恋文
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2006年06月30日(金) 静脈

わたしの
葉っぱの

葉脈 みたい

ぷつり

切ってみたい

なんか
とても

かわいい


2006年06月29日(木) かおり

木の かおり
草の かおり

知っている
そのまま

そのまま
あるいていよう


2006年06月28日(水) うたかた

夢がさめると
おなじように

いつか
おわってしまう

また
ゆめに
もどろう


2006年06月27日(火) 忘れる

忘れられない
ことは
そのまま

みごとに
忘れてしまう
すぐ
一瞬まえの
こと




2006年06月25日(日) 夕立

雨を
うけて
あるく

こもっていた
熱が
ぬぐわれる

みどりの
香りが
たちあがる

こんなに


2006年06月24日(土) あじさい

あじさいの
つぼみが
ふっくら
ふくらんできた

あじさいに
ふる
あめに
なろうか


2006年06月23日(金) 役立たず

わたしが 
要らないとき

わたしは
わたしで
いる


2006年06月22日(木) 夜は

空から
すこしづつ
ひかりが
消えてゆく

かげが
部屋のなかに
ひろがり

時計のおとを
数えている


2006年06月21日(水) わたし

影も ない
のだろうか

ふりかえっても
見えない

などと
言うのは

まだ
覚えているから
だろうね


2006年06月20日(火) わたの原

もう ずっと
とおくに
きてしまった

いつか
伝わった
そのままに


2006年06月19日(月)

花を
みていた

花は
雨にうたれて

空を
みていた

空から
雨がふってくる


2006年06月18日(日) 夕立のあと

草の におい
水の におい

揺れている
木の枝が

空に
引っ掛かっている
みたい


2006年06月17日(土) 夏へと

川の流れの


木の葉の
ふれあう


川が ひかり
枝が ゆれて

午後が
すぎてゆく

雲が
いつのまにか
ひろがっている


2006年06月15日(木) 一緒のこと

そのときに
知っていた
わたしたちが
あって

知らない
あいだの
わたしたちが
あって

なんどでも
知ることができる

きっと
一緒のことを
もっている


2006年06月14日(水) あるく

ひかりが
あんまり
まぶしくて

木の下みちは
あおくて
くらい

じぶんの
息のおとを
ききながら

じっとり
汗が
しみてきて

まだ
あるいている


2006年06月13日(火) 見つけられなかった

鏡の中に
いた

逃げて
しまった

わたしを
さがす


2006年06月12日(月) 依怙地

わかっていて
もう
もどれない

わたしだって
過ぎてしまうのを

待っている


2006年06月11日(日) みどりの道

みどりの道を
歩いてゆく

風に
木々はさざめき
ひかりが
ゆれる

ここにある
音だけを
聴いている
午後


2006年06月10日(土)

むすんだ
手と手

ふれあった
くちびる

わたしたちだけの

その とき

いつも
すぎてゆく


2006年06月09日(金) 別れて

わかれた
わたし

どれも
わたし

あなた
わたしと
いっしょね

わたしは
あなた
だったのね


2006年06月07日(水) 夜へ

いつか
風が
冷たくなって

草の
においが
たちこめている


2006年06月06日(火) ひとり

失うまえに
わたしで
いようと

すでに
失っていた
わたしを

思い浮かべ

まだ
失わないと
信じている


2006年06月05日(月) 午後

この世界を
要らないと
言ってしまおう

わたしを
いらない と
いってもいい

午後は
寒いくせに

歩いていると
汗ばんでくるのだ


2006年06月04日(日) 果ての果て

どこまでも
とおい
として

果ての果てが
あるのなら

歩いてゆこうか


2006年06月03日(土)

どこに
いたのだろう

もう一度
帰りたいと
おもった


2006年06月02日(金) 雨の日

音を
聴いている

色を
見ている

濡れて
わたしは
透き通るだろうか


2006年06月01日(木) 耳をすませる

なにも
聞こえて
こないと

ここに
音は 
ないのだろうか

からだの
なかに
ひびいている のは

かつて
感じた こと
だけなのだろうか

もうすぐ
聞こえるだろう

そのために
まだ
耳をすませている


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