lucky seventh
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2006年03月22日(水) まるでそれが永遠のお別れのように… (復活的黒夢)


あぁ、終わったんだ…

瓦礫の中で倒れている人 人 人


結局、私達は幸せになんてなれやしなかったんだ。











:まるでそれが永遠のお別れのように…

















タイムリミットまで、後少し。



「骸」

名前を呼びながら、瓦礫の中を迷いもなく歩く。
その先にいるのは今回の敵キャラであり、ボスキャラの彼、
勿論、目的地はそこ。
投げ出されたように倒れている彼のそばに跪いて、その頭を
膝に乗せる。


「骸」

きづいてるんでしょ?と言う意味合いをかねて軽く頬を叩くと、
骸は閉じていた瞼を開いて、うっすらと笑った。


「おはようございます。」

「うん、おはよう。」

あぁ、生きていてよかった。
そんな風に思いながら、顔にかかった髪をどけて、
ついでといわんばかりに、さらさらと流れる髪をなでるように梳く。
骸はそれに何も言わない。
ただ、時折猫のように気持ちよさそうに目を細めた。


「血だらけだね」

彼女の言葉を彼は、ただ黙って聞いていた。


「痛い?」

私も痛いんだよ。
声には出さず、心の中で呟いた。
骸は驚いたように彼女の顔を凝視した。


「泣いてるね」

みんな、みんな泣いてる。
ぽた ぽた
視界がゆがんで、雫がこぼれ、
骸の頬に落ちて すべった。
あぁ、まるで骸が泣いているようだ。


「泣いているのは、貴女じゃないですか。」

すぐさまいつもの表情を浮かべて、
呆れたように、彼はそっと手を伸ばし頬を優しくなぜる。
けれど、涙は次から次へと落ちていって、
雨のようだと骸は思った。


雨は神様が誰かのために泣いた涙だと言っていた。
ならば、きっと彼女が自分達の神様なんだろうと、骸は思う。
だっていつだって、自分達が苦しい時や悲しい時は
空は晴れていて、彼女だけは泣いていたから。
自分達は彼女以外の涙をしらない。
彼女以外の誰も、自分達のために泣いてくれた人を骸は知らない。
あぁ、こんなすぐ近くに自分の探していたものはあったのかと、
骸は笑った。
遅過ぎたのだ。
すべてはもう終わってしまった。






「もう、泣かなくていいんですよ。」




それは慰めにもにた、別れの言葉。


2006年03月14日(火) 悪がそんざいする。だから、善がある。

彼女は最後の最期まで、貫き続けた。
















:悪がそんざいする。だから、善がある。






白い、白い階段を昇り、そこに存在する寂れた空間。
断罪の間。
今日と言う日に、世界に平和がおとずれる。
1人の女によって世界は恐怖へ落とされて、
1人の女の死によって世界は平穏を取り戻すのだ。

両腕を後ろ手に縛られて、
煤けて見る影もないドレスを身に纏い、
女は屈強な男達にその顔を床へを押しつられていた。
凛として、人を寄せ付けなかったあの傲慢な表情の面影はもうない。
ただ疲れたように、なすがままに女は這い蹲っていた。
その身体から、力の抜けたその姿に語るに落ちたと
人々はあざ笑った。


「神よ。」


腰に美しい剣を挿した少女が声を発した。
光輝くその瞳、未来を見つめるその姿勢に人々は感嘆の声を漏らす。
まるで、ここで這い蹲っている女とは真逆のようだと。
そこまで考え、人々はそれはそうだろう。とかぶり振る。
神の娘と比較するなどなんと恐れ多いことをと。


「誓約ははたされました。審判を!!」


少女の声に、応えるかのように断罪の間のその中心部、
少女の目の前に置かれた白亜の扉が重々しく開いた。
真白い光が溢れ、辺りを照らしそこは白い空間へと変わった。
人々はどよめいた。
それは現在では『儀式』としてしか使用されておらず、
その石の扉はまるで一枚の石を彫っただけで、開くはずがなかったからだ。
けれど、そう。
それはまるで遙か昔、もうお伽噺でしか語られない『神の天秤』のようだった。
だが、それなら何と言うことか、
少女がこの世界の『柱』となる『贄』だとでも言うのか?
あの気高く美しい少女の命と世界の命を『天秤』にかけるとでも言うのか?
そうであれば、何とも美しく哀しい物語であろう。

人々の前に神が光臨した。



光あふれる扉の向こう側に誰かが立っていた。

`ご苦労でした`

高くもなく、低くもない
それはまるで音の集合体のような不思議な音だった。

`よくぞナシトゲました`


少女はその言葉を聞いて、満面の笑みで微笑んだ。
しかし、その次の瞬間それは凍りつく。

`アマデウス`

その声に、
その言葉に、
地に伏せられた女が、花が咲くように微笑んだ。
少女は愕然とする。
何故、その名を呼ぶのか。
分からない。
分からない。
どうして、自分の名を呼んではくれないのか?


アマデウス
その両腕を後ろ手に縛られて、
煤けて見る影もないドレスを身に纏い、
屈強な男達によってその顔を押し付けられた女。
世界を恐怖と混沌に陥れたすべての元凶。





`ワがムスメよ。ソナタを誇りにオモウ。`





扉の向こう側で
その光に負けないぐらいの光で持って、
存在する誰かは、手を広げる。
いつの間にかアマデウスの拘束は解けていた。
歓喜震えるように立ち尽くすアマデウスは
その言葉にはっとしたように、
その仕草に押されるように足を踏み出し、光の中へと駆け出した。


少女の真横を通り過ぎ、
瞬間、少女は行かせまいと女を掴もうと手を伸ばす。
しかし、その手はあっと言う間に空をきった。
扉は閉まった。
少女と人々だけを残して。







そうして、世に残る忌まわしき記憶の首謀者は死んだ。
すべての真実を隠蔽したまま。
世界に平和が訪れたのだ。
しかしそれは、あまり短く儚いものであったが。










アマデウス
それは神に愛された者の意。
その身を『天秤』に捧げるほど、神を愛したものの名。






****************
2005年04月05日(火) 塗り固められた正義と、それを貫く槍。
同シリーズ


2006年03月10日(金) 人間のワルツ。

カツン カツン カツン…

片手で頬杖をついて、少女は机に置かれたもう片方の手で人差し指を叩く。

カツン カツン カツン…


その顔は机のある正面ではなく、そっぽを向いたように横を向き、
その視線はここではないどこか遠くに馳せられて。


カツン カツン カツン…








大円団のさなかで、人間が踊る踊る

くる くる くる くる

立ち代っては、入れ替わり、その踊りはまさに一糸乱れぬ見事な動き

華麗なる大演舞の幕開けはなされた


さぁ、踊り子たちよ 

踊りなさい


その美しい旋律にのって…



















「しっかしよぉーお前も変わったなぁ、オイ?」

ニヤニヤと笑いながら紅い髪に左の目のきわから引っ掻かれたような傷を
持つ男は少年のように笑った。

「昔はあんなハリネズミみたいだったてのに…時が経つのは早いってか?」


降って湧いてきた人災に 取り合えず少女は拳をにぎり
殴ることで答えてみた。




「ってか、ありえねぇ!ひとどくねぇ?ひどくね?」

吹っ飛ばされて、叩き落ちた。
その場で男は、殴られた頬を両手で包み込み涙目になりながら
少女を睨みつけた。
振り下ろした拳をひらいて見る。
少々爪が食い込んだ後がるが異常ナシ。少女は微笑した。
男はその笑みに、慄き少女から距離を置くように離れた。
ブチブチ文句を言っていた口は声をなさず、
パクパクと間抜けな音が聞こえる。
ってかぶっちゃけ腫れの範囲が大きくてびみょうに隠れてないし
そんな涙目で睨まれたところで、怖いって言うか
何?この可愛いヘタレた生き物状態。
っつーか付き合い長いくせに相変わらず 馬鹿だ。

何故、このパターンで殴られないかと思うのかが不思議だ。
学習能力がないのかもしれない。
むしろ、実は真性のマゾなのかもしれない。大いにありうる。

まぁ、だが取り合えず
「うるさい。黙れ」


貴様は金魚か?


2006年03月04日(土) 太陽は 沈んだ。 (針ぽたリドル世代Rside)

欄干に座り 彼女は笑った。

彼女の背に広がるのは どこまでも広がる草原と空


そっと体重をかけて、彼女はそこへと 沈む。












それが、彼女の答えだった。















「どうして?」

伸ばした手は、何も掴めず

「どうして!??」


彼女はただ落ちていく。
そこへ
底へ





オレンジ色の長い髪がたなびく、
まるで落日のように
深く、深く
もう決して上がっては来ないと その時になって初めて気がついた。



それは取り返しの付かないミス。
何かがかは分からない。
けれど、きっと間違えてしまったんだ。








その言葉は、彼女の幸せを壊すものだった。
小さな、小さな それでも彼女だけの幸せ。
やっと手に入れて、掴んだはずのソレは
まるで零れ落ちるかのように ただ地面にその身をぶちまけた。
















空はいつの間にか夕闇の色、太陽は沈んでしまった。


2006年03月03日(金) それはまるで、日が暮れてしまう前の 思い出だった。 (針ぽたリドル世代)

君は そこにいた。

あの思い出の中で、今も優しく笑いかけてくれる。









君は、死してなおも私の心からは消えてくれは しないんだね。

















あぁ、君はこの空のよう
青空のなかを流れる白い雲 青のいろどりに浮かぶ白のいろあい。
私の心を包み込んでは 突き放していたね。



「近づきたかった。」


ただ、それだけだった。
その一言が言えず、その一言を言う勇気が私にはなかった。








私は何もかもを捨てて君の手を取ることはできなかったから。










初めて伸ばされた腕、何かを掴もうとした手。
期待と不安がないまぜになった夕焼け色の瞳は
すぐに夕闇へと色を変えた。

「どうして?」

それを私に聞くの?
一番私の隣にいた君が!!


「どうして!??」

君の声が ハ ナ レ ナ イよ。











あの頃、私はいつまでも甘えていて
世界なんてどうせすぐに終わってしまうんだろうと思っていた。
あの暗黒に暮れた時代
それも一挙だと斜に構えて、ほんとは何もわかっていなかった。

覚悟なんてみじんもなく
それはどこか他人ごとで、現実味がなくて
本当は自分の横でそれが起きていたのに
気付くことも、気付こうともしなかった。



君がその暗黒そのもなんだと。












ねぇ、君。
思い出の中で、今も笑いかけてくれる君。








あの懐かしい学びやで、

青空の中で、

笑う君は、










君のその厭った 瞳の色は、私の空そのもだったよ。


ナナナ

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