*蒼天おぼえがき*


2010年01月24日(日) 和なギャラリー。
紀尾井ギャラリー・江戸伊勢型紙美術館。
江戸伊勢型紙(=型紙とは着物の文様を染める原版。柿渋加工の和紙に彫刻されたもので、産地に由来し「伊勢型紙」と呼ばれる)がゆったりと飾られた、静かで落ち着く素敵なギャラリーでした。偶然、招待券を入手したので行ってみたところ、くつろぎ空間に思わずまったり。


■読んだもの

『製鉄天使』(桜庭一樹/東京創元社)
鳥取県赤珠村・製鉄会社の長女。“製鉄天使”の初代総長。鉄を支配し自在に操るという不思議な能力を持つ赤緑豆小豆。走ることでしか命の花、燃やせねぇ!と走りまくり、中国地方にその名を轟かせてゆく1980年代。
『赤朽葉家の伝説』毛鞠さん年代の物語ということで、話がリンクするのかと思いきやそうでもなく。勢いがある作品。ただし、『赤朽葉家の伝説』で感じた壮大さはなく(ある意味『赤朽葉家の伝説』が壮大すぎ)、ミステリ要素もなし。1980年代の独特な雰囲気を知っていればまた違うのかも。


子ども漢字百景』(卯月啓子/東洋館出版社)
『朝日小学生新聞』の連載をまとめたもの。漢字の書き取り練習、漢字テストで漢字嫌いになるのは当たり前といえば当たり前。身近なところから漢字に楽しく触れ、漢字への興味を膨らませていくアイディアがいろいろ紹介されていて、なるほどなと。




2010年01月23日(土) 土佐が舞台の。
シアターキューブリック「誰ガタメノ剣」@紀伊國屋サザンシアター。

キャラメルボックスの「エンジェル・イヤーズ・ストーリー」を見に行ったときに入っていたチラシで公演予定を知り、チェック入れ。
『夏草の賦』(司馬遼太郎/文藝春秋)がベースの元親さんであり、某BASARAのイメージを期待するとびっくりします。事前に、『夏草の賦』を1/3程度読んでいたため、その点はとりあえず大丈夫でした(笑)。あそこまでロックな信長は今まで見たことがなく、むしろそちらの方が驚き(死国TAKE FREEとか)。運動量、半端じゃないだろう信長さんと秀吉さん。戦国時代物ながら、殺陣などのシーンはなく、衣装や小道具も現代アレンジ。かなり飛ばし気味アレンジなので、原作で補完かなとも。ともあれ、なかなか新鮮な舞台でした。


■読んだもの(2/6読了)
『夏草の賦』上下巻(司馬遼太郎/文春文庫)
戦国時代、織田信長〜豊臣秀吉のころ、四国統一を目指した長曽我部元親の話。某BASARAのアニキなイメージが払拭される元親さんです。よくあそこまでイメージ膨らませたなーと、逆にゲーム開発者さんを尊敬。こちらの元親さんは、戦する前にいろいろいろいろ考え、悩みだすと寡黙で、準備をしてことにあたるタイプ。俺様についてこいや!的ではなく、みながそういうならそうしよう的場面を自らセッティングし進める、そんな人です。
土佐、四国…今年の大河ドラマ・龍馬伝もそうですが、無意識で東からの視点でいろいろ歴史を見てたんだなと思い知らされる感じです。同じ日本だけど、本当の歴史を知らないことがまだまだ多いんじゃないかなと思います。
土佐、行ってみたいな・・・。



2010年01月16日(土) 昼ドラ。
『インディゴの夜』(加藤実秋/東京創元社)がドラマ化され、昼ドラ枠で放送中。ドラマ化と聞いたとき、深夜枠ならありそう?と思っていたら、まさか昼ドラ枠とは。ということで、(当然ながらリアルタイムでは視聴できず)毎日録画されるわけで、HDDの空き容量が危険な今日この頃。

まあ放送回数決まっていて、昼ドラで、ということで?晶さんの設定がまず違い、そしてなぎさママがかなりインディゴに協力的。原作の晶さんの漢らしさが、いまいち出ない(ただのキレ役みたい。。。)と、原作に愛着がある身としては、いろいろと気になってしまうわけですが、なんだかんだ言いつつ、最後までチェックしそうな予感。なぎさママ役の升毅さん、大河ドラマの老中・阿部正弘とギャップがすごい(笑)。


■読んだもの

『フリーター、家を買う。』(有川浩/幻冬舎)
”崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長”
手に取ったのは有川さんの新刊だから、という単純な理由ながら、結構考えさせられる内容と、相変わらずのテンポよい展開に一気読み。ご近所付き合い・・・ほんとに難しい。同じような状況が身近に起きないという保証はないわけでなんとも・・・就職活動する前に読むとよいと思います<学生さん。後半の主人公のようなサクセスが待っているかどうかはともかく。そして、自分たち社会人としても、やはり常に自分磨きが必要だと改めて思いました。終身雇用の世の中じゃないですし。



2010年01月12日(火) 初雪。
昼ごろから雨が雪になり、また雨に。積もらなくてほっと。
さくらや閉店のニュースにはびっくり。JALも上場廃止という話だし、なんだか・・・。


■読んだもの

『ジェネラル・ルージュの凱旋』(海堂尊/宝島社)
『ナイチンゲールの沈黙』を先に読め!と言った友人の気持ちがわかりました。そして、ナイチンゲールがフィクション色が強かったのに対し、こちらは現実的というか。人間模様と医療現場の様子が書き込まれていて引き込まれ、一気に読了。医学部志望の人にはぜひ一度読むとよいと思ってしまいます。頭いいだけじゃだめだよー、コミュニケーション力も大事なんだよー、派閥とかもあるんだよーと。
一番の感想は田口先生、こんなに仕事してたのかーと(苦笑)。そして藤原看護師の大活躍がさすがというか頼りになる。田口先生がこれからものらりくらりやっていくには不定愁訴外来にはなくてはならない存在。そして対・沼田エシックスでのまさかの援護者(きっと本人は援護しているつもりはないはず。しかし胸がすっとする展開!)
田口、速水、島津が同期というところも重要だと思われるこの話。映画版でそのあたりをどう描いたのか(描けたのか?)。



2010年01月09日(土) 毎年のこと。
毎年、第一回、第二回あたり見ていて、その後、録画がたまりまくり・・・
という傾向にある、大河ドラマ。今年の初日放送時分には、布団がお友達状態で寝込んでいたため、再放送をチェック。

・・・OPからして、なにかが違う?なんだか映画っぽいというか、輸出する気まんまんというか、セリフ回しが自然と言うか現代っぽいというか。そして第一回にして、子役から福山さんまで成長した龍馬。いつもながら展開が早いですよ、大河。


■読んだもの

『裁判おもしろことば学』(大河原真美/大修館書店)
月刊「言語」の巻末広告を見て、おもしろそうだなと手にした1冊。裁判員制度開始に合わせて刊行されたようですが、雑学本として読むのにもちょうどよい感じ。読みやすいです。
2章の接続詞の迷宮(1) 「又は」「若しくは」、接続詞の迷宮(2) 「及び」「並びに」、中断したら借金復活!
→日常語だとそれぞれ同じ意味のことを表すが、裁判だと又は>若しくは、及び<並びに、的に括りが大きい・小さいの違いがある。
3章の「減軽」は変換ミス?
→減刑、は恩赦などで刑が減じられること。裁判などで刑が減じられるのは減軽。よって、よく使われるゲンケイは減軽の方。
ほか、コラムやエッセイもなるほどーとおもしろく読めました。専門用語は別格として、日常でも使っている語なのに、裁判関係で使われる時には意味が違ってくる・・・というのは、言われてみればそうなんだなと思いますが知りませんでした。裁判というのは、ほんと非日常空間なんだなと改めて実感。



2010年01月05日(火) 仕事はじめ。
仕事はじめ。例年どおり訓示的会議ばかりで仕事にならず。
というか、人並みなお正月は2日まで、3・4日と頭痛→熱→胃腸に来て寝込んだため自分の体調的にあまりよろしくなく、仕事した感が薄い一日。
症状的にはインフルエンザではなく、むしろ二日酔い?(汗)昨年来の疲れが一気に出たのかも。

お正月料理を食べに行ったときに飲んだ浦霞。美味しかった〜♪(それか?!酒断ちすべきだったか?!)


■読んだもの

『イオニアの風』(光原百合/中央公論新社)
『キュプリア』と『オデュッセイア』を光原さん風にアレンジした感じ?『扉守』とは全く違った雰囲気の作品。分厚いですが、ギリシア神話に少しでも興味があれば、一気読みできます。読みごたえある一冊でした。



2010年01月01日(金) 元旦ライブ。
T.M.R.NEW YEAR PARTY'10 LIVE REVOLUTION AHNY 2010@武道館。

元旦ということで和風テイスト。新年のあいさつ(口上)にはじまり「HEART OF SWORD 〜夜明け前〜」からシングル曲をリリース順に(一部飛ばした曲あり)+新曲披露。懐かしい曲ばかりで会場も歌い&踊りぞめ(笑)。昔は歌詞をクリアに覚えていたのに、サビ以外忘れていたりするのが悔しいところ。
「蒼い霹靂〜JOG edit〜」「WILD RUSH」「魔弾 〜Der Freischütz〜」あたり、ほんと久々聴いたというか懐かしく。今聴いても古くさく感じがしないところが曲自体のよさと歌唱力とアレンジ力なんだろうなと、しみじみ。

元旦は初詣以外は人出が少ない?日ごろ元旦に出かけないので比較の対象がないのですが、電車も空いてて行き帰りの移動は快適。助かりました。


■読んだもの

『扉守』(光原百合/文藝春秋)
瀬戸の海と山に囲まれた潮ノ道を舞台につづられる不思議で切なくてほっとして、そんな話がつまった短編集(というか、すべてつながりはあるので長編としても読める)。帰去来の井戸/天の音、地の声/扉守/桜絵師/写想家/旅の編み人/ピアニシモより小さな祈り
しいて言えば”お寺の住職だかやってるふざけた爺さん”こと持福寺住職の了斎さんがキーマンか。どの話もいい話ですが、私的に一番心に残ったのは「ピアニシモより小さな祈り」。フィクションだけど、このピアノが想ったことと同じような想いを持った道具たちがたくさんいたんじゃないだろうかと思えてなりません。
なお、潮ノ道のモデルは尾道とのこと(あとがきより)。いつかこの本を片手に旅してみたい。そして、続編、ぜひとも期待!





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