即興詩。即ち書きだめ。

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2002年04月29日(月)


ハレルヤ




ハレルヤ、
ハレルヤ



僕は
騒音の
中にいて
静謐な
カウントダウンを
見つめている


場面転換は
迅速に遂行してくれないか


僕は
緑の
丘の上に立って
黒い
カオスを
愛でている



其れ即ち
自殺行為 と
右斜め後方から声がした




知ったことか
知ったことか









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2002年04月26日(金)


文明開化



ピピピピピ ピ

       ピピピピ?

ピピピピ ピ

       ピピピピ!


叩いて
送って
返って
読んで
コミュニケートだとか言ってりゃ
世話ないよ


ピピピピピ
友達百人できるかな


君たち
いつ教えてもらった?
仮面の磨き方


ピピピピ ピピピ?

           ピピ

ピピ ピピピ!

      ピピピピピ・・・・!


次世代と謳ってる
小さな文明開化を
ゴミ箱に こつん






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2002年04月24日(水)


ラララ




ラララ
君の歌をきかせてくれ
ギターなら此処にある

ぼくはメロディーにのってる
君の言葉が好きなんだ

ラララ
君の歌をきかせてくれ
誰にも負けない拍手をするよ


ひまわりは泣けなかったんだって
でも僕らには声がある

白鳥ははしゃげなかったんだって
でも僕らには四肢がある


ラララ
君の歌をきかせてくれ
こんなに晴れた日曜日じゃないか







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2002年04月22日(月)


小学生のような



あんまりいいもんじゃないから
あんまり観ないでくれ
ちょこっとだけ聞いてくれ
何とはなしにで良いから

僕はたいそうな言葉を持ち合わせていなくて
そこら辺でさらりと飛び交うフレーズを
さも大切そうに並べてみるだけなのだけど

それでも僕のアイシテルには
僕だけのアイシテルが在るはずだし
君のアイタイには
君だけのアイタイが込められているはずで

つまり、

そんな感じに
小学生のようなラブレターを
君へ捧げたいんだ



まだ太陽が昇らない時刻、電波も越えて速達便。








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2002年04月18日(木)


ノスタルジー



四角い箱の中に
人間と
車と
田圃とか
電柱とか
家屋とか
そんなものが渦巻いてる
凝視する僕に
田圃だけが気づいた

まだあどけない頃
繰り返し繰り返し口ずさんだ
あの唄の題が思い出せない
もう少しなのに

凝視する僕に
田圃だけが気づいて
再び目を逸らした







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2002年04月16日(火)


退散を急げ



まだ間に合う
まだ今なら
君は息ができるんだろう
僕らはいなくならなけりゃ
取るものもとりあえず
僕らはいなくならなけりゃ
君の心臓が動いているうちに
早くお暇しなけりゃ
まだ間に合う
間に合うから
急げ
急げ
君は何も心配しなくていい
すぐに快適な余生を送ることができる
邪魔してごめんね
彼らに大きな悪意は無いんだ
根は良い奴らなんだ
でも君を痛めてることに気づくのが遅かった
もう戻れない所まで
突っ走ってきちゃったんだ

君のこと
ほんとは、
ほんとは大好きなんだよ









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2002年04月13日(土)


誰が何と言おうと



かなしくなって
真夜中に外へ出て
大声で叫んで
煙草を吸って
またかなしくなって
こんなんじゃ駄目だ
こんなんじゃ駄目だ

もう立ち止まるのも無駄な気がしてた


誰が何と言おうとぼくはかなしい
かなしいんだ
いつもかなしいんだ
歌を聴いても愚痴をこぼしてもかなしい
メンソールで冷やしてもアスピリンを打ってもかなしい
君がいなけりゃ
とか吐く気はない
寂しさとか切なさとかわからない
ぼくはかなしみだけ知ってる
この心臓を痛くする正体だけ知ってる

誰に何を言われようと








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2002年04月08日(月)


真夜中



今日が終わる頃
窓を開けて風を受けると
天井は
思っていたほど黒くなかった
遠くへいくにつれて橙色
グラデーションは確かにきれいだ
きれいだ
けれど

不意に君が耳元で
ネオンの橙だよ と
優しく囁くから
僕はあぁ、と呟いたあと
何故だかひどくかなしくなって
君に見えない角度で
眉間にしわを寄せて
考え事をしているふりをしたんだ

君の腕の中で僕はまだ堪えていた

あの空はきれいだったよ、だけど








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2002年04月04日(木)


カウントダウン




扉が開く前に
この本を閉じなくては
お父様が帰ってらして
開かれたままの本と
その前に背中を丸めて座る僕を
細い目で交互に見比べて
きっと僕の手ごと仕舞ってしまうから
僕ははやくこの本を片付けて
この部屋を飛び出して
布団を頭からかぶって
お父様のおやすみなさいを聞かなければならない

お父様、お父様
お酒の匂いはあまり好きではないのです
お父様、
この頃お友達と上手く会話が出来ません
お父様、
この本は本当に面白いのです
お父様、お父様
最後にキャッチボールしてくれたのは何時でしたっけ











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2002年04月02日(火)


橙色の神さま




四角いビルディングに囲まれていた
鏡張りの窓に空が映る
その ひどく不似合いな修飾に
思わず口角を上げながら
頬を刺す風に肩をすくめる
明日もこの街は相変わらず
春を知らぬ桜のような顔をしているのだろうか

確かあのコンクリートの向こう側に
橙色の神さまがいたはずだ
此処からは後光しか見えないけれど
毎日毎日
きっと気づかれるまでこの街を照らしている








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