定期的ってわけでもないけど
普通に生きていても 年に数回
しみじみと思う事があるのよ。
『人を良い気分にさせる言葉を紡ぐのはとっても難しいけど
人を不愉快にさせる言葉を吐く事の なんと簡単な事よ』
って事なんだけど。
マイナスのパワーってものは
同じエネルギーのプラスのパワーの
倍の威力があるような気がしてるのよ。
倍以上かも。
以前なら
ムッとくるような言葉に出会う事は
そう多くはなかったわ。
せいぜい 自分に悪意を持った知人から
意地悪を言われる時ぐらいのものよね。
使用例:「まりとの漫画って説教くさくてほんとつまんないわよね。こんなのをお金払って読まされる人って とっても可哀想」
中には本気で悪気なく
天然で失礼な事を言うヤツラもけっこういるけど
これはあたくし的には そう腹は立たないわ。
むしろ笑えて好き。
そこ つっこむのも楽しいし。
使用例:「たとえ、世界中の人がまりとの漫画をつまらないと言っても、私はあんたの漫画が好きよ」
とまあ、実際にあった使用例は置いといて以前ならその程度。
でも ネットを彷徨うようになって、
いろんな人の日記とかブログとかが目につくようになると
イヤンな気持ちになる言葉に出会う確率は
比較にならないくらい増えるわ。増えまくり。
たいていは なにか
その文を書いた人と自分との
考え方の違いにいらだつのであって
個人を攻撃しているものでは無い事が 多いわね。
使用例:「いい歳してちまちま漫画なんか描いてる奴って馬鹿だよね。それで売れてりゃまだいいけど、そうじゃないならやめた方がよくないかな」
(とっさに思い付かないので ちょっとヌルイ使用例)
たとえばこういう場合は 誰に向かって言っているわけじゃないけど
たまたまそれを見ちゃった「売れない漫画家」が
「それってあたし(もしくは俺)のことなのっっ(もしくはことなのかよっっ)」と思っちゃうわけよ。
でも別に名指しで言われてるわけじゃなし、
書いた相手は自分の事など 知りもしない。
面と向かって自分に対して意地悪を言われるのと違って
怒りとか抗議とかの持って行き場がないのよ。
と言っても たいていのサイトの場合
掲示板があるし、ブログはもちろん
日記もコメントできるものが多いし、
メールと言う手立てもあるんだから
本気で抗議したいと思えば 抗議はできるわ。
でも 自分に向けられたものでもない文章に
いきなり怒って異議申し立てするほどの事かどうか
そのエネルギーは有意義なものかどうか
立ち止まって考えずにはいられないわよね。
人を突き動かす原動力で一番大きいもの
それって 怒りだと思うのよ。
怒りのパワーって なんの必要性があって
ここまででかいエネルギーを持っているのかしら。
怒りのままに動いて
いい結果を得られる事なんてめったにないのに。
生物学的に怒りには何の役割があるのか
ちょっとこれから調べてみたいと思うわ。
そしてともかく 怒り狂ってる時は
さしずめ王蟲の群れのごとく我を忘れて暴走し、
怒りがおさまったあとはたいてい
ものすごい疲労感に襲われるのよね。
そのエネルギーは間違い無く自分の中から使われてるから
あとで疲れるのよね。
この
すさまじい怒りのパワーって
どこかに溜めておけないかしら。
電力みたいに。
そのエネルギーは
締め切り前とかに ちびちび使うの。
そういえば締め切り前の修羅場の時は
仕事場の一同みんなで怒りまくるのが
もっとも効果的な目覚ましだったわ。
あ、まちがってもお互いに喧嘩なんかしちゃだめよ。
たとえば その時たまたまテレビに出ていたタレントだの
ドラマだのの悪口で盛り上がるの。
キーワードは「共通の敵」よ。
仕事仲間は戦友なんだから 仮想敵は外に作らないと。
ものすごく親しい友人と、
修羅場の最中 怒りパワーを使うために
喧嘩の真似事をしたことは時々あるけど
これは同じ職場の人をはらはらさせすぎて
あまり効果的じゃなかったわ。
お互いの喧嘩はかなりのハイテクニックだからお勧め出来ないわ。
仮想敵相手に
思わず感心するような悪口を際限なく繰り出せる人は
職場の花だったものよ。
大丈夫
修羅場が過ぎたら ナニ言ってたかなんて
だれも覚えちゃいないから。
あ、そうじゃなくて そんなことはどうでもいいのよ。
怒りのパワーがいかにすごいかと言いたかったんだけど
それと逆に
人を怒らせるためのエネルギーっていうのは
不思議な事に ものすごくちょっぴりで事足りるのよ。
誰かの関心を引きたい場合、
最小のエネルギーで最大の効果を得る方法。
それは
『相手を厭な気分にさせること』
ネットで手軽に 何かを書いて発表できるようになった昨今、
たいした技術が無いけど 人の関心を引くには
人を厭な気分にさせる文章を書けばいいのよ。
掲示板のやりとりなんかでは特に威力を発揮するわね。
人は怒りながら
それを見に行かずにはいられないサガを持ってる場合が
とても多いのだから。
でもこれを意識して出来る人は
そう多くはないと思うわ。
人は嫌われるより 好かれる方が気持ちいいものね。
多くはないけど 確かにいるのよ。そこここに。
あたくしは とってもケチなので
怒りのエネルギーは
他の事に使いたいと思うの。
爆発しそうになる怒りはなるべく押さえて押さえて
省エネ方向で、
節約したエネルギーは使うべき時に使いたいわ。
使うべき時はどんな時かって
そりゃ
楽しい時よ。
楽しくて いつまでもそれをやっていたいけど
体力と集中力が続かないってのが
一番情けないじゃないの。
だれかをちょっといい気分にさせる、
その小さな事の為に
ものすごいエネルギーを使うんなら
そのエネルギーを貯えていたいものよ。
でも多分 あたくしってきっと
ほっておくと かなり怒りっぽいかも。
短気だし。
どなたか やっぱり
怒りエネルギーを貯える装置の開発をひとつ
よろしくお願いしたいわ。
6月発行コミックスの校正が終わり
あとは編集さんにおまかせモード突入。
そう。もうおまかせするしかないのよっ。
修正しようと描き足したはいいけど
元の絵を消すのを忘れちゃったところとか、
念入りに修正したつもりだったのに
ぜんぜん 印象が変わっていない発禁箇所とか、
汚い方がかっこいい という
アラゴルンや
ジョニーデップに惚れ込んだからというわけでもあるまいが
やたら乱れ髪が汚い 描き下ろし作品のキャラとか。
髪だけじゃなくて線まで汚いのはどういうわけなの。
と つっこんでみてももう遅いわね。
あたくしに出来る事はもう終わっちゃったのよ。
あとは皆様のお手元に届くのを待つばかりですわ。
仕事がばたばたしていたので
延ばし延ばしにしてもらっていた
コピー機のメンテナンスにもやっと来て頂いたわ。
コピー機は玄関に置いてあるので
慌ててお掃除。
ついでに他の部屋もと思ったのに
玄関だけで力つきちゃったん。
も〜〜 体力ないわね。
体力と言えば
数日前から やたら胃が痛いじゃないのん。
なにか 胃に来るような 困った事件でもあったかしらと
記憶をたぐってたどりついた心当たりは、
タバコをやめたのでお口がヒマで
年がら年中何か食べてるという事ぐらいかしら。
これは確かに「困った事件」だわ。
まずいわよっっっ。
いえ おいしいのよ。あらゆる食べ物がッ。
ガムでも噛んでいればという意見はよく聞くのだけれど
あたくし的には ガムって
かえってタバコが吸いたくなっちゃうアイテムなのだけれど
他の方々は違うのかしら。
やっぱり 玄関だけで根性尽きてないで
本腰入れて 肉体労働の整理整頓にとりかからないと
いろいろ不幸になりそうだわ〜〜〜。
日々の生活のいろんな合間を縫って
やっと帰還して来たわ。
違った 観て来たわ。
指輪の第三部よ。
王の帰還。
あらまだやってたの と言われそうなこの時期に
あと3日で終わってしまうというぎりぎりになって
ようやくなのよ〜〜〜。
ああ、指輪が ロングランで助かったわ。
あらと言う間に終わってしまったピーターパンは
観そびれてしまったもの。
新宿歌舞伎町の広場では
おりしもでっかいトロイの木馬の製作中だったわ。
ああこういう時 カメラ付ケータイだったら
証拠写真をアップできるのね。
いいかげん石器時代のこのケータイ
めんどくさがっていないで新しくしないと。
それにしても 新宿の町のまん中で
この木馬作っている方々は
どういう種類のお仕事の方々なのかしら。
大道具さん?
大工さんではないわよね 絶対。
ところでアラゴルン。
あなた 絶対汚い方が かっこいいから。
迷わずそんな王座など捨てて
荒れ野に還るのよっ!
百歩譲って王座についていてもいいけど
髪を結うのはやめて、櫛をつかうのもやめるのよ。
あなたの顔だちには
乱れ髪こそが一番イカスのよっ。
はあはあ。
……壮大なファンタジー三部作の
最後の感想がそれなの あたくし?
とにかく 仕事が一息ついたので、
正しい(?)生活を取り戻すべく、いろいろごそごそと
やってみようと思ったのよ。
もちろん、校正とか
次のお話しのプロットとかのお仕事も
のんびりだけど進めていてよ。
で、ごそごそやりだしたのは
趣味のお人形カスタムなんだけれども。
カスタム途中で寝かされてたブライス嬢とか
頼まれてたボンデージグッズとか
少しづつでも始めて
調子を取り戻そうかしらん、なんて
鼻歌まじりに手をつけようと
いちおう ざっくりとまとめておいた
お人形制作用材料収納庫を開けてみたわ。
ないわ。
いろんなものがないわ。
次々買い足した研磨剤とか
Mr.カラーの特色とか
ペイント用のリキテックスの新色とか
そういえばルーターはどこ。
やすりの棚はどこだったかしら。
あら。
接着剤って、ドレを使ってたんだっけ あたくし?
それぞれにどこかに
まとまっているのだろうとは思うのだけれど
ひとつの作業をしようとしたら
あちこち捜しまわらないと
材料がそろわないのよ〜〜。
そろわないどころか
材料ってナニが必要なんだったかしら〜〜。
あたくしってば
引越してどれくらいになるんだったかしら。
一ヶ月半ぐらい……ってこんなもの?
漫画の道具に関しては
もう座るべき所にすっぽりおさまれば
すべてが手の届くところに配置されているのよ。
お人形に関しては まだ
どこに座って作業するかも決めてなかったから
どこに材料をまとめればいいかもわからなかったわけねえ。
そしてナニが見つからなくてキモが冷えたってアナタ、
もう見つかったから書けるようなものの
カスタム途中の友人のブライス嬢の
目玉のかたっぽ。。。。。。。
それから
ボールジョイントに替えてといわれていた
その肝心のボールジョイント首部分。
あんっっっっっっっなに気をつけて
一所にまとめていたはずなのに
いざ 取り出そうとしたら
あっちの棚と そっちの引き出し、
さらにむこうの収納箱の中。
なくならなかっただけでも
ありがたいと思わなきゃいけないのね。
でも
すべてに ありがたいと思えるまで
あと3ヶ月ぐらい かかりそうなんだけど(TT)
とりあえず研磨剤の仕上げ用を掘り出さないと。
あちこちぶつかって傷がついたかも知れない
ブライス嬢の目玉を これから磨くのよ。
近々 引越す予定の
BL漫画家で人形趣味仲間に おもわずメール。
大事なものは 一ケ所にまとめておくのよ〜〜〜。
あたくしたちの大事なものって
一般人にはヤバいものにしか見えないんだから〜ん。
しっとりと雨が降る、生暖かい今日この頃。
季節の変わり目の空気ってどうしてこう
いつの季節も
懐かしいにおいがするのかしらん。
適度な暖かさに包まれて
いい気になっていつまでも寝ていたら
玄関のドアホンがなったわ。
こんな日曜の昼下がりに来る人なんて
たいした人じゃないに決まっているわと
狸寝入りを決め込んじゃった。
けど目が覚めちゃったので
ようやく起きだして、
とりあえず パソコンを立ち上げてメールチェック。
……編集さんから
「コミックスの青焼き、郵便局のエキスパックで送りました」
こここ、これは日曜でも来るのねっ?
さっきいらしたのは
日曜だというのに 郵便屋さんだったのね?
たいした人じゃないなんていってごめんなさい。
あわててポストへ走り
案の定放りこまれていた不在通知を手にとりお電話。
なんとか 今日中に受け取る事が出来たわ。
やっぱり
横着こくもんじゃないわね。
さて ところで季節の変わり目ついでに
禁煙実行中。
23日めぐらいになるかしら。
タバコが絶対的に必要な時っていうのは
あたくし的に
1、ネーム中
2、ストレスがでかい時
3、仕事中 徹夜で眠い時
4、肉体労働のあと
5、アルコール摂取時
順不同。
これといって悲愴な決意があったわけでもなく
タバコの買い置きが切れたので
ついでに そろそろやめてみようかしらん と。
使ってみたかったものがあるのよ〜〜〜〜♪
ニコレット♪。
買ってみたわ。
高かったわ〜〜〜。24コで2205円税込み。
タバコを吸いたくなるたび これを噛むって
財布が持ちませんわよ。
と思ったけど 一日の上限は24コだそうよ。
どっちにしても
これからのタバコ代を考えれば
このお値段で止められればお安いものだし。
普通 このひと箱じゃ無理らしいけど。
味のないガムみたいなものだけど
これがどうよ。
ものすごい威力じゃないの。
そもそも 禁煙っていうのはね、
強固な意志と信念と決意のもと
持てる限りの忍耐力で望むべきしろものなのよっ
なのに ナニコレ。
こんなラクチンなの禁煙じゃないわ。
よく禁煙するとイライラすると言うけど
経験から言って イライラした事はないと思ってたわ。
でも どうやらこれって
吸いたい〜〜吸いたい〜〜って気持ちが
「イライラ」なのかしら?
だとしたら
そうとうイライラしてたのかも知れないわね。
とにかく 例のCMソングでも口ずさみながら
ガムを噛むだけで
吸いたいって気持ちが どっかに消えちゃうのよん。
すごいわ すばらしいわ
こんな横着な禁煙があっていいのかしら。
と ここまではまるで ニコレット屋さん(ナニそれ)の
まわし者みたいだけど つっこみたい所はあるわ。
コーヒーを飲んだあとには
効果が得られない事もあるってのと
アルコールとの併用は避けるってのなんですけども。
まさに その時 一服したいのに
その肝心な時 役に立たないんなら
ものすごい役立たずなんですけどっっっ。
そのふたつを我慢できるのなら
もともとニコレット使わなくても
オッケーな気がするんですけどもっ。。
どっちにしても
一日4個〜12個くらいからはじめて
3ヶ月くらいで 1〜2個まで減らして
そのくらいになったらやめましょう とのことなんだけど
最初から 1〜2個ですんでるあたくしは
今すぐやめなきゃいけないかしらニコレット
で
禁煙の恐ろしい所は
やっぱり 太るところなのよっ。
一日ひと箱は必ず吸っていたあたくしとしては
それをやめた御褒美として
一日300円のお小遣いを自分に許してあげたいわ。
ちょっとしたカットフルーツとか
ちょっと上等なチョコレートとか……
ちっちゃなショートケーキとか……
ところで3月末に引越した時、
新しい家に似合わないキタナいものは買い替えようと
いろいろ捨てたんだけど
その中に さびちゃった体重計があったわ。
…………それからまだ買って無いのよ
体重計。
なんて 恐ろしいお話かしら〜〜〜〜〜。
節約できたタバコ代で
早急に体重計を買うのが正しいお金の使い方ね きっと。
さて
仕事から 自由になって
最優先事項は とりえず身内のお見舞い。
ところでこの身内の病気に関して
まあいわゆる不治なものですから、
身内は藁にもすがる治療をいろいろ試してますの。
民間療法ですがったのが
ワラではなくって ビワの葉。
ビワの葉って いろいろ効くらしいんですのよ。
それを初期の頃からせっせとやっているんですけども
一回ごとに30枚以上のビワに葉が必要なんですの。
それも、何年もたった
固くてでっかい葉が必要なんですって。
それを火であぶってこすりあわせ 体中拭いたり
お風呂に入れたり、
煎じて飲んだり、
ガーゼで巻いて 患部にあてたりするんですの。
ところが
あたりまえですけど
そんなものはどこにも売ってないじゃありませんか。
一日に30枚以上使うには
もうそこいら中で
なんとかビワの葉を手に入れなければならないのよ。
しかもかなりでっかいビワの木でも
使用に耐える「何年もたった固くてでかい葉」
という条件を満たす葉はそんなに多くはないのよね。
でかくなくてもいいらしいんだけども
でかい方が使いやすいという部分もあるらしくて。
事情を知った友人達も
庭のビワの葉を提供してくれたり、
「引っ越し先の庭に植えなさい」と
ビワの苗木を送ってくれたりしたわ。
ありがとう 友よ(TT)
この苗木が大きくなるまで
身内ががんばって生きてくれると嬉しいんだけど(^^;)
手に入れたビワの葉を治療に使える形にするだけで
一日何時間もかかる重労働。
そしてもっと大変なのは
そのビワの葉をどうやって手に入れるか。
とりあえず幸運なことに
あたくしの住む この付近には
自分の庭も含めて
ビワの木がけっこうあるのよ。
もう手の届く当たりは 取り尽くしてしまったけど。
そして声をかけてお許し頂ける範囲も。
さらに冬のうちならよかったけど この時期
採って置いておくとカビると判明。
使う数だけ
毎日新鮮な葉を採ってこなければいけないじゃないのん。
とにかくビワの葉はあたくしがなんとしてでも手に入れるから
あとは頼んだわ、と 役割分担よ。
できる時にできる事をできる限りやっていれば
あとできっと後悔しないわ。
と言いたいところだけど
あたくしってば
なんにもしなくても 後悔はしないタイプなんだったわ。
なんにもしない時は何にもしない時で
できる限りなんにもしなかったということなのね きっと。
よく わかんないけど。
とにかく 当分
ビワ奉仕。
そしてできればこの奉仕が
長く続く方がありがたいと言う事ね〜。
お仕事は
慌てず騒がず 確実に のんびりと進めて行く予定〜。
ご無沙汰 みなさま。
お仕事一本 終わりました〜。
これで、今年の頭からひきずって
どんどんシワ寄せがきて
もうぐちゃぐちゃになっちゃった
そのシワの最後の所の仕事が終わったのよっ。
ヂゴクを見たわ。
いえ、恐ろしい事にまだ見て無いのかも。
決して同業の旦那に自分の原稿を手伝わせない
というあたくし的ポリシーを捨てて
「枠線ぐらい引こうか」と口を滑らせただんなに
「そう?じゃ枠線とベタとトーンと ついでにこことここと
ここも描いて」
寝かせないで仕事につきあわせちゃったわ。
よれよれで
駅まで取りに来て下さった編集さんの元へ
出来上がった原稿のネームのチェックもそこそこに
飛び出そうとした時
だんなが後ろから
「気をつけて行けよ〜。ふらふらして車に跳ねられるなよ〜」
「それからもうこんな原稿描いちゃダメだよ〜」
……………………
あああ、あたくしはいったい
どんな原稿を描いたのおおおおおおおお〜〜〜〜〜。
教えて〜〜〜
いやあああああ やっぱり教えないで〜〜〜〜
でも本が送られて来たら 見る事になるのね〜〜〜
ヂゴクを〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。。。。。。
油断した理由はみっつあるわ。
原作がついていた事と
原稿サイズが小さかった事と
最初から「汚い線の印象の画面」にしようと決めていた事。
……汚い線 というのはそういう意味ではないのよ、
という感じに仕上がっちゃっているのかも。
……「かも」って(^^;)
今回の仕事で
あたくしはプロなのだと言える部分は
言われた締め切りを守った事だけなのかも。
もうしません。
めそめそ。
でもこのセリフも何度か言ったような覚えがなくもないけど
気のせいね。
そして
命を削った とまでは言わないけれど
睡眠時間と
食事の時間と
お風呂の時間と
トイレに行く時間は確実に削った日々。
ついでに言えば「母の日」もぶっちぎったわ。
数日間の睡眠時間を取り戻すべく
寝まくり、
先ほど目が覚めて
食事時間をとりもどすべく お食事をいただき
(この時点でトイレとお風呂の時間は取り戻し済み)
ふと我にかえって……。
ここはドコ。
この
家具がまだ妙に落ち着いていない、
間取りのおかしなこの部屋はダレの部屋?
引越したんだっけ、そういえば。
なんかえらい苦労したんだわよね?
苦労した事や 厭な事は
忘却してしまうシステムの脳を持ったあたくしとしては
なんだか記憶がとびとびに消えていてよ?
と、とにかくとりあえず
お部屋の整理整頓も心掛けつつ
ぶっちぎった母の日も
今から取り戻すべく
今夜 電話してみることにするわ。
親孝行はできる時にしておかないと。
取り戻せなくなってから
悔やむ事にはなりたくないものよね。
世の中には 取り戻せる時間と
取り戻せない時間があるのねと
壊れた頭で納得する 〆きり明けの平和な日。
空が曇り空なのも なんだか平和でいい感じだわ。
天気が良すぎる日中は
締め切り明けの漫画家にとっては
あまり平和な印象じゃないのよねぇ。
ここらあたりが もうすでにヤクザな商売のアカシかしらん。
終わったわっ
いちおうお仕事が。
な、なにかしら いちおうって。
なんだかじたばたと延ばして頂いて
時間は充分と思っていたのに
あればあるだけ時間を使ってしまう 漫画描きの哀しいサガよ。
予想通り最後は 一分一秒を争う戦いに。
夕方 編集部に向かう担当さんと
とある駅で待ち合わせて 原稿のリレー状態。
出来上がった原稿をひっつかんで
仕事着にコートをはおって駅に駆け出す。
駅に着いたら やっと
電車が来るまで一息。
って 喉が乾いたわ。
そういえばご飯とか飲み物とか睡眠とか
いろいろとっていなかったわ。
ホームにある自動販売機で飲み物をと思って
階段下の販売機を目指すと そこに2羽の鳩が。
鳩が喧嘩をしてるじゃないの。
平和じゃないわっ。
喧嘩と言うより 一羽がもう一羽を虐めてる。
ちょっと大きな足音で脅かして
2羽を分けようとしたんだけど
駅に住み着いてるような鳩は
人が近付いたぐらいじゃ驚きもしないわね。
しつこくもう一羽をいじめて
つついたりけったりしているので思わず
「こらこら 虐めてんじゃないわよっ」と
大声でつぶやいて(すでにつぶやきじゃない)
手に持ってた原稿袋で2羽を分けたわ。
持っているのが原稿袋だったと
思い出した時はどきっとしたけど
とくに それをまき散らす事もなく
無事に2羽を追い散らしたわ。
安心して 当初の目的を思い出し
販売機であたたかい紅茶など買って振り向くと……
そこにさっきの2羽の鳩がまた喧嘩。
そしてそのちょっと向こうで
2〜3人のおじさま方が 摩訶不思議な表情で
あたくしを見ていらしたわ。
そのおじさま達の表情は
困ったような からかうような 照れたような。
そんな表情で あたくしを見てから 鳩を見たわ。
その視線につられて 鳩を見て気がついたんだけども
鳩たちは喧嘩をしていたんじゃなかったわ。
イタしていやがったのよ。
そそそ そうだったのね
あれはいじめじゃなく 愛情表現っていうか
口説いてたっていうか 求愛っっていうか。
あたくしは
馬に蹴られて死んじまえ状態だったわけで
午後の紅茶レモンティーなど飲みながら
退場したあたくし。
今日をもって
次回コミックス全ページ入稿
あら 昨日だわ。
そして今日は先月中にやらないといけなかった
数々の用事をこなすのよ。
締め切りやぶりだけど。