ヒルズに入っている“TORAYA cafe”

 案のお上りさんやカップルで賑わう今もっとも旬のスポット“六本木ヒルズ”に!私はミーハーである事をはばからないがこのミーハーパワーに物欲、特に食欲が絡めば、大っ嫌いな人込みも、うんざりする様な行列もなんとか乗り切れる。ただ、それだけの代償を払って辿り着く目的にはそれなりのレベルを要求する!!

 で、その目的=“TORAYA cafe”のレベルだが・・・なめてる!、値段はまぁよし。ただ、この味でこの値段ならしゃぁないかな、ってレベル!六本木、それも今一番注目のスポットに出店するにはあまりにもたいした事無さすぎ。
 30分位列ばされて食べたデザート“白餡と葛と豆乳のゼリー”も、お土産で買った“白餡のカステラ”も、ちょっと甘過ぎる気がするし、コーヒーはファミレスに有るエスプレッソ・マシンと同じで不味い。口直しに頼んだランク2の煎茶も至って普通。でも、硝子の急須に硝子の茶腕は、「色を楽しむため」とか言うけど、熱が直で伝わって熱くて使い辛い。特に急須は、蓋の摘み真上の部分に通気穴が有るのだが、急須が熱くて蓋を押さえる時にちょうどそこに手を添えるとその穴が詰まる。おかげでお茶の出が悪くなって御盆がビチャビチャ。今後の改善と、もうちょっと捻ったレシピの開発を期待します。

 その後、“TSUTAYA TOKYO ROPPONGI”に寄ったのですが、イイ感じです。売本屋にして、図書館並に寛げるスペース、営業時感AM4:00迄は、青山ブックセンターの脅威でしょう。でも、雑誌とか、飲み食いしながら見れるのは良いけどサンプル用の1册以外は全部シュリンクかけとか無いと汚れた時売り物にならんのでは?万一、コーヒーとかこぼした時はどうするんだろう?その辺調べれ見れば良かった。



2003年05月01日(木) 実録日記

 昨日は年に数回会う友人と日本酒を飲んだ。どうも日本酒は苦手な記憶があったのだが、昨日のお酒は全然残らなかった。まあ、2・3杯しか飲んでいない事もあるし、それなりにしっかりしたお値段のお酒でもあるからだと思う。

 よくよく考えると私の日本酒に対して嫌なイメージが着いたのって、安い居酒屋で白鶴レベルの安酒を3・4本開けた時だ。たぶん昨日のお酒は1杯で白鶴1本分位のお値段のお酒もあったかも。やっぱり、ワインにしてもウィスキーにしても安酒は悪酔いの最たる原因なのだ!そろそろ、いい年なんだからお酒にも気を使わなきゃいけないなぁと今日の朝思った。

 何のことは無い、『ボウリング・フォー・コロンバイン』を見てきただけの話。二日酔いにもならなかったのに、久しぶりに休みで映画の日なのに、組んでいたスケジュールをぶっちぎりPM8時頃出かけてコレだけ観てきた。

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』imdb


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