BACK NEXT 初日 最新 目次 HOME

INFORMATION
日刊・知的ぐうたら生活
ここのBLOGはこちら
SCHAZZIE@MOBILE

schazzie
HOME

SOUTHBOUND
Go To U.S.A.
BOOKLOG
BOOK CLUB
読書の日記
Another View


My追加


■ 本の検索・購入 ■
Amazon.co.jp アソシエイト



●For Mobile●
キーワード:

2003年05月31日(土)
台風

東日本で大雨 台風が変わった低気圧で

季節的にはずいぶん早い台風で、今朝方から強い雨。じめじめしてうっとうしい。ていうか、上の記事によると、雨を降らせたのは台風ではなくて、変わった低気圧?

ゴミを出しに出た徳島の女性が行方不明だとニュースでやっていたが、何もこんな台風のときにゴミ出しに行かなくても・・・。きっちり決まった日にゴミを出さないと、気がすまない性分だったのだろうか?「次のゴミの日でいいや」というのが日常茶飯事の私には、なんとも理解不能。主婦のつとめを果たそうとして、一生懸命にやった結果だろうから、非常にお気の毒ではあるけれど、人間が流されてしまうくらいだから、ゴミ袋だって流されるに違いない。むしろこんな日にゴミを出しては、かえって迷惑なのでは?ともあれ、早く見つかるといいですね。

実は木曜日から胃が働かなくなっている。通常ならこれくらい食べるはずだと思って、いつもどおりに食べるのだけど、胃が動いていないようなので、どんどん苦しくなってくる。どうしましょう?食べなければいい。それはそうだが・・・。

『ダロウェイ夫人』を読み終えたら、あれとあれを読む!と決めていたのに、全然違う本を読んでいる。やっぱりね。そういう予感は十分あった。計画を立てると、立てるそばから崩していくという天邪鬼な私。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『The Minpins』/Roald Dahl \842
内容(「MARC」データベースより)
火をふく人食いケダモノがいるという"あやまちの森"についふらりと入ってしまったリトル・ビリー。そうしたら本当に!! 少年と森に住む小さい一族ミンピンと鳥たちのすてきな冒険ファンタジー。



Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月30日(金)
日本婦道記

台風で雨になると言っていたが、今日1日はとりあえず持ちこたえた。
アポロ13号が飲んでくると言うので、私も飲みに出かけた。昨日卒倒しそうなほど驚いたことがあったので、お酒でも飲まなきゃ!な〜んてね。理由がなくても飲みには行きます。「二日酔いしない薬」服用。(^^;

久々にハリソンバーに行く。黒服の斎藤君も早稲田のボクシング部にスパーリングをやりに行っているらしいので(ボクサーには見えない端正な顔立ちだが、彼はセミプロ)、そのうち会うかもって話をした。でも木曜日だけは行かないらしい。避けてるのか?もし会ったら、生協の食堂ででも・・・って侘しいなあ。店内のDVDで、「ハリポタ2」をやっていて、ちょうどロンが「名前を言ってはいけないあのもの」を吐き出すところを見てしまい、気持ちが悪くなったので、ハリソンバーは早々に退散。以降は例によって例のごとし。

ところで、私にしては非常に珍しい日本文学、山本周五郎の『小説 日本婦道記』を読んだ。母から、これはすごくいいから買っておいてと言われた本。山本周五郎は嫌いじゃないので、どんな話かな?と思って読んでみたら、ものすごくよかった。夫が飲みに行ったからって、自分も飲みに行くような妻ではいかん!と心した。たぶんすぐ忘れると思うが。それと、言わせてもらえば、この本に出てくる夫もまた立派なのよね。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『小説 日本婦道記』/山本周五郎
文庫: 262 p ; サイズ(cm): 15
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101134081 ; 改版 版 (1958/10)


◆Amazonから5冊

『Carry Me Across the Water』/Ethan Canin \1329
Amazon.co.jp
主人公のオーガスト・クラインマンは、我が身の来し方を顧みる老富豪。ウィーンの教養あるユダヤ人一家の息子として過ごした少年時代、母親とアメリカへ逃亡した1930年代、太平洋での戦争体験、ピッツバーグのビール王として君臨した日々、妻への愛と子どもたちとの不和をクラインマンが追想する。というと、話はわりあいまっすぐに進むかに思えるだろう。だがケイニンは、これをばらばらに砕いていくつもの魅力的なエピソードに仕立て、できごとが起きた順序などお構いなしに、なおかつ唐突に、個々の記憶をよみがえらせるのだ。

『Blue River』/Ethan Canin \1189
※表紙の画像は全然違うが、ものはこれ。

『The Wonderful Story of Henry Sugar and Six More』/Roald Dahl \526
※これも表紙の画像が違う。ダールの本独特のイラストが嫌いなので、わざわざこれを選んだのに、来たのはその独特の絵のほうだった。

<参考>
The Wonderful Story of Henry Sugar and Six More/Roald Dahl (著), Quentin Blake (著)
価格:¥733
届いたのはこちらの本。価格もちょっと高いが、オーダーした本は入手できなくなっているので、これを送ってきたようだ。

『The Minpins』/Roald Dahl \842
内容(「MARC」データベースより)
火をふく人食いケダモノがいるという"あやまちの森"についふらりと入ってしまったリトル・ビリー。そうしたら本当に!! 少年と森に住む小さい一族ミンピンと鳥たちのすてきな冒険ファンタジー。

『この世の果ての家』/マイケル・カニンガム \857


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月29日(木)
原文で味わう新しいアメリカの短編小説(5)

「原文で味わう新しいアメリカの短編小説」講座第五回
テキスト:「Satan : Hijacker of a Planet」(From Atlantic Monthly)/Louise Erdrich (1997)

ルイーズ・アードリックは1954年、アメリカ先住民(チペワ・インディアン)の母とドイツ人の父との間に生まれる。
デビュー作は『Love Medicine』
現在はミネソタで本屋を経営しながら作品を執筆。最初に結婚した夫マイケル・ドリス(アードリックの創作科の先生だった。『青い湖水に黄色い筏』)は、のちに自殺した。

「Satan : Hijacker of a Planet」の舞台はモンタナ州ミズーラのハングリー・ホース(ここに行く人は「これ」も見ましょう!)。聖書を売り歩いている男から、テントリバイバルがあるのでおいでと言われて行った女の子の話だが、この男と主人公はその後も付き合いが続き、どうやら「ひと夏の体験」ということではなさそうだ。

個人的には、この二人は結婚をし、あの時あんなことがなかったら、今ごろ私はこんな退屈な毎日なんか送ってなかったわ!と思っている主婦の話ではないかと思う。つまり、サタンは夫。結婚は地獄。考えすぎでしょうか?(^^;


<キーワード>

インディアンについて
アメリカ先住民、またはネイティブ・アメリカン
詳細はリンク先を参照してください。

インディアン・リザベーション(居留地)
白人たちがアメリカ先住民のために与えた土地。
アードリックは主に、インディアン・リザベーションに住む人々を取り上げ、先住民たちがどんな場所で、どんなことをして生きているかを書いている。

リバイバル・テント
布教運動のひとつで、空地にテントを張って伝道集会をする。


◆φ(..;)メモメモ
※青山南さんは、ルイーズ・アードリックがお好き・・・と。
※今度翻訳されるT.C.ボイルの短編集は『After the Plague』


◆次回の課題
「Mark of Satan」/Joyce Carol Oates


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月28日(水)
意識の流れ─ダロウェイ夫人

4時まで勉強。6時まで読書。寝不足。今日は病院に行かなくてはならなかったので、しんどかった。伊勢丹会館の「グリル満天星」でお昼を食べる。

帰りに薬局で、また違う「二日酔いしない薬」を薦められる。この間までは、便秘じゃないと言っているのに「便秘の薬」を薦められていたのだけれど、今度は「二日酔いしない薬」に変わったか?二日酔いのほうは、もらっておいてもいいが、というか、効くならぜひ欲しい。

『ダロウェイ夫人』無理やり読み終わらせる。「意識の流れ」とかなんとか、全然わけわかりませんわー。凡人には何が何やらって感じ。『ユリシーズ』と比較されて云々と言われても、『ユリシーズ』だって読んでないし。ちなみに、ロジェ・グルニエの『ユリシーズの涙』なら読んだ。犬の話。これは泣いた〜!なので、私にとって、ユリシーズと言えば「犬」しか思い浮かばない。もちろん英雄ユリシーズにちなんだエピソード(これが泣ける!)があるので、全然関係のない話でもないのだが。。。ジョイスはDoverで『Dubliners』を$1.50で買った記憶はあるものの、なにやら意味のない花柄表紙を集めた「花柄コレクション」に入れて、それで満足して終わってるんじゃなかったかな?(^^;

次は一度挫折した、ジョイス・キャロル・オーツの『エデン郡物語』を課題の下準備に読んで、シェイボンの『ピッツバーグの秘密の夏』『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』を読む予定。あ、その前にもいろいろあったっけ。それは読後報告にて。


夜、どん底でテレビ出演してくれと言われ、恥も外聞もなく出演してしまった。番組名もわからない。たしかテレビ東京だったと思うが、夜中の2時40分から放映って、誰も見てないでしょう。30分くらい撮って、実際に使われるのは2分くらいだそうだ。カットされていますようにぃ〜!


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ダロウェイ夫人』/ヴァージニア・ウルフ
内容(「BOOK」データベースより)
ジョイスの『ユリシーズ』と比較され、ウルフが独自の小説作法を確立した傑作。自宅で夜会を催す日の朝、51歳のダロウェイ夫人は不意に死の不安に襲われる。ロンドンの六月の一日を、多様な登場人物の三十年余に渡る過去に重ね合わせながら描き出す。

『フリップ村のとてもしつこいガッパーども』/ジョージ・ソウンダース(著)・青山南(訳)
内容(「MARC」データベースより)
ガッパーは奇妙な生き物の名前。ガッパーはフリップ村の生活の糧・ヤギにくっつくのが大好き。これがくっつくと、ヤギはミルクを出さなくなる。ガッパーを取り除くのは村の子どもたちの仕事だが、ある日…。


◆Amazonから2冊(午前便)

『小説日本婦道記』/山本周五郎 \476

『PAY DAY!!!』/山田詠美 \1500
内容(「MARC」データベースより)
ハーモニーとロビン、双子の兄と妹。十七歳のちっぽけな対の二匹に訪れた、愛する人の死。しかし、彼らは、十七年間分の人生を糧に、ここでまた新しい一日を始める。ゆったりと美しいアメリカ南部を舞台にした青春小説。


◆Amazonから3冊(午後便)

『20世紀アメリカ短篇選(上)』/大津栄一郎(編・訳) \600
内容(「BOOK」データベースより)
上巻には主として20世紀前半に活躍した作家13人の作品を収録。突然失踪して修道僧となった社交界のヒーロー、ニューヨーク下町の人間群像、飢餓に苦しむ先住民族の長老を待つ掟―見事な人物描写を通して、20世紀前半のアメリカ社会を写しとる。

『20世紀アメリカ短篇選(下)』/大津栄一郎(編・訳) \700
内容(「BOOK」データベースより)
本巻には、ナボコフ以下、戦後に活躍した作家たちの作品を収める。現代アメリカを代表する作家たちによって表現された現代アメリカ社会の諸相。

『ラブリー・ボーン』/アリス・シーボルド \1600
Amazon.co.jp
1973年、雪の降る12月のある日のことだった。14歳のスージー・サーモン(魚の「サーモン」みたいな名前と彼女は言っていた)は学校から家に帰る途中、トウモロコシ畑の中に穴を掘って作った地下の隠れ家に誘い込まれた。そこで彼女は残忍にレイプされ殺害されてしまう。連続殺人の新たな犠牲者となったスージーは、その男を知っていた。それは近所に住む男、ハーベイだった。

アリス・シーボルドのせつなさが胸にしみる感動の小説デビュー作『The Lovely Bones』は、「人生は永遠に昨日のこと」となってしまった天国からスージーが語り手となって話を展開する。スージーは天国から彼女の死を悲しむ家族や友だち、そして憎き殺人犯や彼女の事件を追う刑事の様子を見守る。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月27日(火)
カール・ハイアセン

もう梅雨入りしちゃったみたいな天気に閉口。私もアポロ13号もなんとなく調子が悪い。やっぱり太陽って大事なんだなあ。

今日はカール・ハイアセンの『HOOT』を読み終えたが、これは一気にいけた。面白かった。で、この作者はどんな人?と思って、Amazonで検索してみたところ、あー、この人か!って感じ。というのも、「紀伊国屋のバーゲンで買おうかどうしようか散々迷って買わなかった本」を書いた人だったのだ。うーん、今にしてみれば買っておけば良かったって感じだけど、後悔先に立たず。

カール・ハイアセン著作(ミステリー・翻訳)
Carl Hiaasen Paperback

〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『HOOT(ホー)』/カール・ハイアセン
内容(「MARC」データベースより)
中学生のロイはある日、裸足で走る不思議な少年に出会う。彼は建設現場のフクロウの巣を守ろうとして闘っていた。子どもたちと大人の闘いをユーモアたっぷりに描きだすYA文学。


●しばらくたまっていた感想を、「私の読書の記録」にアップしました。

・『フォックスファイア』/ジョイス・キャロル・オーツ
・『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』/ジェフリー・ユージェニデス
・『息吹、まなざし、記憶』/エドウィージ・ダンティカ
・『HOOT(ホー)』/カール・ハイアセン


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月26日(月)
ゲロ味の百味ビーンズ

今日は岩手で大きな地震があった。
東北地方の方、お怪我はありませんか?

◆週刊ブックレビュー



昨夜NHKBS2の「週刊ブックレビュー」を観た。ゲストは前に書いたとおり、青山南さん。その時南さんの「おすすめの本」をしてアリス・シーボルドの『ラブリー・ボーン』を載せておいたが、昨夜は他にも2冊紹介。

山田詠美の『PAY DAY!!!』と、リング・ラードナーの『メジャー・リーグのうぬぼれルーキー』をあげていたが、『PAY DAY!!!』のほうは、「これほど詳細に南部の情景を書いた人は他にいないのではないか」といったようなことも言っていたと思う。南部好きの南さんらしいコメントだが、私も南部には少なからず興味を持っているので、早速読んでみようかなと思っている。

それと、特集でやった『中野孝次の論語』にもすごく興味を持った。
内容(「MARC」データベースより)
「論語」を愛する著者がとくに現代人にわかりやすいように、読み下しのほかに、独自の読み方とエッセイを合わせて書き下ろした、渾身の人生指南書。今まで読みたいけれど敬遠していた人にもおすすめです。

う〜ん、身にしみる言葉があるなあ。


ところで、先日おホモだちの誕生パーティーで、ハリポタの「百味ビーンズ」を食べた。これまで買っていたオーストラリア製のものではなく、箱入りのアメリカ製。名前もそのまま「Bertie Bott's Every Flavour Beans」。中にはちゃんと、鼻クソ味、耳クソ味、ゲロ味があった。うへえ〜!でも、これはやっぱり一度は試しておかないとね!

鼻クソと耳クソの本物は食べたことがないから、これはなんとも形容しがたいのだけれど、ゲロのほうはよーく知っているから(うげげ!)、食べるのにかなり勇気がいったが、ん?食べられないわけでもないんじゃない?って感じ。なんだか韓国料理にこんな味があったかも?みたいな・・・。(^^;

リアルだったのはブラックペッパー味とサーディン味。「こしょう」と「いわし」だ。ペッパーのほうは、まあいいとしても、サーディンは思いっきり生臭くて、これが一番きつかったかも。ていうか、よく作ったよね、こんなもの。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『息吹、まなざし、記憶』/エドウィージ・ダンティカ
内容(「MARC」データベースより)
おばさんとすごしたハイチでの生活は、愛とおとぎばなしにあふれていた。12歳を迎えたソフィーはニューヨークの母親に呼び寄せられる。女と生まれたことの哀しみと、女たちの力強い絆を、色彩ゆたかな民話をおりまぜて描く。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月25日(日)
ターミネーター3情報

ターミネ―ター3 TERMINATOR 3: RISE OF THE MACHINES
7月12日(土)全国超拡大公開

□監督:ジョナサン・モストウ
□製作:マリオ・カサール、ハル・リーバーマン、ジョエル・B・マイケルズ、アンドリュー・G・ヴァイナ、コリン・ウィルソン
□製作総指揮:モリッツ・ボーマン、ガイ・イースト、ナイジェル・シンクレア
□撮影:ドン・バージェス
□編集:ニール・トラビス
□脚本:ジョン・ブランケート、マイケル・フェリス
□プロダクション・デザイン:ジェフ・マン
□メイクアップ・FX・スーパーバイザー:スタン・ウィンストン
□出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、クレア・デーンズ、ニック・スタール、クリスタナ・ローケン

あらすじ:  サラとジョン・コナー母子が世界を救った時から10年後。T-800とつらい別れを経験したあの日に、自身の使命を果たし終えたジョンは、新たな人生の目的を模索するように、放浪生活を送っていた。すでに予告された「審判の日」は過ぎ、マシーンと人間の戦争などは永遠にないように思えた。しかし実際、スカイネットは存在し、いまだにジョンの命を狙いつづけていた。今回送り込まれたのは、T-1000を遥かに上回る性能を持つ「T-X」。プラズマ砲をはじめとする武器を備え、他のマシーンをコントロールするパワーを持つ「それ」は、変幻自在な液体金属のボディをグラマラスな女性に変化させ、リストにある人間たちを次々と抹殺していく――。

 ジョンは新たに設定された「審判の日」が刻々と迫る中、自分の未来を自分の手に取り戻すための戦いを繰り広げることになる。そんな彼の前に再びターミネ―ターが姿を現す。今度のターミネ―ターは果たして、誰が、どんな目的で送り込んだのか?なぜ、スカイネットは滅亡しなかったのか?ジョン、そして母サラの運命は…?

(R) Used under License. TM(C)2003 IMF Internationale  Medien und Film GmbH & Co. 3 Produktions KG
 

ゴラム1: 絶対観に行こう!

ゴラム2: はいっ!





〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』/ジェフリー・ユージェニデス
内容(「MARC」データベースより)
13歳から17歳のすべて年子の美人姉妹は、何故次々に自殺したのか? 古き良きアメリカの面影が残るミドルアメリカンの穏やかな日常を背景に青春の驚異と絶望を斬新な手法で描く、美しく、不思議で、胸を打つ物語。


◆Amazonから2冊

『Emperor of the Air』/Ethan Canin \1333
内容(「BOOK」データベースより)
この本に収められた九つの短編小説は、そのほとんどが「青春小説」と呼びうるタイプの作品である。自分の中で何かが決定的に変化する瞬間が訪れるのを、息をひそめるようにしてじっと待つ16歳の夏―それがイーサン・ケイニンの小説の原型的時間だ。

※青山南さんの講座第1回目のテキストで使った「Emperor of the Air」が表題作になっている短編集。最初に読んだときは「おかしな中年男の話」としか思わなかったが、ほかの作品などもいろいろ読むうちに、すっかりケイニンの世界にはまった。とにかくこの人は、下品でないのがいい。

『息吹、まなざし、記憶』/エドウィージ・ダンティカ \1600
内容(「MARC」データベースより)
おばさんとすごしたハイチでの生活は、愛とおとぎばなしにあふれていた。12歳を迎えたソフィーはニューヨークの母親に呼び寄せられる。女と生まれたことの哀しみと、女たちの力強い絆を、色彩ゆたかな民話をおりまぜて描く。

※これも講座第2回目でやったダンティカの作品。前に読んだ『クリック?クラック!』は短編集だったが、これは長編。『クリック?クラック!』よりもハイチ色が強く、エキゾチックな話。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月24日(土)
ゲイの誕生日パーティー

今日は2丁目のゲイの友人、ともちゃんの誕生会。
でも、今日は都合が悪いので昨日行った。どっちにしても潰れた。やっぱりGOOS飲まなきゃ、翌日辛い〜!

で、昨日は私以外は全てホモ。ここには収録できないすごい会話がいっぱい!そりゃ、そもそも男同士なんだから、それなりの会話はあって当然なんだけど、見た目は男なのにオネエ言葉で、しかも中には女にしかわからないような話もあったりして、結構シュールだ。暴露話もいっぱい。某都知事も実はホモで、三島由紀夫とペアルックを着ていたとか・・・。

でも一度ホモになってしまうと、どんなに気持ちが通じ合っていても、女と結婚するとか付き合うとかっていうのは、


有り得ない!


のだそうだ。
彼らがどんなに魅力にあふれていても、それはホモだからいいんであって、普通の男だったら、魅力として感じないかもしれないし、某都知事のように、中には男も女もOK!という人はいるけれど、基本的にはなしだ。万一ストレートな結婚をしたとしても、やはり大半はダメになるそうだ。

でも、そういう認識って、日本の世の中ではまだ浅い。どうしても男と女を結び付けたがるみたい。中には「神を冒涜している」などと怖いことを言う人までいるし、エイズに関しても、まだまだ間違った認識を持っていたりする。

特別ゲイの人たちを擁護するわけではないけれど、間違った認識を持った人たちの彼らに対する態度って、ストレートな私でも、とても嫌だ。彼らも同じ人間で、ただ嗜好が違うだけ。レズの世界はあまり知らないけれど、うちの隣に住んでいた人(今のバカ学生の前)はホモだったし、向かいの部屋はレズだ。そういう環境だから、慣れもあるんだろうけど、彼らはものすごく特殊ってわけじゃない。それに彼らが私に害を及ぼしたことは一度もない。むしろストレートな人たちのほうが、よほど害になっている。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月23日(金)
外国文学の縮約版

マイケル・シェイボンの『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』は、日本語版は縮約版で(実際にまだ比較してはいないが)、ページ数を見ただけでも、かなり省略されていることが一目瞭然。シェイボン本人はそれで納得しているらしいのだが、シェイボンファンの読者としては、ちょっと納得できない。やはりオリジナルのままで読みたい。今日買ったデイヴィッド・レーヴィットの短編集も、3編が削除されている。何を基準に削除するのだろう?これもまた納得がいかない。

じゃ、原書で読みなさいってことになるんだろうけど、そういう話でもないと思う。売れればいいという出版社の考えだけで、省略されたり削除されたりしてしまうのは、外国文学を読みたいと思っている多くの日本人に、失望を与えるんじゃないかな?と思う。分厚くちゃいけないの?日本人に受けなさそうな話は削除していいの?あらすじだけわかればいいの?と、疑問はつきない。

こういうのを知らずに買ってしまうと、まるで、文庫で7巻にもなる『モンテ=クリスト伯』を、子供向けに1冊にまとめたもので買ってしまったような、そんな気分になる。それでも、英語では無理って場合は(皆が皆、原書で読めるわけじゃないし)、これを読むしかないわけで、なんだか騙されているような、馬鹿にされているような、そんな感じがしてしまうのは、私だけかな?


〓〓〓 BOOK

◆BOOK・OFF

『ピッツバーグの秘密の夏』/マイケル・シェイボン \100
内容(「BOOK」データベースより)
アート・ベクスタイン、ピッツバーグ大学4年、インテリでファザコン、父親はギャングスター。ひと夏のあいだに、風変わりな美少女フロックスとホモセクシュアルの青年アーサーの両方を愛してしまう。いったい自分のアイデンティティとは何か?夏が彼自身を明らかにしていく。

※シェイボンのデビュー作。Amazonに原書をオーダーしていたのだが、100円ならこっちでと思って購入。Amazonのほうをキャンセルしようと思ったら、ずっとサインインできなくて困っている。
●画像は原書『The Mysteries of Pittsburgh』


『ファミリー・ダンシング』/デイヴィッド・レーヴィット \100
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの家族の絆の光と影をしなやかな感性で巧みにとらえた"優しく、おかしく、雄弁で、知的でもある驚くべき短編集"(ニューヨーク・タイムズ紙評)…。23歳で華麗にデビュー。80年代アメリカ文学の新しい流れを代表するレーヴィットのベストセラー。

※この間授業でやったレーヴィットのデビュー短編集。思いっきり「ホモ小説」だそうで、南さんが「これはすごい話が入ってるよ」と言っていた。どういう意味で「すごい」のか、読んでのお楽しみ。南さんの表情から判断するに、あまり気持ち良さげではないが。。。しかし、実は原書では9編の小説が入っているが、日本語版は6編。ぱらぱらと見たところ、南さんの言っていた話は見当たらない。削除された3編の中に入っているのかも。。。
●画像は原書『Family Dancing: Stories』


『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』/ジェイ・マキナニー \100
内容(「BOOK」データベースより)
「80年代のサリンジャー」と謳われたニューヨークの若い作家によるベストセラー。この小説は、現代の都会に生きる「きみ」の物語。

※レーヴィットと並んで、現代アメリカ文学に欠かせない作家。デビュー時期が同じなため、何かにつけてレーヴィットと比較されるが、作家としては全然違うタイプだと思う。
●画像は原書『Bright Lights, Big City: A Novel』


『あるクリスマス』/トルーマン・カポーティ \100
内容(「BOOK」データベースより
父さんと過ごした最初で最後のクリスマス。『あるクリスマス』の前年、トルーマン・カーポティは父を失っている。触れあうことの少ない父子だった。カポーティ自身、すでに酒とクスリに蝕まれていた。この作品の翌々年、彼はこの世を去る。最後にみる夢、だったのかもしれない。

※山本容子さんの銅版画入りの本。翻訳は村上春樹だが、このイノセントシリーズの訳は好き。この100円はかなりお得だろう。
●画像は原書『One Christmas』


『嵐が丘』/エミリー・ブロンテ \100
内容(「BOOK」データベースより)
孤児ヒースクリフとキャサリンの、あまりにも激しい愛の物語―世界文学の最高峰。ブロンテ三姉妹の一人、エミリーはただ一編の小説によって永遠に生きている。ヨークシャの古城を舞台に、暗いかげりにとざされた偏執狂の主人公と、その愛人との悲惨な恋を描く。

※今度新訳が出るらしいが、とりあえず。前に読んだと思うのだが、ほとんど忘れている。文学全集の中の1冊。状態も良く、どうやら未読らしい。小さめのハードカバーで読みやすそう。翻訳は永川玲二氏で、リンクは文庫版のもの。
●画像は原書『Wuthering Heights (Wordsworth Classics)』

同じ全集の中に『風と共に去りぬ』(上下)もあり、これも100円だった。先日3巻を3600円で買ったばかり。でも、これは読んでいる時間も長くなるし、ソフトカバーのほうが読みやすいので、ま、いいか。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月22日(木)
消えた鯉の謎

久々に友人と御苑をウォーキング。イギリス庭園のバラが満開。というか、開きすぎか。天気もよかったので気持ちが良かったが、ちょっと焼けちゃったかな?なんとなく顔がひりひりしている。

ところで今日はびっくり仰天!
日本庭園の池で、巨大お化け鯉1号〜3号の観察をするのが楽しみだったのに、なんとっ!鯉が1匹もいなくなっていた!いや正確に言うと、「巨大お化け鯉1号」だけを残して、あとは全然いなくなっていた。たった1匹だ。私に断りもなく、他の鯉はいつの間にか全部消えている。残るは亀ばかり。あの池に亀がいるのは知っていたが、鯉がいなくなると、こんなに亀がいたのかと思うほど、亀ばっか!

しかし!恐るべし御苑の池!
そこには、巨大お化け鯉に代わって、「巨大お化けスッポン1号&2号」がいた!巨大鯉も不気味だったが、巨大スッポンはさらにグロテスクだ。頭を持ち上げて水をかいているところなど、ネス湖の怪獣か?と思うほど。

にしても、あれだけひしめきあっていた無数の鯉は、一体いずこへ?

●ひとくちメモ
新宿区、渋谷区、港区を通って浜松町で東京湾に注ぐ『渋谷川』の源流は新宿御苑の池です。浅い谷に沿って幾つかの池が点在していますが、一番東端の池から川が流れ出ています


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから3冊

T. C. Boyle Stories/T. Coraghessan Boyle (著) \1746
ペーパーバック: 704 p ; サイズ(cm):
出版社: Penguin USA ; ISBN: 014028091X ; (1999/11/01)

After the Plague: Stories (Ay Adult - Boyle)/T. Coraghessan Boyle (著) \1442
ペーパーバック: 320 p ; サイズ(cm):
出版社: Penguin USA ; ISBN: 0142001414 ; (2003/01/01)

カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険/マイケル シェイボン (著), Michael Chabon (原著), 菊地 よしみ (翻訳) \2400
単行本: 339 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152083794 ; (2001/11)
内容(「MARC」データベースより)
いとこ同士のジョーとサミーは、コミック業界で名をあげようとの野心を抱き、究極のヒーロー「エスケーピスト」を生み出すが…。野心的なふたりの青年の波瀾万丈な人生をパワフルに描く、ピュリッツァー賞受賞作。

<参考>
The Amazing Adventures of Kavalier & Clay (Bestselling Backlist)/Michael Chabon (著)
ペーパーバック: 639 p ; サイズ(cm):
出版社: St Martins Pr Special ; ISBN: 0312282990 ; (2001/08/01)
ページ数を比べてみると分かるが、日本語版は縮約版らしい。完全版で読みたければ、原書で読むしかないようだ。


◆紀伊国屋

ダロウェイ夫人 角川文庫/ヴァージニア ウルフ (著), Virginia Woolf (原著), 富田 彬 (翻訳) \629
文庫: 323 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4042131034 ; (2003/04)
Amazonで在庫切れのため、紀伊国屋で購入。紀伊国屋には山ほど積まれているのに・・・。マイケル・カニンガムの作品を読もうと思っているのだが、映画『めぐりあう時間たち』の原作である、カニンガムの『めぐりあう時間たち―三人のダロウェイ夫人』を読む前に、やはりこれは前知識として読んでおかねば!

ちなみに『めぐりあう時間たち―三人のダロウェイ夫人』の原書は

The Hours/Michael Cunningham (著)
ペーパーバック: 229 p ; サイズ(cm):
出版社: St Martins Pr Special ; ISBN: 0312243022 ; (2000/01/01)
Amazon.co.jp
ピューリッツァー賞受賞作品。『The Hours』は、3人の女性の物語。1923年、ロンドン郊外で夫と療養中のヴァージニア・ウルフは、『ダロウェイ夫人』の執筆を始めていた。1949年、ロサンゼルス郊外で、完璧な家庭に息が詰まりそうになっていた主婦ローラ・ブラウンが、『ダロウェイ夫人』に衝撃を受け、人生を変えたいと思い始めていた。そして、現代のニューヨークでは、クラリッサ・ヴォーンが、エイズに犯された詩人の恋人のためにパーティを開こうとしていた…。

物語の終焉で、この3つの物語は見事に絡み合い、ひとつになる。その繊細で美しいエンディングは、いつまでも心に残るだろう。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月21日(水)
執事は見た!

Amazonの洋書バーゲンで、75%引きかあ、安い〜!と思って買ったら、とんでもない本が来てしまった。『What the Butler Saw: Selected Writings』。

これ、「家政婦は見た」の執事バージョンかしら?なーんて思って買ってみちゃったんだけど、著者のStuart Morganて、作家じゃなくて美術評論家らしい。つまりこの本は、芸術批評ってわけ。あー、失敗!

カズオ・イシグロと、ノーラ・ロバーツを足して2で割ったような小説で(って、どんなん?)、短編集になっていて、上流社会のいろんなゴシップがいっぱい!なーんてのを勝手に期待していたんだけど、なんだ、芸術批評ですか。しかも全然知らない芸術家ばっかだし。。。というわけで、とんだお買い物になってしまった。

ていうか、そういう本があったら読みたい。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから3冊

今日届いたのは、Amazonのバーゲンで全部75%引き。
シャーロック・ホームズ以外は、作家も内容もまるで未知のもの。

Daughters of Rebecca (Firebird Series)/Iris Gower (著) \3186-\796
ハードカバー: 331 p
出版社: Trafalgar Square ; ISBN: 0593040112 ; (2000/07/06)
表紙を見たとおりの内容って感じなんだけど、何ですかね、これ?
ロマンス?ジェントリー・フィクション?

Adventures of Sherlock Holmes (Wordsworth Collection)/Arthur Conan, Sir Doyle (著) \281-\70
ペーパーバック: 446 p
出版社: Wordsworth Editions Ltd ; ISBN: 1853260339 ; (1992)
もう70円なので(もともと\281だけど)、迷わず買いだったが、開けてびっくり!なんという文字の小ささ!目がつぶれてしまうぅぅぅぅーっ!しかも、2段組!英文の原書の2段組なんて、辞書以外、トレード版では初めて見た。たぶん大判のハードカバーの紙面をそのままぎゅっと縮めたのだろう。辞書より小さい文字。虫眼鏡で読まなくちゃ!

What the Butler Saw: Selected Writings/Stuart Morgan (著), Ian Hunt (著), Thomas McEvilley (著) \2616-\654
ペーパーバック: 323 p
出版社: Distributed Art Pub (Dap) ; ISBN: 0952741407 ; (1996/03/18)
これは、上に書いた通り芸術批評の本だった。(^^;


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月20日(火)
フォックスファイア

夕べ熱があったので早く寝ようと思ったが、結局眠れずに夜中に起き出して本を読む。ジョイス・キャロル・オーツの『フォックスファイア』を読了。

オーツの作品は、前に短編集『エデン郡物語』であえなく挫折している。なんとなく読みづらいのだ。他の作品の原書をあたってみたら、一文が異常に長い。その一文の中に会話も入っている状態だから、ずっと段落がなくて、紙面は字がびっしりなのだ。読んでいる間に、どこで呼吸したらいいのかわからなくなるといった感じ?

でも、『フォックスファイア』自体は、内容が面白くないわけじゃない。それどころか、どんどん面白くなってきて、最後は手に汗握るといった感じで、面白かった。面白かったんだけれど、個人的には少女ものより少年もののほうが好きかも。例えば、トルーマン・カポーティとかイーサン・ケイニンとか、マイケル・シェイボンとか。。。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『フォックスファイア』/ジョイス:キャロル・オーツ
内容(「MARC」データベースより)
大人の社会に様々な形で反抗していく勇敢な少女たち「フォックスファイア」。ノーベル文学賞にノミネートされたアメリカ現代文学界を代表する巨匠が描く1950年代のニューヨーク。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月19日(月)
マイケル・シェイボンやりましょう!

授業のテキストとして渡されているマイケル・シェイボンの短編「Along the Frontage Road」(from「NEW YORKER」)を読んでみた。ハロウィーンの話なのだが、これは面白い!シェイボンはわりに難しい単語を使う傾向があるんだけど、単語さえわかればなんとかなりそう。ていうか、ぜひ訳してみたいという意欲のわく作品。やっぱりシェイボンやろう!というわけで、もう一度『悩める狼男たち』を読んでおこうかな。

この人のデビュー作『The Mysteries of Pittsburgh』(邦題:『ピッツバーグの秘密の夏』)も面白そうなので検索してみたら、翻訳ものは現在入手できないみたいで、原書で読むしかないようだ。

内容(「BOOK」データベースより)
アート・ベクスタイン、ピッツバーグ大学4年、インテリでファザコン、父親はギャングスター。ひと夏のあいだに、風変わりな美少女フロックスとホモセクシュアルの青年アーサーの両方を愛してしまう。いったい自分のアイデンティティとは何か?夏が彼自身を明らかにしていく。


マイケル・シェイボンにしても、イーサン・ケイニンにしても、育ちがいいという感じ。けして下品じゃない。作家が育った環境って、かなり作品に影響しているように思う。ジョージ・ソウンダースの『パストラリア』みたいに、「クソ」や「糞」ばかりの作品は、いくら評価が高くても、読んでいてあまり気持ちがいいものじゃない。プロフィールを見ると、んー、やっぱりねと思う。そういうことに関係なく内容の評価をするべきだと思うが、個人的な好みとして、やっぱり「クソ」や「糞」は好きになれないから、それがテーマになっているわけじゃないのに、目ざわりで仕方がないのだ。

ついでなので、マイケル・シェイボンのピューリッツァー賞受賞作『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』も読んでみようと思っている。

内容(「BOOK」データベースより)
スーパーヒーローが独裁者から世界を救う!いとこ同士のジョー・カヴァリエとサミー・クレイは、『スーパーマン』の登場で黄金期を迎えたコミック業界で名をあげようと野心を抱き、究極のヒーロー"エスケーピスト"を生みだした。ナチスの魔手が迫ったプラハからここニューヨークへ逃れてきたジョーの体験を投影したエスケーピストはたちまちアメリカじゅうを席巻し、二人は頂点を極める。物語作家のサミーと、卓越した画才を持つジョーは、性格は違うが気も合う最強のコンビだった。しかし非情な戦争が強い絆で結ばれた二人を引き裂き、彼らを別々の運命へと導く…。野心的なふたりの青年の波瀾万丈な人生をパワフルに描くピュリッツァー賞受賞作。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月18日(日)
週刊ブックレビュー

今週は、NHKBS2の「週間ブックレビュー」の収録があるため、南さんの講座は休講になる。で、どんな本を書評するのかな?と思って調べてみた。

◆青山南氏おすすめの本

ラブリー・ボーン/アリス・シーボルド (著), 片山 奈緒美 (翻訳)
価格:¥1,600
発売予定日は 2003/05/23 です。ただいま予約受付中です。
出版社: アーティストハウス ; ISBN: 404898120X ; (2003/05/23)
本の内容
理不尽な暴力と殺人からはじまる、あまりにも重い物語。それを著者は、少女の成長を軸としたファンタジー形式で、青春小説のようにやさしく描き出しました。アメリカでベストセラーを記録したという話題の一冊です。

『わたしはスージー・サーモン。魚と同じ名前よ。1973年12月6日に殺されたとき、まだ14歳だった。』

アメリカ東部・ペンシルヴェニアに住む14歳の少女、スージーは、ある日学校から帰る途中で、近所の男に暴行され、殺害されます。スージーがやってきたのは「天国」。そこは人間界とそっくりで、しかも望む事はなんでも叶う、美しく静かな世界。しかし、「家族のもとでもういちど暮らしたい」という願いだけは、かなわないのでした…。

スージーの死をきっかけに、残された家族は崩壊の道をたどります。犯人の手がかりさえつかめない状況のなかで、いらだち、精神不安定になってゆく父親。現実を受け入れられないまま、不倫で心を満たそうとする母親。周囲の安易な同情や好奇の目に反抗しつづける妹。そんな家族に囲まれ、何も分からないまま傷ついてゆく、幼い弟。そんな家族を、スージーは天国から見つめるだけでした。時はそれでも流れてゆきます。家族に訪れるさまざまな試練、悲しみ。その果てに待っているのは…。

安易なハッピーエンドではなく、静かな、しかし感動的な結末。著者自身が、性犯罪の被害者である、という事実。その体験から紡ぎ出された、深く、美しい一冊です。

週刊ブックレビュー放送予定


最近横浜ベイスターズのピッチャーのデニー(DENNEY)が活躍している。今日もヤクルトをきっちりおさえた。デニーなんて、きっとベイファン、あるいはライオンズファンしか知らないと思うが、ちょっと嬉しいかも。。。
でも「大魔神」佐々木と違って、どこかで

「デニーじゃな・・・」

という気持ちがあるのも否定できない。(^^;

デニーなんて名前だけど、彼は沖縄生まれの日本人である。顔が日本人離れしているし、きっとハーフなのだろうと思う。れっきとした日本人の名前があるんだけれど、なぜデニーなんていう名前にしたかは不明。最初、横浜に入団したが、全然ダメで追い出され、西武ライオンズでも泣かず飛ばず(と、私は見ているが)。また横浜に戻ってきた。人間的に成長したのだろうか、今ではチームを引っ張っていく選手になったようだ。

最初に横浜にいたときから、スポーツ選手とは思えない長髪とお茶目な性格に惹かれて、ちょっぴりファンだったのだけど、また横浜に戻ってきてくれたので、個人的には嬉しい。髪の毛が短くなってるのにはちょっとがっかりしたけど。デニーには、これからがんばって、できれば大魔神に匹敵するような守護神になってもらいたいんだけどねぇぇぇぇぇ。。。頼むよ!


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月17日(土)
HOOTってなに?

Amazonから本が届く。最近変わったペリカン便のオニイチャンが、妙になれなれしくて嫌なんだけど、どうせまたすぐに変わるんだろう。

で何か軽いものが読みたくなって、カール・ハイアセンの『HOOT』を買ってみた。ジェリー・スピネッリとかあのあたりを出している理論社のヤング・アダルトシリーズだからなんとなく想像はつくけれど、これ、売れてるのかな?

<HOOTってなに?>


それと『エロイーズとアベラール』。これはけして軽くないが、エロイーズという名前はよく聞くものの内容は全然知らなかったので、この機会に。新潮社のクレストブックスみたいなソフトカバーなので、厚手でも気にならないのがいい。解説だけ見たところ、結構激しい話みたいだ。

●エロイーズ違い

エロイーズ/ケイ トンプソン (著), Kay Thompson (原著), Hilary Knight (原著), 井上 荒野 (翻訳), ヒラリー ナイト
大型本: 65 p ; サイズ(cm): 29
出版社: メディアファクトリー ; ISBN: 4840102597 ; (2001/04)
Amazon.co.jp
1950〜60年代、ニューヨーク。今とは違って、まだ格式が重んじられ、上流階級には上流階級の作法があったころ。

上流社会の象徴、庶民のあこがれのプラザホテルの最上階に、ひとりのやんちゃな女の子が住んでいた。エロイーズは6歳。ママは超大金持ちで、社交界のスター。世界を飛び回っていて、ほとんど会えない。最高級のスイートルームに、イギリス人のばあやつきで住んでいる。ルームサービスのオーダーなんてお手のもの、勉強は家庭教師と、遊びはホテル内の探検。

ホテルの荘重な雰囲気、いんぎんな支配人、割腹のいいボーイ、豪華な調度品、洗練されたお客さん、VIPのパーティー。エロイーズにかかるとみんなおもちゃになってしまう。大人の世界にまぎれこんだ小粋な子悪魔は、おしゃまな口を利き、自由奔放に振る舞う。かわいくて、ちょっとまぬけな幼児体型だけれど、気持ちは一人前の都会の女性なのだ。

半世紀にわたってアメリカの少女たち、そして若い女性たちを魅了してきたエロイーズ。なつかしい50年代のファッションやスタイルも、目に楽しい。クラシカルなタッチと、動画的な誇張のバランスが絶妙なペン画が、スタイリッシュでおしゃれだ。この絵が「エロイーズ」に命を吹き込んでいる。

孤独とひきかえの自由を、華やかな舞台の上で思いっきり謳歌する主人公は、大スターだった作者の分身。巻末には作者とその時代が、多くの写真とともに紹介されている。(翁 ゆり)

内容(「BOOK」データベースより)
この本を読むとプラザ・ホテルに住んでいるエロイーズのすべてを知ることが出来ます。挿絵もいっぱいあり、画家ヒラリー・ナイトの未発表スケッチなど貴重な情報がどっさりつまったエロイーズの本。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『エロイーズとアベラール―三つの愛の物語』/アントワーヌ・オドゥアール \2100
内容(「MARC」データベースより)
哲学者アベラールと才智と美貌を備えたエロイーズは永遠の恋に落ちる。純潔な愛、高慢な欲望、そして悲劇。ふたりにすべてを捧げた男が伝説のすべてを語る…。中世の歴史と文化を背景に、人間の性と愛の根源に迫る物語。

『HOOT(ホー)』/カール・ハイアセン \1380
内容(「MARC」データベースより)
中学生のロイはある日、裸足で走る不思議な少年に出会う。彼は建設現場のフクロウの巣を守ろうとして闘っていた。子どもたちと大人の闘いをユーモアたっぷりに描きだすYA文学。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月16日(金)
マイケル・シェイボンやりなさいよ

昨日は南さんに気づいてもらえるように(あはあ〜!)、Michael Chabon編集の『McSweeney's Mammoth Treasury of Thrilling Tales』を、なにげに机の上に出しておいたら、授業終了後、「これもう出てるの?かなり話題になってるよね」と南さんが手に取った。やったー!成功!

その後、昨日の授業の課題だったデイヴィッド・レーヴィットの記事が載っていたのでわざわざ持って行った『INTERVIEW 素顔のアメリカ作家達 90年代への予感』を出し、これ懐かしくないですか?と聞く。なにしろこれには冒頭いの一番に、南さんが書いたジョン・アーヴィングの紹介文が載っているのだ。で、無謀にも「アーヴィングはあまりお好きじゃないみたいですね?」と聞いてみたら、非常に照れくさそうに、「ああ、もうその頃はなんでも書き散らしてたから、わけわかんなくなってたんだよね」との答え。

たしかに、ここにも書けないような「○○○○」なんて言葉を連発しているから、あの文章について言及されたら、ちょっと恥ずかしいかもね。結局のところ、南さんがアーヴィングを好きなのか嫌いなのか、よくわからなかった。「T.C.ボイルの代理店」と自ら言っているくらいだから、その系列のアーヴィングは(ボイルはアイオワ大学創作科でのアーヴィングの教え子で、同じくアーヴィングの先生はカート・ヴォネガット)けして嫌いではないと思うんだけどなあ。

帰り際、エレベーターで南さんと一緒になった。二人きりだったのであがってしまって、「雨の日は大変だねえ」と言われ、「歩いてくるので大変です」などと、マヌケな答えをしてしまった。みんな歩いて来てるのよ。どこから歩いてくるか言わなきゃ、わけわからんじゃないの。(^^;

まったく、もっと気のきいたことが言えないもんかねと必死に考えて、「マイケル・シェイボンは面白いですね」とやっとのことで言うと、「じゃ、シェイボンやりなさいよ」と言われてしまった。げげ!墓穴を掘ったか?「先週発表したばかりなので」と遠慮したら、「何度やってもいいんだから」と言われ、よくよく考えてみれば、苦手っぽいグレイス・ペイリーなんかを指名されちゃうよりは、興味のあるシェイボンをやっておいたほうがいいかも・・・と思ったが、彼は読むぶんにはいいが、訳すのは結構難しいかもしれないしと、とりあえず慎重に、少し考えさせて欲しいと言っておいた。

でも、やっぱりシェイボンをやっておこう!
今度の授業の時には、ハーマイオニーのように手を上げて、

「ぜひシェイボンをやらせてくださいっ!」

と言うのだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ドラゴン・ガール』(BOOKPLUS)/九丹
ぶ!


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月15日(木)
原文で味わう新しいアメリカの短編小説(4)

「原文で味わう新しいアメリカの短編小説」講座第四回
テキスト:「A Place I've Never been」David Leavitt

デイヴィッド・レーヴィット(発音としてはリーヴィット)は1961年カリフォルニアに生まれる。エール大学でクリエイティブ・ライティングを専攻したのち、ニューヨークの出版社でアルバイトをしながら雑誌に短編小説を発表。

1984年短編集『Family Dancing』(邦題『ファミリー・ダンシング』)を出版して注目を浴びる。この短編集の中で、自らがゲイであることをテーマとした作品を何点か書いてカミングアウトし、喪失感にさいなまれる現代の若者達の心の動きを描きとったことなどにより、今日的な作家のひとりとされている。

テキストの舞台は1990年前後のニューヨーク、マンハッタン。まさに上に書いたような「喪失感にさいなまれる現代の若者達の心の動き」を描いたものだが、この作品で重要なのは、語り手が女性であるということ。ストレートの女性とゲイの男性との交流というややこしい状況を、ややこしい文体で書いている。ゲイの小説では避けて通れない「AIDS」問題だが、これをストレートの女性が語るということで、全てが遠まわしに書かれている。明かにAIDSのことだとわかるのに、AIDSとはっきり書かれているのは、たった1箇所だけ。それも「芸能人のAIDS救済運動」といったような書き方しかない。

レーヴィットは、こういった語り口の中で主人公(語り手)の性格や人生をほのめかしており、具体的に書かれていることよりも、書かれていないことのほうに面白さがあるといった複雑な手法を用いている。しかしレーヴィット自身の文体が全てこのような文体なのではなく、あくまでもひとつの手法であり、高度なテクニックなのである。優れた文学作品とは、このようなものである。<青山氏曰く


というわけで、今回は非常に読みにくい文章。つまり回りくどくてはっきりしない優柔不断な文章だったので、何を言っているのやら???だった。これが課題でなく、自分で読んでいる本だったら、間違いなく投げ出していただろう。ただひとつ言えるのは、優柔不断なのは相手のゲイの男性ではなく、ストレートの女性のほうである。それと、読み手がゲイについての知識が少ないため、あるいは偏見のために、かなりの人が誤読をしていると思った。この二人はいずれ愛し合うようになって幸せになるのだろう(有り得ない!)とか、同性愛など神を冒涜するものだ(なんて恐ろしいことを!)とか、耳を疑う感想が飛び出してきた。

ストレートな女性にとって、ゲイの男性は「男」ではない。どんなにカッコ良くて、優しくて、頼りになったとしても、それは彼がゲイだからであって、男女の関係ではけして築けない関係なのだ。彼がゲイでなければいいのに・・・と思っても、もしゲイでなかったら、他の男と一緒になってしまう。つまり、女に嘘をつき、悲しませ、捨てていく(全部が全部とは言わないが)。ゲイである彼らは女に対して、その先に結婚とか家庭とかの夢を抱かないために、一生友だちでいれるのだ。むしろ同性の友だちよりも、はるかに信頼できる。彼らは女に母性的な愛を求めることはあっても、「女」としての愛は求めない。それは自分勝手でも何でもない。そういう性なのだし、そういう人間であるわけだから。

●次回の課題
「Satan : Hijacker of a Planet」/Louise Erdrich


〓〓〓 BOOK

◆青空古本市(雨天だったが)―早稲田大学キャンパス内

『とっておきの話』ちくま文学の森15/安野 光雅 (編集), 森 毅 (編集), 井上 ひさし (編集), 池内 紀 (編集) \500
目次
ミラボー橋(アポリネール)/立礼(豊島与志雄)/名人伝(中島敦)/幻談(幸田露伴)/Kの昇天(梶井基次郎)/月の距離(カルヴィーノ)/山彦(マーク・トウェイン)/アラビア人占星術師のはなし(W.アーヴィング)/山ン本五郎左衛門只今退散仕る(稲垣足穂)/榎物語(永井荷風)/ひょっとこ(芥川龍之介)/わたし舟(斎藤緑雨)/にごりえ(樋口一葉)/わら椅子直しの女(モーパッサン)/ある女の日記(小泉八雲)/イグアノドンの唄(中谷宇吉郎)/村芝居(魯迅)/羽鳥千尋(森鴎外)/赤西蛎太(志賀直哉)/唐薯武士(海音寺潮五郎)/鶴(長谷川四郎)

この本には、イタロ・カルヴィーノの『レ・コスミコミケ』(現在入手不可)の中の一篇「月の距離」が入っていた!これは非常に貴重。本自体の中身は和洋折衷。

『幻の馬 幻の騎手』/キャサリン・アン・ポーター \500
アメリカ文学の勉強のために探していた本。たしか青山南さんは卒論でこの人をやったんじゃなかったかな?

『若い芸術家の肖像』/ジェームズ・ジョイス \200
これは結構評価の高い本で、ジョイスの中でもとりつきやすいらしい。原書で読もうかと思っていたのだけど、\200ならこれで読んじゃおう。

『或る女』(上)・(下)セット/有島武郎 \1000
父の本棚の記憶の中で、一番鮮明に残っている本。いつか読もうと思っていたもの。ソフトカバー上下巻で箱入り・・・だけじゃなかった!ページが切れてない!これは製本ミスではなく、ペーパーナイフでページを切りながら読むもの。それが切れてないってことは、つまり未読の本であるということで、こういう本の存在は知っていたものの、見るのは初めて。復刻版だから安かったが、たぶんこのままとっておくだろう。(※リンクは新潮文庫版)

『小樽殺人事件』/内田康夫 \150
アポロ13号が最近はまっているので、ついでに買ってあげた。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月14日(水)
よりにもよって木曜日

先週もそうだったが、今週もまた明日は雨のようだ。
しかも、 土砂降り らしい。

なぜよりにもよって木曜日に限って雨が降るのだ?早稲田まで往復1万歩。毎週がんばって歩いているっていうのに、それをおちょくっているかのような天気の周期。来週は南さんの都合で休講なので、友人と御苑を歩こうと約束しているのだけれど、この分じゃ、来週もまた木曜日は雨でしょか?非常に嫌な予感。天は私が痩せることに、どうあっても味方してくれないのか!

その上、また頭の働かない時期に突入。
体調最悪、雨は土砂降り、明日は最低の1日かも。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケズ・・・

ミンナニデクノボウトヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ


(全文はこちら→NOTEBOOK





Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月13日(火)
悩める狼男たち

マイケル・シェイボンの『悩める狼男たち』を読了。
これはすごい!なにがって、言葉がすごい。この人の持っている錬金術のような言葉の感覚は、他ではあまりお目にかかれないかもしれない。そういうことをあまり気にせずに、ただ早く読もうとして流してしまうと、うっかり気づかないかもしれないが、ここに書かれている比喩やウィットは、シェイボンの素晴らしい想像力がもたらしたものだと思う。

物語の世界としては、イーサン・ケイニンのほうが個人的には好きだが、ケイニンよりもシェイボンのほうがクールかな?でも、文体は似ていると言えるだろう。「詩的」でない、緻密な文章が好き。

最後の「暗黒製造工場で」という一編は、結構ツボにはまったかも。SFのようなホラーのようなこのスタイルは、読み始めたばかりのシェイボン編集の冒険活劇短編集『McSweeney's Mammoth Treasury of Thrilling Tales』に通じるものがあるかも。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『悩める狼男たち』/マイケル・シェイボン
Amazon.co.jp
ポールの家の隣に住むティモシーは、ひと癖もふた癖もある小学生。いつもいろんなものになりきってしまう彼だが、狼男はやりすぎだった。女の子にかみついてケガをさせてしまったティモシーは、校長先生に呼び出されてしまい…。

思春期の少年たちが抱える悩みを描いた表題作のほか、不妊症で悩んでいた妻が連続レイプ犯に犯され妊娠、その赤ん坊を産むことに決めた彼女に対する夫の心の動きを描いた「狼男の息子」、そして考古学者が調査に訪れた町で出くわした恐ろしい体験をつづった怪奇小説「暗黒製造工場で」など短篇9篇を収録。

著者は『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』で、2001年度のピューリッツァー賞フィクション部門を受賞、マイケル・ダグラス主演で映画化された『ワンダー・ボーイズ』などでも知られるマイケル・シェイボン。本作品は短篇集第2作となる。現代のどの家庭にもありそうな、どこかぎこちない家族関係をどうにかして修復しようと試みる悩める人たち。そんな彼らを、ときには温かく、ときには辛辣に描いている。

「狼男の息子」で、冷えきった夫婦仲を元に戻すきっかけを作ったのがレイプ犯であること。出産が遅れている妻に、夫の威厳をなくしていた彼が行った「処置」。そして出産後、赤ちゃんを交え親子3人を看護婦がカメラに収めるシーン。著者の毒のある独特の発想とストーリーには、社会に対するアイロニーが多分に含まれている。(石井和人)

目次
悩める狼男たち
家探し
狼男の息子
グリーンの本
ミセス・ボックス
スパイク
ハリス・フェトコの経歴
あれがわたしだった
暗黒製造工場で


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月12日(月)
「指輪物語」の革装日記帳

今日Amazonから届いたものは、全部来月分として頼んでいたもの。特に『風と共に去りぬ』なんかは、4〜6週間かかるとあったのに、たった数日で届いてしまって、唖然!本が届くのは嬉しいが、あんまり早すぎても困るのよね。(--;

「指輪物語」の日記帳シリーズは、これはもうコレクターにとっては垂涎もの。革装の立派な日記帳で、見ているだけでうっとり。フリーの日記帳なので、いつ、何を書いてもいいわけだけど、中に何を書こうか?それとも書かずにとっておくか?と考えているだけで、時間を忘れる。

一番下の短編集は、只今読書中の『悩める狼男たち』を書いたマイケル・シェイボン編集。「筋書きがなく、直感のきらめきを散りばめた」小説がもてはやされる昨今の潮流に逆らって、手に汗握る冒険活劇ばかりを集めたというシェイボンに拍手を送りたい。今日から早速読もう!中身も表紙同様、アメリカン・コミック調で楽しい。いかにもアメリカ〜★という感じの作り。分厚いPBなので、かなり読みでもある。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『キャンディ』 BOOKPLUS/テリー・サザーン
[ 内容 ]
70年代を騒がせたあのテリー・サザーン、幻の名作復活!
キャンディはおしゃれでエッチな女子高生!憧れの華麗な教授、庭師の青年、天才医師、せむし男など、次々と出会う奇妙な男たちに導かれてはセックスの冒険を繰り広げる−−刊行当時アメリカで発禁された幻の傑作。


◆Amazonから午前便

『風と共に去りぬ』(1)/マーガレット・ミッチェル \1200
『風と共に去りぬ』(2)/マーガレット・ミッチェル \1200
『風と共に去りぬ』(3)/マーガレット・ミッチェル \1200

<出版社より>
世界中で愛され、読みつがれる永遠の大ロマン!アメリカ南部に生まれ、勝気で魅惑的な美貌の持主スカーレットの波瀾の人生を、南北戦争を背景にドラマティックに描いた不朽の名作。


◆Amazonから午後便

『There and Back Again... : A Journal』 (The Lord of the Rings : The Fellowship of the Ring) 革装本/Cedco \1665
ビルボ・バギンズのイニシャル入り日記帳。
自分自身の「ゆきてかえりし物語」を書いてみたい。
サイズ大きめ。日付フリー。

『The Lord of the Rings : The Fellowship of the Ring : A Journal』 (Lord of the Rings) 革装本/Cedco \1665
「指輪物語」を自分で書いていくかのような気にさせる日記帳。
サイズ大きめ。日付フリー。

『The Lord of the Rings Joural』 (Lord of the Rings) 革装本/Cedco \1352
金色に輝くエルフの文字が美しい日記帳。
サイズ小さめ。日付フリー。

『McSweeney's Mammoth Treasury of Thrilling Tales』 (Vintage Contemporaries Original)/Edited by Michael Chabon \1456
Amazon.co.jp
昨年のピューリッツァー賞受賞マイケル・シェイボン編、ニック・ホーンビィ、マイケル・クライトンなどの作品を含む超豪華スリラー・アンソロジー。なんとあのキングの人気シリーズ「Dark Tower(暗黒の塔)」シリーズ、未出版第5話の抜粋も収録!


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月11日(日)
Patricia C. Wredeのドラゴンシリーズ

このところ現代アメリカ文学を読むことが多くて(ある程度は仕方なく)、ファンタジーが遠のいていたのだけれど、今日本棚の整理をしていて、ずっと前に買っておいたPatricia C. Wredeのドラゴンシリーズを読んでみようかという気になった。これは、ハリー・ポッターのコーナーで、ハリポタに興味を持ったら、次にはこれを読んでみよう!みたいなリストに入れているもので、手元にあるのは下記の4冊。

Dealing with Dragons/Patricia C. Wrede
Amazon.com
Cimorene, princess of Linderwall, is a classic tomboy heroine with classic tomboy strengths--all of which are perceived by those around her as defects: "As for the girl's disposition--well, when people were being polite, they said she was strong-minded. When they were angry or annoyed with her, they said she was as stubborn as a pig." Cimorene, tired of etiquette and embroidery, runs away from home and finds herself in a nest of dragons. Now, in Cimorene's world--a world cleverly built by author Patricia C. Wrede on the shifting sands of myriad fairy tales--princesses are forever being captured by dragons. The difference here is that Cimorene goes willingly. She would rather keep house for the dragon Kazul than be bored in her parents' castle. With her quick wit and her stubborn courage, Cimorene saves the mostly kind dragons from a wicked plot hatched by the local wizards, and worms her way into the hearts of young girls everywhere.
While the characters are sometimes simplistically drawn, adults and children will have fun tracing the sources of the various fairy tales Wrede plunders for her story. Dealing with Dragons is the first book in the Enchanted Forest Chronicles, and most young readers will want to devour the entire series. (Ages 10 and older) --Claire Dederer

Serching for Dragons/Patricia C. Wrede
Book Description
This time the wicked wizards are draining power from the Enchanted Forest. "This riotous sequel to Dealing with Dragons evinces the same wacky wit and skewed fairy-tale elements with the addition of a touch of romance. Once again, Wrede offers a story that will delight fantasy fans, particularly those who have relished Cimorene's adventures in the first book of the Enchanted Forest Chronicles."--Booklist

Calling on Dragons/Patricia C. Wrede
Book Description
Those wicked wizards are back--and they've become very smart. (Sort of.) They intend to take over the Enchanted Forest once and for all . . . unless Cimorene finds a way to stop them. And some people think being queen is easy.

Talking to Dragon/Patricia C. Wrede
Book Description
One day, Daystar's mom, Cimorene, hands him a magic sword and kicks him out of the house. Daystar doesn't know what he is supposed to do with the magic sword, but knowing Cimorene, he's sure it must involve a dragon or two!


てか、今日は神宮に歩きに行って、帰りに1杯飲みながら(あ!地震!最近多いなあ・・・!)ご飯を食べてきたんだけど、まだ体調が戻ってないみたいで、お酒がぐるぐるまわっちゃってます。よくもまあ、昼間考えたことを、ここまで日記に載せられたものだと我ながら感心よ。

(地震、2回目!)





Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月10日(土)
1000ページの小説

アポロ13号が、ミステリーの上下巻の上巻だけを買って読み終えてしまい、下巻を読みたいからBOOK・OFFに買いに行こうということになって、一緒に行った。どこで買おうが関係ないが、私にはそういう買い方はできない。上下分冊になっているものは、例え面白いかどうかわからなくても、絶対揃えて買わないと(もしくは借りないと)気が済まない。

性善説で、基本的に本は面白いものだと思っているから、途中でお預けになることほど辛いものはない。たまたま面白くなくて、上下巻買って失敗したと思うこともなきにしもあらずだけれど、それでも片方だけ買うのは気持ちが悪いのだ。

今日Amazonから届いた、ウォーリー・ラムの『この手のなかの真実』は、1030ページくらいある小説で、「ハリポタ4」のハードカバーよりも厚いんじゃないか?という分厚さ。日本では普通、当然のように上下分冊になるページ数。もっともっと少なくたって分冊にしてるあくどい出版社だってある。そういう中で、ドーン!と1冊で出してくれちゃう心意気に惹かれて買ったもの。もちろん中身にも興味があったのは当然だけど(なんだか暗そうだけど・・・)。どうも私の場合、全1冊形式で分厚い本に惹かれる傾向があるみたい。ただし、これがハードカバーだったら買わないかも。ソフトカバーだったというのは、購入決定の理由としては大きい。

こういう本を見ると、フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』の、薄っぺらな文庫で上下巻2500円というのは、実に腹立たしい。フォークナーのというより、「講談社文芸文庫」の価格設定が高すぎる!それに、分冊にしなくてもいいものまで分冊にするのは納得できない。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『A Capote Reader』/Truman Capote \1983
ペーパーバック: 736 p ; サイズ(cm):
出版社: Penguin Books ; ISBN: 0141185309 ; (2002/02/28)

『この手のなかの真実』/ウォーリー・ラム \2800
単行本: 1027 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: DHC ; ISBN: 4887243006 ; (2002/10)
内容(「MARC」データベースより)
義父の虐待、母の死、赤ん坊の突然死、そして統合失調症の兄…。不幸に押しつぶされながらも、人生を立て直そうと必死に努力する、普通の人々の魂の記録。

『ペール・ゴリオ─パリ物語』/バルザック \2800
単行本: 466 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 藤原書店 ; ISBN: 4894341344 ; 第1巻 (1999/05)
内容(「BOOK」データベースより)
パリのヴォケール館に下宿する法学生ラスティニャックは野心家の青年である。下宿にはゴリオ爺さんと呼ばれる元製麺業者とヴォートランと名乗る謎の中年男がいる。伯爵夫人を訪問したラスティニャックは、彼女が、ゴリオの娘だと知らずに大失敗をする。ゴリオは二人の娘を貴族と富豪に嫁がせ、自分はつましく下宿暮らしをしていたのだ。ラスティニャックはゴリオのもう一人の娘に近づき社交界に入り込もうとするが、金がないことに苦しむ。それを見抜いたヴォートランから悪に身を染める以外に出世の道はないと誘惑されるが、ヴォートランが逮捕され、危やうく難を逃れる。娘たちに見捨てられたゴリオの最期を見取った彼は、高台の墓地からパリに向かって「今度はおれとお前の勝負だ」と叫ぶ。


◆BOOK・OFF

『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』/ジェフリー ユージェニデス \100
内容(「BOOK」データベースより)
リズボン家の姉妹が自殺した。何に取り憑かれてか、ヘビトンボの季節に次々と命を散らしていったのだった。美しく、個性的で、秘密めいた彼女たちに、あの頃、ぼくらはみな心を奪われ、姉妹のことなら何でも知ろうとした。だがある事件で厳格な両親の怒りを買った姉妹は、自由を奪われてしまった。ぼくらは姉妹を救い出そうとしたが、その想いが彼女たちに伝わることは永遠になかった…甘美で残酷な、異色の青春小説。
※購入したのはepi文庫のほう

『子どもが育つ魔法の言葉』/ドロシー・ロー・ノルト \100
内容(「BOOK」データベースより)
けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる。愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ。世界10カ国で愛読、数百万人が共感した子育ての智恵。
※良い伯母さんになるために。(^^;


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月09日(金)
サロン・ドット・コム

昨日は、講座の古株のおばさま方に誘われて、帰りにお茶など飲んできた。断ったらお局様にいじめられるかも・・・(まさか!)と、否も応もなくついていった感じ。もう十何年も通っているベテランのおばさまがボス格で、ほとんどその人がおしゃべりしているのだけれど、シェイクスピアがどうとか、映画、演劇、舞台などなど、趣味の広いことで・・・。授業中の発表もさることながら、ここでもどっと疲れてしまった。

そんなわけで、今日は1日だら〜っとしてしまった。どうにも力が入らないし、寝不足がたたって、いくら寝ても眠いのだ。まじで疲れたんだな。

ところで、Amazonから『サロン・ドット・コム』が届いたが、これは先日書店で見て、高いなあと思ったものの、でも役に立つことは間違いないだろうと、参考書のつもりで購入。日本語版の広告は、村上春樹のサリンジャーに関するエッセイばかりを取りあげているが、そんなものはほんの一部の情報にすぎなくて(それだけ読むのに\3800は高すぎるでしょう!)、他にもたくさんお役立ち情報が満載なのだ。これは高いからと言って、借りたんじゃしょうがない。手元に置いて、常に引けるようにしておく辞書と同じ感覚。

●本家本元はこちら:<Salon.com>

それと、BOOKPLUSの新刊は、結局2冊とも購入。1冊欠けると、せっかく今まで揃えてきた努力が水の泡だもの。『キャンディ』も、大幅改訳だそうだし、もう一度読み直してもいいか。。。で、『ドラゴン・ガール』の表紙って、てっきり胸の写真かと思ったら、全然違う部分だった。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『宮殿泥棒』/イーサン・ケイニン
目次
会計士
バートルシャーグとセレレム
傷心の街
宮殿泥棒


◆Amazonから

『サロン・ドット・コム 現代英語作家ガイド』/ローラー・ミラー \3800
出版社/著者からの内容紹介
「編者まえがき」より
このガイドは、だから、次のような人に向いている。
(1) ある小説がすごく気に入ったので、その作家のことをもっと知りたいと思った人。
(2) ある作家の全作品が気に入っていて、ほかの作家による同じような作品を求めている人。
(3) リーディング・グループに入っていて、みんなで読む新しい本を探している人。
(4) 大好きな(あるいは大嫌いな)作家がどう評価されているか興味がある人。
(5) 大学のルームメートやいとこから「君なら誰それの小説が絶対向いている」と言われたのだけれど、読む前にまずはもう少し情報を集めたい人。
(6) 書店や図書館に勤めていて、客や利用者のニーズにもっとよく応えるため現代小説についてさらに学びたい人。
(7) 書店や図書館に足を踏み入れても、どこからはじめていいか見当もつかない人。
(8) これまでは表紙か、地元新聞の書評を頼りに本を選んでいて、もっとましな選び方があるはずだと思っている人。
(9) ふだんは19世紀の古典しか読まないけれど、このへんで地平を拡げてみたいと思っている人。
(10) 暇な一晩、または暇な週末が控えていたり、飛行機で長旅をする予定があったり、バケーションが間近だったりで、人生におけるかけがえのない5、6時間を無駄にしない本を探している人。

『ドラゴン・ガール』BOOKPLUS/九丹 \1000
<写真を拡大する>

『キャンディ』 BOOKPLUS/テリー・サザーン
[ 内容 ]
70年代を騒がせたあのテリー・サザーン、幻の名作復活!
キャンディはおしゃれでエッチな女子高生!憧れの華麗な教授、庭師の青年、天才医師、せむし男など、次々と出会う奇妙な男たちに導かれてはセックスの冒険を繰り広げる−−刊行当時アメリカで発禁された幻の傑作。



Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月08日(木)
原文で味わう新しいアメリカの短編小説(3)

「原文で味わう新しいアメリカの短編小説」講座第3回目
テキスト:「Seven」/Edwidge Danticat (pronounced "ED-WEEDJ DAN-tih-CAH")

エドウィージ・ダンティカはハイチ出身の移民で、両親が先にアメリカに移住し、彼女自身は12歳の時に渡米した。その間おばに預けられていた。大学の卒業制作で『Breath, Eyes, Memory』(邦訳『息吹、まなざし、記憶』)を書き、注目を浴びる。もともと英語圏ではない人間なのに、短期間に英語をマスターした言語習得能力は素晴らしい。他言語を学ぶのには詩を書くのが早道と言われているように、ダンティカも詩から入ったようである。なるほど彼女の文体は詩的で、日本語に訳すのは結構難しい。

<他作品>
The Farming of Bones: A Novel/Edwidge Danticat (著)
Book Description
From the bestselling author of Breath, Eyes, Memory, a passionate and profound novel of two lovers struggling against political violence

Krik? Krak! (Vintage Contemporaries)/Edwidge Danticat (著)
内容(「MARC」データベースより)
恐ろしく、苦しく、悲しく、そして激しい現実の中に、微笑ましく、温かく、たくましく、そして静かに生きる人々。女性の存在に焦点を当てつつ、ハイチ系アメリカ人作家としての独特の作風を確立するダンティカの短編集。
<邦訳:『クリック?クラック!』

今回は発表をしなくてはならなかったので、前日までの寝不足もあって、もう倒れるかと思うくらいに緊張した。例の「They had made love again and again」の部分は、幸いなことに南さん自身が訳したので、ほっとひと安心だった。何もその部分に特別こだわりを持ったわけではないが、憧れの先生の前で、そのような描写を口にするなんて(しかもマイクで増幅して)、やっぱり恥ずかしい〜。しかし、頭が真っ白になっていたため、南さんがなんて訳したか、まるで覚えていないというのが情けない。

ダンティカの作品は、日本語に訳されたもので読むと一気に読める面白いものだが、原文は一筋縄ではいかない。上に書いたように、「詩的」なので、読むのはいいが、日本語にするとなると至難の業。これは表現が美しいという意味ではなく、詩のような省略の多い書き方だという意味。個人的にはこういう文体よりも、アーヴィングのような生真面目にきっちり書いてくれる作家のほうが好き。

●次回の課題
「A Place I've Never Been」/David Leavitt


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月07日(水)
近所に「BOOK・OFF」開店

昨日、近所のBOOK・OFFが開店したので、行ってみた。
あれ?マンガしかないの?という感じで、奥のほうに行って初めて普通の本があった。なおかつ外国文学は一番奥にごく少量でがっかり。それでも、購買意欲をそそられた4冊があったのは、奇跡か?

普通の書店で本を買って読んだ人が商品を出しているわけだから、全体として見ると、日本人がどんな本を買って読んでいるかがわかるというものだ。一番買われているのがマンガというわけね。外国文学は、相変わらず売れてないんでしょうねえ。

店構えは大きいが、マンガが置いてある部分を除けば、普通の古本屋と大して変わりはないし、外国文学に限って言えば、品揃えは良くない。ベストセラー本のようなものばかり。期待していた新古書もなかったし。早稲田にもたくさん古本屋があるので、もし絶版本(最近はすぐ絶版になってしまうので、古い本とは限らない)や稀本を探すなら、そちらに行ったほうが断然いい。いや、そっちに行かなきゃダメだ。

でも普段、本など読まない人が、100円なら読んでみようか・・・と思って、本を手に取る機会が増えるなら、それはいいことだと思う。


〓〓〓 BOOK

◆BOOK OFF

『レス・ザン・ゼロ』/ブレット・イーストン・エリス \100
現代アメリカ文学を語るのに欠かせない本書は、図書館で探してもなかった。個人的には好きになれるかどうか疑問なのだが、100円ならとりあえず読んでみようかって感じ。

『INTERVIEW 素顔のアメリカ作家達 90年代への予感』/杉山春(編集) \650
ジョン・アーヴィングやイーサン・ケイニンほか、現代アメリカ文学の作家のインタビュー集。アーヴィングとケイニンだけでも買いだが、これから授業でやるデイヴィッド・レーヴィットのほか、やっぱり外せないジェイ・マキナニー、ブレット・イーストン・エリスなども載っている。各作家の紹介文を青山南さんや柴田元幸さんらが書いているのも魅力。出版は1989年なので、情報としては古いが、授業には役立つ。

『昆虫記』(上)/アンリ・ファーブル \450
『昆虫記』(下)/アンリ・ファーブル \450
ファーブルの「昆虫記」は、大人版でちゃんと読んでみたかった本。この本は河出書房新社の「世界文学の玉手箱」シリーズで、文庫サイズなのにハードカバーで、中の文字はグリーンである。装画は山本容子さんの銅版画。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月06日(火)
ドラゴン・ガール&キャンディ

BOOKPLUSの新刊が2冊出ている。
ところが2冊とも読む気がしない。というのも1冊は中国の話で(中国文学が面白くないと言っているわけじゃないが、今のところアジアには全然興味がないので)、もう1冊は昔の名作の復活で、映画にもなってたし、すでに読んだことがあるから。にしても、なんで今頃『キャンディ』なのよ!(--;

今日、近くにBOOK OFFが開店したので、そこで見てみようかなとも思うが、BOOK OFFは周囲を削るらしいからちょっと小っちゃくなっちゃうのが困る。ずらっと揃ってるところに、サイズが違うのがあるのはウツクシクナイ。それとも、JTからアンケートのお礼の図書券も届いたし、しょうがないからそれで買うかな。

あ、地震だ!結構揺れてる〜!

BOOKPLUSでなけりゃ、全然悩むことなく買わないのだけど、BOOKPLUSはマンガとか小説でないものを除いて、全部揃えているから、これだけないのもなんだしねえ・・・と思うんだけど、ううう〜ん。

ドラゴン・ガール BOOK PLUS/九 丹 (著), 真田 潤 (翻訳)
単行本: 413 p ; サイズ(cm): 19
出版社: アーティストハウスパブリッシャーズ ; ISBN: 4048973290 ; (2003/05)

キャンディ BOOK PLUS/テリー・サザーン (著), メイソン・ホッフェンバーグ (著), 高杉 麟 (翻訳)
単行本: 288 p ; サイズ(cm): 19
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4048970372 ; (2003/05)
[ 内容 ]
70年代を騒がせたあのテリー・サザーン、幻の名作復活!
キャンディはおしゃれでエッチな女子高生!憧れの華麗な教授、庭師の青年、天才医師、せむし男など、次々と出会う奇妙な男たちに導かれてはセックスの冒険を繰り広げる−−刊行当時アメリカで発禁された幻の傑作。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月05日(月)
イーサン・ケイニン

Amazon.co.jpでは、発送間近になると「発送準備に入っています」と表示され、一切修正も何もできなくなる。それは仕方がないが、じゃあもうすぐ届くんだろうと待っていたところ、待てど暮らせど来ない。いつの間にか「発送準備」が取り消しになっていて、またさらに発送時期が延びていた。しかも断りなし。ゴールデンウィークだかなんだかで、たるんでるんじゃないの?トップのリニューアルなんかしてないで、ちゃんと商売しろってのよ!!!なーんて書くと結構早く届いたりするもんだから、一応書いてみた。

ところで、アメリカ文学・・・ジョイス・キャロル・オーツは、もうどうしても面白くないので(宿題でも頭が痛いってのに!)、今回は途中でやめて、前回の授業でやったイーサン・ケイニンの『宮殿泥棒』を読むことにした。これも短編集。でも柴田元幸さんの訳だから、ちょっと期待。Amazonの書評でも5つ★。ま、それはあてにはできないが、読みながら、この短編集から課題が出なくてよかったとほっとしている私。イーサン・ケイニンはハーヴァードの医学部卒だからか、辞書で調べるのも大変そうな、専門用語のような結構難しい言葉を使うのだ。これには、そんな言葉がいっぱい。もう授業には関係ないので、楽しんで読むつもりだけれど。。。オーツは別の長編から読みたいと思う。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月04日(日)
Amazon、やっぱり。。。

Amazonからメールが来た。

誠に申し訳ございませんが、大変残念なご報告があります。お客様のご注文内容のうち、以下の商品については入手できないことが判明いたしました。
"The Complete Guide to Middle-Earth: From the Hobbit to the Silmarillion"/J. R. R. Tolkien (著)

かなーり以前に頼んだもので、「遅れます」というメールも来たし、またダメかと思っていたんだけど、やっぱりダメだった。でも、この間のウィリアム・スタイロンの『闇の中に横たわりて』は、こういうメールが来たので諦めて紀伊国屋で買った途端に、「1点在庫あり、24時間以内に発送」になってるし、どうなってんのよって感じ。これももう1回オーダーしてみようかなぁぁぁぁぁ。


ところで、アメリカ文学の勉強の一環で、ジョイス・キャロル・オーツの『エデン郡物語―ジョイス・キャロル・オーツ初期短編選集』を読んでいるのだけど、私ってやっぱ短編は合わないのかなあ・・・全然面白くない!オーツは他に長編の翻訳で『フォックスファイア』と、これも長編の原書『We Were the Mulvaneys』をすでに購入してあるのだが、先が思いやられる。でも、長編のほうは面白いかもしれないし・・・と期待しとこう。しかし、授業でやるのは短編だ。とりあえず、グレイス・ペイリーとジョイス・キャロル・オーツには当たりたくない。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月03日(土)
お墓参り

しばらくお墓参りをしていなかったので、実家に帰ってお墓参りをしてきた。昨年、姪の七五三の時にあった時は結構恰幅がよかった母が、久しぶりに会ったら、少し小さくなっていた。実家の空気と光に触れると、子どもの頃の感覚が蘇ってくるのだが、そこにいる母は、すでに昔の母ではなく、ああ、年をとったなあと改めて思った。いつも電話できついことを言ってしまい、悪い事をしたなあと後悔した。

暗くなってくると、どこからともなく蛙の声が聞こえてきて、もう初夏なのだと思わせる。東京にいると、お花見くらいしか季節の話題がないが、田舎では、春夏秋冬いろんな空気がある。蛙の声も昔は何とも思わなかったが、今ではなつかしく、楽しいものに思えた。まるでミシシッピ河畔にでもいるようだ(って、ミシシッピなんか行ったことはないんだけど)。昼間は暑かったが、窓から入ってくる風も心地よく、やっぱり東京の空気とは違うんだとつくづく思う。

いずれ母でもいなくなれば、だんだん実家にも行かなくなるんだろうが、田舎があってよかった。木々や草、川や池、それぞれに匂いがあって、東京とは色が違う。空気の中のゴミの量のせいだろうか?太陽の光も違う。色や匂いで、四季の移り変わりがはっきりとわかる。こういう空気や光を知らずに人生を過ごしてしまうなんて、なんて寂しいことだろう。それを知っている私は幸せだ。ちなみに、うちの庭にはハクビシンがいるらしい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『大泥棒と結婚すれば』/ユードラ・ウェルティ(著)、青山南(訳)
<参考>
【ユードラ・ウェルティ─どうして郵便局で暮らすようになったか(青山南)】
この文章の中にある「ぼくが昔ウェルティの小説を翻訳したことがある・・・」という翻訳書がこの作品。モチーフにグリム童話の「強盗のおよめさん」を使用しているので、全体的に民話かおとぎ話風。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月02日(金)
They had made love again and again

今週は休みだったが、来週の授業では、Edwidge Danticatの「Seven」をやる。それもあらかじめ指名されているので、私が訳や感想などを発表しなくてはならない。この間読んだダンティカ(ダンティカットという表記もある)の『クリック?クラック!』は面白かったので、興味深く読めたのだが、割に性的な描写が多いので、なんでまたよりにもよってこんな作品について、尊敬する青山南さんの前で発表しなきゃならないんだろうと頭が痛い。

もちろんそういう描写も含めて、作品は面白いのだけど、「私」が「南さんの前」で「よりにもよって」という運の悪さみたいなものを感じちゃって、アポロ13号にも愚痴をこぼした。

「They had made love again and again,ってさあ、南さんの前でなんて訳せばいいのよぉ〜!前後関係からすると、夫婦だけどお互いに深い愛情があるとは思えないから、何度も愛を交わしましたなんてのは適当じゃないような気がするんだよねえ・・・」
「そりゃ、何度も何度も”セックスしました”だろ」
「そんなこと、南さんの前でいえないよぉ〜。しかもこの人達7回もするんだよ」
「じゃ、何度も何度も”7回もセックスしました”だろ」

というわけでこの話、読んでいる分にはユーモアがあっておかしい話なんだけど、これを「南さんの前」で「マイクを使って」発表しなければならないと思うと、今から赤面するばかりで、遅々として訳も進まず、恐怖におののいている。休んじゃおうかなとまで思っている私なんである。


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2003年05月01日(木)
フィッシュ&チップス

ゴールデンウィークなので、オープンカレッジの講座は休み。
次回の授業では、訳と感想を発表しなければならないので、このお休みはラッキーだった。丸1週間延びるのは有難い。でも、その分のんびりしちゃって、いいのか、悪いのか・・・。(^^;

今日は「風薫る五月」にふさわしく、とてもいい天気だったので、たっぷりウォーキングと思いきや、夕べ、ちょっと1杯のつもりが夜中まで飲んでしまい、しかも二日酔いしないGOOSを飲み忘れたため、久々に二日酔いで死んでいた。ああ、やっぱGOOSは手放せない。痩せるのなんかはどうでもいいから、とにかく「二日酔いしない」というのはほんとに天の助けって感じ。

そもそも夕べ飲みに行ったのは、マリアン・キイスの『Lucy Sullivan is Getting Married』を読んでいて、主人公のルーシーが食べていた、フィッシュ&チップスをどうしても食べたくなったからだ。昼間なら、いつものアイリッシュ・パブに行くのだけれど、あそこに夜一人で行くのは気が引ける。で、三丁目のハリソン・バーに行った。ここにもアイリッシュ・パブの味には遠く及ばないものの、一応フィッシュ&チップスがあるから。

白身魚のフライならどこにでもありそうだが、ビネガーを出してくれるところはあまりない。だから、フィッシュ&チップスを食べたいと思うと、新宿では上記の2店くらいしか知らないのだ。というわけで、お腹は満足したけれど、しっかり二日酔いになった。魚を食べると二日酔いしないと言うんだけど、それは嘘のようだ。うげげ!


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


携帯用URL:http://www.enpitu.ne.jp/m/v?id=83698

Site Meter