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2007年06月29日(金) ■ |
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●読了:桜花を見た(宇江佐真理) 刺青判官遠山景元と落し胤との生涯一度の出会いを描いた表題作ほか、北斎の娘お栄、蠣崎波響など実在の人物に材をとった時代小説集
日本橋「いせ辰」の手代・英助には誰にも言えない秘密があった。母が死に際に遺した「お前のお父っつぁまは北町奉行の遠山様なのだよ」という言葉である。表題作ほか、北齋の娘・お栄の胸の内(「酔(え)いもせず」)、松前の応挙と呼ばれた蛎崎波響の選んだ道(「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」)など、実在の人物に材をとった時代中篇小説集。
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2007年06月26日(火) ■ |
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まひるの月を追いかけて(恩田陸) |
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●読了:まひるの月を追いかけて(恩田陸) (「BOOK」データベースより) 異母兄が奈良で消息を絶った。たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香…。旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。旅と物語の行き着く先は―。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。
おもしろくなかった。というか腹が立った。謎だらけという意味では確かに「ミステリー」に違いないけど、あまりにも意味不明な部分が多すぎて、まるで不条理小説。主人公の置かれた状況や、登場人物たちが、読んでも読んでもさっぱり分かってこない。どんでん返しが多すぎてストーリーに一貫性がないみたい。その混乱ぶりやわけの分からなさを楽しむには、精神的な余裕と、忍耐を必要とすると思った。今の私にはその持ち合わせがないってことだな。
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2007年06月25日(月) ■ |
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●読書中:銃とチョコレート (乙一) 内容(「BOOK」データベースより) 少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた“GODIVA”の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「“GODIVA”カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。
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2007年06月24日(日) ■ |
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酸素は鏡に映らない(上遠野浩平) |
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●読了:酸素は鏡に映らない(上遠野浩平) 出版社/著者からの内容紹介 君も世界の支配者に? 「それはどこにでもある、ありふれた酸素のようなものだ。もしも、それを踏みにじることを恐れなければ、君もまた世界の支配者になれる」ひとけのない公園で、奇妙な男オキシジェンが少年に語るとき、その裏に隠されているのはなんでしょうか? 宝物の金貨のありか? 未来への鍵? それともなにもかもを台無しにしてしまう禁断の、邪悪な扉でしょうか? ちょっと寂しい姉弟と、ヒーローくずれの男が巡り会い“ゴーシュ”の秘宝を探し求めて不思議な冒険をする、これは鏡に映った姿のように、あるけれどもなくて、ないけれどもある、どうでもいいけど大切ななにかについての物語ですあなたは、鏡をどういう風に見ていますか?
意味不明でさっぱり分からないので腹を立ててしまった。単発の読者にあまりに不親切。 いや、表面的なストーリーは多分わかってると思うのだけど、どこが面白いのか分からん。オキシジェンが世界の支配者って結局、何? 存在が最初から最後まで意味不明なんですけど。そんな薄っぺらい、思わせぶりなセリフに感じ入るには、私は年を食いすぎ&ひねくれ過ぎている(^^; それに、なんで最後に突然「先輩」とやらが出てくるの? もしかして、作者の他のシリーズものと関係があるのか?・・・と思ったら、やっぱりそうだったか。こういうのは嫌いだ!ミステリーランドの名前を背負って出すなら、せめて単発でもちゃんと分かる話にしてくれ。そうしたくないのか、するべきでないと考えているのか、出来ないのか・・・。いやー、もう本当、順番に読んでいくと作者の特徴が分かるよなあ。上遠野浩平氏はこういう作家だってことだろう。二度と読むか。
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2007年06月23日(土) ■ |
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ステーションの奥の奥(山口雅也) |
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●読了:ステーションの奥の奥(山口雅也) 内容(「BOOK」データベースより) 小学六年生の陽太は吸血鬼に憧れていること以外はごく普通の小学生。そんな陽太には一風変わった叔父がいる。名前は夜之介。陽太の家の屋根裏部屋に居候している物書きだ。そんな叔父と甥が、ある日テレビで「東京駅」が大改築されることを知り、夏休みの自由研究のテーマに選ぶことになる。取材のためさっそく「東京駅」に向かったふたりだったが、迷宮のような駅構内の霊安室で無残な死体を発見してしまう!さらに、その日の夜中、宿泊していた東京ステーション・ホテルの夜之介叔父の部屋で密室殺人事件が発生!しかも叔父の姿は消失していた。連続殺人事件なのだろうか?夜之介叔父はいったい?陽太は名探偵志望の級友留美花と、事件の謎を解くべく奔走する…。
いまいち物足りないながら、東京駅を舞台にしているというのは確かに面白かった。日本一有名でありながら、実はあまり知られていないこんな秘密が・・・という驚きがあった。吸血鬼なんてものをマジに出すとは、ミステリとしてはちゃぶ台返し級の反則じゃないかと思うけど、「怪奇物」ってことで、まあ・・・(−"−ヾ それじゃあ、せめて、おじさんがビジュアル系の美男子だったらなあ。
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2007年06月21日(木) ■ |
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ちんぷんかん(畠中恵) |
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●読了:ちんぷんかん(畠中恵) 若だんなが三途の川で溺れてる? そりゃいけねぇ。すぐに助けに行かないと! で、三途の川ってのはどこにあるんで?――頼りになるのかならぬのか、どこかとぼけた妖たちと誰より病弱な若だんながお江戸の町を舞台に大活躍する、ご存じ「しゃばけ」シリーズ最新刊! 若だんなの三途の川縁冒険譚に、若き日のおっかさんの恋物語、兄・松之助の縁談に、気になるあのキャラも再登場で、本作も面白さ盛りだくさん!
地元の書店で見つけて購入。 今までになかったことが連続して起きる話が多かった印象。長崎屋が火事で焼けたり(近所で火事が起きたというのは過去にもあったけど、本当に丸焼けというのはすごい)。若だんなが死にかけて、三途の川まで行って帰ったり(妖に化かされたとかじゃなく、本当に死に掛けたらしい)。兄の松之助の縁談が決まったり、他にも色々あって、全体的に「転換期」という印象の強い巻だった。 シリーズの終わりに向けてまとめに入ってるのかな。
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2007年06月08日(金) ■ |
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『水底の仮面』(タニス・リー)読了 |
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●読了:『水底の仮面』(タニス・リー/柿沼瑛子・訳) 原書:Faces Under Water : Secret Books of Venus(Tanith Lee) 鷲鼻の仮面をつけた美貌の青年フリアンは、夜の運河で不吉な作りの仮面を拾う。若き天才音楽家のものと噂されるアポロをかたどったその仮面は、秘密ギルドによって作られたものだった。ギルドの仮面をつけた者がみな、不可解な死を遂げていることに気づいたフリアンは、錬金術師シャーキンとともにその謎を追い始め、やがて青い蝶の仮面をつけた優美なエウリュディケと出会う。歌の主人公を思わせるエウリュディケに心を奪われたフリアンは、さらなる謎と恐怖の世界へ足を踏み入れることに……。 水の都ヴェネチアのパラレルワールド〈ヴェヌス〉で繰り広げられる傑作ロマンティック・ファンタジー
良い翻訳だと思うな。読みやすかった。以前、「英文科の人は、シンプルで分かりやすい文章が好き」と言われたことがあるのを思い出した。昔からのファンには浅羽莢子氏とイメージが違うことから不評もあるようだけど、元々タニス・リーは英文そのものはわりあいシンプルな方だし。 この話は原本の"Faces Under Water"も途中まで読んでいる。途中で投げ出したのは何故だったか忘れてしまったのだけど、日本語で全部読んでみて分かった。この話、気持ち悪いんだ・・・。非常に露悪的で、嫌なところを、さらに念を入れてゴリゴリ強調しているような、私が生理的に嫌いな感じが漂いまくっている部分がある。英語で読むと日本語ほどハッキリは分からなかったと思うけど、「なんか、やだなあ・・・」と思って投げ出したんだろう。場面がコロコロ変わって、ストーリーに一貫性がないので読みにくいし。(本当は意味があるのかもしれないけど、私には分からなかった) こういうの読むと、やっぱりタニス・リーは私に合わない、と思ってしまう。でも、「嫌だなあ」というネガティブな感想にしても、とにかく感情が波立ったのは確かなのだし、何も感じない本よりはずっとよく出来てるってことなのかもしれない。
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2007年06月03日(日) ■ |
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ブックオフに行って、サクッと100冊ほど売ってきました。積読本・既読本、和洋取り混ぜていろいろ。本の回転は速いほうなのでいつものこと。・・・これでまた本が買えるぞ!(違
●購入 ¥500 名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1(クレオ・コイル)
ブックオフで気になってた本を購入。あと、図書館で児童書とファンタジーを中心に13冊ほど借りた。すごいよ、積み上げたら30センチくらいになった。うちの地元は冊数制限が15冊までなので、ついギリギリいっぱいまで借りてしまう。とりあえず、次の人の予約が入ってるそうな、タニス・リーの『水底の仮面』と『炎の聖少女』を先読みしようかな。
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2007年06月02日(土) ■ |
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時間のない国で(ケイト・トンプソン) |
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●読了:『時間のない国で 上』(ケイト・トンプソン) 『時間のない国で 下』(ケイト・トンプソン) 原書:The New Policeman(Kate Thompson)
内容(「BOOK」データベースより) どういうわけかいつも時間がたりなかった。一時間が、一日が、一週間が飛ぶようにすぎてしまうのだ。音楽一家リディ家の長男JJも、家族も、まわりじゅうみんながそう感じていた。そんななかJJは、母ヘレンの誕生日プレゼントになんとかして時間を買おうとするのだが…
遺跡の地下にある不思議な膜を通りぬけたJJがたどりついたのは、“永遠なる若さの国”。そこではなんと時間を売ってくれるというのだ。実は、本当ならこの国にあるはずのなかった「時間」が存在するようになり、みな困っているのだという。ぼくたちの世界からこっちの世界に時間が漏れている?JJはフィドル奏者の若者アンガスといっしょに時間漏れの原因をさがすことに…そこで彼らがたどりついた意外な真相は? アイルランドの伝承と伝統音楽が現代にいきいきとよみがえる!2005年度ガーディアン賞、ウィットブレッド賞児童書部門、ビスト最優秀児童図書賞受賞。
日本語なので、さらりさらりとアッという間に読んでしまった。おもしろかったあ。音楽が主役の話なので、曲を奏でるシーンがとても沢山出てくる。木々や農場の動物たちや、時間という目に見えないものが流れ出すのを感じたとか、五感に訴えかけてくる表現が印象に残った。主人公の少年が音楽一家に育ったフィドル(ヴァイオリン)の名手で、コンクールやあっちこっちの大会に出ていた過去があるという設定に萌え! 日本語であっという間に読んでしまったのが「勿体無いなかったなあ」という気持ちになった。
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