言葉のサラダ
黄と藍



 ポスト


荒れた部屋
歩けない
入らない
カギを閉めて
誰も入れない

2003年01月30日(木)



 泡を歩く


勝手にキレてた
口で言えばいいのに

凄い速さですれ違った
早足なのはあっち

ドアを閉めたとき荒かった
あんたに言ったわけじゃないのに

まあそれはきっと

普段から溜まってるから
はけ口にちょっぴり吐いての結果だろう

どうにも
あたしは知らん

2003年01月29日(水)



 三人対一人


耳元で
計画を
一人が
相談
一人が
答え
一人が
笑う

ぼそぼそと
人の耳元で
聞かせているのか
計画している

あたしが
聞いたって
ちっとも
面白くない
不愉快な
気分が
残るだけ

2003年01月28日(火)



 ろうのしん


後ろ向きに進みながら
前にある障害ばかり気にして
自分は只事実を話し
他人には受け入れられない
外側は固い殻だけど
内側は普通と変わらない
結局注目されたいだけ
話を聞いて欲しいだけ
求めることが多い割に
実行しようとは「思う」だけ
頭に水を掛けても
そのまま歩きつづけるだろう
いつからか続けている
いつまでも続けている
そうしたいのではなくて
そうなるべきと感じながら

2003年01月27日(月)



 BからB


信じるってのは
一方的なことから始まってて
どっちかが信じないと
信じることができなくて
いつまでたっても
その人たちは
ずっと
永遠に
疑いつづけることになる

2003年01月26日(日)



 何処までも落ちてイケ


私だけの部屋を作りたい
誰もいない私だけの部屋を

風呂道具も
冷蔵庫も
本棚も
食器棚も・・・
なにからなにまで揃っていて

そこにずっといる
その世界に額まで浸かりたい

2003年01月25日(土)



 ミキサー


気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
気持ち悪い 気持ち悪い
只々同じ言葉を
繰り返し呟き続ける
気持ち悪い 気持ち悪い
バラバラだ
崩れてしまった
ぐちゃぐちゃで
汚らしい
汚らわしい
近づきたくない
話なんてもういい
聞きたくない
話さなくていい
だからあたしは
何度も何度もこう答えた
それは良くないね
それは善くないね
それは好くないね
ソレハヨクナイネ
って
それしか言えなかった

現実逃避してもいいでしょ?
早く逃げさせてよ
もういい
もういいからさ

2003年01月24日(金)



 魔女


スチール製のオモチャで
壁に穴を開けてみただけ
後ろ姿が似ていたから
突き飛ばしてみただけ
頭に来たから
水を掛けてやっただけ
自分にイラついたから
途中で放棄しただけ

2003年01月23日(木)



 ユメユメ覚めてもユメの中


永遠と夢見る

朝食はコーンフレーク
バス停まで車
降りたら布団の中にいて
目が覚める
学校へ行こう
靴下は紺色で
朝食は目玉焼きと紅茶
駅まで自転車
改札をくぐったら布団の中
目が覚めた
学校へ行こう
父に何度も起こされて
不貞腐れて逆に寝る
時計を見たらお昼前
そうだ学校は?
慌てて下りた階段
朝食はなし
学校まで走る
坂の途中で布団の中
目が覚めた
学校は?
学校へ行こう
今度こそ
布団をはいで
顔を洗って
靴下は紺色の
ハンガーから服外し
着替えて急いで下へ行く
朝食は野菜炒め
学校へは車で行った
これが夢じゃありませんようにと

2003年01月21日(火)



 Kす

胃が
ぐちゃぐちゃになるまで
空腹の私は
薬を頬張りつづけ
眼に
浮かぶ涙のことなんか
すっかり
忘れて口へ押し込む
ピーピー
鳴り続けるやかんのお湯がなくなるまで
とりあえず
食道へ落としていく

2003年01月19日(日)



 、ゴク


待って二時間
部屋で10分
結果問題何もなし
悪化するまで暫し待て
薬もらったそのときに
右に感じる痛みあり
自宅に帰って昼食時
左に感じる痛みあり

薬を飲もう
沢山飲もう
前より強い
薬を飲もう
沢山飲んで
薬で死ぬか
激しい悪化を
望みます

2003年01月18日(土)



 ウマ「れ」つき


期待
はずれ
根性
は無し
何をやっても
続かない
根性
根性
根性
全て
なけりゃ
人間
出来ること無し
全て
根性
根性
ばっか
根性
言う奴
馬鹿
ばっか

2003年01月17日(金)



 砂時計


行きたいところへ行けなくて
やりたいことが見つからない
急に何かに脅え出し
震えがいつまでも続く
暗闇は恐いのに
光がもっと恐い
私の意見は
常に否定され
後悔したくて
しょうがない
まとまりがなく
掴めない
すでに終わっている

2003年01月16日(木)



 背中の怪物


トンネルの入り口はもうずっと後ろ
目の前には真っ暗な闇
振り返れば明るい入り口
逆行で顔の見えない怪物が
私の後を追ってくる
後ろの怪物に注意を向けつつ
暗闇に紛れている小石に転ばないようにしながら
ずっとずっと先にある出口を探している
「ある」と信じながら走っている
声を掛け合いながら二人で全力疾走
怪物の声が聞こえて
怪物の足音が響いて
怖くて恐くて
怪物から逃げて出口を探す
絶対に「ある」と信じている出口を目指している
もし足を怪我しても
もし指を失っても
入り口には戻らない
もう戻れない
戻りたくない
怪物に負けないように
追いつかれないように
「頑張って」は禁句で走りつづける

2003年01月15日(水)



 流された岩たち


水を叩いて撒き散らす
気が済むまで手で叩く
びしょぬれになっても構わない
そうならないとやって行けない
寝ながら思い出した過去の言動で
掛け布団を叩いたり
寝返りを打ったり
思い出し笑いをしてみたり
過去の自分を笑ってみたり
声に出して自分と格闘
脳内喧嘩が始まった
他人は白い目
私は死んだ目
もう知らない
我慢できない
全てが終わるまで
何も信じない

2003年01月14日(火)



 空が浮く

額を飾ってよ
約束の蒼い縁
軽い木で出来た
大きな額がいい
近くの店にも無い
特注のデザインで
長い階段の直ぐ横に
目立たない地味な額
段々みんなに見られて
額も得意な顔になって

中の賞状より立派に見える
目的の知れぬなにかの賞状
だれにも気付かれないように
そっと額にメッセージを書き
返さなきゃだれにも知られない
そんな額を今から買いに行こうよ
嘘を付いたら舌を抜いてやろうか
無理やり引っぱってってあげるから
何処か知らない遠い寂しいところへ

2003年01月13日(月)



 不明


言わなかった
言えなかった
信じられないと
そう思ったから
何故か確信があった
何故か声が聞こえた
言おうか迷った
やっぱり止めた
きっとそうだろう
あれはそうなんだ
見たことのあるあの人だ
なつかしいあの人だった
明日行ってみようか
感想きいてみようか

2003年01月12日(日)



 ビンの底


黒く
深く
遠い
目を追いかけて
易く
古く
見慣れた
土地に着く
寒く
暗く
古い
ドアの前に座って
長く
寂しく
大きな
人を只待ち続け

2003年01月11日(土)



 遅いし


コタツに広げた宿題は真っ白で
目線はテレビを向き
時間は滑るように流れていく
時計を見た夜に
提出日を確認し
布団へ向かった

2003年01月09日(木)



 ちょっと深爪


爪を切りすぎた


物がちょっと摘めない
物がちょっと捲れない
物がちょっと削れない
物がちょっと剥せない
物がちょっと取れない
物がちょっと外せない
物がちょっと剥けない



指先がちょっと綺麗になった

2003年01月08日(水)



 急ぎ道

信号無視をしながら
交通事故に遭うことを考えたり
寒いなと思いながら
冷たいお茶を飲むことを考えたり
来る電車の頭を見ながら
ホームへ降りることを考えたり
授業中うとうとしながら
突然奇声を発することを考えたり

携帯にメールを打ちながら
そんなことしたらどうなるんだろう
とか考えてみたり

2003年01月06日(月)



 二文字


更新
行進
前進
後退
停止
敗退
全快
全体

2003年01月04日(土)



 ヘイワ


パズルをなおしていた
床にうつ伏せて
あたしを囲むように
たくさんのピースを広げていた

これで何度目か
数えるのもめんどくさい

少しの間だけいなかった
戻ってきたらバラバラになっていた
パズルをなおしている
何度崩れてもまたなおす

2003年01月02日(木)
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