流れる水の中に...雨音

 

 

.... - 2004年06月30日(水)



何かを思い出したように悲しくなって
眠れなくなってしまった。
こんな夜は暗闇に留まっていても
次から次へと感情が溢れるから
ベッドから抜け出して灯りの下に居る。

小さく降り積もった想い出が
そのものの形をより鮮明にして
私の頭の中に焼き付いている。
それらが ヤケに
悲しくて淋しくて
ざわざわと 波立つ。



七月は私の生まれた月で
シュールな程の青い空と
地熱のゆらめきと
煩く響く蝉の声と
眩しい光と
息苦しいほどの湿気と
そんな 一見 不快なほどの夏らしさが
私を惹き付ける。




姉がまだ 私の姉であった頃。

白い犬が 犬小屋の屋根に飛び乗って
家の周りをただ眺めているだけだったし。
ごめんね。
本当にごめんね。


プールに服のまま飛び込んで怒られて。
幼馴染みの三人組。


支離滅裂。



花火。
今年も見に行こう。









...

FLY ME TO THE MOON - 2004年06月15日(火)





Fly me to the moon
Let me sing among those stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and mars


In other words, hold my hand
In other words, baby kiss me


Fill my heart with song
Let me sing forever more
You are all I long for
All I worship and adore


In other words, please be true
In other words, I love you


...

口梔子の花。 - 2004年06月12日(土)




むせるような口梔子の花の香りが廊下に充満している。
お散歩の途中に 強い香りを感じて振り向くと
もう口梔子が白い花をつけていた。
思わず 手を伸ばし 花をひとつ ちぎってしまった。
今 それを小さな水盤に浮かべている。


昔 私の住む家の庭に 口梔子の垣根があった。
初夏になると その周りを蝶が飛び交い
小さな黄色い卵を産みつけていった。


口梔子の花が咲くと 縁側まで香りが風に乗って漂ってきていた。
風のない初夏の晴れた日には
陽の光であたためられた花が発散する香りは
余りにも強くて むせ返るようであった。


その頃の私の庭には 沢山の樹木が植えられていた。
庭は結構広かったから 塀の周囲に植えられた樹木と
庭のあちこちに 島のように植えられた大木の間をすり抜けるような
道がつくられていた。
夏の陽射しの強い時期になると
緑の葉は生い茂り 地面には涼しい日陰を生んだ。
夏の庭はまるで密林のようだった。


小さい頃には その庭にブランコがあった。
向かいあう形の4人乗りのブランコだった。


父はよく 庭にでていた。
自営業だった父は とても忙しかったはずなのに
その頃の父のイメージはいつも 強い陽射しの中で
帽子を被って庭にたっている。



夏休み 縁側に腰掛けながら庭をみていると
青い空と 真っ白な雲の間を 銀色に光る飛行機が
大きな音をたてて 通り過ぎて行く。
眩しくて 目を細めた。
それが私の 夏休みだ。


口梔子の花の香りは 私の庭を思い出す。
モンシロチョウもアゲハチョウも飛んで来た
あの昔の庭を思い出す。



...

アメリカへ。 - 2004年06月04日(金)


彼が今朝 アメリカにむけて出発した。

昨秋のパリの学会と同様、オーラルでの発表の為。
車で空港へと送ると 同僚たちは既に着いていたようで
彼の到着をまっていたところだった。

空港内のカフェで軽く朝食をとったあと
彼等は搭乗口へ向かった。
私は彼が 
搭乗口の向こうに消えて行くまで見送っていた。


私は飛行機が嫌いだ。
できるものなら乗らずにいきたいのだけど そうもいかない。
海外にでねばならない機会が 嫌でもあるからだ。

そんな訳で 彼が飛行機をおりるまで
何だか落ち着かなくて 気持が悪い。
早く「何処でもドア」が開発されればよいのにと
真剣に待ち望んでる。


飛行機は予定通り飛び立ったようだ。
まさか 展望台で飛行機が飛び立つまで
眺めているような趣味は無い。
だけど なにだか少し淋しい気分だ。


留学に際して たとえ帰ってこようとも
やはり数年間身近なものが傍からいなくなると言うのは
とても淋しいもので
きっと私や彼の両親たちは そういう淋しさや
心細さを感じるのだろうなと ふと気づく。
私の両親は高齢だし なおさらだろうな。


などと考えながら
私は空港からの帰り道 車にのせた英会話のCDを聞きながら
来るべき時に 備えている。






...




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