だから猫が飼いたいのに・・

2008年04月17日(木) 本「暴走老人!」

藤原 智美 (著)
出版社: 文藝春秋 (2007/08)
ISBN-10: 416369370X
ISBN-13: 978-4163693705
発売日: 2007/08

ついに出たか〜と思いました。
もうかなり以前から、キレやすいのは若者ではなく、
中年以降の男に多いのではないか?と考えていたからです。

接客業を長い間やった時も、若者でクレームや怒鳴りまくる人はいませんでした。
どちらかというと立派な社会人風な人のが多いです。
そして老人の奇妙な事件も同時に合わせ見て、
現代の社会は、中年以降の男性にとって生きにくい社会なんだな〜と思いました。

亭主元気で留守がいい〜と昔CMで言われ
熟年離婚が現実のものとなり
孤独な老人が増え続けているのです。

しかし問題は老人だけではないのです。
この本に出てくる話は、老人がキレて危ないから注意せよ、ということではないです。
今の世の中が抱えている危険性、それは老人になる前の私たちや子どもたちにも関係しているのですから。

「待つ」ことがなくなった
何にも無い時間がなくなったこと
多分、誰でもすぐに思い当たるんじゃないでしょうか?

スケジュールが常に埋まっていないと不安な若者たちが
暇な老人になったときはどうなるのでしょうか。




暴走老人!



2008年04月16日(水) 文藝春秋 5月号 「総力特集 脳力革命」

え〜また、まだ、脳はいつまでもブーム。
これからも、いつまでも。
だって体を動かさなくなってしまったから、
脳に興味いくしかないんだよね〜

でも、それぞれ面白いことが書いてあってついつい読み進めてしまいました。
・ひらめきの回路を強化しようさん 茂木健一郎
・「前頭前野」が思考力向上の鍵 川島隆太
・国民よ、脳のためにもっと眠れ 神山 潤
・天才を作る六つの条件とは 藤原正彦
多分、ごくまっとうに生きてる人なら、納得するというか
すごく後押しになることばかりだと思う。

今ってもう毎日のように得体の知れない事件とか
世界的にもどうなってしまうのかな〜と思えることばかりなので

外から見えない、脳の問題を
こうしたらいいよ!諦めないでよくしようよ!
という回答があると、安心できる。
そんな気がします。

茂木さんの「チャーチル話「大臣を決める段になったときに
「アイツは顔が駄目だから駄目だ」と一言で片付けた話は
一番、私には援護射撃ww
コモンセンス=常識を大事にする話なんですけどね。

川島さんの「朝食抜きは能率下がる」話ももう有名ですが
ここではとくにパンだけではだめ。
バランス良く食べることもかかれています。
ブドウ糖が神経細胞に必要なので、ご飯やパンでいいかと思ったら違うだって〜

神山さんは、日本人の子どもの睡眠時間の減少を憂えています。
本当ねえ。でも私も子どもの頃は、夜更かし派でした。
なんだか眠らない子でした。だから・・なのかもしれないけどw
気になるのは、いくら塾で勉強させても学力向上に必要なのは
午後九時半前に眠ることだそうな。
午後10時半以降に床に就くこに成績上位はいないとかなんとか。
でも、塾に通ってる子って有名大学受験とかするんだよね〜
この辺りはどうなんだろう〜

最後に藤原さんのお話はまた脳に甘い、気持のよいお話でした。
例えば松下幸之助氏の社員採用の話
「あなたは運がいい人間だと思いますか」という問いに
そう思わないと答えた人は採らなかったという話。
元気が出る、創造力に不可欠なのは、野心、知識、執着心と楽観的であること。
そう早とちりしてはいけない。たんに楽観的なだけではないのでした。
いい意味での野心、知識とかなくて、楽観的だけな人のが多いんだろうね。

最後の「三人寄れば文殊の知恵」はウソで、「馬鹿が三人寄れば三倍馬鹿」
と山本夏彦さんの言葉もすご〜く納得する今日この頃です。
今テレビでよくみかける、馬鹿を売り物にした3人組がいますが
(本当は違うだろうけど)一人の馬鹿だけでなく、三人にセットにして
売り出した人が賢い気がします。

ま、そんな殺伐とした話で終わりたくないので一番好きな部分。
「天才はある決まった環境からしか生まれない〜略〜美しいものに囲まれて育ったかどうかなんです」
日本はかつては美しい自然や環境に恵まれていました。
だから数学の世界でも独創的な研究が生み出されていた。
という話。

人の性格は生まれつき備わってるんじゃないかと思う今日この頃ですが
環境、家庭、教育が全く無力かというとそうではないです。
性格のいい悪いの問題は、別として、
例えば、落ち着かない環境だと、物事に集中して取り組めないと思い当たると思います。

ゴミが多い道には、人はまたさらにゴミを落とします。
綺麗な場所には落とさないようにするもの。
そういうことなんじゃないかと思うのですが・・

もともとのポテンシャルとか、自分のもってるエネルギーで克服できる人もいるかもしれないけど
そうでない人のほうが多数だと思う。
でも、そういう環境にいなくてはならないのも運のような気もしますが。

この藤原さんの書いている部分に納得して思うのは
やはり他国の悪い文化や環境を真似することは失敗だったと思うし
まんまと作戦にのってしまったんだな〜と思える。

日本はいいところだけ真似して、生かすのが得意なのだから
もっと気をつければよかったのにと思います。

私が何より、ストレスを感じたときとか、普段から
音楽、絵画、人、ものにしても綺麗なものに触れたいと思うのは
美しさには、嫌なものを無効にしてくれるものがあるからだと思います。

もちろん凡人なので、ひらめきとか創造性が養われたとか活かせるレベルとかではないけど
なんとか「運がいいな〜幸せだな〜」と思えるのは、それらに触れる機会が子どもの頃から
多かったからではないかと思います。

美しいもの、綺麗なものに、執着しやすい性格なので、楽観的になれるのです。
野心とか知識はほかの人にまかせます。

http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm



2008年04月15日(火) 本「リヴァイアサン号殺人事件」

リヴァイアサン号殺人事件 ファンドーリンの捜査ファイル

著者/訳者名 ボリス・アクーニン/〔著〕 沼野恭子/訳
出版社名 岩波書店 (ISBN:978-4-00-024634-7)
発行年月 2007年02月

岩波からいつもと様子が違う、同じ作者の本が同時に刊行されたので
あれ?と注目はしていました。
そして読書家の方から勧められたので、それでは〜と読んでみました。

質のよいエンターテイメントミステリーです。
アガサ・クリスティーと数々の有名探偵物語を思い出しました。
ヒーローが美形で非の打ち所がない、そして独身。
これは有名な探偵小説の売れる要素の1つですよね。

豪華客船の旅と秘宝をめぐる謎、怪しい登場人物
そしてその人物たちの視点で語られる内容などぐいぐい読めました。
日本人の登場人物がいるのもユニークです。
日本人、日本に対する見方も、よくある外国ものとは一線を画しています。
作者の略歴などを読めば、その理由もよくわかります。

エンターテイメントだし、謎解きものって、
作者の手の中で踊らされる感じが嫌な場合も多いのですが
謎解き以外の部分が面白いので、気になりませんでした。

完全な悪人みたいなキャラはやはり劇画っぽいのですが。



リヴァイアサン号殺人事件 (ファンドーリンの捜査ファイル)



2008年04月14日(月) 本「いつまでもデブと思うなよ」

(新潮新書 227) (新書)
岡田斗司夫 (著)
978-4106102271 新潮社 (2007/8/16)

なんで痩せてる私が読むのか?と思われそうだが
まあ気になるんだから仕方ない。

なぜ私が痩せているか、その答えがわかる本でした。

75日目のホメオスタシスの話が面白かったし
痩せたら、どうなる〜という話もよかったです。

いろんな無茶なダイエットがある中、この痩せる方法は
理屈にあっていて、無理はないし
苦しいいわゆるリバウンドが起きそうになったときの
対処もわかるし、いいんじゃないでしょうか。

もちろん、思春期の方とかには向いてないです。
本当にメタボ健診が開始されたし
何より、健康のため、エコのためにも
普通の体重に収める努力はいいことだと思います。

楽天ブックス





いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)




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2008年04月13日(日) 論座5月号「教育格差の助長〜〜〜」

論座5月号「教育格差の助長」か「フェアな教育機会の提供」か
和田中 藤原和博校長インタビュー
「夜スペ」が照らし出す公教育の理想と現実

まず夜スペで最近のニュースなど
2008年3月24日21時09分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080324-OYT1T00561.htm
有料授業「夜スペシャル(夜スペ)」を巡り、区民49人が24日、
「校舎の目的外使用にあたる」として、区教委などに、
夜スペの実施の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。」
とあります。

「夜スペ」とはなんぞや?
以前から度々、メディアで見聞きしていたけど
公立学校で、進学塾が破格の料金で勉強を教えている〜ことくらいしかわかってなかった。

そして、目的外使用にあたるので差し止め〜のニュースが飛び込んできた。

さらにタイムリーにインタビュー記事を目にした。
現在発売中の雑誌なので、興味のある方は本屋さんへ・・

インタビューでは、「夜スペ」のメリットがよくわかりました。
今回の差し止め記事と世間の評判をなんとなく知っただけでは
わからなかった「夜スペ」前の「土曜日寺子屋」は成績の振るわない子の
為のサポートの時間だし、「英語アドベンチャーコース」という
英語の勉強をもっとがんばりたい子向けの時間もあったそうな。
最初から進学塾コースだけではなかったことがわかる。

そして現在の家庭環境について、貧富の差も学力の差もある、と書かれている。
就学援助、欠損家庭で半分になると杉並区のことが書いてあるけど
もっと増える区域もあるんでしょうし、そうでないところもあるでしょう。

家庭や周辺の環境もですが、そもそも学校・先生の環境も
決して公平とはいえないことは誰もが知ってるんじゃないでしょうか。

先生だって人間ですし、能力、人柄には絶対に差がある。
そして今は先生は本来の仕事以外に忙殺される事情も沢山ある。
たまたま処理能力にすぐれ、人格的にも申し分なく、教え方も上手な人が
担任になったらすごくラッキーで、そうでない先生にあたったら不運なのだ。
子どもたちに勉強を教え、部活の指導もして、事務的な仕事もこなす
どんなスーパーマンだろうと思うよ、学校の先生って・・
しかも今は尊敬もされないらしく、モンスターペアレンツに脅かされている。

教育は平等でなければならない、と立派なことを言うのは簡単だけど
そんなことが実現されたことって今まであったのかな。
個人の能力には最初から差があって当然なのに
同じやり方を上から押し付けても、差はうまらないんじゃないの?



藤原校長の発言で特に印象的だったのは、
先生の仕事の忙しさについて語ってる部分。
そして子どもたちのおかれている環境。
そして中学生には縦の関係だけでなく、横の関係や斜めの関係が大事だという話。

私もそれは以前から気になっていました。
核家族、少子化、同じような人たちとしか出会えない狭さ。
そんなところが、日常から逸脱、ちょっとした変化にも耐えられず
短絡的な事件に向かう種になってるんじゃないかと思うです。
すごい狭い狭い世界で生きてる。そこから抜け出せないし
落ちそうになったらもう終わりだと思う。

いろんな年齢、仕事、趣味、いろんな人が当たり前にいる環境を
もっと身近に感じられたら。

インタビューの終わりに、対談者のまとめがあります。
「夜スペ」の批判についても触れていて、確かに不安な部分もあるのですが
他の学校が「夜スペ」をしようと思ってもできないだろうとかね。
でも、考えるきっかけになって、ちょっとずつ今の学校や子どもたちの
おかれている環境が変わったらいいのにと思いました。
今のままで問題ない学校はいいけど、問題の学校があるから
毎日のように、新聞などをにぎわす事件があるのでしょうから。

岩波「世界」4月号には藤田英典さんの「夜スペ」何が問題かも載っています。
こちらもあわせて読んで、考える材料にしたいです

****
ちなみに、藤原校長が、フィンランドの教育は落ちこぼれを
つくらない教育と喧伝されていることについてのからくりが紹介されている。

フィンランドは1.5倍の先生が配置されている!
それに家庭の環境も全然違うと他の雑誌で見たしな。
テレビを見るにしてもバラエティとか見ないそうです。
親子でドキュメンタリーとか見て、討論しているとか
どっかの記事でみかけたんだけど(事実を確認したわけではないです)

やっぱり見出しとか数字だけで判断したら恐ろしいですね。
フィンランドの教育の現場だけとりあげて、いいもののように思ったら
危ないですよね。


たまたま検索でひかかった藤原校長のフィンランド報告
http://www.wadachu.info/data/report_from_Finland_0709.pdf

NECの教育プラザにもフィンランド教育事情がありました。
http://www.wadachu.info/data/report_from_Finland_0709.pdf

塾のコラムだけど、フィンランドのことについて触れています。
http://www.dokusho-club.com/book/200604.html

子どもを持つ親ではないですけど、
子どもたちが住みやすい、生き易い世の中になってほしいな〜と
常に思ってるので、大人として、こういう問題は無視できないですね。


「部活動は学外にプロが一杯いるんだからアマチュアの教師が指導するよりもプロに
任せたほうがいいんじゃないかと、でもそれは間違いで、学校の機能を分散していくと3割くらいの子は行くところがなくなる
家庭や地域社会がもっと機能していたら学校で全部かかえる必要はないが、約7割の子は帰宅しても「お帰りなさい」といってくれる人がいない。」
「ただでやったら続きません、子どもはさぼるし、親も面倒くさくなってしまう」





2008年04月05日(土) 論座4月号

 朝日新聞社

あなたは「Tバック小学生」をどう思いますか?

香月眞理子(フリーランスライター)

他の記事を読もうとして、開いたらあり、興味深く読む。
以前、新聞でもジュニアアイドルのグラビア写真集について
かかれた記事を見て、この状況を気味悪く感じていました。
あれからかなり時間がたっても、もっと過激なことになってるのだとわかりました。

Tバッグ小学生は先日、webニュースで卒業したとかなんとか見出しで見て
やはり暗い気持になったんですが・・

この記事の中で、プロダクションとタレントとその親の考えはまだわかる範囲なのですが
やはり出版社・映像メーカーは売れれば良い、という方向性なのですよね。
また約束を守れないファン(といえない犯罪スレスレの観客)を寄せ付ける
こうしたメディアが恐ろしいとも思いました。

昔から子どもは搾取されることの多い立場でしたが
相変わらず弱者なんだな〜と思う。
せめて、親や良心的なプロダクションが配慮しないとね。

一過性のブームではないかと見ている方もいるのですが
(レースクイーンなど過去にブームになったものは見向きもされない)
そしてジュニアアイドルの男の子版も出て、業界が変わる期待をもってる
方もいるのですが、そうかな〜。余計不安になったりして。

可愛いものとか綺麗なものを見るのは好きですが
たまに見る機会のある若い俳優さんのDVDとか見るとど〜も恥ずかしいです。
こういうのが見たいと思われているのかな〜と思ってね。
演技とかダンスとかはみたいと思うけど、裸に近い格好で浜辺を転がる姿はみたいと思わないです。
世の女性はみたいと思ってるのかしら??

男性が女性のそうした映像を見たいと思っていることも、あまり理解できてなかったので
(こんなの見て面白いのかな〜とちょっと朴念仁?)
こういう記事で、男性がどんな目でグラビアとか映像を見ているのか
頭で理解したので、その女性向けに作られているのかと思うとちょっとどころでなくドン引きです。
それは考えすぎなのかしら?

若い頃に、好きなタレントさんの握手会とかいったことあるのですが
基本的に、その人がその能力を生かして活躍しているところが見たい派なので手持ち無沙汰なんですよね。
まぁ綺麗な顔とかシルエットを見るだけでも嬉しかったのもありますが。

綺麗なだけ、可愛いだけ、ならもういくらでも世の中には溢れているので
売れる写真を撮って、売れるだけ売る。
そんな図式が怖いです。

太く短く、あるいはいい思い出になる〜てんならいいんでしょうけど。
お婆さんくらいになったら自分の若い頃の写真集とかDVDとか
いい自慢になるかな〜そうかな。とも思えたり。


 < これまで  目次  これから >


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