気分刊日記

2003年04月29日(火) 可愛日記

 映画業界が名付け親である‘ゴールデン・ウィーク’に突入。とは言え、ほぼ暦通り出勤しているので「電車空いているなぁ」と思ってるくらい。ま、今日は月末と言う事も有り4月分のチケット消化で新宿詰め。最後は、渋谷で監督&出演女優のトークショー付きを鑑賞。その出演者がカリスマ・モデル(セブンティーンとかの?)らしいのだが、今一つピンッと来ない。可愛いのは十分解るのだが‘カリスマ’って・・・?
 “可愛い”って、だいたい「素材が可愛い子」と「セルフ・プロデュースが上手な子」の二つが居て、後者には「オリジナル」と「量産型」が居て、雑誌などであるタイプのモデル(オリジナル)が出現すると瞬く間に量産されていく。おかげで最近中途半端に可愛い子がゴロゴロしているし、映画でもハリウッド級のギャルばかり追い掛けていたので“可愛い”について些か麻痺しているのかも・・・。
 
 あと、昨夜NTVで岡本喜八監督、三船敏郎・鶴田浩ニ主演の 『暗黒街の対決』 がやっていたのだが、オープニングのキャストで“天本英世”を発見してしまい結局最後まで見てしまった。天本さん若かった!結局殺し屋だったのですが、なかなか曲者でした。彼を含めて殺しやトリオが唄うシーンが有るんですがそのシーンも凄くセンスが良い。あと、個人的には初代『ゴジラ』で水中酸素破壊装置オキシジェン・デストロイヤーと共に海に沈んだ芹沢博士=平田昭彦も結構行けてると思った。映画は、テンポも良いし遊びも効いていて大変面白かったです。

 『ドリーム・キャッチャー』imdb某所で“シャマラン的要素有り”と書かれていたのだが、「なる程」と、かなり最初の段階で思わされた。ただ、そのなる程がまるで島本和彦先生『無謀キャプテン2』(第2巻)に恐ろしく似ている。特にその“なに”の造形が。まあ、B級の域を抜けだせないけど結構ツボお押さえた効果音や演出で楽しませてくれるので、あんまり映画を観ない彼女を誘えばそこそこ満足してもらえるデート映画かな。

 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』imdb面白いし、なんとなくほろりと来そうなシーンも有るし、スピルバーグにしてはPOPだし、何も問題は無いように思う。実際結構ロングヒットしているし。ただ、前に上げたどれもが、“スピルバーグにしては”であって、これらのジャンル・要素がもっともっと上手な作品は唸る程有る。そんな訳で、この作品の一番の売は作品自体より“監督&主演の二人が参加していると言う点”なのだ。

 『ベッカムに恋して』imdb純粋に青春映画として面白い。そして、“イギリスに住むインド系コミューン”カルチャー・ギャップのエッセンスと言うかスパイスが上手に物語に味わいを与えている。失礼を承知で言うと『リトル・ダンサー』+『君さえいれば』<インド風味>なストーリー。
 主演のインド系少女は実は28才と結構なお年なのだが、さすがアジア系は若い。親友役のイギリス少女は20才、ウィノナ・ライダーとナタリー・ポートマンを足して2で割った感じ。それもそのはず、彼女は『SW エピソード1』でナタリー・ポートマン演じるアミダラの影武者パドメを演じていたのだ。今後注目だね!あと、コーチ役のジョナサン・リース・マイヤーズがかっこいい!あの目の色がなんか不思議。因に、アメリカ版(imdb)のポスター?の写真で写っているスパイクはプーマなのだが、実際主人公が使っていたのはアディダスです。この辺疑問?

 『blue』 『ラヴァーズ・キッス』に続いて市川実日子さんの同性への愛の告白。たまたまなのだろうが、この手の役ばかり来ているようですねぇ?結果的には本作の方が演技の質的にがぜん上!どっちを勧めるかと言えば、宮崎あおいちゃんには悪いが絶対こっち。因に本作は全然大人が出て来ません、まさに少女漫画の世界です。



2003年04月26日(土) 多摩日記

 昨夜は珍しく家に帰った。でも木曜に泊まった・・・。そんな訳で土曜の朝を久しぶりに自宅で迎えた。でも、一週間何もしなつけで、掃除とかしていたらあっと言う間に夕方。本日は多摩センターの第1回アート・バザールinTAMAにて行われるパルテノン多摩小劇場フェスティバル2003に参加の御贔屓劇団シベリア少女鉄道『笑ってもいい、と思う。2003。』 を観劇。基本的に最近王子を離れることが無かったのでやっと友人を誘えました(でも多摩かよ!)。見たいというので、友人の連れが当日券を買いに行ったら完売。それもそのはず劇場は満席!王子の2.5倍の席が満席ですよ・・・これから買い辛くなるなぁ。
 中身はさておき次回は三鷹の森で上演と、ちょっとづつ下北に接近中!個人的には三鷹は激近所なので、モチのロンで行くだわさ!ホイホイサッ!

 シベリア少女鉄道『笑ってもいい、と思う。2003。』:知ってはいたのだが、2時間に及ぶ前半が後半20分のバカ・コントための大いなる前振りだということを・・・。それでも、前半は観るものに苦痛を強いるあんまり上手くな役者による居心地の悪い『3年B組金八先生featuring上戸彩』が延年続く。この劇団を余り知らない人はコレだけでダメだしをするだろうし、席を立ちかねない。実際、友人も何度席を立とうと思ったことかと言っていた。但し、それを我慢して訪れる最後の20分は、それまでの2時間をみごとに伏線として消化した一大バカコントが展開。多分、この劇団を全く知らないで見通した人は、演劇と言う固定概念・物語を演じると言う次元とは別の次元の舞台を見せられることで、ただただ唖然とすることだろう。友人曰く、「パズルのような芝居だね」。
 ただ、この芝居(劇団自体の)初演が3時間あったと言うのだから今回の2時間短縮バージョン&現時点での役者のレベルを考えると、初演の3時間を耐えるのは相当厳しいものだったと思う。毎回思うのだが、この劇団は本当に役者のレベルUPが急務!これから注目度も増すのでなおさらです。



2003年04月23日(水) 業界日記

 今日は珍しく外回りで半日をつぶす予定。とは言え、試写会を2本と同業者の集まりというのに顔を出すため。これで給料をいただけるのだからありがたい(仕事量を考えれば、それでも余りある奉仕なのだが・・・)。出社後2時間ほどで外出。六本木のGAGA試写室にて今年のアカデミー外国語映画賞を受賞した『名もなきアフリカの地で』と、同じくアカデミー主演男優賞ノミネート『アバウト・シュミット』。詳しくは後程として、後者には漫画家の蛭子能収(55)が来場。奥さんを亡くした時の経緯など考えると、みごとな招聘だ宣伝部よ。

 鑑賞後、宣伝会社に挨拶。GAGAって常に平行して何本も配給(今年は年間40本だっけ?)しているのでいろんな宣伝会社が絡んでいる。何社か付き合いは有るのだが如何せんこちらのリアクションが弱いので徐々に疎遠になっている。個人的にはどんどん外に打って出たいのだが、本丸が貧弱なためどうしても篭城気味になってしまう・・・。この機会をもっと有効に使おうと心に誓う。

 その後、六本木をブラブラしていたら話題の”六本木ヒルズ”がプレオープン中。まだ招待客しか入れなかったのですが、今後もこんな所に来ることは殆ど無いはず・・・と、思っていたのだがセレクトショップと言うかコンセプトショップの様な棚作り(店作り)をするらしいTSUTAYA TOKYO ROPPONGIと、餡子もの・羊羹の老舗「とらや」が出店するデザート新空間TORAYA CAFEには行ってみたい!

 夕刻より都内某所にて某メーカー&大手同業者主催の懇談会というのに出席。自らの立場が悲しくなってくる。このご時世、物を売るということは井かに難しいかということを切実に感じた・・・。

 『名もなきアフリカの地で』<独>・<アメリカ>imdb リアルな『ハウス名作劇場』(世界名作劇場)の「南の虹のルーシー」「ブッシュベイビー」を彷彿とさせるヒューマン・ドラマ。恵比寿ガーデンプレイスなんかがベストの劇場かな?
 大人の男と女の面倒臭さ、子供の単純で柔軟で純真な素晴らしさが、過酷で原初的なアフリカの自然や文化の中でより剥き出しになるドラマは、現代人には理解無用の感動作品。

 『バウト・シュミット』imdb 物凄く有りがちで平凡な人生を装ったジャック・ニコルソンがこの映画の味噌である。すなわちジャック・ニコルソンという人物が既に非平凡な個人なので、彼が平凡を演じることで生まれるズレによって、より一層平凡さが浮き彫りになる、皮肉な構成。
多くの50歳以上のオヤジには痛烈に心に響き、働き盛りの男たちには将来、上司、そしてオヤジの背中かが異常に侘しく見えてブルーになる。



2003年04月21日(月) 駄目日記

 仕事に行こうかと思っていたのだが、例のごとく起きた時間が・・・だったので部屋の片付けをして夕『デアデビル』を観に行く。帰りに、友人宅に寄りDVDを何枚か借りた。もちろん5.1chが効果的な作品ばかり。『地獄の黙示録』なんか有ったりする。

 『デアデビル』imdb



2003年04月19日(土) 抜殻日記

 ショックな出来事があった割には立ち直りが早い。というかショックだった事すら忘れていると言うのが現状で、ニンゲンと言うのは忘れられるから生きていられるのだと思う。ただ、おかげで‘心に残る傷’だとか‘後遺症’と言うものが理解できない。無いに越した事は無いが、無知で鈍感になってしまうのも困る。
 
 例にもれず、朝帰りのついでに本日封切の『シカゴ』を朝一の回で見てきた。結構客が居ないので驚いたりしたが、もともと日本人にはミュージカルを、特にミュージカル映画を見る素養が欠けているのではないかとも思っているのでさして心配はしていない。でも、本年度アカデミー賞12部門ノミネート6部門受賞の割に初日の入りがいま一つっぽい。

 どうも神様とやら、運命の蛇の悪戯はあざと過ぎる。きちんと週末に、懸賞の品“DVDシアターセット”が届いたのだ。取り敢えずセッティングをしてみたのだが、良く考えるとリアスピーカーの設置って、スゲー邪魔!普通の家で四方にスピーカーの有る部屋ってあんまり無い。大体の家ではAV機器は居間に有るだろうし、居間にスピーカーの配線を張り巡らせるのは美感を損ねる。仕方がないのでDVDを効く時だけリアスピーカーを置く事にする。ウーハーだけでも邪魔なんだけど・・・。

 夕方、友人と下北に飯を喰いに行く。男二人で飲みではなく、本当に飯を喰いに行く。だけあって、店選びにも結構慎重。取り敢えずその前に隠家的なカフェ『the apartment』 でコーヒー&ケーキを食べる。以前、店の前まで行って引き返した事があるのだが、いざ入るとかなりいい雰囲気。店内は読書している人も多く本棚やカウンターにも本が並んでいてジャズがかかっている。家具もシップルだし、ウッディ・アレンのポスターから、マルクス兄弟のポストカード、シャア専用ズゴックの人形に、ムーミングッズと、一見相容れない様なものが自然に飾ってある。ケーキはゴルゴンゾーラのチーズケーキなど、食材も変わっていて種類も多いし、コーヒーも美味しい。入れ違いに入って行く客が夕飯をこの店で取る様な話をしていた所をみると、飯も行けてそう。土曜の夜に店員も4人居て、結構繁昌している様なので何回か通ってみようと思う。

 さて、結局夕食は下北商店街沿いのオープン・カフェの様に通りに面した席が有るフランス料理屋。ジロウラモ似のフランス人店員は陽気でフレンドリー。ラテン気質バリバリ、日本語無茶上手!有人はコース、私はサラダと前菜とデザートと言う変則オーダー。どれも上手かったし、ワイン1本とカフェ付いて2人で¥16.000程とお手軽なフレンチだと思う。まあローテーション的に2・3ヵ月に1回位の割合かな。

 『シカゴ』imdb



2003年04月17日(木) 来禍日記

 さて先日、加入している電話会社のプレゼントに当ったという話をした際、『“禍福は糾える縄のごとし”、この福の反動が恐い・・・』と書いたのだが、さすがに神様は几帳面で見事に翌月の同じ頃に“禍”をくださった。それも、電話がもたらした“福”は電話で“禍”となって帰って来ました・・・。

 火曜の夜に電話がフリーズして壊れてしまいました!ヤバいヤバいとは思っていたのですが、生来の健忘症でアドレスやら何やらバックアップしておくのを忘れていたため、全部飛びました!!

 特に、出勤や帰宅、移動中に送信メールの形態で書きためたアイディアやフレーズが全部亡くなってしまったのには、正直もう惰性で生きるしかないかも・・・と思っている次第です。

 で、これを見ているお知り合いで私にコンタクト取ろうとしている方はメールは土曜日まで使えません。電話は今日の午後今さら新しい機会に切り替えましたので通話可能です。携帯以外のアドレスはレスポンスが遅く成りますが通常通り確認できますので御利用ください。



2003年04月13日(日) 選挙日記

 今日は統一地方選挙前半、都知事選が有りました。都知事立候補者の主張やパーソナリティーはさておき、立候補者が一人を除き皆70代と言うのは如何なものか。唯一の50代の候補が一人。他の候補とは20才も差が有るのが異常に思えてならない。政治家の定年制を早く施行してもらいたい。得に、中曽根将軍辺にはそろそろ退役して欲しい。

 そんな事を言いつつ、午後から友人と落ち合う予定だったので来週いっぱいの作品を早起きして見に行ったら、友人にすっぽかされてしまい、そのまま惰性で5本観て来ました。作品は『リロ&スティッチ』『リベリオン』『マイ・ビューティフル・ジョー』『ネメシス:S.T.X』『エルミタージュ幻想』流石に体調を整えていた訳ではないので、‘ファミリーアニメ’‘アクション’‘ヒューマン’‘SF’‘アート’と、作品も作品なだけあってラストがかなりきつい事に・・・。

 4/12に『アカルイミライ』の感想を書きました。

 『リロ&スティッチ』imdb社会福祉局が保護の名目で子供を施設に入れたり、不格好な人形は頭に卵を産みつけられて余命数日だったり、最強なのに水には弱かったり・・・、中途半端にリアルで中途半端にヒューマン、アジア人描き方を変えないと「ポカホンタス」レベルの結果しか残せないと言う事。

 『リベリオン』imdbエイミー・ワトソンがヒロインなのはきつい。探せば沢山穴の有る設定、中国人ではないアクション監督、とB級臭がプンプンする アクション頼みの中堅アクション映画

 『マイ・ビューティフル・ジョー』imdbオチが読めてしまうぐらい単純で分かりやすいファミリー・ヒューマン。シャロン・ストーンがジーナ・ローランズ並にかっこいいおばちゃんに成ろうと奮闘中の後が見て取れる、呆れる程、普通できちんと出来ているファミリー・ヒューマン・ドラマ。

 『ネメシス:S.T.X』imdb劇場に来ている客層が明らかにトレッキー。公開2日目にして恐ろしい空き具合&客層に限り無いヤバさを感じた。

 『エルミタージュ幻想』imdb綺麗!まるで、ディズニーのアトラクション“ワールドなんとか”に乗っている様な気分。長い。



2003年04月12日(土) 早朝日記

 毎週金曜は花金どころか、徹金!私お住まいはビジネス街のビルの中になってしまう。帰りは朝、週末の朝、渋谷の繁華街は凄い。仕事帰りの風俗嬢や、ゴミをあさる路上生活者。

 趣向を変えてラブホ街を流したら、宿泊を終えたカップル、時には二人とも高校の制服だったりするのが凄い。朝一から入っていくカップルや、悲しくなるぐらい歳の離れたカップル(女の子が可愛いんだ)はデリヘルとかではなく、どう見ても会社の上司と部下の様相。徹夜明けのリーマンはそっけない振りして電柱に張ってあるデリヘル広告を物色して持ち帰る。

 TULLY'sとか入るといつものビジネスマンや学生、外人カップルなんかの賑わいとは異なる客層。おそらく地元民や朝終わる仕事(水商売系)の気取らないおじさんやオバサンが常連になっている。心なしか店員も変だったりする。

 電車に乗ると、日頃あまり出かけないような奥様が休みの日も朝から元気。但し、お出かけ慣れしてないので化粧が異常に厚い!!顔白いよ。

 何かいつもと違ったものが見えてくる・・・。

 昼寝の後、夜の8時に出かけてレイトショーで『アカルイミライ』を見に行く。今日はレイトショーの前にトークショーが有るので朝からアミューズに言って整理番号1番のチケットをもらっていたのについた時には100番まで回っていた。意味無いじゃ〜ん。

 さて、近頃鑑賞している映画のラインナップをして“ギャル好き”と言われてしまうほどの私だが、その指摘も甘んじて受けよう。あまつさえ、今日はロリコンとか犯罪者呼ばわりされてしまう事も辞さず!で以下の作品・人物を取り上げる…。

 
 『 Uptown Girls 』 :伝説のロッカーの娘で、マンハッタンで一際イケてるお嬢様ブリタニー。所が、遺産を騙し取られいきなり生活苦・・・。コレまで自由奔放に生きてきた彼女がいきなり労働するハメに。で、ついた仕事が、諸般の理由で母親と離れて暮すダコタの子守り。孤独を抱える二人は衝突しながらも意気投合!やがて本当の友達親子の様になるのだが・・・。
 てな感じの、ヒューマン・コメディ?なのかな。アメリカのサイトをいい加減に翻訳してるので不確。タイトルだけ聞くとコステロが流れてきそうだが、トレーラーのミュージックがアブリル・ラヴィーンだ!!これほど、ブリタニーに合う曲は無かも。でも、やっぱり最強なのはブリタニー&ダコタのコンビ。俺にどうしろと言うのだ…8月にアメリカに行けとでも言うのか!?
 5月頃に公開予定の『8mill』または『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』で来日予定らしいブリタニー。ただ、家族(弟がいるらしい)と一緒にきて大阪・京都を巡ると言う観光モードなので、その時期京都に行こうかと思索中(ウソ)。

 『アカルイミライ』黒沢清の凄い所は難解で哲学的な映画を作るからじゃなくて、圧倒的なエネルギーや、意識の様な形のない何かをフィルムに焼きつけ物語の体裁を整え、観客の前にきちんと提出してしまう事。それを商業ベースできちんと軌道に乗るポピュラーさを兼ね備えている点ではないだろうか?
 もちろん、エネルギーや意識と行ったものは、知覚・認識・理解をするにはあまりにも漠然として“解らない”“難解”と言う印象を受けるが、理解しようとするその時点で、見る者に思考する事を想起していると言う事は彼の思惑の中なのではないだろうか。そして、何を理解するかという主題は「エゴ」や「集合意識」、「関係性」と「存在」であったり、「未来」や「方向」とい言ったなんとなくタイトルに集約されているようにも思う(この辺は私の独断)。
 とにかく今回は、各シーンのエネルギーに圧倒される。

 



2003年04月10日(木) 大腕日記

 “忙しい、忙しい、と言ってる内はまだ余裕。”なんて訳で、ダメダメな同僚が今日も寝坊、重役どころか半休して出勤するのを後目に、SPEの試写に行って来ました。ただ単に、ロザムンド・クワン(40)を久々にスクリーンで見るために『ハッピー・フューネラル』。でもその後、仕事にならないくらい疲れ切っていた・・・。え、映画はあくまでもほのぼのとした良質の作品。帰りの電車で危なく寝過ごす所でした。

 『ハッピー・フューネラル』imdb結構面白かったです。中国本土の映画なんて言うから、人民啓蒙のため、どうせ説教臭さがそこかしこに漂っているのでは、と思っていたのだが・・・どうして、メリハリの効いたしっかりとした脚本に、味の有る役者で淡々と綴る、久世演出の向田邦子作品みたいな素朴さも秘めているすてきな小品。
 旧正月映画の割にはしゃいだ所も無く劇中劇が入れ子構造で展開するのも、結構凝っていて意外、それに監督が上手い。でもって、ロザムンドさまの可愛さは相変わらず。新宿のシネマスクエアとかでは無くて、女性も来れる武蔵野館レベルがよかったのではないかと思う。プレスには、中国を代表する様なスタッフが参加している旨も宣伝として掛れているが、その点で一番感心したのはエンディングが王菲(フェイ・ウォン)だった事かな。諷刺、コメディー、ドンデン返しの連続!?いえいえ実は普通のラブストーリー!

 



2003年04月09日(水) 転寝日記

 昨日、最終電車の急行で帰宅していたらうっかり寝過ごしてしまい、一駅どころか6駅先まで乗り過ごしてタクシーで戻って来た。いやはや、この忙しさは何時まで続くのやら。ゴールデン・ウィークには3日くらいは休みたいものだ。



2003年04月06日(日) 安穏日記

 明け方、ボーとNHKを観ていたら 『ドイツ語会話』の番組紹介が始まった。お、昨年の衛藤利恵から、ことしのアシスタントは市川実和子だ、それにJ-WAVEのパーソナリティーも勤めるDJのSASCHAまでいる。なんかNHKやりたい放題だなぁ。
 そう言えば最近深夜に 『木更津キャッツアイ』やってるでしょ、あれダメ!疲れて帰って来てもあの時間にやってると観ちゃうのよ、助けて、映画化するって言うし。

 今日もいい加減な時間に起きていい加減な時間に飯喰っていい加減な時間に出かけて『スパイダー』『WATARIDORI』を観て来ました。

 『スパイダー』imdb:先週の『レッド・ドラゴン』と言い、レイフ・ファインズは物凄く折り目正しくナイーブで気品の有る細かい人物造形を任されることが多い。表情は殆ど変わらないのだがその目の奥には常に狂気が同居していて、それはもうクリストファー・ウォーケンや岸田森なんかと同じ系譜にいる役者なんだと思う。でも、『ことの次第』や『イングリッシュ・ペイシェント』の様に艶っぽさも漂う。
 監督のクローネンバーグはこれまでのドロドロした映像から凄く削ぎ落した画作りでビジュアル的にはこれまでとはかなり一新されている。これは、原作物であるためと、その原作を反映させるため長年組んでいた美術とは違う人を起用したかららしい。それでも“無意識による記憶の操作・修正を行っている人間による回想”という、複雑でダウン系の話をサッパリした画・程よい光・美しいロケ映像で、これまでよりも画的には観るものを疲れにさせない。しかし、ストーリーの絡まった蜘蛛の糸は脳に僅かながら負担をしいる。

 『WATARIDORI』imdb:この作品、新宿高島屋に入っているテアトル・タイムズスクエアで公開しているんですが、これがドンピシャの箱。なんと言っても元ハイビジョンシアターだけあって、音・迫力・座席など作品のスケールに非常にマッチしていて素晴らしい!超環境映画なのですがそれもそのはず本作の制作が、『ミクロコスモス』『キャラバン』などを制作した会社(人)なのだ。
 この作品を観ていると野生の鳥達の生態やそのバックに写る自然やそれ以外の人工物、例えばフランスのシテ島やセーヌ川を望むエッフェル塔など、小学生くらいの頃、日曜の朝に続けて観ていた‘なべおさみ’ナレーションの『生き物ばんざい』『兼高薫 世界の旅』(TBS)の連続コンボを思い出す。また、恐ろしい技術と手間がかかった空撮は、旅行に行く度に飛行機の窓から観る世界の風景を思い出させるし、それは、誰でもが一度は夢見る“鳥になりたい”願望をかなり叶えてしまう素晴らしい映像だ。
 都内に住んでいる方で、この文を読む機会の有る人はぜひテアトル・タイムズスクエアでかかっている時に観てもらいたい。でも、あまり疲れている時に観ると、コウノトリがやって来て、このちょっと長めの2時間は心地よい眠りへの誘いになてしまうので御注意を。この作品なら、先日当ったDVDシステムで観てみたい!



2003年04月05日(土) 火星日記

 今週も会社に一泊、帰りに『ブラックダイヤモンド』を観てきました。年に一回リンチェイ(ジェット・リー)映画が大画面で観れるなんていい時代になったものだ。

 香港ネタが続いて恐縮だが、来週末全米公開予定の作品『BULLET PROOFMONK』。主演が『グリーン・ディスティニー』以来の作品となるチョウ・ユンファ、共演に『アメリカン・パイ』のショーン・ウィリアム・スコット。日本ではおそらく夏から暮れにかけて東急系あたりで公開しそうなアミューズ配給(仮)作品。
 トレーラーを見た限り、久々にみせるユンファのコミカルな表情は、渡米以来硬派な役が多かった彼のコミカルな面がやっと引き出されたといった感じ。なんと言っても香港時代(特に初期)の彼はコメディーにも定評があったからだ。
 作品は、ユンファの過去作『フル・ブラッド』&エディ・マーフィーの『ゴールデン・チャイルド』を思い出すシュチュエーション。
 注目はヒロインのジェイムズ・キング(ジェイミー・キング)、本作では黒髪なのだが見たところバリバリのブロンドっぽい。サイトのギャラリーではアブリル・ラヴィーンっぽいBad Girlが映えている。私は未見なのだが、あの超大作『パール・ハーバー』では死んでしまう看護婦役で出演しているらしい。

 あと、ネットを流していたら、中華圏で活躍する日本人俳優の勇姿をいくつか発見。次回作(でも情報が2002/7/22だった)『PURPLE BUTTERFLY』でチャン・ツィイーと共演するのは香港映画『GEN-X COPS』『東京攻略』韓国映画『2009ロストメモリーズ』などに出演した俳優の仲村トオル。加勢大周を上回りそうなアジア限定国際派ですな。
 それと、『クローサー』にも出演中のヴィッキー・チャオや、『鬼が来た!』で監督として成功を収めこの夏公開の『ミッシング・ガン』でも主演&プロデューサーとしても活躍するチアン・ウェンなど中国のBIGネームと、『ウィリアーズ・オブ・ヘブン・アンド・アース(原題)』で共演するのが中井貴一。『壬生義士伝』の次は、また武士(戦士)です。

 


おまけで、ジャッキーの『Around the World in 80 Days』(「80日間世界一周」のリメイク企画)』の撮影風景から。どうも今回、サモハン(写真右)も俳優として出演。で、その奥で傘を持ってるのは“火星(マーズ)”だ!
(ここの所火星フリークですね)

『ブラック・ダイヤモンド』imdb



2003年04月02日(水) 明星日記

 レスリー・チャンが亡くなった、飛び下り自殺らしい。ショックだ。私の青春の一部を築いた香港映画の四分の一位を締めていた俳優だ。先月みた『カルマ』が日本公開の遺作になってしまうのだろうか。日本にも熱狂的なレスリー迷が山ほどいるので彼女達の動向も気になる。先月DVDが発売された『金玉満堂』や来月発売される『大英雄』など、’80〜90年代の香港映画隆盛期の傑作にもことごとく出演している。申し訳ないが古尾谷雅人さんの時より遥かなショックだ。天本さんを上回りかねないショックだ・・・。

 私は香港返還の前後、多い時で年3回も渡香していた。その頃は、かの地を香港映画迷達は敬意を込めて“聖地”と読んでいた。また、四天王と呼ばれる、レスリー・チャン、アンディー・ラウ、ジャッキー・チュン、アーロン・コックの様な香港明星(スターのこと)迷(ファン)はコンサートの追っ掛けなどは、この比では無い渡航回数だと思う。

 当時香港映画ブームの到来も有りニフティーのアジア映画フォーラムでは盛んに情報交換も行われ、現地でのオフもしばしば行れていた。そんな、賑わいにお邪魔させてもらったついでに現地(香港コロシアム)でレスリーのコンサートを観る機会にも恵まれた。これはフェイ・ウォンのファンである私にして、唯一の中華系アーティストのコンサート体験である。

 このように、当時は彼を含めた幾人かのスターで香港映画は回っており殆どの映画がまるで日本の連ドラのように出演者を押さえてから作品が決まっていた(今も変わらないかも)。そんなシステムに嫌気がさしたのか、レスリーは90年にセミリタイヤしている。しかしその後復活、ほどなく映画にもコンスタントに出演していたがどうしてもソフトな役が多く行き詰まっても仕方が無い状況も見えていた。
 しかし、2000年頃の『ダブル・タップ』辺から結構シリアスで新しい路線に光明を見い出して来ていたように思ったのだが、今回の『カルマ』ではそれが災いしたのか、撮影現場からは役が抜けなくなってしまっているとも囁かれたらしい。実際、本作のラストではレスリーが<幽霊=自らのトラウマ>を振り切って、ビルからの飛び下りを踏み止まるのだが、現実は上手く行かなかったようだ。因に、この『カルマ』でレスリーの親友を勤めるレイ・チーホンは『男たちの挽歌』では敵役、実年齢でレスリーの方が3つ上。同じく「挽歌」で共演したチョウ・ユンファンはレスリーより1つ上と言う事になっている。できれば、かれ(ユンファ)のコメントを聞きたいものだ。



2003年04月01日(火) 影桜日記

 せっかく常春なのに、オフィスから出られない。常に電話の前に一人っきりのため離れられない。ことしはまだ電車からしか満開の桜を観ていない。桜だけじゃ無い、ツツジも木蓮もまともに見合って無い。
 花見は、旅行中の買物に似ている。特に海外旅行、立ち寄った店先で気に入った物が有っても、荷物になるからとかもっと後の店で安いのが有るからと言って買い控えると二度と気に入った物に会えない。花見も、まだ大丈夫とか週末まで待とうとか思っていると、その雨が降ったり変な風が吹いたりして見ごろを逃してしまう。とは言え・・・。
 しょうがないから早い内に夜桜でも行ってくるかな。まるでnight walkerだね。


 < 過去  INDEX  未来 >


73k [MAIL]