一夜明けて - 2007年07月31日(火) 昨日は手術が無事終わっってほっとしたこともあって、 午後10時には寝た。目を覚ますと午前4時過ぎ。 彩衣はもう意識が戻っているのかなあ、などと考えていると もう目が冴えてきて眠れなくなってしまった。 デジカメにたまった写真をPCに移して整理したり、日記を 書いたりして過ごす。 ICUに着くと彩衣は眠っていたが、昨夜は麻酔から覚めてから 結構元気に動いているらしい。「ブリッジをして大変でした」 と看護士さん。そう、彩衣はぐずる時、力一杯エビ反る。 胸の傷はそんなに痛みを感じないということだが、たくさんの チューブに繋がれていることはかなり苦痛だろう。 手術は無事終わったが、本人の闘いはこれから始まるのだ。 昨日手術を待っている間、僕らに小さなテープレコーダーが 手渡された。家族の声を録音して欲しいのだという。 術後のICUで家族が付添いできない間、患者がグズった時に それを聞かせて反応をみるという研究をしているらしい。 「任意で」と言われたが、彩衣のためと思って、照れくさいのを 我慢して励ましの声や歌を3人で一所懸命吹込んだ。 昨夜から彩衣に試しているようで、多少効果はあったらしい。 午後もう一度様子を見に行ってみると、ついに人工呼吸器が 外された彩衣は目を開けている! が、鎮静剤が効いているようで、話しかけても僕のことが 分かっているのかどうか、ぼーっとしている。 「さっきまでお話してたのにねー」と看護士さん。 明日は声を聞けるかなー。 ... 長〜い一日 - 2007年07月30日(月) 昨日に引き続き朝から雨がシトシト。 朝病室に行ってみると、自分の置かれている状況など分かる はずもない彩衣はいつもと変わらず上機嫌だ。 そんな娘を親としてはただ開き直って見守るしかない。 手術が無事に終わるよう祈りながら。 9:30 迎えの看護士が来る。血圧などを測った後、移動用ベッドに移る。 想像通り、手術室へ向かう時というのが一番つらい。 いつもニコニコお世話してくれている看護士さん達が寄って来て 「彩衣ちゃんがんばってね」と声をかけてくれる。 彩衣はさっき飲んだ薬が効いてきたようでぼーっとしている。 手術室の大きなドアが開き、中では手術スタッフが待ち構えて いる。ベッドが引き渡されると、それまで気丈に振舞っていた 嫁さんが突然泣き崩れた。ここは僕が一番しっかりしなければ。 「よろしくお願いします」と執刀医に向かって言ったつもりだが、 自分でもびっくりするようなか細い声しか出なかったのが 情けない。 スタッフから院内専用のPHSが手渡された。何か連絡が ある時にはこの電話が鳴る。何も問題が無ければ手術終了時に 連絡が来る。終了予定は18時ぐらい。どうかそれまで このPHSが鳴りませんように。 12:00 こんな状況では緊張で食べ物も喉を通らないんじゃないか、 という予想は外れ、しっかり腹は減るし、義母が作ってきて くれた弁当をたっぷり食べた。子供も含めた大人数でわいわい しているという事もあるんだろう。 嫁さんの実家がこっちの方という事もあり、毎日誰かが来て くれるので、精神的にも物質的にもとても助けられている。 14:00 病院の外を散歩してみる。建物の角の下のところに何か 書いてある。 「注意!この建物は動きます」 ・・・何??ハウルかっ!? もちろんそんな事は無く、説明を読んでみるとこうだ。 地震が起きた時、この建物全体が水平方向に最大で約60cm 動き、揺れを吸収する構造になっているそうだ。なるほど。 先生が「地震が来ても大丈夫」と言っていたのはこの事か。 万が一非常電源も使えない状態になっても、手動発電で手術を 最後までやり通す事ができるとも言っていた。 16:30 PHSが鳴った!! 終了予定まではまだ早いぞ。 恐る恐る通話ボタンを押す。 「手術が終わりました」 へっ? 執刀医の説明を聞く。問題なく全て順調で、手術による合併症も 今のところ見られないという。 術後の処置が終わり、ついにICU(集中治療室)で面会。 ICUというと、ガラス越しやビニール越しの面会を想像して いたのだが、彩衣が横たわっているのはちょっと特殊な ベッドではあるが、仕切りがあるわけでもなく直接触れることが できる。 彩衣の体には人工呼吸器の他、首、腹(2ヶ所)、手、足など いたるところから管が出ていて、枕元にあるたくさんの点滴 らしき器具や機械に繋がっている。 麻酔が効いていてぐっすり眠っているが、タオル越しに胸が トクトクと脈打っているのが見えてホッとする。 とにかく終わった。後は回復するだけだが、むしろ本人にとっては これから数日間の方が大変だと思う。 彩衣がんばれ! ... 晴れ男はかろうじて連勝に - 2007年07月29日(日) 昼頃病室に着くと、彩衣はいつもと変わらず元気。 こんなに元気な子が、本当に明日開胸手術をしなきゃいけないん ですか?と今更ながら先生に問い詰めたくなる。今まで散々 検査を繰り返してきて手術の必要性について何度も説明され、 僕もそれは理解しているんだけど。 午後3時ごろ、病院の宿泊施設にチェックインし、勾当台公園へ 向かう。今日はTBC夏祭りだ。 天気予報はまたしても雨…。すでに小雨が降っていて、さすがに 先週のようにはいかないようだ。 リハーサルはすでに昨日のうちに済ませてある。前の出演者の 出番が終わるとすぐにステージのセッティング。転換時間は 15分しかない。バタバタ。 そしてさあ本番。…ん?雨が止んでる。 娘の手術を明日に控えた状況でのライブだが、意外と自分でも 落ち着いているのが分かる。 お客さんの前に立ってしまえばやっぱりライブに対する 緊張感の方が強く、しっかり演奏に集中できた。 先週はドラえもんに会いハイテンションだった光君(G)だが、 今日は本番前、自分のヒーローだったというハドソンの 高橋名人(!)に会い一緒に写真を撮ったようで、またしても ゴキゲンなステージ。客席で観ていた娘の結衣も「ひかるくんが おもしろかった」と言っていた。 同じステージに立っているんだけど、いつも光君には僕が 楽しませてもらっている。 無事に1時間のステージが終了。さあ片付けるか、と控え室を 出ると雨が…。今度は本降りだ。慌てて楽器を車に積み込む。 やはり晴れ男のパワーは健在だった。 ステージではiPod nanoが当たるジャンケン大会が行われている。 今サトルバンド内では「ミュージシャンの中でiPodを持って いないのは達哉さんとまっとだけだ」と言われているぐらい(?) みんな持っているらしい。メンバーにあおられた事もあり(笑)、 今では僕の欲しい物リストのトップに君臨している。 僕もジャンケン大会に参加しようかなーとよっぽど思ったが、 待てよ、”nano”じゃちょっと物足りないだろう。しかもそれが もし当たってしまったら”それで良し”としてしまいそうだし。 ここはぐっと我慢して、おこづかいが貯まるまで待とうっと。 ... こども病院 - 2007年07月27日(金) 彩衣の手術の詳しい説明があるというので仙台へ。 彼女は手術を30日に控え、24日から入院している。 嫁さんはもちろんずっと付き添い。 宮城県立こども病院は子供専門の病院という事で「子供に 優しい医療」を心がけているようだ。ここで白衣を着ている人は いない。建物自体が病院ぽくないデザインで、中央の吹き抜けに なっているところはちょっとしたショッピングモールのよう。 その中を上下するエレベーターはお菓子の家風。そして いたる所に子供の遊び場がある。 そんな所で彩衣は自分の状況を理解しているはずもなく、 看護士さん達に愛嬌をふりまき元気一杯だ。 当日執刀医となる先生から約1時間半かけて手術前後の事も 含め事細かに説明をしていただいた。そして今回の手術の 重要性やそれに伴う危険性(当然ゼロではない)についても。 僕は専門学校時代、何を思ったか”医用工学科”に在籍したが (バンドでデビューが決まったため専門課程は約半年で 退学となった)、今考えてみれば、それはこのためだったのかと 思うぐらい、先生の話はしっかり理解できる。心電図の実技も やったし、何故か心臓についての事が一番記憶に残っている。 循環器外科である先生は僕と同じぐらいの年齢だろうか。 子供専門の心臓外科医というものはそんなにいないようだが、 その先生は年間120件ほどの手術を行っていて、そのうち 彩衣と同じ症例を去年1年では34件行っているらしい。 人柄もよく、この先生なら安心して娘を任せられると思った。 そして今日はたまたま病院の夏祭り。 時間になったので1Fロビーに下りてみてビックリ。フロアの 半分ぐらいがお祭の縁日と化してにぎわっている。部屋番号と 名前を告げると手作りのスタンプカードが彩衣に手渡された。 それを首にかけて通路沿いに歩くとお面や水ヨーヨー、駄菓子、 カキ氷などが次々に手渡され、そのつどカードにスタンプが 捺される。 「お帰りなさいませお嬢様ぁ」とカキ氷屋にはなぜかメイドが…。 これに喜ぶ患者(もちろん子供)はいるのか?それとも これは患者の親に対してのサービスなのか? スタッフは全て病院職員と恐らくボランティアスタッフ。 奥のホール内はマジックショー、ミニボーリング、モグラたたき ゲームなどの催し物コーナーになっている。なんと普段は 威厳のある先生方がヘルメットを被り”モグラ役”をしている。 彩衣は縁日の雰囲気にキャッキャッと喜び、初めて食べる カキ氷にオッカナビックリオイシイ顔になっている。 そして花火大会。間近で打ち上げられる花火は迫力満点で、 合間合間に拍手と歓声が沸きあがる。 当の彩衣は観覧席として敷かれたブルーシートの方に興味が あるようで、花火そっちのけで物凄い勢いで這いずり回っている。 この夏祭り全体が、病院職員の患者を想う気持ち、そして善意の 募金から作られている。 彩衣の病気なんて大した事ないと思うぐらい、この病院には色んな 患者が集まっているが、そんな子供達やその家族がみんな 楽しそうにはしゃいでいる。 関係者の、この祭を盛り上げよう、みんなを楽しませてあげよう という気持ちが痛いほど伝わってきて、僕は何度も目が潤みそうに なってしまった。 そういえば数日前は同じような状況で、僕は楽しませる側にいて 同じようなことを感じていたが、まさか今日逆の立場になるとは 思ってもみなかった。 彩衣をこの病院へ連れてきてよかった、とつくづく思った。 必ず良くなるよ。 ... 奇跡的な青空の下で - 2007年07月22日(日) 女満別空港から車で20分程、ついにやってきた美幌町。 個人的には過去最北&最東地点だ。 リハーサルのため現地入りした昨日は曇り空の中冷たい風が ずっと吹きつけていて、達哉さん(key)は唇を真紫にして リハーサルを耐えていた。 天気予報では今日は雨。明け方には激しい雷雨。野外ライブで、 ステージにはまともな屋根もないので、集客的にも出演者的にも かなり厳しい状況が予想された。 が、そこは兄サトルの晴れ男パワー。ホテルを出発する頃には すっかり晴れ、会場に着くと予定通りドラえもんショーが 行われていて、広い会場は大勢のお客さん達でにぎわっている。 芝生もすっかり乾いている。ドラえもんに目が無い光君(g)は タクシーを降りるとそのまま客席に直行。かぶりつきで写真を 撮りまくっている。 今日は元リンドバーグのチェリーさんを新ドラマーに迎えての 初ステージ。チェリーさんのドラムはさすが、という感じで 音もリズムもしっかり芯があり僕も安心して身を任せられる。 北海道の爽やかな空気の中での野外ステージで自然とメンバーも 笑顔になる。昨夜のメンバー4人ホテルでの部屋飲みの甲斐(?) もあってか、リハーサルを二日しかしていないとは思えないぐらい バンドがまとまっている。 お客さん達も楽しんでいたようで、いいイベントになった。 次は仙台。この雰囲気のまま、さらにいいステージを 観せられたらいいなあ。 ... 長女は - 2007年07月18日(水) 明日からサトル with his band のリハーサルなので、1日早く 結衣の誕生日を祝う事に。あっという間の4歳だ。 結衣が保育園に行っている間、ケーキを買いにいつもの店に。 「5号サイズのデコレーションケーキをください」 「お持ち帰りですか?」 「…はい」 誰がデコレーションケーキを店内でお召し上がりになるかっ! しかも5号サイズ(5〜6人分)を2人で。 まあ後で考えたら「予約なのか今すぐ持って帰るか」という 選択だったのかもしれないけど。 今日は保育園でも7月生まれのお誕生会をしたようで、 帰ってきた結衣はいつも以上にハイテンション。プレゼントも もらったようだ。 僕達からのプレゼントは、結衣が欲しいと言っていた ”ぜんまいざむらいの必笑だんご剣”。¥1,500。安上がり。 ますますテンションが上がった結衣は、TVを観ながら楽しそうに だんご剣を振り回している。一応女の子なんだけどなー。 このまま元気に育ってくれますように。 親としてはそれが一番の願いだ。 ... ライブだライブだ - 2007年07月09日(月) 夏だ!野外ライブだ!ということで今年の夏は東北・北海道で ライブだ。すべて坂本サトル with his band での出演。 7/22(日) ☆北僚祭2007(北海道美幌町) ■会場:美幌療育病院野外ステージ ■時間:14:00〜15:00 7/29(日) ☆TBC夏祭り(仙台市) ■会場:勾当台公園特設ステージ ■時間:17:00〜18:00 8/17(金) ☆仙台コカコーラ高校生コンテスト(仙台市) ■会場:楽楽楽ホール(仙台市太白区長町5-3-2) ■時間:夕方 8/18(土) ☆なんぶサマーフェスティバル(青森県南部町) ■会場:すみやの河川公園野外特設ステージ ■時間:夕方 すべて入場無料!!お近くの方は是非! ...
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