カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 冷たいのね、風

=冷たいのね、風=

気付いたときには寒くなって、白い息を薬缶みたいに吐き出している。だから、そんな静かな夜に僕一人だけって言うのはとってもすばらしい事じゃないかって思ってみる。


=練文=

よそ行きの文章を書くために、にっこり笑って、頭の中を夏の青色で一杯にする。どうしても、自分が楽しんでいるんだ、って思っていないと僕は僕が書くよそ行きの文章が書けない。ただ、楽しそうに書いてるだけかもしれないそんな文章を読んでもらう価値ってこれっぽっちもない。だから、だから、僕はただ文章を書き連ねるのを好む。


=夢見の気分=

みぞれ上がりの夜の道はアスファルトが月光を反射しているから、厳かだ。タバコに火をつける音さえも向こうの道まで響いていき、空から光が落ちてくる音まで聞こえてくる。何か起こりそうな気配が、辺りに満ちている。僕は思いっきり吸い込んで目を閉じる。ただ、夢。を、見たいだけ、なの、かも、し、れない。

2004年11月24日(水)
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