今日もアリガトウゴザイマシタ。
■メッセージ4U
2014年03月28日(金)
とあるお人の、誕生日のお祝いのためのメッセージカードを
「君達も書くかい?」
娘・R(10才)と息子・タク(8才)に見せてみたところ
「書く!」
ということなので名刺大のカードを渡してみた。しかしいざ書くとなると、Rは「うーん」と唸っている。以前の日記に書いたとおり、Rは文章を書くのが苦手なのだ。
「絵を描いてもいいんだよ」
と言うとやる気が出たようだ。
一方タクも悩んでいたので、
「君の好きなポケモン描いたら?その人、こないだ『ソーナンス』(ポケモンの名前)って言ってたからきっとポケモンのこと知ってるよ」
そんな風にやる気を出させてみたら
「わかった!じゃあソーナンスとカモネギ(ネギ持ってる鴨のポケモンの名前)描く!」
タクも乗り気になってくれた。ただこの時は寝る前だったので
「じゃあよろしく。今日はもう遅いから、明日描いてくれな」
明日以降描きあげるのを待つことにした。
次の日、Rは仕上げてくれた。そのお人の似顔絵やらついでに自分の似顔絵やら、最近覚えたので使いたくてしょうがないらしいアルファベット表記でそのお人の名前を書いたり、で、色も塗ったりして、さすが女の子と言いたくなるような華やかなものとなっていた。
「よくできたね」
と褒めると
「ヒマだったから描いたよ」
何故上から目線。そしてタクはというと…まだ何も描いていなかった。
「カモネギのポケモンカードが見つからないんだよう。お手本にして描こうと思ってたのに」
とのことだった。そうか、じゃあ、見つかるまで待ってやろう…と待っていたらいつの間にかしばらく日にちが経ってしまったではないか。
「まだ見つからないの」
タクはそんなことをぬけしゃあしゃあとほざくので、それもう無くしたレベルだろ、ということで
「これ見て描けー!」
グーグル画像検索により表示されたカモネギを見せてようやく描かせた。
拙い絵ではあるが、一生懸命に描いた小学生らしいメッセージカードになったと思う。
問題は、僕が書いたメッセージカードも字も文も小学生レベルなんだけど…。
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■通信簿ー将軍。
2014年03月26日(水)
子供達は終業式を終え、春休みに突入したようだ。いいなあ。
そして仕事から帰って来た夜、嫁から通信簿を見せられた。これが恐怖だ。
息子・タク(8才)はともかく、娘・R(10才)の通信簿は心臓に悪い。普通これぐらいの学年って甘甘でみんなそこそこの内容じゃなかったっけ?と思っていた。タクのはまさにそれで、ほぼ全て「よく出来ました」で、先生のコメントもベタ褒め、これだけ見ているとタクは出来杉君のようである。
そしてRはのび太である。恐る恐る見てみたら…やはり、算数と理科が壊滅的だった。たまにお風呂で問題を出してやってもタクの方が回答が早かったりで、余りにも理解してなくて途方に暮れることもあり。
そりゃ僕も嫁もそれほど頭が良かったわけではないからカエルの子はカエルなんだけれども、それでも中学までは5教科はオール5をキープしていたのだが…。
悪いところばかり注目してもダメである。Rの長所もあるはずだ。ポリアンナのように「よかった探し」もしなければ…と見ると、国語と音楽はパーフェクトであった。音楽はピアノをやってるので当然だが、
「国語がイイとは意外だね…」
と呟いたら嫁も
「そうだよね。Rの作文って結構支離滅裂で…」
そう溜め息を付いた。Rは文章を書くのは好きだが、それが読んで分りやすいかは別の話である。
「タクの方がよっぽど上手いよ」
嫁は通信簿と一緒に返されたタクの作文を寄越したので読んでみた。驚いたことにスラスラと読みやすい上に面白い。なわとびを頑張ったことが書かれているのだが、友達と一緒に練習の仕方を考えて毎日励み、その結果見事に検定に合格し、嬉しかったので更に上の検定を目指す…という努力友情勝利の方程式が物語調に書かれていた。
「すごいねコレ」
「なんだかんだ言って本を読んでるからね」
Rもわりと図書室で本を借りてるんだけど…。
翌朝、子供達が起きたので
「通信簿を見たけれども…」
と話し始めると
「どうだった?ボク、どうだった?」
さあ褒めろやれ褒めろと満面の笑みでタクが迫ってきた。
「君は文句なし。でも油断してるとすぐ置いてかれるぞ」
「いえーい」
なんでもそこそこ出来ちゃうから努力しないし、まともに挫折した時に弱い。いつもはお調子者だが…。そしてRには
「算数と理科は特に頑張れよ。パパと一緒に勉強しようか?」
と励ました。
「うん…」
Rはしょぼーんとしてしまう。ダメ出しだけでは可愛そうなので
「でも国語と音楽は完璧だよね。得意なところはもっと伸びるよ」
「うん」
勉強以外では、クラスで一番のキレキャラの男の子に木琴の弾き方を根気よく教えていたという先生のコメントもあり、愛されキャラであるらしい。そういうところも評価したい。
よく嫁と料理もしてるから家庭科も伸びるかもしれないし。まだ家庭科の評価ってなかったかもだけど。
で、将来は料理評論家になって
「女将を呼べー!」
とか言ってみたりなんかして。
通信簿の話が美味しんぼになってしまった。
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■おはヨーグルト。
2014年03月25日(火)
ある休日のお昼時。
「なに食べたい〜?」
と嫁。ゴハンを作る気はあまりないようだ。
「マック!」
娘・R(10才)と息子・タク(8才)がすさかずそう答えた。
「私もそれでいいかな」
嫁も子供達がそういうのを見越していたようだ。しかし僕は
「えーマックー?」
マック赤坂は好きだが食べるマックはあまり好きではない。お腹が膨れないからだ。やはり米でないと腹持ちが良くない。日本人なら米を食え!そう主張したところ
「じゃあ、あなただけひとりどっかで食べてよ。そんで帰りにマックで買ってきて」
サクサクと嫁に指示されてしまった。ゴハンを別々に食べるとは…家庭断絶の危機を感じたのだが、やっぱマックだとあんま食指が動かないなー、ということで折れた。
「じゃあラーメン食べてくるよ」
ひとり寂しくラーメンを啜ることにした。ていうか米じゃないし。
そんなわけで昼飯調達にレッツラゴー。めんどいことに、最寄りの駅前にあったマックがちょっと前に閉店してしまったため、隣駅の店舗まで行かなければならない。
隣駅前のラーメン屋でガッツリ食べた後、マックに入った。レジではベテラン風のおばさんが立ち、接客をしていた。
その後ろにドリンクサーバーがあり、その周りをちょっとオロオロした動きでドリンクを作っている女の子がいた。すんごい可愛い女の子で、年の頃は高校1、2年生ぐらい、動きも表情も結構テンパっており、まだ入ったばかりの初々しい感じである。
嫁と子供達が買って来いと言っていた中にもマックシェイクチョコがあり、その女の子が作ってくれていた。きっとまだ慣れてなくて、覚えることも一杯あって一生懸命なんだなー、頑張る可愛い女の子はオジサン大好きだ…と甘酸っぱい気持ちで一杯になったままウチに帰った。
「早く食わせロー!」
飢えた野獣のタクは僕が差し出すとすぐバクバクと食べ始めた。そしてマックシェイクチョコを飲むと
「なんだこりゃー!酸っぱい!」
と騒ぎ出した。すわ異物混入かと緊張が走り、タクの手から奪って飲んでみると
「…思いっきりヨーグルト味だね…」
バッチリヨーグルトの味と匂いが混じっている出はないか。
「なんなのこれ?」
嫁は容器のフタを開けて、チョコシェイクとヨーグルトシェイクがブレンドされてるさまを確認した。タクは
「チョコが飲みたいよううううう。ヨーグルトまずいよううう」
と泣き出す。
「そんなんで泣くな!」
嫁はなんでこんなことになったのか訳が分からないようだったが、僕には分りやすすぎた。
「すっごいカワイイ子がすっごいオロオロしながら作っててさあ…僕そういうの大好きだからガン見してたんだけど、まさかそこにワナがあったとは…」
と嫁に説明すると
「なんだそりゃ!早く替えてもらってきて!」
また隣駅のマックにすっ飛んで行かなくてはならなくなった。タクよ、こっちが泣きたいぞ。
ただ、カワイイ子ちゃんが謝ってきても
「いや、そんなに気にしないで」
と、ベテランオバサンに怒られないようなるべくフォローするつもりであった。すなわちええかっこしいをしてみたいなあウヒョヒョと店に入っていったら…。
…カワイイ子ちゃん、もういなかった。休憩なんだろうか、もうシフト上がっちゃったのだろうか。フツーにさっき接客をされたベテランオバサンに説明し、フツーに謝られフツーに新しいのに替えてもらった。
さすがにちょっと一口飲んで、うん、今度はちゃんとチョコだ、と確認した。カワイ子ちゃんがいなかった寂しさのため、ネガティブなことが頭に浮かんでくる。
あのカワイイ子ちゃんも、すぐイケメンのバイト同僚やイケメン常連客とかに目を付けられて、
「君が欲しい。テイクオフで」
「それを言うならテイクアウトでしょ」
とか言って食われちゃうんだろうなあ…と。
甘酸っぱい気持ちになったらシェイクも実際甘酸っぱかったという話。
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■おもちゃへGO!
2014年03月19日(水)
「ずっとこの日を待っていたんだ」
「嬉しくてもう寝てられないよ」
朝からやたらテンションが高かったのは息子・タク(8才)である。
なんでもポケモンカードの新しいセットの発売日なんだという。買いに連れてけ、と言うんである。
「先週もポケモンカード買ったじゃないか。無駄遣いするな」
ちょっと頻繁に買い過ぎでは、と注意したところ、無駄遣いはしていないという。先週は商店街のクジで当たった商品券で買ったので、自分のお小遣いは減ってない、だから無駄遣いではない、というのがタクの主張するところである。
あっさり論破された僕は、タクを連れてトイザらスに向かった。特に買うモノはないが娘・R(10才)も付いてきた。おもちゃ屋って行くだけでワクワクするもんね…。うきうきするRや、トイザらスの建物が見えるとすっ飛んで走ってゆくタクを見ると、かつて自分もおもちゃ屋で感じていた心臓が飛び出そうなほどのワクワクを思い出す。
トイザらスとかつて自分が親に連れてってもらったおもちゃ屋を重ね合わせ、甘酸っぱい気持ちになった。
「あったよ!ここだよ!」
お目当てのポケモンカードなんとかセットやらを見つけて腕をぶんぶん振り回すタク。ちゃんと発売日に仕入れてくれる店でよかった。これで未入荷ですとか言われた日にはどんな修羅場が待ち受けていたことやら。
足が地面から浮き上がりそうなほど浮かれながらタクはレジでお金を払っていた。一方Rはいろいろなおもちゃを見てるようで
「パパ、今ね、妖怪メダルが人気があるんだよ。ここも売り切れだって」
「ふーん」
現在ものすごい品薄中だという人気オモチャを教えてくれた。メダルといえば、かつて仮面ライダーオーズという何年か前のライダーシリーズに出て来た「オーメダル」というメダル型の変身グッズたあって、これもまた当時大人気で、そういえばそれを買うためにこのトイザらスの前で朝4時とかから並んでいたことよなあ…と思いだした。
オーメダルをプレゼントしてくれたのはサンタという設定になっているため、子供達にはその思い出は語れない。しかしオモチャメーカーもおんなじことを繰り返してるんだな…。
「パパー…」
会計を済ませたタクが戻って来た。
「買えたかい?」
「うん、でもね、買った人にはポケモンのステッカープレゼントって書いてあったのにもらえなかったんだよ」
「え、そんなこと書いてあった?」
「あるよ!ほらココ」
「あーほんとだ」
商品棚の脇に、ご購入された方先着順に、ステッカー差し上げますというPOPがあった。さすがタク、全力でワクワクしてるからなにひとつ見落としてない。僕なんかとっとと帰りたいからカワイイ店員さんしか見てないわ。
「じゃあ店員さんに言ってもらってこい」
「やだ、パパが言って!」
いつもはお調子者のくせに、変なところでシャイなタク。じゃあ、ということで先程チェックしていたカワイイ店員を捕まえてステッカーをゲット。あ、これパパもらっちゃっていいですか。え、ダメ?
買った後もダラダラと店内を物色するRとタクを店外に出すのがわりと大変で。こちとら腹減ってんだ、とっととラーメンでも食いに行きたいんである。
トイザらス その後はラーメン クイアらス。なんちて。
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■アイドルばかり目指さないで。
2014年03月18日(火)
嫁がケータイに来たメールを見ながら
「○○ちゃん、今日出るんだって!」
息子・タク(8才)のガールフレンドが今日放送の某ドラマに出るんだって、と言った。
「へー、じゃあ録画予約しよう」
録画しつつも観てしまったのだが、
「わー!本物そっくり!動いてる!」
街頭テレビで初めて番組を観た人、みたいなリアクションをしてしまった。僕もこの子とそのお母さんとは少しだけ話したことがある。
また、以前駅前の飲み屋で近所のオッサン達と飲み、へべれけになって歩いて帰る途中、この親子を見かけたこともある。ふたりともとても疲れた顔をして、重そうなキャリーバッグをガラガラ転がしてツカツカと歩いていた。
こんな遅い時間まで仕事かレッスンか…大変だな、と、思わず声をかけようとしたが、彼女達に比べ、だらしなく酔っ払ってるだけの自分が恥ずかしくなり、見付からないように身を隠してしまったものである。
テレビに映ってる彼女にその時の辛そうで眠そうな彼女をの姿を重ね、ちっちゃいのに大したもんだ、と感心し、
「Rも女優かアイドルになるか?」
娘・R(10才)に聞いてみたら
「やだ」
即答された。そう返されるのは分かっていた。もう何十回も聞いてることだし…しつこくて嫌われるかしらん。Rはとにかく目立つのがキライな子なのだった。そのくせ家の中ではわりとおバカなところがあって、
「ねえパパー、きゃりーぱみゅぱみゅの曲かけてー」
「なんで?」
「Rが考えた踊りを踊るの。見ててね」
そんなことを言うので
「あははカワイイな。いいよ」
ふたつ返事で曲をかけてやったら、終わったら次の曲、終わったらまた次の曲…と3曲ぶんぐらいをぶっ通しで見させられてしまった。
「はいはい、上手だねー」
ひとまず褒めねばならぬ。そして
「やっぱりアイドルかなんかになったら?」
「やだ」
うーん、身内はいいが、よその人に見られるのはやっぱりイヤなようだ。まあ別にいいか。考えようによってはRというアイドルを独り占めできるわけだし。
僕が好きなNegiccoというアイドルは地元を中心に活躍する「ご当地アイドル」と呼ばれている。だから「ご家庭アイドル」というジャンルがあってもいいじゃなーい。
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■お菓子を返せばいいじゃない!
2014年03月17日(月)
バレンタインデーに手作りのお菓子を作ってくれた子供達に、ホワイトデーのお返しをしようと思っていた。
あげるのはコレ、大好きなアイドル・NegiccoのDECOチョコ。なかなか買えるものではない。子供達もNegicco好きだし、中身はこれもまた子供達が大好きなチロルチョコなので無難な選択であろう。
そして嫁にも何かあげることにしていた。嫁は何もくれなかったが、子供達に作らせているのは嫁だからね…。さすがに嫁にアイドルグッズというのはちょっとアレだったので、子供達とは別のものを買っておこう、忘れないでおかないとな、と思っていたら、前日まですっかり忘れてしまっていた。
気付いたのが前日、それも仕事帰りだったもんだから夜遅くて、最寄りの駅を降りたあたりで開いてる店は深夜スーパーとコンビニしかなかったんである。そんなしょぼい店でもホワイトデーのコーナーぐらいあるだろうと思って入ってみたら、スーパーにもコンビニにもない!
僕と同じで忘れてるんじゃないのか、とか、ホワイトデーなんて所詮受け身のマイナーイベントだから取扱いされないのか、とか、そんなことをツイッターで呟いたら
「買うの遅過ぎませんか」
と言われてしまったり。確かに。その頃には日付が変わり、ホワイトデー当日に突入してしまっていた。
仕方がないのでホワイトデー当日の残業中にこっそり抜け出して職場の近くの洋菓子屋で買い込み、なんとか渡すことが出来た。
「たいしてなんにもしてないのにすいませんねえ…」
嫁は別に嬉しそうでもなかったがまあよい。子供達は
「ねぎっこだー!」
と喜び早速食べていた。タクなどは好きなお姉さんの包装にもかかわらずバリバリと無慈悲に開けてそりゃもうバクバクと。そしてRは
「これデコチョコっていうの?じゃあRも自分でデコるね」
などと言ってバナナを切ったものを乗っけて食べたりしていた。面白い発想だなあ。
せっかくのアイドルグッズを食べさせてしまって、もったいなくないのか?
いや、ちゃんと自分用にもうひとつあるんである。
ホワイトデーだけど、これは誰にもワタサヘンデー。
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■サクラサク。
2014年03月15日(土)
息子・タク(8才)が
「パパに聞かせたいいいニュースがあるんだ」
と言うので、テストで100点取ったとか、女の子からラブレターもらったとか、そういう話かと思って
「なんだい」
と聞いてみたら、
「ポケモン竜王戦に出られるー!」
満面の笑みを返された。ポケモン竜王戦とは、ちびっ子たちがポケモンのゲームソフトやポケモンカードを使ってバトルする大会である。ウチはDSなどのゲーム機はまだ買わせていないので、タクはポケモンカードゲームにはまっており、そのカード部門の大会に出たい!とずっと言ってきたのだ。
はじめは1月ごろに行なわれる竜王戦の予選(勝ち抜くと決勝大会に出られるらしい)に申し込んだのだけれども、応募者多数だったようで、なんの連絡も来ず、つまり落選してしまった。タクはずっと
「まだ連絡来ないの?」
とソワソワしていて、ダメだと諦めた時は相当落ち込んでいた。それが追加公演的なラストチャンスの応募があり、改めて申し込んだところようやく「参加できるよ」という手紙が来て、タク大喜びとなったわけである。落胆していた姿がかわいそうだったので、本当によかった。
応募はポケモンのサイトから必要事項を入力してポチっとしたんだけれども、実は「カードゲーム」じゃなくて「ゲームソフト」のほうに間違って応募しちゃったんじゃないかとずっとヒヤヒヤだったんである。手紙を見ると「カード部門」と書いてあったのでホッとしたのは内緒である。
「よかったな。負けても泣くなよ」
と言うと、タクがウッと詰まる。
「そりゃ泣くんじゃないの」
横から嫁が笑う。そして嫁は
「タクを連れてける?」
と僕に言うので、そのつもりだ、と返事すると
「Rも見に行きたい〜」
娘・R(10才)も付いて行くのだという。Rはカードゲームはやらないけれどもポケモンは好きだ。なにかワクワクするものはあるのだろう。
「私も行くけど」
なんと嫁も行くという。息子が闘う姿を見てみたいだろう。単に場所が東京ドームシティなのでそっちが目当てなのかもしれないけど。
そんなわけで一家そろって行くことになりそうである。
ポケモンだけに、みんなノケモンは嫌なんである。
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■ノート言えない僕。
2014年03月12日(水)
「パパー、これいっしょにやろー」
と娘・R(10才)が持って来たのは1冊のノート。表紙には
「パパとRのこうかんノート」
そう書かれていた。交換日記か!
「そういえば、前やってたよね」
以前は僕とRと息子・タク(8才)の3人で回していたのを思い出した。タクが飽きてやめてしまったため終わってしまったのだった。
「だからね、こんどはパパとRのふたりでやるの。でもたっくんもやりたいって言ったら入れてあげるの」
「ふーん。でもRはお友達ともやってなかったっけ?あれも終わっちゃったの?」
Rは確かクラスの女の子数人ともノートを廻していたはずである。中身をちょろっとだけ見せてもらったことがあるけれども、やはり小さいとはいえ女の子で、誰々の好きな人は誰?とかそんなことがキャアキャア書いてあった覚えがある。そしてある子が書いた
「○○(あるクラスメイトの名前)ってどう思う?私だいきらい」
という問いかけには「私も!」「私も!」と怒濤のレスが付いており、やっぱ女って怖いわ、と震えたものである。
「うん…終わっちゃった」
Rは何かワケアリのような、言葉を飲み込んだような返事をした。子供ながら何らかの事情があったのかもしれぬ。それでも再びノートを持ち出して来るということは、よほどやりたいんだろう。
「わかった。やろう」
熱意に押されてイヤとは言えなかった。かつて僕は、近所のゲーセンにいたRちゃんというとてもカワイイ女の子とほぼ毎日手紙の交換をしていたことがある。そのRちゃんの名前をそのまんまRに付けたんだよ…ということはまだRには言えていない。
さて、Rからノートを預かって開いてみると、すべてのページにRが考えたフォーマットが既に書かれていた。まずフリースペース、ここに文章を書く、そして「今日のよかったこと」、「今日の悪かったこと」、「うわさばなしコーナー」、などなど…、R、気合い入りすぎ。
まずRが書いた「うわさばなしコーナー」には
「はんざわなおきの最終回にカメラマンがうつってるんだって!(みこちゃんが言ってた)」
という今更それかよ的なネタが書いてあった。
Rが書いた内容はいいとして、僕は一体何を書けばいいのか。なかなか筆が進まない。Rがやりたいことって、やはり誰々は誰々を好きで…とかそういう恋バナ的な内緒話を内輪でヒソヒソキャアキャアすることなのではないだろうか。交換ノートの最大の楽しみって内緒話の共有にある、そう思う。
しかし僕はRと同じクラスの女子小学生ではないのでそんなことは知らぬ。書けぬ。となると、親らしく説教めいたことを書くのか。それこそRが読みたくないテーマ筆頭な気がする。
となると天声人語チックに、身近な話や時事ネタから無理矢理政治経済の話にこじつけるような話にするか。子供相手だから池上彰さんばりにわかりやすく噛み砕いた文章にすることも必要だ。
…なんだかメチャクチャハードルが高くなってしまった。こんなんではすぐ息切れしてしまうだろう。
やはり普通に、日常生活ネタを書いてみようか…と書き始めてみた。まずフリースペースの文章には
「日曜日食べたラーメンはおいしかったね。あのお店は○○といってこの辺じゃ有名な店で…」
一緒に食べたラーメンのことを書き、「よかったこと」のコーナーには
「ラーメンおいしかった」
と書き、「うわさばなしコーナー」には
「××のラーメンもおいしいらしいぜ」
と書き、ってラーメンのことばっかじゃないかー!小池さんかよ!全部消して頭を抱えた。しょっぱなから交換ノートを終わらせてしまいそうなぐらい難産である。ネタが思い浮かばない。
このままだと交換ノートが休刊ノート。なんちて
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■商店GUY
2014年03月11日(火)
ちょっと前に近所の商店街でのイベントで抽選会があり、娘・R(10才)と息子・タク(8才)にクジを引かせたところ、それぞれ区内共通商品券をもらった。
タクが1,500円分、Rが500円分。
「ボクの方がくじ運いいんだぜー!」
タクはすげえだろと鼻高々だ。それを優しい目で見守るRはさすがお姉ちゃんである。しかしRだってくじ運はいいんである。年末の福引の時は、タクが1等の1万円券を当て、Rは2等の「吉幾三コンサートチケット」を当て、姉弟でワンツーフィニッシュを決めた。幾三チケットの実用性うんぬんは置いといて、Rだって実績はあるのだ。
さて、この商品券の使い道については当然Rとタクに決める権利があり、Rはそんなに物欲が激しくないので特に決めていないが、タクは
「ポケモンカードを買いたい!」
今彼が一番欲しい物に使いたいのだ、という意志が強かった。
「ねー、この券どこで使えるのォ?」
タクは僕の背中にへばりついて離れなかったのでインターネッツで調べてみた。区内共通商品券を発行している商店街連合会のサイトが見つかり、そこに扱える店が載っていた。
こういうのって地元の個人商店のような小さなお店が主体なので、トイザらスとか西友(大きなおもちゃ売り場がある)とかは使えないんだろうなあ、と思ったらやっぱり使えなかった。
使えるお店リストをしらみつぶしに見てみたが、この商品券が使えるおもちゃ屋はほんの4〜5件しか見つからず驚いた。まずおもちゃ屋そのものが少ない。人口70万人を擁する区なのに数えるほどしかないなんて、おもちゃ屋経営って厳しいんだなあ…。
目星を付けたのはチャリで行ける距離にあるおもちゃ屋。そこに行ってみようと考えたが、行ってみたけどポケモンカードが売ってませんでした、というワナにかかるのは嫌なので、念のため電話してみたら
「ありません」
ガーン。さらに2軒ほど問い合わせてみても扱っておらず、
「ありますよ」
ようやくポケモンカードがあるお店を見つけたが、そこはウチから何駅も離れているところであった。ていうか何故僕はここまでムキになって探しているのだろう…。
「あることはあったんだけどねー、遠いんだよ。チャリじゃ行けないんだよ。電車でしか行けないんだよー…」
遠まわしにやめようぜ、とタクに言ってみたのだけれども
「じゃあ電車で行く」
「商品券は使えても電車賃が余計にかかるから全然お得じゃないだろ」
「やだ!行く!」
もうタクにすればそういう損得勘定は頭の中に菜なく、とにかくポケモンカードを手に入れたい、それだけであった。
「よし、じゃあ行くか」
「うん!」
僕が連れて行くことにした。
「えー電車賃かかるのに…まあ行ってらっしゃい。ワタシは家にいる。昼ゴハンは適当にどうぞ」
嫁も顔を曇らせていたが、そうしないとタクの気持ちが治まらないだろう。仕方ないのだ、という顔をしてタクとRを連れて出掛けたのであった。
表向きには仕方ないとしながらも、そのおもちゃ屋がある街には有名なラーメン屋があり、また、ボートが乗れる池がある公園もあることを僕は思い浮かべていた。
実は、うまいラーメン食って子供達とボートに乗ったら楽しいだろうなー、とワクワクしてしまったんである。そのワクワクに勝てず、出かけてしまった次第。そういう楽しみがなければとっとと金券ショップで売っているところだ。
タクはその最寄り駅に降りた瞬間
「あと何メートルでおもちゃ屋?あと何歩でおもちゃ屋?」
というしつこい質問を何度も浴びせ(何時何分何秒!地球が何回回ったとき!並にしつこい)、おもちゃ屋に着くまで暴れ馬のようだったので、手を繋いで抑えるのに必死であった。
おもちゃ屋ではニコニコ顔でポケモンカード3袋ほど買い、物欲が満たされると
「おなかすいた!」
案の定腹減ったと言ってきたのでお目当てのラーメン屋に。待っている間にカードの袋を開けて
「やったー」
強いカードが出たようで喜んでいた。
「ねえ、Rにもひとふくろ開けさせてー」
「いいよー」
機嫌がいいのでRにも気前がいいタク。
お目当てのラーメンはさすがにうまかった。Rとタクもズビズバーと物凄い勢いで食べていた。
そんなわけでオモチャ買ってラーメン食って商店街の売上に貢献した。がんばれ商店街!
「パパ、来週もまた来よう!」
「なんでだ!」
もう勘弁してくださいよ…。
タクの頭は奇しょうてんがい。なんちて。
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■僕、池面。
2014年03月10日(月)
石神井公園に子供達を連れてってボートに乗ってきた。
ボートには手こぎと足こぎと足こぎ(おまるver.)があり、娘・R(10才)は
「手こぎがいい!」
と言い、息子・タク(8才)は
「足こぎがいい!」
と主張、意見が真っ二つに分かれてしまった。話し合ってどちらかにせよ、と申し付けたのだがカヤカヤカヤカヤ言い合って全く譲り合おうとしない。
「ええい、手こぎも足こぎも両方乗ったるわー!」
ということで両方30分ずつ乗ってしまった。いいお値段だったので、言ってから後悔。手こぎも足こぎも、お値段はあこぎ。
まずは手こぎボート。初めは僕がガシガシオールをこいでいたが、
「やりたい!」
意外と子供達もめんどくさがらずに食い付いてきたのでこぎ方をレクチャーしてみた。
こぎ方うんぬんより、場所を交代するたびにフラフラ立ち上がるので、池に落ちそうなところが一番心配であった。
続いて足こぎボート。左右の座席にペダルがあり、僕とタクがこいだ。Rは真ん中に座りハンドルを握る。
この日はポカポカと暖かかったので、春の海、ひねもすのたりのたりかな、みたいにボートの上でのんびりしたく、缶コーヒーを買って乗り込んだのだけれども、とても飲んでるヒマがなかった。
「あそこの橋まで行くんだー!」
「時間がない!急げー!」
子供達のテンションの高さにより、泳ぐのを止めたら死んでしまうサメの如く、ひたすらペダルをこぎ続けるハメになった。
石橋を叩いてくぐる。
その後も、池の水面にまで垂れ下がっている松の木の枝があり、
「あそこまで行って!マツボックリ取りたいから!」
とか
「カモを追いかけて!手掴みしたいから!」
とかムチャクチャなことを言うタクに振り回されつつ、あっという間に終わりの時間が来てしまった。一番慌ただしいボートだったのではないだろうか。
ボートから降りた後は「おなかすいた!」とうるさいのでポップコーンを買っておやつ。
地元の殿様とお姫様の顔ハメ看板。何故かRが殿でタクが姫。戦に敗れ、この池に身を投じたという悲しい伝説があるのだが、おちゃらけすぎ。
「どうだい、手こぎボートも面白かっただろう」
足こぎ派だったタクにそう言ってみると、
「うん、そうだけど、足の方が楽だなあ」
「手こぎのやり方を覚えておくと、将来デートでステキって言われるぞ!」
「そうか!」
手こぎの重要性を説いた僕であった。
手コキの店も大好きだ。
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■選曲の戦局。
2014年03月09日(日)
嫁が息子・タク(8才)に
「ほら、パパに言いなさい」
と急かしていた。どうやら僕に頼みごとがあるようだ。タクは「そうだ」とハッとした顔になって
「パパー、ぱひゅーむのCD貸してー」
と僕にお願いをしてきた。学校で、来週の給食の時間にかける音楽に使うのだという。各クラスで持ち回りで児童がかけたい音楽を流しているらしい。タクはそのうちのひとりになったという。
僕は小学生の頃放送委員だったのでまさに給食の時間に音楽を流す係りだったが、クラシックしかダメって言われていたので時代も変わったものだなあと羨ましくなった。単に僕の学校が異常だったのかもしれんが。逆に高校生になると友達が放送委員だったので、よくテクノとかハウスの曲を持ち込んでかけてもらったもんだ。
「Perfumeのどの曲がいいんだ?」
Perfumeといっても、ちと曲がたくさんござんす、と聞くと
「みゅーじあむがいい」
この曲がいいのだという。
「PerfumeもいいけどNegiccoとか"魔女っ子クラブのお姉さんの歌"とかにしろ!」
つい僕は自分の好みを押し付けてしまった。
Negicco/ときめきのヘッドライナー
水曜日のカンパネラ/ミツコ(子供達から"魔女っ子クラブのお姉さん"と呼ばれている)
するとタクは
「それもいいんだけどね、みんなが知ってる曲がいいんだよ。『みんなのミュージアム』はドラえもんの映画の曲だからみんな知ってると思うんだ」
好みをゴリ押しする僕よりも遥に冷静な意見を言うではないか。確かにそう言われるとぐうの音も出ない。Negiccoはまだまだマイナーだし、水曜日のカンパネラはそれに加えて歌詞的がちょっとアダルト向けだし。学生割引3,000円ポッキリデース。
「でもウチにあるCDだとPerfumeよりきゃりぱみゅの方が人気あるんじゃないの?小学生には。きゃりぱみゅもクレしんの歌になってたろう?」
きゃりーぱみゅぱみゅ/キミに100パーセント
「うーん、でもPerfumeがいい」
そこはタクの好みのようだ。
「まあそこは君のセンスに任せるよ」
BGMだけに、オヤジのたわごとは聞き流してくれたまえ。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
■あかりをつけましょ、しょんぼりに。
2014年03月06日(木)
ひな祭りの日の晩ご飯は、嫁が気合いを入れて作っていた。
イクラ、海老、さくらでんぶ、などで赤・ピンク系統の色合いになったちらし寿司、蛤と手まり麩のお吸い物、刺身、春限定のいちごモンブランケーキなど。食卓が春の花のようだ。
「よくできた!写真!食べる前に写真!」
嫁はごちそうの出来映えの良さにテンションが高まり、自分で自分を褒めていたケータイのカメラを構えながら
「ほら、R、ミュージックスタート!」
さらにテンションを高めたいのか、娘・R(10才)に雛壇にあるオルゴールを持って来させ、「雛祭り」のメロディが流れた。とっとと撮れよ。
で、嫁が満足のいく写真を撮り終わってからようやく僕らは「おあずけ」から解き離れたので、ものすごい勢いでいただきまんもす。
特に息子・タク(8才)などは、ココ最近ずっと「刺身食べたい」と呪いのように執拗に言っていたので大喜びでマグロサーモンを食べていた。
「コレ何?」
「それはトロだね」
「おいしい!」
ああ、また高い食い物に目覚めさせてしまった…。
「ねえ、甘酒もあるけど飲む?」
と嫁。料理に気合いを入れているだけあって、おもてなしも手厚いようだ。いやあん、旦那酔わせてどうするつもり?なんつって。
「じゃあくれ」
と言うと、ほらよ、と嫁が持って来たのは森永の缶の甘酒で、ゴンとテーブルに無造作に置かれた。冷たいまま飲めってか。大事なところでおもてなしが片手落ち感。
暖めて欲しいところであるが、いつも仕事から帰って来てご飯を食べようと思い、既に嫁が作ってくれている晩ご飯を暖めてくれ、とお願いすると、暖めるぐらい自分でやってよ、と常に言われているので、今日もそう返されるに決まってるだろうと思い、席を立ってレンジで温めようとすると、
「あーいーから、やるから!」
なんと嫁が僕から缶甘酒を取り上げて暖めてくれるではないか。
「それぐらい自分でやれ、って絶対言うと思ったのに」
と僕が言うと
「今日のごちそうは完璧に作りたかったから、そこまで自分でやりたかったの。いつものどーでもいい晩ご飯は、その通り、自分でやってよ」
自分で自分が毎日作る晩ご飯をどーでもいいとか言っちゃいますか。
やってくれって言うと怒られるし、やるからって言っても怒られるし、嫁のダブルスタンダードは難しい。結局嫁のさじ加減なんである。
やらせてって言っても怒られるし…。
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■ゴハンがないならお菓子を食べればいいじゃない!
2014年03月05日(水)
前日の日記でボウリングのことを書いたけれども…。
あれは昼飯抜きでやったんである。児童館で遊べなくてわたわたしてて、ボウリング場に着いた頃が既に14時頃で。どうせ混んでて待たされるだろうから、待ってる間になんか食ってりゃいいや、と思ってまず受付をしたらすぐ出来ますよ、ということで…。
「なんかコンビニでおにぎりでも買ってくるかい?」
食いながらやろうぜ、としたところ
「やだ、ボウリングしたい!」
食べるヒマも惜しく、とにかく投げたいんだ、という強い意志が娘・R(10才)と息子・タク(8才)にはあった。勉強とかピアノにもその情熱が欲しい。この子達は朝がダラダラし過ぎて、朝食を食べ終わったのが11時前ぐらいだったのでそんなに腹が減っていなかったのだろう。
しかし僕は朝から何も食べていなかったので腹減って腹減って…。ボウリングを3ゲームやり終えた後は既に16時を回っており、昼飯どころかおやつの時間も過ぎてしまっていた。今からメシ食うってのもなあ…晩飯に差し支えがある。なので
「おやつ買ってやるよ」
ボウリング場を出たところにちょうどお菓子の安売り店があったのでそこで買ってやることにした。
「いくらまで買っていい?」
「150円!」
いつもは100円なのだが、腹減ってると思うのでちょっとだけサービスだ。Rとタクはじっくりと時間を掛けて駄菓子のコーナーで品定めしている。まるで僕がアダルトなヴィデオを選ぶかのように。表のジャケットに騙されるでない、きちんと裏面もチェックするのじゃ、ほっほっほ、って違う。
ふたりは、うーんと唸ったりブツブツと計算しながらお菓子を選ぶ。この計算が算数の勉強にもなる…とか考えてみたりして、いつまでもなかなか買うモノが決まらないイライラを誤魔化す。
ふたりの様子を覗いてみると、どうもRよりタクの方が計算が速いんである。タクが優秀なのか、Rがトロいのか…おそらく後者なのだろう。どうしたもんか。
僕も余りにも腹が減っているので子供達が迷っている間にキャベツ太郎とかビッグカツとか買い込んでしまった。
「パパー?」
「うん?」
Rがいくつかのお菓子をカゴに入れて持って来た。そして
「150円以上あるかないか分からなくなっちゃったから一緒に計算して?」
と言うではないか。やはりRは計算にもたついていた。
「ああ、いいよ。じゃあ大きいヤツからいってみようか。このアポロチョコは?」
「105円」
「じゃあこのマーブルチョコは?」
「105円」
「はいアウトー!」
「ええっ」
「ええっじゃないだろ!こんな分りやすい計算、なんですぐできないんだっ!」
まさかここまでのレベルだったとは…。タクですら
「もう210円じゃん!だめじゃん!」
速攻でツッコミをいれているのにRは1分ほど考えた後に
「……あ〜そっか〜。えへへ」
ようやく理解したようだ。大丈夫か春から5年生…。さっきもボウリング場でトリプルアクセルの練習してたし…。
お菓子だけにちょっとおかしい。
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■涙雨ボウリング。
2014年03月04日(火)
雨がしとしと降る日曜日。
「ボクはパパとドッジボールがしたいよ」
と息子・タク(8才)が言うので、広い体育室がある児童館に連れて行った。児童館に着くと
「いらっしゃーい!」
いつもとは違いメチャクチャテンションが高いおばさま達が出迎えてくれた。よく見ると「人形劇上演中!」という看板やポスターがそこかしこに貼られていて、何やらイベント中の様子。
「ボク、是非見てってね!すっごい楽しいから!!さあどうぞどうぞ!」
おばさま達はキラキラな笑顔で僕らを招き入れる。反面、一抹の不安を覚えた僕は
「もしかして、今日は体育室は使えないとか…?」
と聞いてみたら
「そーなんですよー。その体育室で人形劇やってるんですよ!」
おばさまの説明を聞いた途端、タクの目から涙がぶわっと出て、僕の腹あたりに顔を埋めて
「う…うううう…」
シクシク泣き出してしまった。
「あらー、ボク、楽しみにしてたのー、ごめんねー…」
おばさんはバツの悪そうな顔をしてるしタクは僕にしがみついて泣いてるし、居たたまれない気持ちになり、とりあえず児童館を離れた。来る前に休みじゃないかだけは確認してきたのだが、まさかこういうワナがあったとは…。
僕とドッジボールしたいというタクの願いは是非叶えてやりたい。しかし
「他に室内で暴れられるところって…思い浮かばないんだよ。諦めてくれ」
と家に帰ろうとしたところ
「やだ!」
超ワクワクしていただけあって、その反動がすごい。親の仇を見るような目で睨まれた。僕、親だけど。
「じゃあカラオケは?」
「やだ!」
体を動かし、なおボール遊びじゃないとダメらしい。
「じゃボウリングは?」
「行く!」
タクの顔が急にパアッとなった。その頃嫁と娘・R(10才)は買い物をしていたので、嫁と合流して、これこれこういうことになったのでボウリングしに行くよ、と伝え、Rも連れてボウリング場まで行った。
「いやっほー!ボウリングー!」
泣いた息子がもう笑う。Rと一緒になって超楽しそうに笑っているタク。逆に高くついた僕が泣きたくなった。児童館ならタダだったのに…。
基本、僕も全くの自己流であるし、子供達にもスコアは二の次で好きに投げさせてやっていたのだが、Rの投げ方があまりにも女の子女の子していたので、少しレクチャーをしてみた。
「じゃあちょっとそこでやってみな」
「うん」
ボールを持つ前にシャドーピッチングをやってみろ、と言ってみたところ、
うわーん!ボウリングの練習しろって言ったのにトリプルアクセルの練習やってるよおおお!
面白すぎるから君、お笑い芸人になりたまえ。
ボウリングだけにピン芸人なんちて。
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■あなたの知らな(くても別にい)い世界。
2014年03月01日(土)
夜の早いうちに仕事から帰って来た。
玄関のドアノブをワザとガチャガチャしてみる。家の中の子供達が「あ、パパだ!」と気付いてキャアキャアするのをを期待してのことだ。すると玄関のドアの脇にある、小さな曇りガラスにスッと影が映った。影の大きさからすると嫁であろう。ここで僕は慌てた。
僕が家の鍵を持っておらず、開けてくれ、という意味でガチャガチャしているのだ、と嫁が勘違いしてしまい、
「まったくもう!鍵忘れんな!」
とプンプンしながらわざわざ開けに来てくれたのでは…と思ったからだ。今までこういうことは何度もあったのだ。僕はすぐさま家の鍵をポケットから取り出して、ゴリゴリと鍵穴にはめた。すると影はスッと向こうに消えて行った。
「鍵あるじゃん、なんだよもう」
という嫁の声が聞こえるようでますます慌て、扉を開けて家に入って、台所にいた嫁に
「いやー、ごめんね、紛らわしくて。わざわざ来てもらって」
と謝ると
「は?なんのこと?」
ワタシずっと台所にいてそっちまで行ってませんが何言ってんのアータ、と目を丸くして言われた。
「窓に君の動く影が」
「きゃー!ワタシそっちに行ってない!オバケじゃないの、こわーい」
あくまでも嫁は違うと言い張る。オバケの言葉を聞いて娘・R(10才)と息子・タク(8才)も
「え、ウチにオバケいるの?」
とがっついてきた。本当にオバケなのだろうか。ウチは貧乏長屋なので狭い。玄関から台所なんてすぐなので、僕が家に入るまでの間に充分移動できる距離である。
そして嫁のリアクションとその顔はすっ呆けすぎていてウソを言っている可能性が高い。これは長くツガイになっている勘だ。いつもはツンツンしているが、よくしてくれる嫁なので、僕のためにわざわざ扉を開けようとしてくれたことを認めたくないのだ。
これ以上いくら押し問答しても嫁はもうウンと言わないだろう。僕も別にオバケでも嫁でもどっちでもいいと思った。似たようなもんだ。信じるか信じないかは、あなた次第です!
そして嫁はオバケと聞いて目を輝かせる子供達に
「ワタシの職場にもいるのよ!自動ドアが誰もいないのに開くんだよ!」
とオバケネタを披露した。
「いやいや、自動ドアなんてそんな誤動作よくあることだよ」
心霊ネタとして出来が悪い。つのだじろうのマンガに鍛えられたオカルトマニアなめんな、と茶々を入れたら
「じゃあもうひとつある。防犯カメラに歩く影が映ってるのよ〜!主任とワタシが見たんだから!」
「それは僕も見たい!見れるかな?」
「えー…それは…もう何年も前の話しだし…」
「なんだよもう残念だな」
嫁の職場に現れるという心霊現象…信じるか信じないかはあなた次第です!
で、それからゴハンを食べて子供達が寝てグダグダしていたらいつの間にか嫁も寝てしまった。
残された僕、ひとり。さてどうするか…と考えたのは、先ほど嫁から聞いた話を思い出して怖くなったからではない。
ちんこいじるかいじらないかは僕次第です!
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