気分刊日記

2003年02月26日(水) 八人日記

 もちろん、『8人の女たち』を見てきたわけだが、そのためにいつもより早く仕事を切り上げた、当たり前か。銀座テアトルは、テアトル東京グループのなので水曜1000円、更に水曜はレイトショーがあるのでこんな私でも観にいけたのだ。
 しかし、猛烈な疲れのせいで鑑賞中何回かオチてしまったのは、我ながらいい加減にしたい。ま、仕事がいい加減どころか加減無く降りかかるのでそうも言ってられない。そんな生活も流石に最近飽きてきた&辛くなってきた。
 友人が職を変えた。私のように浮草人生を送っているような方ではなく何年も働き続けた職場からの転職だ。不安と期待で楽しくて大変でヘトヘトになってるだろう。そんなしっかりした人生を見せられると、いい加減なんとかしなくてはともう少し頑張る気にもなる。

 昨夜からコレにはまっています。商品の箱には、限定生産BOX販売中みたいなこと書いてあってSPEのアドレスがあるんだけど、昨年後半に販売されてとっくの昔に市場からなくなってるんですが?多分今年中にバラが出るんだけどね。あとコレもかなりきてます。大人買いの暴挙です!

 『8人の女たち』imdb



2003年02月22日(土) 宿泊日記

 さて、ここの所毎週深夜のお迎えに頼っていた金曜の夜ですが、昨夜は遂に会社にお泊まりしてしまいました。他の階の人も皆帰ってしまったようで、チョとした占有屋気分。最近は特に、夜食もとらないようにしているのでコンビニにも行かず、お腹が空いてしょうがなかったんですが、たくさんお茶を飲んで誤魔化してました。
 それで、つくづく感じたのは“私は根っからの夜型人間”だってことです。いや、仕事がはかどるのなんのって!旅行(主に欧州)なんか行くと、向うに着いてから時差も関係なく直ぐにガンガン動ける、ヨーロッパ時間の人なんですよ(言い訳)。

 さて、深夜の残業は黙々とやるのもなんだから音楽でも流しながらやろうかと思ったのですが、CDもMDも持って来ていなかったので、思い出したようにココ(i-radio)を開いてチャラとクラムボン(郁子さん)の過去の分を聞き尽くしてました。結構いけるのなインターネットラジオって。

 一通り仕事が終わったらもう朝の7時頃。もうちょっと早くに切り上げて、数時間寝てから(寝袋持参)9時半頃に来る予定の朝の荷受けを待って退社しようと思っていたのだが、中途半端に寝付いた頃に荷物が来たので2度寝してしまい、起きたら昼だった・・・。

 さて、起きてから身支度を整えて渋谷に出発。日数が少ないためチケット消化が急務な2月、なんと先週に続いて今週の初日の作品を鑑賞!よくよく考えると昨年も徹夜明けの土曜日に『ハリーポッターと秘密の部屋』の初日を観たし、結構超大作の初日観てるジャン、おれ。でその初日は『ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔』!!混んでるかなぁと思ったが「ハリポタ」や「戦場のピアニスト」程では無かった。まあ、明らかに続き物だし、3時間は有るので気長に見に行くつもりの人が多いってことかな。かなり余裕で観ましたよ。で、隣に座っていたのが結構綺麗なOL風の女性2人組なんですが、どうも彼女達1作目を観て無いっぽい会話が・・・楽しめたんでか?でも彼女達の一人は、私よりも2・3若そうなのに、既に5才程のお子さんがいるとか・・・小耳に。様々な場所で「もうそんな歳なのか」思う事しきりの近年。

 で、この日は「LOR」の前にも1本映画を観ていて『トランス・ポーター』。これが面白そうとふんでいたので、やっぱり面白かった。そう考えると、「ゴーストシップ」も観ておきたかったなぁ。おまけで、既に予告が流れていた、今春東急系で流れるジェット・リーの新作サイトココを御紹介。髪型がちょっとオシャレ、ワックス使ってるようです。

 さて、渋谷での鑑賞を終えた後、PM6半頃に下北に着いて『刑事まつり』レイトショーの整理券の列に並ぶ。見事整理券をゲットした後、一旦帰宅して飯食って掃除して折り返し下北に直行。この間1時間半。移動に往復30分強。近いよ!

 『トランス・ポーター』imdb

 『ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔』imdb

 『刑事まつり』



2003年02月15日(土) 初日日記

 昨夜と言うより、今朝も2時ごろに会社まで友人に迎えに来てもらった。また、夕食を奢るためその足で歌舞伎町に向かう。だってこんな時間にファミリー・レストランやラーメン・牛丼以外の飯屋を探すには‘眠らない街新宿’ぐらいしかないから。先々週は上海中華だったが、今週は職安通り沿いの韓国街。

 ちょっと来ない間に益々リトル・コリアになっていて驚き。何で焼肉屋が軒を連ねてるの!?と思いつつ、店を見てたら可愛いおねぇちゃんが出てきて「どぉぞ」とか言うから思わず入ったのだが、大失敗!何が悪いと言うでもなく、はっきり言って、サービスに対する割高感が非常に辛かった。店出る時に、おねぇちゃんが「これバレンタインデーです」と、板チョコの欠片を頂く・・・。かーるく歌舞伎町を流すも、全室満員のラブホをみて今日がバレンタインデーだった事を実感した。

 一夜明けて、もう昼の3時。お仕事の都合でもらった、初日(今日)しか利用できないチケットを使うため、急いで渋谷へ『戦場のピアニスト』4時の回。うわ、すげー混んでる。普通なら俺は来ないよ大作の初日なんて!せいぜい徹夜明けに『ハリ・ポタ2』を見たぐらいかなぁ。
 終映後急いでシアター・コクーンへ『ニンゲン御破算』を観に。ヤフオクでちょっと辛い値段出して手に入れた2階席のチケット。非常に遠くて自分の目の悪さが悲しくなる4時間でした。

 『戦場のピアニスト』imdb

 『ニンゲン御破算』可も無く不可もない。『キレイ』よりも引っ掛かりがない感じはするのは、松尾スズキのドロドロっぷりを期待した程味わえなかったからなのだろう。でも、面白く無い訳では無い。ただ、そのドロドロを出さないようにするため、松尾スズキは無理はしていないんだろうけど、荷が勝ち過ぎると言うか、性に合わないタイプの公演なのでは無いだろうか?「今一つ吹っ切らないタメの芝居が中心」の松尾の舞台は勘九郎にどうだたのだろう?全体としては、3部構成に分かれていて休憩が2回入るのだが、1回目がちょっときつかったかな。まあ、片桐はいりが暴れるまでちょっときついって言う事なのかもしれない。
 最後のどんでん返しも、*ネタバレ*主人公が自分が女であるために強いられた苦しみとか苦悩に今一つ気持ちがつながらない。もしかしたらそんなものは関係ないのかもしれないけどね。たんに、『人生は小説よりも奇なり!でも8割の人生は物語る程の奇もない平凡なもので構成されている、それって奇の有る人生を際立たせるためでしか無い。でもやっぱり誰かに自分の人生を認めてもらいたい…。』ってことかな?とも思った。
 田端さんは、初めての舞台にしては凄く上出来だと思う。私のいた2階席にも十分声は通っていたし、メリハリのある演技で頑張っていた。強いて言うなら、男を思う気持ち(愛にしても、未練にしても)が今一つ出ていなかった。まあ、普通に考えるとあのポジションは‘平岩紙’がやってるポジションだと思う。
 阿部サダヲが最高で、いきいきと屈託が無い、そんな彼の演技を見ていて思ったのは“今最も少年をやっていて似合う男”だということ。それをもって見ると、来年の3月位に新国立劇場にて、野田秀樹演出で再演される『透明人間の蒸気』で、かつて野田が演じたポジションをはるのはむべなるかなである。
 秋山さん、片桐さん、吹越さん、は松尾芝居を心得ていて更に持ち味を十二分に出している。大人計画の面々は今回はほぼ脇に回り安定したボケを連発。浅野さんはセルフパロディーも交えつつ今後も今回の様な色の付いた舞台に出てもいいのでは、と思う楽しみっぷり。クドカンは頑張って田中麗奈と結婚してくれ。
 さいごに、舞台美術がかなり凝っていてコクーンに池が出来ていた!最近松尾氏は舞台で大量の水をはる・使うのがお気に入りなのか?『業音』でも風呂桶使ったし。でも見応え有りの美術です。



2003年02月11日(火) 憑物日記

 いつも道理に朝起きて会社行って来ました。最近かなり上の空が取り付いているので、仕事に身が入らなくて。ま、そんな訳で16時に切り上げて銀座で映画観て帰って来ました。しっかし『ラヴァーズ・キス』は辛かった・・・。『いきすだま』以来の辛〜いアイドル映画でした。ッその後に『ストーカー』とか観たんで、なんか最後まで疲れの残る祝日になっちゃいました。まるでなんか肩の上にいるみたいな疲労感が一日付きまとってしまったよ。

 えっと、どうでもいい情報なんですが、私の職場のフロアーの一角に怪しい企画室があって、中国上海辺の仕事を担っているんです。まさに「怪しい上海バスが行く」の上海紅鯨の上海なんですが。そこの部署の人が一ヵ月の半分を行ったり来たりしてるンで、向うでCD買ってきたりするんす。ま、殆どケリー・チャンだったりするんですが、その中に1枚見た顔の人がいて香港系の人かなと思ったら・・・‘太陽とシスコムーン’のRuRuでした!本国に戻ってデビューしていたとは、と思ったら台湾からなんですね。でも、解散から3年で経ってもしっかり生き残っているので凄いですよね。平家みちよさんやYURIMARIとかアミーゴ(鈴木あみ)よりずっと充実してるみたい。さてこの事実、買って来た本人も気付いてませんでしたけどね。
 で、ネタを追っていたらここに辿り着いたんですが、以前も佐々木ゆう子ネタで覗いた事は有るんですが細かい情報がスゲー墓場状態、日月だけで何処にも年が無いんで何時の情報なのやら。でも、このトップに有るコンピのお知らせはちょっと面白そう。

 「ラヴァーズ・キス」を見て来て知ったのですが、宮崎あおいちゃんが声優やってるのね。これ、『魔法遣いに大切なこと』の主人公。1回目見たんだけど気が付かなっかった。どうも興味無かったんでもう見て無かったンですが改めてみちゃいました。悪く無いねぁ、でもこのまま声優アイドルにはならないでね。

 『ラヴァーズ・キス』

 『 ストーカー』imdb



2003年02月09日(日) 時代日記

 お昼に友人から頂いたうどんを食べました。美味しいです!これが家に有ったら週一で主食になります、ハイ。私は地元の名産の蕎麦や、雑誌で特集になる程人気のラーメンより“うどん”が好きなんですぅ。人間美味しいものを食べると心が豊かになり、気分も良いですね。
 心も豊かに午後の映画タイム!今日は約3ヶ月の道のりを経てやっと見に行った『たそがれ清兵衛』
 えらいロングランしてますな、昨年から松竹さんは奥山の呪縛や何やかやからやっと抜け出して、洋画の配給(「I am sam」や「ロード・オブ・ザ・リング」「ハリーポッター」)が大当たり、もちろんその続編がある今年も、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(ちょっとコケ?)、この春公開の『シカゴ』も含んで絶好調!そこに来て本作の大ヒットに、「壬生義士伝」もまあまあの滑り出し。結構な調子なので、変な色気など出さないように!
 因みに、本作の客層的には「阿弥陀仏堂だより」とほとんど同じ。松竹的には「寅さん」や「釣りバカ」と同じような客層だと思ってるかもしれないが、実はちょっと違うと思う。老若男女様々なのはもちろん、日本の現代劇はまったく興味なく、地元の公民館の名画座は行くが都心まで出てきて映画館で観るほどではない。でも、昔よく見た時代劇を、それも心にしみるやつを久日ぶりに観に来た層も意外に多いみたい。そんな層に今後も劇場に来てもらうため、いつもの殿様商売をしてちゃいけないよ。得に新宿ピカデリー!年寄りにあの階段はきついぞ(エレベーターあったらごめん、でも多くのお年寄りが辛そうに上ってた)!あと、本編まで15分もある予告編は年寄りに絶えられるのか?
 その後、『ケミカル51』もみました、こちらは完全にバカ映画!サミュエル・L・ジャクソンの一人舞台。因みにこの映画イギリスをバカにしてるの?

 『たそがれ清兵衛』で、映画もかなり面白くて、これがあの「学校」とか撮ってた山田洋次?と思う上出来っプリ。これが初の本格時代劇と言うなら、「陰陽師」の時の滝田洋二郎より全然良し(隣の親父は「壬生義士伝」の予告編で鼻すすってたけど)。真田広之も岡本喜八の「EAST MEETS WEST」はもう過去の事、『陰陽師』『助太刀屋助六』などこのところ時代劇続いてるし、次回は「オケピ」を蹴っての出演となる、トム・クルーズ(たぶん背は同じ位)と競演のハリウッド映画『ラスト・サムライ』と、二コール・キッドマンの様に(だいぶ前だけど)離婚後仕事が躍進している?<製作中>

 『ケミカル51』imdb



2003年02月08日(土) 音波日記

 今日は飲んでの朝帰りだったのでPM3時起床。なんてこと!疲れやストレスを理由に時間に対してかなりの怠者になっている私は、ダメダメね。
 飯食って夕方5時頃フラフラと新宿歌舞伎町のLIQUID ROOMにPM6:00
開演の‘クラムボン’『clammbon LIVE TOUR 2003』:追加公演 に行って来ました。昨年夏の日比谷野音はチケット買ってたのに、忙しさで行くの忘れてしまい涙を飲んだので、満を辞してって感じ。

 ‘クラムボン’『clammbon LIVE TOUR 2003』:追加公演:  先ずは、リキッドの階段をゼェゼェ言って昇りきり、会場に入ると若干内装工事をしたらしくBarカウンターの位置が変わっていたりしてちょっと広くなった感じがしました。あと明るめになったけど、男子トイレはなぜか赤いライト?
 さて、6時に始まったもののメインのクラムボンの前に前座or対バンが2(3)バンド程いました。(3)と言うのは、セット転換の際に外のフロアーで演奏していたバンドが有ったから。その分メインの演奏時間が8時から1時間半と短くなっていたんですねぇ。どうもこの構成が前もって告知が行き渡っていなかたったらしく、オフィシャルのBBSではかなり論議を呼んでいます。さらに、クラムボン御墨付きで出演したバンド(全部インスト)、得に“mono”の評判が激悪!!その前に出演した “TOE” とか、転換中のフロアー演奏 “ACOUSTIC DUB MESSENGERS” に比べて、こき下ろし捲り!
 まいったなぁ、私はこの“mono”に会えただけでも儲っけモンだと思っていて、ライブ終了後CD買っちゃったんだよね、それも2枚。そうか、どうも冷たい視線を感じたと思ったら、あの会場に来ていた人はmonoに憎悪し、辟易させられたのか。私は、あの様な爆音をライブ会場のスピーカーの前で一身に浴びる・身を委ねるのがとても好き、それに機材の音流したまま退場って久しぶりに見たよ、友人のライブ以来!つまり、“ノイズ”と言う音を聞いた事が無い方が多かったんだろうね。これは 「コーネリアスのライブで“暴力温泉芸者”が演奏した時」「EGO-WRAPPIN'とか出演したSATURDAY NIGHT SHOW CASEと言うイベントで“RISE FROM THE DEAD & GUS BOYS”が演奏した時」 にも同じ現象が起きました。いずれも私は嬉々として聞いていたのですが・・・。
 ま、人の癒され方もそれぞれと言う事で許して。もちろん、“クラムボン” も大好きで癒されますし、今回はちょっと演奏時間短いかなとは思ったり、セット転換が時間掛り過ぎってのも有ります。でも、AXに行けなかったから久しぶりに聞けただけでも私は良かった。
 メインの演奏に関しては、2曲目の‘鰻屋’(フランス語でしたが)のとき郁子さんとキーボードの人が色んなものをたたいていたのが面白かった。ソロのパートでの即興っぽさとかは完全にジャズのそれであり、腹から来る音に酔いしれた一晩でした。

 ★チラシから仕入れた情報です多分私は行くので興味ある方はご一考
 『Weather Presents Otomo Yoshihide's "blue"』at 青山・CAY

  • 03年3月9日(日)
  • OPEN 18:00 / START 19:00
  • 会場:青山・CAY(港区南青山5-6-23 スパイラルビルB1F 03-3498-7840 )
  • URL;http://www.spiral.co.jp
●取り敢えず、2月2日の日記を後付けで書きました。‘シベリア少女鉄道’『遥か遠く同じ空の下で君に送る声援』の感想を長々と・・・。



2003年02月07日(金) 中島日記

 昨日、帰宅の折友人から電話が有った。何かと思ったら「中島らもが麻薬所持で捕まった」と言うお話だ。ホントにその一報のためだけの電話だった。最近TVもニュースを見る時間には帰れないし、新聞も夕刊だけ。ニュースは主にネットのニュースなのでこの事件が社会にどれだけの反響を及したかわからない。
 私のリアクションとしては、‘ああ、てっきり酒で死にかけていると思ったので大麻なんて結構元気じゃン、よかった。’である。ある意味彼の健在振りを知らせる吉報みたいなものだ。だって、何時の間にか‘リリパット・アーミー’は‘リリパット・アーミーII’になってるし、どうしたんだろうと思っていたのだ。

 人にはそれぞれ、全く関係ないけど気になる人がいる。または興味の有る無しで分けられる出来事が有る。残念ながら、私は音楽には遠いい位置にいるのでジョン・ストラマーの死に何も感じない。大変失礼だがスペースシャトルの墜落も、普通の飛行機事故より死人が少ないぐらいのイメージだ。どちらかと言うと、「中島らも逮捕」の方が、この先『刑務所の中』みたいな作品を書いてくれるのではと興味津々である。

 オチがない・・・



2003年02月02日(日) 競馬日記

 金曜日が朝帰りがったので、今日も今日とて午後から活動開始。本日のイベントは年に3回有るか無いかの王子への観劇の旅‘シベリア少女鉄道’『遥か遠く同じ空の下で君に送る声援』を見て来ました。
 毎度開演ギリギリに入るのでたいして王子の街を見る事も無く帰ってくるのですが。今回はチョットだけ歩いてみました。そうですねぇ、一部の地帯にラーメンやが密集していてチカチカの電飾置看板が多いです。感想はそれだけです。

 ‘シベリア少女鉄道’『遥か遠く同じ空の下で君に送る声援』折り込みには役者の紹介、出演者の役名・・・役名がみんな「めぞん一刻」の登場人物だぞ?つまり皆、名前の頭に‘数字’が付いている、これ何か関係有るのかな?おや、皆なぜかそれぞれあるキーワードだけ言い方が違うぞまるでお笑いのネタみたいに、やたら説明臭い長台詞が有るぞ、などなぜかネタバレ気味な今回。
 舞台はとある喫茶店に集まった男女、‘かなり思い込み激しい女の子=七尾(染谷)’を中心に、‘それをホローするために付き添いで表れた親友=一ノ瀬(水澤)’、‘なんだか裏の有る軽い調子のウェイトレス=六本木・音無(秋澤)’‘店のTVで競馬を見ているオヤジ=二階堂(藤原)’それと‘全く喋らないで食器を拭いているマスター=四谷(土屋)’がお店に常駐。そこに‘七尾の片思いの相手=五代(吉田)’と、‘六本木に弄ばれる男=三鷹(吉田)’の一人二役が入れ代わりで絡む。今回は全体としてはラブゲームなストーリー、片思いらしい女の子と、一人の女性を巡る三角・四角関係と野次馬が絡む、まさに高橋留美子原作の漫画「めぞん一刻」を下敷きにしたドラマ。お馴染みの大転換芝居に向けてなんとか大筋の恋愛劇(?)が少々無理の有る進行ですすむ。

 で、肝心の大転換の内容は<以後ネタバレ>“台詞に含まれる、ある主のフレーズとキーワードを使ってもう一つ(現状の芝居とは全く関係ない)状況を同時に進行展開させる”と言うもの。
 先ず、ある時点で舞台右上に隠されていた装置“ゲームセンターに有る様な馬が7頭並んだ競馬ゲームのボード”と、右下に隠されていた“競馬新聞に載っている出走馬の名前と丸や三角の付いた予想票ボード”が姿を現す。そして、キャラクターそれぞれに特定キーワード‘出走馬の名前’を台詞に含ませる、それも役名の頭に付いている数字に対応する出走馬の名前。劇中にその言葉が出たら舞台右上に設置されたボードの馬人形が一馬身進む。その間、舞台上の芝居はきちんと恋愛劇が進行しているし、馬の名前以外の台詞もレースの実況解説としても使われると言う、お得意のダブルミーニング。その結果、恋愛レースと競馬のレースが同時に終了するように構成してある。そして更に手が込んでいるのは、その日の来場者全員に配られた折り込みチラシが勝ち馬投票券になっており、当選者は1000円分?のJCBギフトカードがもらえる。その折り込みと言うのが「高校生の様なブレザーを着た染谷さんが学校の廊下の様な所にいる写真が有って、そこに学年&クラス表示のプレートが写っているのだが、そのプレートこそ連勝の馬券になっている」例えば)3年7組は‘3-7’という具合。
 相変わらず幾つもの仕掛けを入れた趣向こらし捲りの舞台でしょ!?ただ、それぞれ役とキーワード=馬の名前を印象付けるため、前半の段階から各馬の名前=キーワードをそれぞれが連呼するのが今一つ無理が有るのと、競馬が始まってからではルールを説明できないので、前半に説明じみた台詞を挟むのだが、その台詞も、何が始まるか伏せてある段階での長台詞なので浮いている。染谷さんの(天然)トリッキー演技、秋澤さんも(確信犯)トリッキーな演技、水澤さんの一人取り乱し演技、などキャラはそれぞれ立っていて面白いのだが、後半のもう一展開を消化する程の力量にはなっていない。んん、何かやろうとしているのは先刻承知、それ舞台として成立させるにはやはりまだ役者の力量が付いて行って無いのが正直な印象だ。やはり、「耳をすませば」の完成度が高かったのでちょっと期待し過ぎる向きが私に有るのも否めない。本当は、毎回こんな脱演劇見たいな芝居を考える事こそ気が狂いそうな事だと思うので、それを毎回やってくる土屋氏は凄いのだ。あとは、十分可愛い女優陣と結構癖の有りそうな男優陣がもう少し芝居が上手くなれば・・・って、毎回謂っているがこの劇団だけでやっているとなかなか上手くなる機会が無いので、できれば他の劇団に客演させてもらいなさい。

 先日思ったのだが、私はこの劇団に「劇団健康 」が「ナイロン100℃」に再編された当初に行っていた実験的な玉手箱の様な演劇演劇の構造を崩す意外性を期待し楽しんでいる(得に論理的な部分で)。これを、‘物理的&勢い’でやっているのが拙者ムニエルだと思う。
 ちょっと重荷かなと思うし、何時それが予定調和に変わるかしれない。でもそれがシベ少のカラーになり、土屋氏の色として浸透すれば勝ちである。そう、‘ケラのシュールな笑い’や‘野田の言葉遊び’のように。

 次回は遂に、王子以外でも芝居をうつ、1日だけど、多摩センターだけど。


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