2008年01月31日(木) |
本「病をよせつけない心と身体をつくる―直観医療からのメッセージ 」 |
クリステル ナニ (著), 菅 靖彦 (翻訳) 草思社 2007年
少し読み進むと、今流行りのスピリチュアルな話なのか?と疑うかもしれないけど 確かに、そうした気配もあるのですが でも、病は気から・・という昔からの言葉が本当だということがわかる本だと思います。 (いや、そんな単純ではないけど) それに、病院での治療もしているので、全くの奇跡の治療で治しました!という話ではない。 だから、いいと思う。
人は、生まれた時のその環境・人間関係で、どれだけ考え方が縛られているかと思うと恐ろしい。 子ども時代の親や環境は選べないのだから。 そして親族・世間の押し付け・常識が、もしかしたら自分の健康を阻害するほど深刻なダメージを与えているかもしれない。 でも、そこから抜け出すことは容易でないこと。だからこそ、考える価値があるのだと思う。 病に取り付かれやすい行動・考え方を見ると、自分にも当てはまることが複数ある。
そして、不思議なことに、一昨日から日記に書いてきたほかの2冊を読んでこれに行き当る。 自分で購入したのではなく、本がたまたま私の手元に届いたといっていいでしょう。 これらの本に共通していることも少なくない。
さらっと生きる。 今を楽しく生きる。
これにつきるのだと思う。 今までもそう思っていたし、してきたつもりだったけど 常識的なことが私を邪魔して、本当の意味では楽しんではいないのだとわかった。
深呼吸をすることも忘れるくらい。
この世に偶然はない、などといったらまた神秘主義者のようですが そう思えることが私の人生に何度もあったから、私にとっては当たり前のこと。 般若心経・セロトニン・そして直観医療。 これらの本を順次読んでいったのは、偶然だけど、必然だと思っています。
そして、何よりこれらと出会いたいと願ったからです。
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去年は本当に吉凶混合、不思議な一年でした。 仕事で天国と地獄を味わい。 プライベートでもそうだった。
他人のために骨身を削っている、と友人から評されたことがある。 そうかな・・そうかもしれない。 でも、ついつい困っている人が、私を見つけてしまうのだから仕方ないと思っていた。 そして自分の体調も精神的にも上向きだったから、それでいいと思っていた。
でも、そんな楽天的な、あるいは傲慢な気持は続かなかった。 親切にしたつもりの人から、手痛いしっぺ返しをくらったのだ。
昔の私なら、きっとそのしっぺ返しをした相手に仕返しをしたかもしれない。 仕返しというか、その人の思い違いを正そうとしたかもしれない。 でも、体調もおもわしくなくなっていたので、それもしなかった。 その人は未だに、私がひどく傷ついたことを気付いていない。 それ以前と同じように、親しく、私に相談を持ちかけてくる。 私も表面上は今まで通り接している。
他人のために、尽くすことは、そんなに悪いことではないと思っていた。 でも、その事がきっかけで、少し変わっていった。 さらに、この本を読んで、もっとわかったみたいだ。
決して、相手を支配したくて、あるいは自分を大事にしてもらいたくて 親切にしたり、尽くしたりをしたわけではなかったつもりだけど 100%そうじゃないかもしれないと思えた。
そして、裏返しのように、私自身が自分に価値のない人間だと思っていることも気付いた。 私は自分はほとんど価値のない人間だからこそ、他人のために尽くして 相手に価値のある人間になれるように頑張っていただけなのかもしれない。
他人に親切にしたり、自分を押し殺して、周囲にあわせる事は 一見、大人として当たり前のような気もするけど もし自分の健康に災いするようなら、やめるべきだと思いました。
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私は今までどおり、自分でできることがあれば、他人の相談にも乗るだろうけど その重心はもう違っていると思う。 私は本当に自分にできることを、自分がしたいだけをすることにしたいと思う。
病をよせつけない心と身体をつくる―直観医療からのメッセージ
2008年01月29日(火) |
本「簡単にできる!セロトニン脳活性法」 |
有田秀穂 大和書房 2007年
セロトニン、この物質が脳内で幸せ感を与えてくれると以前にも聞いたことがあります。 この物質がないと、精神的にも肉体的にも病気になりやすいとも。 では、この本で活性化できたらいいな〜と読んでみた。 小一時間で読めちゃいます。
結局、規則正しい生活、朝型の生活をする、有酸素運動でリズムをつける。 (腹式呼吸、ガムを噛んだり、座禅、読経などもいい) と当たり前の事なんですね。
今より、1時間くらい早起きして、ウォーキングしたいけど 何より、朝早めに覚醒して、布団の中で起きる時間まで まどろむのが好きな私にはちょっと厳しいかも。
でも、最後の最後で出てきた気持の切り替えの話は重要ポイントです。 よく祖母からも、さらっと生きることが大事と言われていました。 すでに起きた失敗や悪いことをいつまでも悔やまない。 悔やむのは一瞬でいい。 人を恨んだり、自分を責め続けたりするのは、執念深いのです。 泣いたり、笑ったり、も一瞬。 とても嬉しいことがあっても、その時喜んだらすぐに忘れる。
すぐに平常心に戻ること、常に今を生きている。それが大事なんだと。
昨日、感想アップした「般若心経」にも通じる話も載っていました。 玄侑宗久さんと共著も出されていました。 なんだか偶然にしても、面白いです。
2008年01月28日(月) |
現代語訳「般若心経」 |
玄侑宗久 ちくま新書615 2006年
「苦痛というのは「私」が感じるのです。 「私」がなくなれば苦痛がゼロになるのは当然でしょう」143p
数年前に写経をするといい、と祖母に言われ、 一時かなりな枚数を書いた。今は時々書くくらいです。
写経しながら、意味はわからないし、読み方もわからない。 でもそのままにしておいたのですが、今は写経ブームなんだそうで その意味を教えてくれる本が沢山あります。
いろんな書評を読んで、読みやすそうなのを選んだのがこの新書でした。 書評の通り、読みやすいし、以前から疑問に思ったり、 もしかしてそうじゃないの?と想像していたことが いくつも書いてあって、すごく納得できました。
本当にわかったら、きっともっと生き易くなってるはずなので 単に大脳皮質が知識として理解しているだけなんでしょうけど。
写経に興味のある人はもちろん。 無い人も、生きている私が読むと面白いかもしれません。
現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))
++++
「メモ」 世界は千差万別・・根本的な問題は我々の感覚器や脳の能力 犬に見えている世界とハチや鳩に見えている世界は そこにはそれぞれの「色」があるはずです。45p
概念は危ない。勝手に作り上げた「美」とか「善」という概念で 苦しさを生み出す。 そもそも「美」「善」そのものがでっちあげ。70p
「死にたい」なんて思っていたのは「私」だけだった。 脳細胞の一部だけ。他の細胞はみんな生きたがっていた。
2008年01月27日(日) |
伊良部先生の活躍に胸躍るw |
伊良部先生とは奥田秀朗さんの小説に出てくる精神科の先生の名前です。 初めて読んだのは「空中ブランコ」 タイトルも表紙もちょっと不気味な感じがしたのですが なんだか気になって読んだら、滅法面白くって大変。 小説読みながら、声出して笑うのってなかなか無いよ。 周囲の人に勧めたら、やっぱり大好評。
その後、「サウスバウンド」という伊良部先生は出てこないけど やっぱり面白い本も読んで、やっぱり面白かった。
そして、今、「イン・ザ・プール」と「町長選挙」一気に2冊手元にあります。 両方とも最初の部分をチラっと読んだだけですが、面白さの予感。 3作目のは、流石にマンネリ化しそうで怖いけど、それでも 実在の人物を連想させる題材で、考えさせられる部分もありそうです。
固いこと言わないで、スカっと楽しめる小説。
町長選挙
よしながふみ ジェッツコミックス
最初はタイトルがタイトルだけに 全くスルーだったのですが 友人やアチコチからかなりいいらしいと知り 2巻が出たところで、買う。 わ〜やっぱり面白い。 すごいわ〜〜〜もうとどまるところ知らず。 クレッシェンドなマンガ家さんだな。 過去の作品もぼちぼち読んでいこう。
大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)
山尾 悠子 国書刊行会 2003年
数年前にこの作家さんのことを知って、「山尾悠子作品集成 (単行本)」が 9,240円もすると知って驚いて、どんなお話かしら?と思っていましたが 今回、それよりは安価な本を読んでみました。
そして、私には本当に読む才能がないのね〜とがっかりしました。 とても美しい文章で、幻想世界が描かれているのですが 読み通すにはかなりの努力を要しました。
一般的に面白い!と誰彼に勧める類のものではないのでしょうし 読み人を選ぶのかもしれないけど
それにしても、改めて自分の読書心のなさにがっかりです。 ま、それがわかっただけでもヨシとするか・・
2008年01月17日(木) |
「反射で生きる不幸と言行不一致の不幸な世の中」 |
ダ・ヴィンチ2月号から
岡野宏文さんと豊崎由美さんの「先生、ここがわかりません!」 「論理と情報」について、教科書で教材として使われている文章について 取り上げているのですが、相変わらず、褒めたり、けなしたりのバランスがいい。 ここでも「三丁目の夕日」が引き合いに出されている。 「昔が美しく書かれすぎている。」 「幻想、日本人に礼儀正しいとかたしなみがあったとか」
この映画だけでなく、「品格」がもてはやされる時代と 知識人たちが、こぞって古き良き時代の日本を思い出させようとしているのですが (いや思い出させようとしているのはメディアであって、当人は違うかもしれませんが) 現代の日本人は旅行者の印象でもトップクラスで評判いいみたいですので 十分、品格があるんじゃないでしょうか。 そして数十年前の日本人旅行者と同じ様子を中国人旅行者がしているとも聞いた。 日本人はたしなみとか礼儀とか、本当はどうなんだろう。 悪い人は悪いし、良い人は良い。差がはっきりと分かれてきているのかもしれない。 電車の中で化粧する若い女性もいるけど、しない女性もいるわけですしね。 外国と比較して、行儀が悪いとかそういうのは比較自体が難しい気もします。
2つ目に取り上げている池田晶子さんの「言葉の力」についてべた褒めなのですが 私も読んでみたいと思いました。でも教科書内なのよね。 「言葉と自分が一致してない人生は不幸だ」という言葉。 不幸な人というのは、自分が信じられない人生を送っているということを書いているのですが すごく納得します。ウソで塗り固められた人生って、辻褄あわせが大変だから気が休まらない感じがしますしね。 何が楽しいのかすらわからなくなってしまいそうだから。
たった2ページのコーナーですが、いろいろ考えるきっかけになります。
続いて「オン・ザ・ブリッジ」宮台真司さんのコーナー (いつもは結構、難しいのでスルーしていたりする) 今回は「親友」という「わぁ恥ずかしくて、難しい言葉だわ」と思う単語から始まっている。
友達とか親友とか、それがどういうものなのか、時代でも変わるんだろうけど人によっても違うよね。 でも、宮台さんが言う昔の「何でも打ち明けられる相手」と今の「最大限気を使わなければならない相手」というのはわかりやすいかな。
近しい人に何でも話せる時代は終わったこと、遠い人がその存在と打って変わった流れとか、わかりやすい。 援助交際の世代交代とか、ナンパ師のテクニック「そんなのは本当の愛とはいえない」というキメセリフとかありそうで、恐ろしい。 そんなのに引っかからないでよ!といいたいけど、そういう事をしてまでナンパしたい男がいるんだな〜 そういう世の中で、そんな男とであって、不幸にならないようにするためには何が必要なんだろ。 全員じゃないにしても、少し前に私がひっかかっていた事件「妻子持ちの10歳以上年上の男性と「恋愛」だと言ってつきあってしまう10代の子」を思い出させることもかいてあった。
言葉とか物質ではない、満足できる人間関係というものが幼い頃から築かれていたら、まず大丈夫だと思うのですが 現代ではそれが本当に難しいのかもしれない。 なにせ、言葉と自分が一致してない不幸な大人たちが運営している世界なのだから。
このコーナーでも「三丁目の夕日」が取り上げられ、「恋空」では「死にオチ」「近い人より、遠い人」 さらに脊髄反射について書かれている。
忙しすぎるし、情報もどんどん出てくる世の中では、脊髄反射に訴える物語でないと、飲み込めないのかもしれないな〜 考える隙も与えない、くらいのスピードでね。見たものをまんま、信じちゃうような。
どちらの映画も見たこと無いし、見たいとも思えないのですが、多分、見たらそれなりに見ると思います。 単なる娯楽映画として、何も暗い気持になったりせずに見たいものです。
2008年01月07日(月) |
本「男子のための恋愛検定」からわかる人間関係の解き方 |
伏見憲明 よりみちパンセ 理論社 (2006/04)
チラっとめくったら、いきなり「NANA」のハチのことが出てきました。 ハチ子のことを例に、恋愛における女心を詳しく解説しています。 なるほど、と女である私も、よくわかります。
すごいな〜この作者。 そうそう、そうなのよね。と思わず納得。 名言の数々で爆笑です。
33ページ 「恋の対象をジャガイモに例えているのが秀逸。 「恋」とは一人の相手に気持がロックオンしてしまう原因不明の症状。 八百屋で一山200円のじゃがいものざるの中からむしょうに欲しくて しょうがないじゃがいもが見いだされるような、珍妙な熱狂・・」
以前、さくらももこさんのエッセイ(多分「さるのこしかけ」)に 彼女が地元で女性タレントをみかけたときに そのタレントさんの美しさを現すのに、 自分と友達を「ねずみとじゃがいも」と表現していたのが思い出されました。 やっぱりテレビに出演されるような人はその辺にはいない美しさなのね〜と 思ったりしたのです。
そしてここでも「じゃがいも」が出てきました。 一般人は一山いくらのじゃがいもです。 そのじゃがいもの形や色を選別するのにやっきになってるかと思うと ちょっとむなしいですよね。
39ページ 「ある意味で、「恋」は相手など関係ない、自分自身の欲望なのだ。 犯罪にいたらなくても勘違いが発生する。」
恋が冷めた時の感覚がわかるだけに、恋ってほとんど勘違いだと思うのでした。 相手があってないような、そんなのが思春期の恋愛ではないでしょうか。 そして、あまり恋愛体質でない人ってのは、欲が控えめだったり 勘違いしにくい人なのではないかと思うのでした。
ジャガイモたちが恋の勝者になるには、対処法としては45ページ辺りに 「自分で自分をプロデュースする必要に迫られる」 というのは、昨年かなりプッシュした本田透さんの「電波男」など を読んで、キモ面のまま恋愛したいという人に読んでもらいたいです。
*** そして「資源交換」
114ページ 「恋」する思いには、そもそも純粋と不純はない。 どの「資源」によって「恋心」が刺激され、 思いが膨張していくのかは、ケースバイケース。 それらの「資源」の間に優劣つけるのはナンセンスである。
115ページ 「愛」はお互いの資源交換だといえる
「NANA」のハチ子がとった行動を説明するのに十分な言葉ですね。
***
恋愛検定としているけれど、これは男女間だけでなく 同性同士、友人同士でも同じことだと思われます。
交換したいと思うものがなければ、誰も近寄ってきません。 私は少なくともそうです。 今までも、自然にそうしていたけど、年齢を経て改めて、自分の行動も そうなってると気付きました。
例えばお金をもっているとか、資産があるとかそういうことで付き合いをする人を 汚いと思う考えがあります。 「純愛」とかもてはやされているってのはそういうことでしょ?
でも現実にはそんな何にも持ってない人が、恋愛を勝ち抜けることなんてありえない。
お金がなくても、好きで付き合っている人がいる〜という人は沢山いるでしょうけど それにしたって、今の時点ではお金はないけど、 将来はわからない、可能性があるかもしれないからかもしれない。 お金に換えがたい魅力が勝ってるのかもしれない。
自分にない、素敵なものをもっている。
これは人と付き合う上で重要な資源なのではないでしょうか。 そしてそれは、男女間恋愛だけでなく、他の付き合いでもいえることだと思います。
男子のための恋愛検定 (よりみちパン!セ)
2008年01月01日(火) |
あけましておめでとうございます |
昨年はあまり本を読めなかったので 今年はたくさんよみたいです。 と一年の計は元旦にあり!
今年もよろしくお願いします。
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