日記帳




2008年02月25日(月) カラーコーヒー

正しくは、「カラーコピー」の見間違い。
道理で、1杯(正解は「枚」)20円は安すぎる、と思ったら。
でも、もしレインボーカラーやトリコロールのコーヒーがあったら、ちょっと見てみたい(味わってみたいではなく)です。

読書録更新状況。
 2007/11
  『百器徒然袋―風』 京極夏彦
 2008/1
  『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』 アガサ・クリスティー

今朝の新聞で、ドラゴンの飼い方についての本が載っていたのが気になったので、ここにメモ。



2008年02月19日(火) 読書初め

読書録更新状況。

 1月読了分
 『チベットの薔薇』 L・デヴィットスン
 『間宮兄弟』 江國香織
 『神を見た犬』 ブッツァーティ

今年度の読み初めは、小川洋子さんの『物語の役割』だったのですが、こちらの感想は、また近々。『神を見た犬』は、早々と今年度ベスト5くらいには入りそうな予感のした一冊でした。



2008年02月16日(土) 日記といふもの

例えばこんな一週間。

・2月11日
三連休の最終日は、午後から録画しておいた映画のビデオを見る。予想していた以上に面白かったのは結構だが、5時間ぶっ続けでテレビ画面を見続けるのは、正直かなり辛かった。感想は、と言うと一番に浮かぶのが「胸焼けした」という一言なのがどうにも情けない。ストーリーとはこれっぽっちも、全く、微塵も、関係がないじゃないか。そんなわけで、タイトルは敢えて伏せることにする。

・2月12日
仕事帰りに足を伸ばして「内藤ルネ展」を見に行く。この展示が見たかった、ということももちろんあるのだけれど、仕事が終わってからこの美術館(お気に入りである)に行って帰ってくるということが可能なのかどうか、時間的にも自分の体力的にも、という実験的な意味もある。
肝心の展示内容については、すぐ後ろを見て回っていた女性二人組が、ことあるごとに「可愛い!」を連発していたのが(ひとつの展示ケースにつき十回くらいは)気にはなったものの、私のついぞ知らなかった乙女チックな世界にどっぷり浸かることができて、貴重な体験だった。

・2月13日
矢野顕子さんの、そして佐藤さとるさんの誕生日であり、そして私の誕生日でもある。ついでに言えば、「銀行強盗の日」でもあるらしい。世界初の銀行強盗が成功した日だそうな。なにもこの日でなくても良かったのに、とつい思ってしまう私である。

・2月14日
全ての恋する人々にバレンタインのご加護を。
私もその恩恵にあずかり、おやつにチョコパイをいただく。この日になると、遠い昔、同級生から意中の彼に渡したくて渡せなかったチョコレートを貰ったことを思い出す。

・2月15日
今日は 何も 書くことが ありません。

・2月16日
雪、雪、そしてまた雪。この秋に導入した雪用ブーツ(ファー付き、滑り止め付き、スパイク付き)が出ずっぱりである。こちらはこの1月に入手したカメラ(憧れのデジタル一眼レフである)で、なんとか雪を風情良く撮影したいと思うのだが、これがなかなか思い通りに行かない。白いし光るし寒いし溶けるし、と愚痴を並べるも一番の問題は自分の腕である。

・2月17日
見ないふりをしてきた読了本の塔を突き崩す(ことができたらいいなと思う)。
いい加減に熟成させすぎたあの話やこの話の整形を終わらせる(ことができたらいいなと思う)。


***

拍手御礼。
13日にお祝いコメントを下さった方へ。
ありがとうございます! 「せぴあ」は私も久々に、もう「久々」を五乗くらいしたいほどに久々に読み返し、あまりの懐かしさについ遠い目をしてしまいました。あの頃のピュアな想い(?)が甦ってきて、そうだ自分が楽しく書けばそれでいいんじゃないか、と少し元気が湧いたようでもあります。


2008年02月04日(月) 追い込む、もしくは追い込まれる

現在鋭意執筆中の「赤い話」の続きから、自分を追い込む意味も込めて、冒頭部分を転載。
どの場面でどう切ったらいいのか次第に分からなくなってきたのが悩ましいところです。

****

 案の定、レディ・ダァリアの姿を認めたディオスは、あからさまに機嫌を悪くした。
 僕が彼女を伴って喫茶店を訪れた時、彼は狭いカウンターの奥で、コーヒー豆を挽く作業に没頭していた。あんな苦いものは口に合わない、などと普段は毛嫌いしている癖に、豆を挽く時に立ち上る香りは好きなのだと言うから勝手なものだ。ドアベルの音に顔を上げた彼は、多分「やあ」とでも言おうとしたのだろう、軽く片手を上げかけたが、続けて現れた彼女に気付くと、中途半端な姿勢でぴたりと動きを止めた。見る間に表情が険しくなる。やはり、と内心うんざりした思いを押し隠し、既に人の集まり始めたテーブルの方へ彼女を促すと、咎めるような視線と向き合った。
「クロイ、君が呼んだんだな」
 疑問ではなく断定だ。正しくは、僕が招待したわけではなく彼女からの申し出を了承しただけなのだが、そんな些細な相違を主張したところで、焼け石に水だということはよく分かっている。弁解は諦め、黙ることにした僕に向けられる彼の視線は余計に硬度を増したようで、もはや咎めるというより睨み付けると言った方が正しいかもしれない。思いがけない華やかな来客に、歓声の上がる店内を横目で見ながら、僕はカウンター越しに身を乗り出し、なんとか彼を宥めようと試みた。
「ねえ、ディオス。君が彼女と顔を合わせたくないことは僕も知ってるよ。でもね、他の人たちはみんな彼女を歓迎してる」
 ほら、と片手を振って示して見せた僕の仕草を撥ね付けるようにそっぽを向き、分かってる、と彼は不服そうな小声で答えた。石蹴りをする子どものように爪先を床に打ちつけ、分かってるよ、と繰り返す。
「君の言う通り、彼女は歓迎すべき特別なお客だ。なぜなら」 
 いかにも不本意、といった風に、彼はそこで一旦言葉を切った。
「なぜなら、何だよ?」
「ああ。……見てご覧よ」
 ディオスが指し示した先、古いオルガンが置かれた前で、ちょうど彼女が喫茶店の主に挨拶をしているところだった。この定期的に開かれる真夜中のお茶会の主催者でもある店主は、彼女が差し出した右手を恭しく両手で握り、額を押し付けんばかりに深く頭を垂れている。彼女が何事かにこやかに話しかけているが、感に堪えないといった面持ちでただただ頷くばかりだ。どうやら、言葉も出ないらしい。あの人は若い頃から彼女の熱烈な信奉者なんだよ、とカウンターに頬杖をついたディオスが説明する。
「まあ……僕ひとりが駄々を捏ねたところで始まらない、か」
 観念したように呟くと、彼は突然丸めていた背をしゃんと伸ばした。胸を反らすようにしながら、笑いさざめく人々の元へ大股で歩み寄っていく。僕は慌てて後を追った。彼のことだ、きっと一矢報いずには気が済まないだろう。

***

余談。
「赤い話」の続きに取り組み始めた頃、通勤で毎日通る道すがらに「Dios」という美容室が出来ました。看板を見る度に「……ああ!」と複雑な思いで頭を抱えたくなります。





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