lucky seventh
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2002年04月24日(水) アノコロ

コドモのコロはよかったね。

どんなチセツな言葉でも、まっすぐキミにとどいたから。



だけど、もうダメなんだ。

社会とか、常識とか、そんなすべてが僕を押し殺した。




あのころの僕はもういない。


2002年04月14日(日) おやすみ

別れは突然で、僕は間に合わなかった。
あんなに約束したのに、僕が辿り着く前に君は逝ってしまって、
横たわった君の存在が遠く遠く、取り返しのつかない場所まで
行ってしまったような気がした。
可笑しいよね。
君は僕の目の前にいるのに、すぐ側に有るのに。

「幸せそうだね」

逝ってしまった君を見て、
苦しみから解放された君を見て
僕は素直にそう思った。

「寝ているみたいだ」

本当は寝ているだけかもしれない。
今、君の頬にキスをしたら、
くすぐったいよとあの日のように笑ってくれるかもしれない。
頬から涙がこぼれてきた。

「おやすみなさい。いい夢見れるといいね。」



君の眠りは深い深いところに落ちていって、
僕は心のそこからそれが幸せな夢であることを祈った。


2002年04月13日(土) すずらんの哭く声

それはカ細く、今にも切れてしまいそうな音がした。


新学期が始まって幾日が過ぎた。
学年も無事に上がって、教室は1つ上の階に移動した。
けど見回した教室内の顔ぶれはあまり変化がなく、
その喧噪の中に身をゆだねる彼の姿はいつもと少しも変わっていなかった。

何も変わっていない。

学校という小さなテリトリーの中、
そう際立った変化は望めない。
少女は目を閉じ、意識を虚空に飛ばした。

何も変わりはしない。

まるで祈るかのように手を胸にあてた。
足下からみるみるうちに風景が変わっていく。
ぼやけた水彩画のような世界。
そこはまるで存在しないかのような不思議な空気を充満させていた。
黄緑色の短い草が雨露に濡れたように艶やかで、
心地のよい風に優しく、それでいてどこか荒々しい風に吹かれた。

「大丈夫?」

後ろから自分の分身である少年が心配そうに少女を見ていた。
少女は静かに大丈夫だよ、と頷いた。

「無理しないで」

ふいに雨粒が窓を叩く音が聞こえた。
それと同時に虚空に飛ばした少女の意識には、
廊下を歩く、人の足音が聞こえた。

あぁ、もう始まる。

それはどちらの声だったのだろう。
ピシッと何かが割れるような音がした。
少年はそれを気にした様子もなく少女に手を伸ばした。

「無理しないで」

少年は少女のほほに自分の手をあてもう一度呟いた。
その瞬間、少女の足下から亀裂がはしった。
それはあまりにも短い再会で、

「「またね」」

二人は同時に寂しくて呟いた。
これは別れでない、始まりなのだ。
少女は引っ張られていく意識の中、心に言い聞かせた。


キーンコーンカーンコーン
 キーンコーンカーンコーン



予鈴の音と同時に少女は目を開いた。
そして、始まりの鐘に静かに耳をすました。


2002年04月12日(金) 諸刃

上滑りで、それでいて脆い言葉。



不思議で不可思議な思い、
おもちゃ箱がひっくり返された時のような願い、
私は知っていた。

知っている。
その思いの名を、
その思いの言葉の意味を、

「ごめんな」

何が言いたいの?

聞き返さてしてしまえればどんなに楽だっただろう。
だけど、私はその言葉を理解できないほど馬鹿でもなかった、
無論、それは彼も知っていること。
だから、彼は敢えてこんな言い方をしたんだろう。

「あっそう....」

これもきっと彼の予想通りだったのだろう。
私の答えに彼はすぐさま頷いた。

馬鹿みたいだ。

その言葉も
この言葉も

馬鹿みたいだ。



ココロと身体が離ればなれになった気がした。
ただ、私の目だけはココから離れて遠い世界を見ている。


2002年04月09日(火) 無題

届かない、何か。



「笑っていて」

君はいつも微笑んでいた。

「笑っていて」

薄く、はじけそうな空気のマクに覆われて
ワタシとキミの間には常に一線がヒカレテいた。
君はそれを無視して、微笑んでいた。

「遠く、離れてしまっても」

私と君の歩む道は別々で
けれど、常にトナリドウシの平行線。

「君と共にいるから」

これは、永遠の別れじゃない。
分かっていたのに、
私の頬からはツメタイ滴がつたっていた。

「上手に笑ってみせるから」



私の言葉は上滑りで
君に届くことはなかったけれど
届かない、何かを二人見つけた気がした。


ナナナ

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