意地悪。 - 2004年01月30日(金) 今日は大学時代の友人と芦屋でスッポン食べて ボディケアを受けて そして厄払いに行ってきた。 彼女はバツイチで仕事もせずに この歳になっても 実家からおこずかいを貰って生活してる。 私は旦那様に オンブにダッコだ。 彼女も私もパラサイトしている よい身分である。 しかしながら 同じ年齢でも 別の友人は あっちこっちの壁にぶつかりながらも 自分の生きていく道を探りながら 七転八倒している。 どっちがいいのかは 私にはわからない。 私は人を虐めたことがない。 虐める程 人に 興味も 妬みも 憎しみも感じないからだ。 だけど なんとなく いじめっこの心理みたいなものが わかるような気がしてきた。 起上小法師のように 倒しても倒しても 何ごともなかったかのように むくりと起き上がる。 傷つけても傷つけても それ以上の牙を剥き 向かってくる。 なんて可愛げがないのだろう。 そういうふてぶてしさと 無神経さと 途方もない買被りを持ち合わせた彼女は いま 折角一歩踏み出した足が 底なし沼の中に 引きずりこまれようとしている。 だけど私はそれをしりながら 彼女に エステと美食と宝飾品などの とてつもなく優雅な話を投げかける。 私こそ 底なしの意地悪だなと思ってみたりする。 ... 雪の日に。 - 2004年01月17日(土) 余りもの冷気にカーテンを開けると 外は雨まじりの雪が降っていた。 地面は濡れて光沢を帯び 重みを増した雪は ぼとりと まるで音でもするように 加速しながらアスファルトに重なった。 ある人に言わねばならない言葉があった。 それは ごめんね だろうか それとも ありがとう だろうか その両方ともが相応しい気もしたが また 両方とも相応しくないとも感じていた。 いずれにしても 同じ結末を示唆していた。 ときに 何かに異常な程の執着を感じることがある。 執着している間というものは 往々にして その 本当の意味が見えてこない。 全てを理解するのは その執着を満たしてからだ。 そして振り返り それ程の意味合いがなかったことを悟る。 真実というのは 大抵そういうものだ。 私の欠落に付け込んだ弱さが 私の目を見えなくしていた。 私は暗闇のあまり 遠くにみえる光ばかり みていたけれど 私の足元は 暗闇で転ばないよう 道を整備されてた。 光まで飛んでゆける羽虫では 私はないから 私は足を引きずりながら 地面を歩く。 そしてそれが なによりも重要なことであると知った。 荒くれた道で転ばぬように 綺麗に整備された道は しかしながら長くて暗い。 平坦で退屈で そして どこに続いているのかも判らない。 だけど 歩いて行くしかないかなと思った。 もうこれ以上 そこない続けるのは嫌だと思った。 だから。 雪はすでに 雨に変わっていた。 冷たい雨が さめざめと。 身を固く震わせながら 雨を見ていた。 遠くにみえた建物も 今日は煙って見えなかった。 ... 入り口の石。 - 2004年01月03日(土) 新年早々 ちょっと戸惑っている。 「海辺のカフカ」的にいったならば 入り口の石が ひょんなことから閉じてしまった。 多分 その石が開いたのは あの時。 あるべき物事が あるべき様態に戻り 私を目とする低気圧の渦の中に引き寄せられて 迷惑を被っていたものごとを 吸引する風ももう止んでしまったみたいだ。 あたりは まるで穏やかだ。 磁石は磁力を失い それに引き寄せられていた砂鉄が 一斉にバサリと地面に落ちるみたいに 私は負の勢いを失って ゼロに戻った。 まったく馬鹿馬鹿しい。 こんなものに どんな価値があるというのだろう。 私は何に取り付かれていたのだろう。 情けない思いと 醒めた思いとが 私を置き去りにする。 だけど こんな下らないことでも 無くてはならない物事だったのだと思う。 回りくどい操作であれ ひとつ飛ばせば機械は動かないみたいに。 たぶん 必要なことだったのだとおもう。 今 私の周りに風はなく 無気味な程の静けさが取り巻いている。 完結された輪には 何かを失う出口もなければ 何かが入り込む余地もない。 そんなふうにして 入り口の石は閉じてしまった。 ...
|
|