日記帳




2009年11月30日(月) 子どもは分かってくれない

普段はお弁当持参の毎日ですが、今日は同僚と一緒に職場近くの洋食屋さん(かなりの老舗)へ。ポークチャップやハンバーグやフライや……といった定番メニューの中に、時折混ざるたこ焼きやらチャンポンやらの文字が気に掛かりますが、まずはごくごくスタンダードにオムライスを注文しました。
運んで下さるのも、黒のワンピースに白いエプロンの(つまりはメイドさん的なコスチュームの)おばさま方です。

オムライスは、ふわふわの卵に懐かしいケチャップ味のチキンライスにくるまれたボリュームたっぷりの一品は、お手頃なお値段も相まってそれはそれは大満足だったのですが、後でゆっくりメニューを見直してみたならば、ひとつ非常に気になるものを発見しました。その名も「おとなさまランチ」。
簡単に言えば、おこさまランチの大人バージョン、のようなのですが、これはぜひ実態を確かめねばなるまい、と再訪を誓った昼下がりだったのでした。


2009年11月29日(日) ありふれた、どこにでもある、つつがない

明日で11月も終わってしまうというのに、別段実り多いわけでもない日曜日を過ごしてしまったことに、一抹の後悔を覚えています。
11月30日と12月1日の間には、たった一日とは思えないほどの温度差があるように思います。気持の余裕的に。

ひとつ特筆すべきことがあるとするならば、昨日の日帰り旅行のお土産だった赤福を、美味しい日本茶と一緒にいただいたことでしょうか。じっくり丁寧に淹れられた上質なお茶は、舌の上でころころと転がるような甘味があるのだ、と感心した次第であります。


2009年11月28日(土) 大人のバス遠足

職場の親睦旅行のため、鳥羽・伊勢へ行ってきました。松坂牛の網焼きを賞味し、鳥羽水族館でラッコとジュゴンに癒され、猿田彦神社で縁結びを願う、日帰り旅です。

移動手段であるバスの中はさながら遠足か修学旅行のよう、お菓子が飛び交いあちこちで記念写真の撮影が始まり……と、久々に懐かしいはしゃぎ方をしてきました(そして帰りのバスの中では映画観賞、というお決まりのパターン)。

お昼御飯の網焼きは、一枚がミニステーキかと見紛うほど立派なお肉を仲居さんが絶妙な焼き加減で饗して下さいます。後ほど聞いた話では、実はとんでもなく高級のお肉だったそうで……こんな機会でなければ、二度とお目にはかかれないかもしれません。

ここ数年というもの、ほぼ一年に一度のペースで来館している鳥羽水族館は、もうすっかり見慣れた感が否めないものの、やはり色鮮やかな熱帯魚は目に嬉しいものです。日本海に住む魚たちの水槽の前で「美味しそう!」「お鍋にすると良さそうですね!」と、至極リアルな会話を交わして参りました。周りにいたお子様たちの夢を壊していなければ良いが、と今は少し反省しています。

心残りは、寒さに急かされてあまり真剣に縁結びをお祈りできなかったこと、でした。


2009年11月27日(金) サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ

思い出すのは、皆で遊びに行った時の夏用建具で飾られた涼やかな部屋だったり、年賀状の勢い良く葉書上を走る筆の文字だったり、一見強面なようで実は優しいぎょろりとした目だったり。
あれから随分と月日は流れて、おぼろになってしまった記憶の中に、貴方の面影を探すきっかけが、こんな形で訪れるとは予想もしていませんでした。

年賀欠礼に目を伏せつつ、懐かしいあのひとのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。


2009年11月26日(木) 選べる幸せ

近所のショッピングセンターに、新しいケーキ屋さんがオープンするので、心に留めておくこと。

スティック状の、色とりどりの、タルトやミルフィーユやチーズケーキやロールケーキが、ショーケースに整列している様を初めて目にした時のときめきが甦ります。

http://www.in-smart.co.jp/stick/


2009年11月25日(水) 同い年の女の子

「お疲れ」
「あ、お疲れ。今から昼休み?」
「うん。ねえ、三連休はどうしてた?」
「えっとねえ、片付けものしたり、映画見たり……」
「ふうん。私はねえ、寝てばっかりだった。で、お母さんに怒られた」
「良くそんなに寝られるわねえ、って私もよく言われるなあ」
「うんうん。寝てばかりいるなら家事は全部自分でやってよ、とかね」
「そうそう! あとねえ、お母さんと喧嘩すると最近良く言われるのがねえ……」
「「私がアンタの年の頃には、もうアンタを産んで育ててたのよ!」」
「……ねえ……」
「……言われるよねえ……」
「……そう言われるともう、何も言い返せないよねえ……」

***

昼休み、お弁当を広げつつの会話。同い年の女の子、というのは、こういうところで意気投合しやすいのが面白いです。それにしても、上記のあれは必殺の一言であります。一撃必殺。


2009年11月24日(火) お茶とスニーカーの頃

急遽、ジャージなるものを揃えなければならなくなったので、慌てて家にあった通販カタログなど眺めています。が、そもそもスポーティーなものと致命的なまでに縁がないので、全くもって選択基準が分かりません。

この際、動きやすければそれで良い、似合う似合わないは二の次どころか冥王星の彼方にぶん投げておいても良いようなものなのですが、私的感性的に妥協のしようもないようなモノに散財したくはない……というのが正直なところです。でも、じっくり選んでいるような時間もあまりないのも事実。困ったものです。

***

しまった今年も出遅れた……! と焦っていた、お茶専門店の福袋をなんとか無事に予約し、ささやかな満足感を味わっております。これで来年のティータイムは安泰であります。


2009年11月23日(月) 狙いを定めよ

あまりにも長く創作から離れてしまっているがために、決してコンディションが良いとはいえない現状で、何かを最後まで書き上げようとするならば、やはり自分の得意分野で攻めるのが一番である、だとするならば無理をしてファンタジックな話に挑むよりも、日常を丹念に(しつっこく、とも言う)書き込む形式の物語の方が適しているのではないか、という結論に落ち着くのが妥当なところである。

……前置きが長くなりましたが、要するに当面、取り組むべき題材を思い定めた、という表明なのでありました。妻に去られた主人公と、その娘と、金魚の話、になる予定です。

ひとたび実際に書き始めてみれば、あれもこれも……と手を出したくなるであろうことは目に見えていて、日常に向かい合っていれば異世界に寄り道したくなる可能性も大、菊正宗方式でとりあえずは楽しんでみようと思います。


2009年11月22日(日) エントリーナンバー7

クリスマス読書用候補文献の検索結果を、忘れない内に覚え書き。

 『ドゥームズディ・ブック』
 『東京夜話』
 『哀蚊』
 『悪戯王子と猫の物語』
 『喜びの箱』
 『にぎやかな眠り』
 『ガラスびんの中のお話』

どれを読むのか、または他の候補作にするのかは、来月までに最終決定するとして、もうしばし掘り出し物の探索に勤しみます。


2009年11月21日(土) 冬眠の代わりに

冬物衣料の買い出しに、近所のショッピングセンターへ。戦果は以下の通りでありました。

・コート一着(霜降グレーのもの)
・スカート一着(これもグレーベースの格子柄のもの)
・カーディガン一着(ごくごくシンプルな黒のもの)

てっぺんにぽんぽんのついたベレー帽に惹かれつつも、今回は見送りました。そして、休日の食料品売り場は試食品が多いです。


2009年11月20日(金) Give me Chocolate!

ゲンカショウキャク、だとか、ソゼイコウカ、だとか、まるで呪文のように聞こえる単語を懸命に咀嚼し続けた一日が過ぎ、今私の頭は切実に糖分を要求しています。板チョコの一枚くらいならば軽いかもしれない(後で激しく悔やむことが目に見えているとしても)。
脳味噌は大食らいである、という話をどこかで聞いたことがあるけれども、あれは言い得て妙であった、と自らの身を持って実感した次第。

そして、近頃の日記が必要以上にチョコレート付いているのは、私の食い意地のせいではなく季節のせいである、ということでお願いしたく……。

今週末は三連休である、ということをすっかり忘れていたので、カレンダーを見ては何とはなし得をした気分になっています。


2009年11月19日(木) サンタさんにお願い

おもちゃ屋さんの広告を眺めていたら、こんなものが載っていました。
 ↓
「チロルジャン」

麻雀と縁がなく、ルールも『動物のお医者さん』で読んだくらいの知識しかないので良く分からないのですが(ドンジャラでなら遊んだことがあるものの、これは経験値には含まれない……と思われます)、これはきっと同じ柄のチロルチョコ牌を集めていけばいいんですよね、きっと。だとしたら、とても分かりやすい。



2009年11月18日(水) 北風と太陽

書類の詰まったダンボール箱を抱えて、四階と二階の間を三往復した、というそれだけで、体の節々がぎしぎしと不平を訴えております。筋肉痛がその日に来た、というのは若さを喜ぶべきことでもなんでもなく、どちらかというと運動不足の賜物であると思われるのも悲しいところです。切れ味の良い薄い紙で、さくさくと傷を作った両手もさらに哀しい。

ひとまずは、最も痛む左脇腹に湿布を貼り、家族のアドバイスを受けて貼るカイロも投入し、冷やしたいのか温めたいのか一体どちらなんだという微妙な状況で養生しています。

***

そろそろ、来月に向けてクリスマス本の情報収集に取りかかるべき時期であります。基本はアマ○ンですが、しかし毎年「ううむ」と唸る面白いセレクションをしてくれるのはビー○ーワンでしたね……と去年の傾向と対策を思い出しつつ検索に励みます。


2009年11月17日(火) 可愛いことは良いことだ

某ドーナッツショップとコラボした、着ぐるみキューピーのCMが、愛らしくてたまりません。
コスチュームを「もそもそ」と着こむ姿も、スクラッチカードを「こしこし」と削る姿も、まあなんと可愛らしいこと!

去年の今頃は、同じような戦略にまんまとはまって某アイスクームショップに通いつめていたなあと思い出しつつ、キャンペーン期間が始まったら絶対にドーナッツを買いに行くのだ、と懲りずに考えています。


2009年11月16日(月) 一筆啓上

家に帰ったらすべきこと。

・明日のお弁当用にご飯を炊く準備をする。
・戸締りを確認する。
・火の始末を確認する。
・目覚まし時計を6時にセットしておく。
・旅行中の家族に「こちらは心配ない」旨伝える。
・早目に寝る。

お留守番の夜は、子どもの頃のようなどきどきとわくわくがいっぱいです。


2009年11月15日(日) バスに乗って大阪へ

目的は劇団四季のミュージカル「ウィキッド」を観ること、です。某ホテル内レストランのランチバイキング(制限時間1時間半)付き。
舞台の感想は、とにかくもう一言「良かった!」で済まされてしまいそうなのですが、それではあまりにも味気ないので……。

・ホテルバイキングを堪能するコツは、「最初からメイン料理をがっつかないこと」「途中でシャーベットなど冷たいスイーツを挟むこと」だそう。しかし実践するとなると、また話は別。

・ローストビーフをシェフが切り分けて下さる、という(個人的に)正統派なバイキングでありました。デザートにはケーキやゼリーと並んでソフトクリームメーカーが。セルフで好きなだけ絞り出すことができます。

・反省点はピラフを真っ先にお皿へ盛ってしまったこと、でした。あれは、余計だった……。

・私は二回目になる「ウィキッド」、観る度にみどころが変化する舞台なのだ、とどこかで読んだ覚えがあるので、二度目に自分が受ける印象を楽しみにしていました。

・なるほど、歌の力と声のボリュームに衝撃を受けまくった一度目と較べると、多少は冷静にストーリーを追うことができたような気がします。

・月並みな言い方で情けないのですが、女の子の友情は無敵ですね。愛も憎も、打算も思い遣りも、全部併せ呑んだ上に築き上げられたものならば、なおさら。

・そして、満場のスタンディングオベーション、というのは初めて目にしました。



2009年11月14日(土) 蛇足もまた一興

忙しくなる前に、なにかを形にして残していきたい、と思うのですが、長らくまとまった文章を書くことから遠ざかっている創作脳は、まず錆を落とすところから始めないと正常に機能しないような気がします。

続きを書く、という選択肢ももちろんのこと、全く新しく一から創り始めるとしたら何か良いかとなれば、思い付くのは「砂漠の王女の悲恋」であったり「人形師の過去」であったり、異世界色の強いものばかりであるというのは、どこかで逃避願望が働いているからなのかもしれません。しかし、どちらも私にとっては懐かしい物語たち。
懐かしむということならば、いっそ原点まで、「海と旅の話」まで引き返してみようか、と思わないでもありません。もし、今の私にまだ書けるとしたらの話。


2009年11月13日(金) ショコラの誘惑

カメラ機能が壊れて久しい私の携帯電話。全く写らないわけではなく、起動は一応できるものの、どんな被写体を狙っても「黒いバックに蛍光緑のシルエット」という、もれなくホラーな写真に仕上がるところが妙に面白く、なかなか手放す決心がつかずにいます。その上、近頃は写真を撮るシチュエーションが訪れそうな場合には一眼レフを持ち歩く習慣が身に付いたので、携帯カメラの出番もそうそうない(つまり壊れていてもそれほど支障がない)というのも、買い替えに踏み切れない一因のひとつ。

しかし本日、そんな停滞状態に風穴を開ける(?)新機種を見つけてしまいました。今の機種よりも更に分厚いフォルム(今度は薄型にしようと思っていたのです)と、数量限定である点がいささか気になるのですが、「溶けかけたチョコレート」を模したルックスは、愛らしいにも程があります。手に入れるのは難しいにしても、せめて実物を一目見てみたい、ついては来月になったら携帯電話ショップへ足を運ばねば、と思っています。


2009年11月12日(木) ねえ知ってる?

豆しばってこんなに犬種があったんだなあと、雑誌に載っていた広告ページを見て感心しています。個人的には、「くにゅ」という形のカシューナッツしばか、殻を被ったピスタチオしばが可愛い、と思うのですが、気にかかるのはムング豆しばであります。ムング豆とはなんぞや……(と思って検索をかけてみたところ、日本名では緑豆とも呼ぶそうです。ということは、春雨になるあれのことでしょうか)。

ところで、mixiでは今、豆しばとマイミクになれるようですね! これはぜひ……友だちになって欲しいかも……と心が揺れています。


2009年11月11日(水) 襟を正す

一割引きの言葉に釣られて、ジャケットを一着購入しました。ビロード系のしっとりとした黒の生地で、大きな一つボタンと袖口のシャーリングが特徴です。

近頃、スーツなど着ると見た目だけは「大人の女」たるはったりが無駄に効くようになってしまった(らしい)ので、伴わない中身がより一層際立つことであるよ……と嘆くことがままあるのですが、でもその一方で、もっとはっちゃけたっていいんじゃないの、囁く声に心動いたりもします。
なんというか、難しいお年頃です。


2009年11月10日(火) 新鮮であれ

仕事帰りの駅のホームで時折みかける外国人の女の子たち。みんなそろって小柄なのだけれども、いつ見ても元気溌溂とした雰囲気が(英語ではないようなので会話の内容は分からないのですが……というか、英語であっても分かりはしないのですが……)眩しいくらいであります。若さとは良いものです。

この日もいつもと同じように和気藹藹と楽しげだった彼女たち、なにやらツボにはまった一言があったらしく、決め台詞のように声をそろえては賑やかな笑い声が聞こえてくるので、何がそれほど面白かったのだろうと耳を澄ましてみれば、どうやら「Be fresh!」と繰り返しているように思えます。語学力に乏しい私の耳は当てになりませんが、あれは何か流行りの一発ギャグのようなものだったのだろうか……と妙に気に掛かっています。


2009年11月09日(月) 旅に出た理由

日記とは後からまとめてつけるものではない、とは分かってはいても、ついつい書きそびれた、けれど記録に残しておきたい日というのはあるものです。今更「夏の思い出」でもなかろうとは思うのですが、せっかく旅行三昧だった昨季から今季にかけてを書き留めておかないのももったいない気がするので、綴っておきたいことごとを(自分へのノルマとして)列記しておきます。

・金沢旅行(一泊二日・9月中頃)
・京都旅行その1(三泊四日・シルバーウィーク)
・京都旅行その2(一泊二日・10月半ば)

文字だけでなく、撮り貯めた写真を整理して写真日記を更新することも忘れずに。


2009年11月08日(日) よるがくるまえに

マジックアワーとは、太陽が沈んだ後、完全な暗闇に包まれる前の、20分ほどの時間のこと。

三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」を観ていて、読みかけになっている写真についての本の中で、前編をマジックアワーに撮影した映画がある、と書かれていたことを思い出しました。題名は「天国の日々」(テレンス・マリック監督)、1978年公開。農園を舞台にした男女三人の愛憎劇……だそうですが、レビューを追う限り、やはり映像美には圧倒されるものがあるようです。機会があれば、一度観てみたいものです。

観てみたいといえば、こちらも。→http://www.disney.co.jp/movies/carl-gsan/index.html
Disney・PIXARのキャラクター造形には違和感を覚えることもある……のですが、随分と前に一度だけ目にしたことのある予告編CMが忘れられません。


2009年11月07日(土) トラ・トラ・トラ

早々と年賀ハガキの束が届いてしまったので(年々、到着時期が早くなる→年越しの慌ただしさが前倒しになるように思えるのは気のせいでしょうか)、年賀状のデザインをあれやこれやと考えています。基本はハガキ作成ソフトにお任せ、なのでさほどの手間はかからないとはいえ、干支によっては出来上がりの愛らしさや華やかさやらなんやらかんやらに差が出てしまうのが現実。果たして来年の寅は一体……。

今年の分から、私個人用の年賀状は写真を使って作っているのですが、寅と言われて浮かぶのは、ぐるぐる回ってバターになった話か、葛飾柴又のあの人くらい。いっそのこと猫にするか、寅だってネコ科だし、猫の方が寅より好きだし、と既に心は傾き始めています。

***

読書録更新情報。
 『屋上がえり』 石田千

図書館本の記録(あと4冊分)を書き終わったら、自前の読了本にやっと取りかかることにします。


2009年11月06日(金) 見上げてごらん、夜の星を

気紛れに星占いなど見てみたら、「その恋はもう始まっています」などという衝撃的な宣言をされてしまい、ちょっと待ってそれってどれ? というか「あれ」だとか「これ」だとか思い浮かぶような心当たりも……!? と、こそあどを連発しつつ妙に狼狽してしまいました。慣れないことはするものではありません。ああ、驚いた。

同じその占いによれば、「あなたは一生独身で過ごす星の下に生まれついている」とのことですが、にも関わらず「一年以内に結婚できる」そうなので、この矛盾をどう解釈すればいいのやら……つまり人生は未知数だということで良いのでしょうか……。

茫漠たる未来は放っておいて、既決の予定をメモ。
来週日曜日は大阪にミュージカルを観に行きます。朝が早いので寝坊しないこと、天気予報をチェックして着るものを考えておくこと、そして、流行り物には充分に気を付けること、を忘れずに。



2009年11月05日(木) 電信柱も泣いている

秋晴れの空が急に手の平を返したような冷え込みに、このまま私の一番大好きな季節が行ってしまう……! と焦りに似た思いを抱いています。しかしこの急激な寒さ、例えるならば、飲み屋で出会った気立てが良くて心優しい女性がこちらの懐具合を見切った途端に冷たい態度に豹変したかのような(思考がかじかんでいるせいで碌な比喩が浮かびません)。

夜が更けてからはパソコンの前に座る勇気も出ない、と思っていたところに、友人が購入したというこれ(http://www.kingjim.co.jp/pomera/)は、非常に魅力的でありました。確かにこれがあれば、ネットサーフィンによる余所見対策も寒さ対策も同時にカバーできる! 
それに、「文字を打つ以外、何も出来ません」というあのCMも、私は割と好きなのでありました。

執筆環境の改善と創作意欲が必ずしも比例しないにせよ、私もつられて今月は頑張ってみようかなあという気になりました、よ(私信)。


2009年11月04日(水) ここはあなたの家

鋼の冷たさが混じる風の吹く午後、友人と連れ立ってある資料館へと出かけた。ちんまりと住宅街に埋もれたその五階建ての建物は、かつて舌鋒の鋭さから柳葉包丁に例えられたこともある評論家が暮らしていた邸宅で、主亡き今は時折訪れる物好きな訪問者(私たちのような、だ)を、拒むでもなく歓迎するでもなく、至極淡々と受け入れ続けている。

入口に受付があるわけでもなく、順路表示の案内板があるわけでもない室内は、玄関先で靴を脱いで上がり込むと、見学者というよりも客人になったような気分をもたらす。招かれざる客でなければ良いけれどね、と友人が軽口を叩く。

一階と二階は、いわば肩慣らしのようなもの、本当に面白いのは三階から上の部屋だね、とは、以前この場所を訪れた別の友人の弁である。確かに、それほど広くもない床面積を、重箱のような形に四つに区切った部屋の中には、何の変哲もない机や椅子、そして飾り棚などが行儀よく並べられていて、別段心に楔を打ち込むような驚きがあるわけでもない。しかし、方々に飾られた小物の数々―古い玩具や鉱石や骨董品や、食器や文房具や装飾品やらが何の脈絡もなく無造作に放り出されている風情には、なにやら宝探しでもしているような高揚感を覚えないでもない。この家は寄せ鍋のようだ、と昼時が近付いて多少空腹を感じ始めた頭で考える。さて、問題の三階から上には、一体なにがあるというのか。

狭い階段を上り切り、細い廊下に片足を乗せた途端、それはやって来た。これほどまでに分かりやすい「不穏な空気」など、これまで肌で感じたことがない。一段階光度の落ちた室内に足を踏み入れれば、そこにある設えは階下と変わらない、しかし存在するものものの気配が明らかに異なっている。なにやら得体の知れない錆びついた金属の塊、何の動物のものとも判別できない毛皮の玉、グロテスクに歪んだ陶器、折れ曲がった人形の足、腐敗して溶けかけたような色合いのランプシェード、そんないわくありげな物たちが、不意打ちのようにそこかしこから顔をのぞかせる。背後で友人が小さく悲鳴を上げたのに驚いて振り返れば、その視線の先にはだらりと垂れ下がる鳥たちの剥製があった。前言は撤回しよう。この家は闇鍋のようだ。

他には見物人などいなかったはずの室内に、ふと人の気配を感じる。警戒しつつ辺りを伺えば、窓枠に腰掛けて釣り糸を垂らす老紳士の姿が目に入った。灰白色の髪に、鮮やかなレモンイエローのシャツが映える。こちらがじっと見つめていることに気付いたのか、彼はゆったりと振り向き、穏やかな笑みを浮かべつつ窓の外を指さした。誘われるように屋外を見遣れば、そこには見事な日本庭園が広がっている。老紳士は、庭を囲むように造られた池で釣りに興じているらしい。どうやら怪しい人物ではなさそうだ、と力を抜きかけた肩を、友人が強く掴む。耳元に口を寄せて囁くには―忘れたのか、ここは三階だよ? それに、あの人は。

いつになく思わしげな表情を浮かべた友人に引っ張られるように、最上階である五階を目指す。そこは、かの評論家が生前収集した文書の保管庫になっており、この資料館の学芸員が常駐する研究室でもある。
妙に近代的なアルミのドアを押し開けると、米粒のような輪郭に胡麻塩をまぶしたような坊主頭の青年がダンボール箱をのぞきこんでいた。
やあ、よくいらっしゃいましたね。彼が言い終わるのも待たずに、友人は素っ気ないほど平坦な声で訊ねていた。あの人に会いましたよ。あなたもお会いになったことがあるんですか?
ええ、時折。青年は平然と答える。でも、とそこで友人は躊躇うように一瞬口を噤んだ。あのひとは、いってしまったんでしょう? それは曖昧な平仮名の発音ではあったものの、そこに当て嵌めるべきなのはごく日常的な「行く」などではないことに、ようやく思い至った。雑誌で、本の見開きで、テレビ番組の画面で、あの面影を認めたことが、確かにある。
あのレモンイエローは、と言いかけて、こちらを見遣った友人は、強張った唇をほんの少し緩めて、からかうような微笑を浮かべた。やっと気付いたみたいだね。そうだよ、さっきのあの人は、この館の元主人だ。
そんなに不思議なことではないでしょう? 軽く首を傾げつつ、青年は諭すような口調で続ける。ここはあの方の家です。自分がいなくなった後、訪れた人たちがこの場所をどんな風に受け止めるのか、気に入ってくれるのかどうなのか、そういったことが気にかかるのは、当然のことではありませんか?

開け放したままのドアの向こうから、パチリ、と小気味よい微かな音が聞こえた。ああ、と青年は表情を和らげる。新しいお客様がいらっしゃったようですね。どうやら、将棋を嗜む方らしい。あの方は殊の外将棋がお好きでしたからね、これから一局始めるおつもりなのでしょう。

***

その後、学芸員の青年となぜか意気投合した私たちは、整理中だったダンボールの中から出てきた『家紋の全て』なる本を肴に、閉館間際まで語り合うことになりました……という夢を見ました。


2009年11月03日(火) まだ見ぬ金脈

読書録更新情報。
 『家のロマンス』 加藤幸子
 『アースダイバー』 中沢新一
 『世界を変えた6つの飲み物』 トム・スタンデージ
 『マイ・グランパ ピカソ』 マリーナ・ピカソ

全て図書館の本ですが、借り物だと率先して単行本に手を出せるのが嬉しいところです。
次の標的を、いつもお世話になっている図書館のサイトで検索していたところ、長らく頭の隅に引っ掛かり続けていた本が書庫に眠っていることを発見、次回は必ずこれを借りるべし、と心に決めました。


2009年11月02日(月) ジンジャーミルクティの作り方

1.紅茶はミルクティ向きのもの、それも繊細な味わいのものよりはがっつり濃い味わいの茶葉の方が良い気がします。お鍋にお湯を沸かしたら、しっかり目に淹れましょう。私はここで、茶葉には可哀そうなことにぐつぐつと煮出してしまいます。ごめんなさい。

2.生姜はたっぷり、「ちょっとこれ大丈夫?」と思うくらい入れても、案外平気です。普通サイズのものを、私は二人分で1cm厚くらいにカットして投入します。摺っても、刻んでも可。

3.ミルクの量はお好みで。甘さの調整は、グラニュー糖よりは蜂蜜かメープルシロップの方がこっくりした味になります。甘味は強めにした方が(お好みにもよりますが)美味しいです。

4.ミルクを入れたら、沸騰する寸前までもう一度温めて、出来上がり。


どこかに雑誌を切り抜いたレシピがあったはず、でもそれほど間違ってないかと……思っていましたが、我流だとかなり大胆な作り方になっています、ね。


2009年11月01日(日) 矢のごとく、蠅のごとく、光のごとく

読書録更新状況。
 『夜中にジャムを煮る』 平松洋子
 『グールド魚類画帖―十二の魚をめぐる小説』 リチャード・フラナガン
実は9月の旅行中に読み終えた本だった、ということを振り返り、「時蠅が……」と遠い目で呟いています。

しばらくの間、埒が明かないよしなしごとに、柄にもない崩れ方(?)をしていたのが、少しは落ち着きを取り戻した(解決したわけではなくとも)ように思うので、今年のカウントダウンに向けて、懸案事項の消化に取り組みたい所存です。それが、焼け石に水的な努力であっても。

今月中に手に入れるべき買い物リスト。
<既に手配済み>
 ・家族の誕生日用に、コーヒー豆
 ・自分のクリスマス用に、紅茶のセット
<これから探すもの>
 ・冬に向けて、化粧品をいくつか
 ・気に入ったものがあれば、冬ものも何着か
 ・できれば、ベレー帽も
 ・クリスマス読書用の本





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