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■モテ息子。
2011年07月31日(日)
日記の順序が前後してしまうが、一昨日の朝、幼稚園のお泊まり保育を終えた息子・タク(5才)を迎えに行った。

娘・R(7才)とお手々繋いで幼稚園に歩いて行くと、僕らの他にも迎えに来た親でごった返していた。

「こっちだよー」

Rもここの卒園生なので勝手知ったる幼稚園内を走ってタクがいる教室まで走って行く。タクは教室内で帰りの準備をしながらニヤニヤしていた。僕とRが外から手を振っているのに気付くと

「パパとRちゃーん」

勢いよく飛び出してきた。担任の先生と

「さよーなら、ぎゅ」

とダッコしてもらいお別れの挨拶。

「泣いたりしませんでしたか?」

と聞いてみたら

「いえー全然元気で。みんなと一緒で盛り上がってたので寝たのが10時頃になっちゃいましたね」

と昨夜の様子を教えてくれた。しかしそんなことよりも、先生方も泊まり明けなのだろう、みんなすっぴんなのになんでこの人だけ化粧バッチリなんだろう、ということが気になって仕方がなかった。

「あ、○○せんせいー」

「きゃー、Rちゃーん」

Rの年中の時の担任だった○○先生なんて、油でテッカテカなのに。

先生と別れ、幼稚園を後にする僕ら。

「あ、さよーならー」

何人かタクの同級生とその親と擦れ違ったので挨拶をする。そのうちとある女の子とそのママさんもニッコリ笑いながら「さようなら」と僕らに声をかけて自転車で去って行った。

「あっあの子、たっくんのことが好きなんだよ」

とR情報。

「えー、そうなの!」

僕ビックリ。

「うん。僕のこと好きみたいなんだけどね」

困っちゃうんだよね、みたいな顔をするタク。なにそのモテ男みたいないっちょまえな態度。パパはモテモテ遺伝子なんて持ち合わせてないから、お前をそんな風に仕込んだ覚えはありません。

「タクはあの子のこと好きじゃないのか?」

「えー。キライじゃないけど」

ふっと笑うタク。うわー。その余裕っぷりがますますニクい。

「じゃあ君が一番好きな女の子は誰だい?」

「うーん。みんなカワイイから誰が一番なんて分からないよ」

なにそのジャニーズ系アイドル的模範解答。一体誰に教わったんだろう。僕も一度でいいからそんな涼しげなツラで言ってみたかったなあ。

でも家に帰って1日ぶりに嫁に再会すると

「ママー!」

と飛び込んで行ったのでまだまだママが一番好きなのだろう。

一方で、Rが一番好きな男の子は…なんて怖くて聞けないのであった。

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■バレエにお呼バレエ。
2011年07月30日(土)
娘・R(7才)の友達で、バレエを習っている女の子の発表会があるという。

そのママがRと嫁を招待してくれたので

「じゃあ観に行っておいで」

僕はひとりと送りだそうとしたら

「いやーん、パパも一緒にきてえー」

とRがくっついてきた。

「そうやって一緒に行きたいって懐かれるのも今のうち。そのうち…」

嫁から昨日も言われたようなセリフを聞かされたので付いて行くことにする。

開演。

上は高校生ぐらいから、下は息子・タク(5才)と同じぐらいの子、というよりはタクと同じクラスの女の子もいて、白鳥の湖を演じている。

もっともステージ上の子達はメイクが濃すぎてみんな美輪明宏みたいな顔になっており、どの子が同級生かなかなか判別がつかず、プログラムをパラパラとめくってみた。出演している子達の名前と顔写真が載っているのである。思わずつい可愛い子を探してしまうのだが…。

「ふーん、この子がプリマか」

ちょうど今やっている白鳥の湖。ステージの真ん中で踊っている子の名前と顔写真を見つけた。

「いらっしゃいませーってやるやつ?」

タクが横から口を挟む。それはフリマだ、と突っ込んでおく。プリマ役の子は正当派美少女といった感じで、やはり踊りの技術もさることながらルックスも大事なのだろうか。

その横には白鳥というより寂聴といった感じの女の子の写真があったが、この子がプリマの子を妬み、トウシューズに画鋲を入れたりしたら…とか考えたら退屈なバレエの舞台も胸が熱くなってきて

「やっぱりバレエといえば画鋲にトウシューズだよね」

「私、白鳥の湖を観るたびに文明堂のCM思い出すわ」

嫁と教養のかけらもない無駄話をしながら鑑賞した。

しかし我が子の発表会ならともかく、よそさまのお子様のなので正直わりとどうでもよく、ものの10分で飽きてしまった。血は争えないようでタクも僕が飽きだした頃からだんだん席に落ち着いて座らなくなりソワソワし出す。

「静かにしなさい!」

と注意したら急に顔色を変えて

「うんち…」

慌ててトイレまで駆け込む。無事間に合うことが出来、

「ちゃんと拭けた?」

とお尻を僕に向けるタクの足元は何故かポワントであった。一方Rは演劇や踊りは大好きなので最後までじっくり食い入るように見ていた。終わった後、お友達と上手だったねーキレイだったねーなどと話して帰るころにはもう9時を過ぎていた。

普段ならもうとっくに寝ている時間なので急いでゴハン食べて風呂入らせて寝させたらものの5分でふたりとも爆睡。その後僕の股間の白鳥がポワントし始めたが、嫁に軽くあしらわれたので夜のパドゥドゥは出来なかったのであった。

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■幼稚園オールナイトロング。
2011年07月29日(金)
夜、家に帰って来ると息子・タク(5才)がいなかった。

幼稚園の「お泊まり保育」である。男の子も女の子もひとつの教室に布団を敷いて寝るんだという。幼稚園児ならではのお楽しみであることよ。朝、出掛ける前に

「ママがいなくてもお泊まり大丈夫かい?」

と聞いてみたが「大丈夫!」と力強い答えであった。もっとも既に何度か僕の実家に娘・R(7才)と共に泊まった経験があるので、親がいない夜は初めてではない。そこは本当に大丈夫だろう。しかし

「タオルがなくて大丈夫かい?」

これにはタクも「うーん」となった。タクは未だにハンドタオルを持ち、口や鼻に当ててふんふんしないと心が落ち着かないという、喫煙者みたいな癖がある。僕ら家族の前では普通にふんふんしているが、自分でもあまり格好いいことではない、という自覚はあるのだろう、同級生の目がある幼稚園では絶対やらない。

僕と外を歩いている時でもタオル片手にふんふんしているが、道端で同級生に会ったりすると慌てて僕にタオルをぶん投げてくる。その姿を見られたくないらしい。だから当然お泊まり保育にもタオルは持って行かないはず。

吸いたくても吸えないという気持ちは僕にもよく分かる。タバコを吸いたくても吸える場所がない、おっぱいを吸いたくても吸える女体がない…親がいない寂しさよりもタオルを吸えない物足りなさの方がタクにとっては大きな問題となるだろう。

しかしタクは「うーん」としばらく考えた後

「わかった、タオルの代わりにパジャマのすそをふんふんする」

「こっそりふとんをふんふんする」

等対策を編み出しており、逞しくやっていけそうな感じであった。

そんな感じでタクは幼稚園に泊まりに行ってしまったので、今夜は僕と嫁と娘・R(7才)だけ。Rは

「おとまりいいなあ〜楽しかったな〜」

Rも幼稚園年長組時代に経験しているので、羨ましそうに、またちょっと寂しそうにしていたので

「パパと一緒に寝る?」

おいでおいでをしたら

「ねるー!」

と懐に飛び込んできた。愛いやつじゃ。ちこうよれ。

「そうやって一緒に寝るって懐かれるのも今のうち。そのうち…」

横から嫁が地獄からの囁き声のような低いウィスパーヴォイスで意地悪なことを言うので、ああそうか、さっきからなんとなく胸がチクチクしていたのは僕も寂しいからなのだと気付いた。

親がいなくてもお泊まりができるようになる。親から離れて行くようになる。そして親は残される。一番寂しいのは僕だった。

とどのとまり、いや、つまり、そういうことなのである。

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■娘カレー。
2011年07月28日(木)
夜、家に帰って来るとカレーの匂いがした。晩ご飯はカレーなのだ。

「今日のカレーは娘が作りました」

どうやら娘・R(7才)が一生懸命お手伝いしたらしい。僕の机の上を見ると、

「カレーのつくりかた」

と題されたレシピがチラシの裏何枚にも渡りびっしりと書かれていた。「じゃがいものきりかた」なんていうイラスト入り図説もいっぱい。多少日本語はたどたどしいが、大したものである。

肝心のカレーそのものも、嫁が作る時よりも具が大きくておいしかった。「具が大きい」という言葉が流行ったカレーのCMは安達祐実だったなあ…。

Rの努力を褒めてやりたいところだがもう既に真夜中。Rはとっくに寝てしまっているので、明日褒めてやりたい…などと考えながら改めてRのレシピを眺めていたら、わずかに開いたフスマから覗いている目が…。そして

「パパ…」

「どわあああああ!」

目を覚ましたRであった。真夜中ふと目を覚ましたRが怖くなって僕の所に来るのは、何度もやられて分かっているのだが、フスマの間から目が覗いていたり手がにゅーっと伸びてきたり突然声をかけられるのは分かっていても怖い。

「はいはい、目が覚めちゃったのね。一緒に寝ようねー」

僕がそばに来たので安心したのか、Rはすぐ寝てしまったのでカレーのことはやはり明日言うことにしよう。

昨日の日記で書いた、自由研究のテーマはこれでもいいんじゃないだろうか。もうちょっと丁寧に書いて写真とか付ければ充分イケる!

自由研究は何にするのか、昨日Rは「おばあちゃんにおしえてもらう」としか言ってくれなかったが、翌朝改めて

「Rちゃん、自由研究なにするのー?」

と聞いてみたら

「おばあちゃんにB'zを教えて貰うの」

とのことだった。母は氷川きよしが大好きで、家中にポスターがベタベタ貼ってあるし何十回もライブに行っているのだが、B'zもだったのか…って違うわ。

ビーズ細工は確かにこないだ栃木に帰った時にやってたけど、糸の結びが甘くてすぐバラバラになってしまい、回収するのが大変なんだよなあ…。

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■研究がフリーダム。
2011年07月27日(水)
夏休みでもプールだの補習?だかなんだかで学校に行く娘・R(7才)。

「パパー。はやく!」

今朝もRに急かされて一緒に家を出た。程なくしていつも一緒に行くAちゃんも出て来た。ふたりとも水着やタオルが入ったビニールバッグの他に、筆箱やノートや教科書を突っ込んだ大きな手提げ袋もぶら下げている。

「重そうだねぇ。だいじょぶか?」

ふたりとも学年一二を争うちびっ子のため、余計荷物がでかく見えるのだ。

「ランドセルがないから重くないよ!」

しかしふたりは見た目よりたくましいらしい。

「宿題やってるかい?」

夏休みといえば宿題である。Rも漢字の書き取りなどをやっているが、よその子はどうなんだろ、Aちゃんに聞いてみると

「うん。自由研究やったよー」

「おお、自由研究か!」

自由研究。なんて懐かしい響きなのだろう。いや、今でこそノスタルジーに浸れるが、実際自分が宿題として出されていた頃は一番やっかいなものであった。

自由に研究するといったって、何をやっていいか分からない。というよりも「ホントにコレコレこういうことをやってもいいのか?」と悩むことの方が多かったと思う。自由と言われたからと言って本当に自由にやるほど度胸が据わった子供ではなかった。

今だったら「ガラスの仮面研究〜亜弓さんは何回白目になったか〜」とかやるのになあ…。(ちょうど今日最新巻を読んでいるところなのである)

「Aちゃんは何をやったんだい?」

「押し花をいっぱい作ったの〜」

「あらー。押し花とはまた懐かしいなあ」

Aちゃんは夏休み最大の難敵をもうやっつけてしまった。うちのRはどうなんだろう。頭がお花畑なので何も考えてなさそうで心配になったが、

「Rは何をやるか決めてるのかい?」

「うん!」

意外にも自信ありげな答え。

「何やるんだい?」

「ないしょ」

「ええっ!」

「こんどおばあちゃん家(僕の実家)に行ったときに教えて貰うの」

「おばあちゃんが得意なことかい?」

「うん」

うーん。なんだろう。母がRに教えられるほど詳しいモノというと…、

「分かった!氷川きよしの自由研究だな!」

「違うよ!」

Rに怒られてしまった。確かに小学2年生の自由研究にしては渋すぎる。結局Rは何故か頑なに教えてくれなかったが、

「パパもけんきゅーしてみれば?」

とイタズラっぽく笑った。いいえ、のーせんきゅーです。

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■血湧き盆踊る。
2011年07月26日(火)
土曜日に引き続き、日曜日も町内の盆踊り大会。

この日は娘・R(7才)は浴衣に、息子・タク(5才)は甚平に着替えて会場である公園にレッツラゴー。会場では町内の偉い人の

「え、籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人、という言葉がありますが、この盆踊りも様々な人達の手作りで行なっています…」

などというアナウンスが響き渡る中、昨日の日記に書いたボンマスターはこの日も元気に踊っていた。Rも昨日と同様

「パパ〜。わたあめが食べたいの。あとスーパーボールすくいやりたいの」

屋台の食べ物や遊びに夢中であった。わたあめの屋台は大人気で長蛇の行列が出来ており、どこが最後尾か分からずキョロキョロしていたところ、浴衣姿の女子中学生達に目を奪われてしまい、

「ああ、こんな子達が近所に住んでいるなら、下半身を丸出しにして通報されるオッサンの気持ちも分かるわ…」

僕が通報されてもおかしくないみだらな妄想をしてしまう。辛うじて我に返り、行列の一番後ろっぽいところにいるちっちゃな女の子に

「ここがわたあめの列かナ?」

と聞いてみると

「うんそうだよ。Rちゃんのを買うの?」

うおおおお、チミ、何故僕がRの父だと知っている!(後でRの同級生だと判明)。あぶねー。どこで誰に見られてるか分からないわ…。

「あそこでRちゃんのオヤジさんが中学生を危なそうな目で眺めてるよ…」

なんてこと言われたら申し訳が立たぬ。

長い間待たされてようやくRにわたあめを渡してやり、僕はビールをチビチビやっていたが、嫁とタクが見あたらない。どこに行ったのだろう…と思っているとケータイが鳴り

「今踊ってるよー」

タクが急に盆踊りに目覚め、東京音頭だの炭坑節だのを見よう見まねで踊りまくっているという。昨日はちっとも踊らなかった癖に、なんのキッカケかは知らんが火が付いてしまったようだ。踊りの輪を観に行ってみると

タク
すんごい楽しそう。さすが「おかあさんといっしょ」に出た時、マユお姉さんにチョイスされて一緒にゴッチャを踊っただけはある。タクは結局盆踊りの最後まで踊り続けてしまった。ボンマスターの跡を継ぐのは彼なのかもしれない。

R
その間Rは相変わらずわたあめだのフランクフルトだの食ってばかりだったので、

「Rちゃんにばっかり買ってズルイ!」

R共々タクに怒られてしまった。

「タクは一生懸命踊ってたんだもんなー。偉いよ。後で君だけにお菓子買ってあげるよ」

そうフォローすると、タクは機を見るに敏であり、

「じゃあお菓子じゃなくてオモチャ買って?」

すさかず普段無理目のおねだりを入れてきた。タクの踊る姿にわりと感動してしまった僕の心を読んだのであろうか。買ってしまいそうで怖いなあ

踊るアホウに食うアホウ。そのまたお金を出すアホウ。

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■盆踊りで盆ソワール。
2011年07月25日(月)
土曜日の夜、町内の盆踊り大会があった。

町内の掲示板に1ヶ月も前からお知らせが貼られていて、

「ぼんおどりだ!」

「いきたい!」

娘・R(7才)と息子・タク(5才)はすさかずチェックし楽しみにしていたので、行かないわけにはいかなかった。

「今年は○○(隣町)の盆踊りも今日なのよね」

と嫁が言う。去年か一昨年だか忘れてしまったが今週はこっち、来週はそっち、と連続して行った記憶があるが今年は重なっているようだ。ふーん、そうなのか、と返事をすると、

「ボンマスターはどっちに行くのかな」

嫁は真面目な顔をして聞いてくる。「ボンマスター」とは、この近辺の盆踊りに必ず現われるちょっと不思議なおじさんである。必ずひとりで現われ、浴衣姿で汗だくになり一心不乱で踊っている。みんなと同じ踊りのはずなのに、勢いがあるためひとりだけビリーズブートキャンプをやってるような感じに見えて目立つのである。

以前ウチの隣に住んでいたイギリス人が彼を見て

「He is Bonmaster」

と呟いたことからそう呼んでいる。

「あ、いた」

会場に着くと既に盆踊りの中で一際大ぶりのアクションで踊っているボンマスターがいたので、

「ああもう夏なんだなあ…」

という夏の情緒を味わえる風景であった。一方子供達はチョコバナナだのわたあめだのスーパーボールすくいだのキラキラ光る電飾オモチャだの屋台の売り物に目を輝かせ、近所の子達と食ったり遊んだり。嫁も

「ヤキソバとフランクフルト食べたい」

子供達に劣らず屋台の食い物好きなので主に僕が買い物係となった。わたあめが混んでて20分ぐらい待たされたよ…。

「もうかえりたーい」

ひととおり遊んで満足してしまったのか、Rとタクは始まって1時間半ぐらいでもう帰りたいと言い出した。まああんまり夜遅くなるのもアレだし、帰ろうということでまだまだ続く盆踊り会場を後にして、帰り道を歩いた。

すると後ろからザッザッザッ…とすごい勢いで歩く草履の音がしたと思うと

「さ、次!さ、次!」

と言いながら僕らを追い抜いていった浴衣姿の男性が…。彼が去った後

「ぼ、ボンマスターだ!」

「これから隣の盆踊りに行くんだよきっと!」

さすがボンマスター、隣町の盆踊りとかけもちだったんである。ここまで踊るアホウに徹するとは素晴らしいとしか言いようがない。

そういえば僕らは全然踊ってなかったなあ…。地元の女子中学生の浴衣姿が見られて心が躍ったくらいである。

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■食えっ食えっ食えっサッカーボール。
2011年07月24日(日)
土曜日なので

「どっか遊びに行こうぜ!」

と子供達に呼びかけてみたら

「やだーおうちであそぶー」

「ねむーい」

娘・R(7才)も息子・タク(5才)もなんかダルダルであった。公園に遊びに行くとかプールに行くとかセブンイレブンのポケモンスタンプラリーをするとか東京メトロの仮面ライダーオーズスタンプラリーをするとか、いろいろ外に出るエサで釣ってみたけれども全然反応無し。

こんなにだらけているのは珍しい…が、嫁は

「昨日水泳の検定で泳ぎまくったから疲れているのでしょう。あと無意味に早起きだし」

そう言ってパートの仕事に出掛けていった。検定か…受かったんだろうかと聞いてみたら

「…あ?受かったよ?」

何故かRキレ気味。これ以上会話が続かない。なんだか疲れと眠気でボケボケしているので家の中でビデオ観たりして過ごした。しかし夕方になってくるとふたりともワクワクソワソワし出してきた。

地元商店街で、2ヶ月に1回行なわれるナイトバザールというイベントがあり、それを楽しみにしていたのである。商店街のお店が屋台を出したりヒーローの着ぐるみが来たり、萌え系着ぐるみ美少女が着て子供にアメを配ってたり、大道芸人が道端で芸を披露していたり、いろいろと賑やかなイベント。

かなりの賑わいの中歩いていると、「青色申告」がどうたらと書かれたタスキをかけた、ウサギの着ぐるみが子供達に風船を配っていた。このウサギのキャラクターは、

「徴税しまくって因幡の白兎のようにケツの毛までむしってやりますぜ」

という暗喩なのだろうか。

後ろから音楽が流れてきたので振り向いてみると女性ジャグラーが大道芸を始めていた。Rとタクの前で長い風船を取り出し、

「なんの動物が好き?」

どうやらリクエストに応えてバルーンアートをしてくれるらしい。Rは

「ねこ!」

と即答したが

「猫はちょっと…」

あんまりレパートリーは多くないらしかった。

「はいはい、リフティングしていってね」

商店街の一角で、子供達にリフティングをさせるコーナーがあった。リフティングをすればタダでお菓子をもらえるので、Rとタクはいつも必ずこれをやる。リフティングなんか出来なくても申し訳程度にボールを蹴りさえすればよい。受付のおじちゃんも

「はーい、1回でも蹴ってくれればいいよー。どんどんやってお菓子貰ってってねー。お菓子が早くなくなればおじさんも早く帰れるんだ」

なんかユルユルである。

Rもタクも勿論記録は1回だったが森永チョコボールをゲットして喜んでいた。ちなみに過去のトップは600回だそうである。それもおじちゃんが「長くなるからもうやめてくれ」と中断させての記録。どんだけ早く帰りたいんだ。

上手い人のリフティングとかけまして、夜、僕が嫁をお誘いすることとときます。

どちらも落とせない!

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■モーニング娘息子。
2011年07月23日(土)
いつも子供たちと朝一緒に家を出ているのだが、最近は忙しくて朝早く出かけることが多かった。

やっと普通の時間に家を出ても良い感じになってきたので今日こそは久しぶりに子供たちと家を出、途中までの道を一緒に歩こう…と思ったら娘・R(7才)も息子・タク(5才)も嫌にゆっくりしている。

「早く食べなさい!」

とか

「早く着替えなさい!」

とか嫁がピリピリピリピリ煽るいつもの朝とは違うなあ…と思ったら

「きょうから夏休みだよ〜」

ガーン。そういえば子供にはそんなステキなイベントがあったね…忘れてたよ…。僕だけおいてけぼりされた感じで朝から非常にダークネス。

それでなんとなくむかついた僕は、敢えてゆったりした朝の立ち振る舞いをしよう…とインターネッツを見ていたら、なでしこジャパンが載っており、Rが目を輝かせた。

「Rねえ、熊谷選手がいちばん好きなの」

「へえ。なんで?」

「なんでかというと、はたちで若いから」

オヤジかお前は。こんな小さい子にまでこんな細かい情報が浸透してるなんて、2週間前はワールドカップやってることすら知らなかったのに、降って湧いたようななでしこフィーバーはすごいなあ。

しかし、こんなことになってるなんてとても言えない。→法政大学生がなでしこ熊谷との合コン内容をツイッターで暴露…ネットで祭りに

次は新聞を広げてみる。いつもそうなのだが

「みして!みして!みして!」

読売新聞にはポケモンのコーナーがあり、今日は何のポケモンが出ているか見せろ、と邪魔をされるのだが、今朝も例外なくそのパターン。何面に出てるか日によって違うのでいちいち探すのがイラッとするんだよおおおお。早起きしたので時間はあるのでいいのだが…。

早起きはポケモンの得ってか。

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■ストロベリー栃木フォーエバー。
2011年07月22日(金)
栃木から帰る時、お隣さんにお土産を買っていこうと思った。

僕らが暮らす貧乏長屋の隣に最近引っ越してきた森田さん(仮名)。ちょっと前、僕は会社にいた時であるがウチに訪ねて来て、

「実家から送ってきまして…」

ということで嫁が明太子やらいちごの「あまおう」を頂いてしまった。博多出身の方らしい。また、森田さんは玄関の前に観葉植物の鉢植えを置いていたのだが、娘・R(7才)と息子・タク(5才)がそれを眺めていた時に

「こっちおいで。これあげるよ」

と博多限定のお菓子をもらってしまい、子供達の間で森田さん株が急上昇してしまったという。うちの子ら、余裕でお菓子で誘拐される勢いである。しかし僕らも僕らで

「『ふくや』の明太子だー。すごーい」

老舗メーカーの明太子はとてもうまく、森田さんの親切さに感激してしまった。しかし「あまおう」は僕は食べるわけにはいかなかった。

栃木生まれの僕としては、いちごといえば栃木の「とちおとめ」以外は食べることはまかりならぬ。栃木県と福岡県はいちご生産量日本一を争うライバルなのであり、僕が「あまおう」を食べることは吉野家の店員が松屋の牛丼を食うようなものである(なか卯店員が制服のまま吉野家で買ってるのは見たことあるけど)。

ただ森田さん自身はそんなピリピリとした闘争心はないらしく、

「あまおうって大きいだけですごくおいしいってわけではないんですけどネ」

さわやかに謙遜していたという。んまー。小憎らしい。そりゃ博多なら「あまおう」以外にも明太子・ラーメン・屋台、他うまい名物はたくさんあるから余裕なのだろう。それに比べ栃木といえばいちごを除くと、かんぴょう・湯葉・しもつかれ・レモン牛乳…等マイナーな上に大してうまくないし、それどころか県民ですら残すものすらあるから必死なのだ。

「そうだなー。何がいいかなー」

小山駅のお土産屋で何を買うか迷う。佐野ラーメンにしようかと思ったが、とんこつラーメンの本場の博多人にそれはないような気がした。栃木と博多ってラーメンもいちごも名物がかぶってるなあ。

レモン牛乳はドクターペッパーのように人を選ぶからなあ…、などと迷いつつ結局冷凍の宇都宮餃子と栃木限定だというとちおとめカントリーマアムを買うことにした。一番無難そうな気がしたので…。

家に帰ってから早速子供達を連れて森田さん宅を訪れる。僕は初めてだったので初めまして的な挨拶をし、

「この子達にもいろいろいただいちゃってすみません」

などとお礼を述べた。年の頃は35ぐらいかなあ。普通に雰囲気よさげな人であった。今年はもう時期が過ぎてしまったが、来年のいちごの時期には森田さんにもとちおとめをあげよう。そして僕もあまおうを食べよう。森田さんの好印象により、少し歩み寄ってもいいかなー、敵に塩を送るってやつもいいかなー、と思ってみたり。

まさに、は、か、た、の、塩!なんちて。

いちごを通じたお付き合い。

まさに、いちごいちえ。なんちて。

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■Hスポット。
2011年07月20日(水)
栃木の実家滞在二日目。

前日は暑かったのでプールに行ったが、この日も暑かった。

「昨日とは違うプールに行ってみるかい?」

と母は言うのだが連チャでプールというのは結構きついものがある。娘・R(7才)と息子・タク(5才)は全然平気だと思うが、僕はもうダリー。プールの中に入って子供たちに付き添っているだけで疲れが溜まるものである。年だなあ。なので

「噴水の公園でいいよ」

近場に大きな噴水とそこから流れる人工の小川がある公園で水遊びをさせることにした。そこならば溺れる心配はないし、僕は昼寝でもしてればよい。そんなわけで家で水着に着替えさせてレッツラゴー。

公園に着くと僕らのような親子連れが何組かいて、子供達が噴水の水しぶきと戯れている。

「今日は暑かったですね〜」

というニュースの時に流れていそうな典型的な光景である。Rとタクも早速水のアーチの中へ駆け込んで行った。僕は嫁と共に東屋の中に座り、ふたりの遊ぶさまを見ていた。来る途中にドラッグストアで買ってきた「キャベツ太郎」をボリボリ食べながら

「なあ、全然キャベツ味じゃないし原料にもキャベツ入ってないのに、なんでキャベツ太郎なん?」

「さあ」

メロンパンもメロンなんか全然入っていないけれども、味を似せようという努力が見受けられる。しかしキャベツ太郎にはそれすらない。何故だ!…と、嫁とどうでもいいことを話していたら、僕はいつの間にか眠ってしまったようだ。

「もうあそぶのやめるー。さむーい」

とタクが戻って来た声で目が覚めて時計を見ると、あっという間に1時間ぐらい経っていた。日陰とはいえ暑い。僕はもっと涼めるところを探し、歩いた。大きな木陰の芝生が涼しそうだったので、そこに再び寝っ転がった。すると嫁がすっ飛んできて

「地面はだめよ!放射性物質がいっぱい溜まってるから!栃木は福島に近いんだから!」

と信じられないことをのたまう。

「ふざけんな!栃木ディスってんのか!」

そんなことを言うなら最初からRとタクに水遊びさせるべきではない。もっと言うなら栃木に来るべきでない。とっとと東京に帰っとくれ。つっても栃木も東京も大して変わんねえべ。

人が涼んでるところをホットスポット扱いした嫁の罪は重い。おしおきに嫁の○スポットをイタズラすることにしよう。

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■新鮮栃木人妻。
2011年07月19日(火)
日曜日の早朝。

母に連れられて一足早く実家に行っている子供達を追うように、僕と嫁も栃木に向かった。

実家に着くと娘・R(7才)と息子・タク(5才)は、洋服や僕らだったら絶対ダメな食玩を買ってもらったりしていてVIP待遇を受けており、堕落していたため、

「おらああ!宿題とピアノやれえ!」

僕らが来て一番にやったのは気合いを入れてRの学校の宿題とピアノの練習をやらせたことであった。ようやく片付いた後は近くの流れるプールで遊ぶことにした。

町営の子供向けのちんまりしたプールだけれども、もの凄い混んでいた。同じ栃木県内に、「1万人プール」というでかいプールがあるのだが、今年は震災で被害があったため休みなのである。その影響もあろうかと思う。

ちなみに「1万人プール」は「万プ」と略される。もし「1万人公園」が出来たら「万こ」と略されるのだろうか。

「万こ行かねけ?」

などと栃木の女子中高生が言ったりするのを想像してしまった。早く作るべきだ。

泳ぎ始めるとRとタクはとにかく元気で

「おばあちゃんに泳ぎをみせるの」

上達した泳ぎを披露しようと張り切りまくっていた。特にRなどは得意気に覚え立ての潜水をして見せるものだから危なっかしくってしょうがない。調子こいているうちはいいが、いつ何かの弾みでゴボゴボと溺れてしまうか…と不安で不安で。まだまだ僕や嫁がつきっきりで見ていないとプールは危ないなあ…とハラハラしながら付いていた。

そんなわけで一瞬たりとも目を離すわけにはいかない…としながらも現実には障害があるわけで。ここは子供向けプールなので水着姿のギャルなどはほとんどいない。デートスポットと勘違いして来てしまったカッポーがごく稀にいるぐらいである。しかし小さい子を抱えたママさん達が結構お色気むんむんなのだ。

明らかにとしまえんで見る同年代の子持ちのママさんより10才ぐらい若い!さすが栃木…東京と比べて出産が早いぜ。そしてママさんも全然現役で通用するぜ。昔、中学の同窓会に行ったら、かつての同級生の女子がやたらと子持ちバツイチになっていたがそういうことだったのか。

ちなみにパパさんも比例して若くて、

「勝手に行くなっつってんだろうがこの野郎!」

元ヤンな熱い血の気が抜けてないパパさんとかもいた。子供に向かって『この野郎』とか言うかフツー。

で、ママさん方の攻撃的な乳が揺れたりするので、本来Rとタクに向けているべき視線が逸らされてしまうのである。これは危険だった。おっぱいに目を奪われていた隙に子供が溺れました、とかマヌケすぎるにも程がある。

これをパイオツハザードといいます。

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■怖い母。怖い嫁。
2011年07月17日(日)
3連休。

実家に帰れたらいいなあ…と思っていたが、あいにく土曜日は僕も嫁も仕事になってしまった。

栃木の母は娘・R(7才)と息子・タク(5才)に会えることを楽しみにしていたが、予め「仕事になる可能性が高い」とは言っておいたものの、来るものだと思っていたようだ。

先週、ダメなのが決定的になったので電話をかけたら

「どう?来れそうかい?」

始めはウキウキした声だったのに

「ごめん、来れない」

と伝えたところ

「…『行けない』、の間違いでしょ」

一瞬にして母が息子に対してかける声とは思えない、すんごいドスの効いた声に代わり、ダメ出しされてしまった。電話を切った後

「おっかねええええ!」

嫁に泣きついてしまったほど怖かった。すると嫁は

「Rとタクに会いたいんだから、子供達だけ泊まりに行かせたらどう?お母さんには迎えに来てもらってさ」

という妙案を出したので、改めて恐る恐る母に電話してみたら

「わかった〜。迎えに行くよ〜」

ふたつ返事でオッケー。声色もまた上機嫌な上ずった声にコロッと戻っていた。ただウチの最寄り駅まで来るのはめんどいので、池袋までRとタクを連れて来て欲しいとのこと。嫁は出掛けるのが早いので、それならば僕が通勤がてら送って行くことにしよう。そういうことになった。

朝、嫁が出掛けるときに

「きょうはお家はパパとママふたりだけになるね。仲良くすごしてね」

とタクが言うのを嫁が「仲良く、って、何を今更」という顔でフンと鼻で笑う。その後僕らも出発し、池袋駅で待ち合わせた。

「おばあちゃんの言うことよく聞くんだよ!」

「遊びに行ってもおばあちゃんから離れないこと!」

などと「栃木滞在心得の条」を言い聞かせていると母登場。

「あ、おばあちゃーん!」

走り寄って母に抱き付くRとタク。感動の瞬間(でもないか)

「じゃあよろしく頼みます」

僕はホームまで行き、電車に乗るところまで見届けることにする。券売機で迷うことなくグリーン券を買う母に

「うわー。もったいねー」

と後ろからケチなことを言うと

「いいんだよ!好きにさせとくれ!」

母は口をとんがらせる。好きにしていいけど、僕、子供の頃、一度もグリーン車に乗せてもらったことないんですが…。

「にかいだてだ!にかいだてだ!」

Rとタクはグリーン車の2階部分に嬉々として飛び込んで行く。小さいウチからこんな贅沢をさせてしまうなんて…。2階部分の窓から「いいでしょー」と聞こえてきそうな笑顔で手を振る子供達と母を乗せた湘南新宿ラインは、やがてホームを去って行った。一人残されると少々寂しいものである。

夜、仕事から帰って来ると嫁がいた。久しぶりに嫁と二人だけの夜。タクの言う通り、仲良くしたい。具体的に言うと、ふたりで江古田ちゃんごっことか(「江古田ちゃん」とは、家では全裸で暮らす女の子の物語である)

しかし嫁は家計簿がなかなか合わないらしく、

「3,856円あわねー!」

とものすごいイライラしており、なんか怖かったので江古田ちゃんごっこ計画は見送ることにした。つか、ドンブリ過ぎるだろ。

昼の僕と夜の僕は同じことをしている…。

どちらもホーム(家)で見送り…!

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■深夜鼻血ブー伝説。
2011年07月16日(土)
草木も眠る丑三つ時。

妻子も草木も寝ていても僕は起きていた。みんなが寝てなきゃ出来ないようなことをするためである。すなわちおもむろにパンツを脱いで刺激的な映像を鑑賞し始めた。

その時隣の寝室からドタドタという足音が突然鳴り響く。こういう時の僕は、感覚が動物的に研ぎ澄まされており、ほぼ反射的に物音に反応することが出来る。ただちにズボンをはいて映像を消して

「どーしたんだい?」

何事もなかったかのように寝室の家族に呼びかけるこの変わり身の早さよ。これは長年幾多の修羅場を潜り抜けてきた経験(主にエレクチオン状態を母親や嫁に見付かりそうになったとか)と、防災訓練のように繰り返されてきたシミュレーションの賜物である。

さて、寝室では息子・タク(5才)が目を覚ましていて、もの凄い勢いでティッシュを取り出し、鼻に当てていた。そのティッシュはじわじわと血の色に染まり…。

「だ、だいじょうぶかい?」

どうやら寝ながら鼻をほじって傷を付けてしまったようだ。既に足や床にポタポタと血が落ちており、結構な勢いがあるものとみえる。ただタクの偉いところは、それでパニックにならずに、淡々とティッシュで鼻を覆い、下を向いて血が止まるようじっとしている冷静さである。僕だったらハート様ばりに

「血いいい!いてえよおー!」

とひたすら叫んでいることであろう。その5才児にしては手際のよいところもさることながら、鼻血が出てすぐガバッと目が覚めるというのも大したものである。

「寝てたのにどうして気が付いたの?」

感心のあまり思わずマヌケな問いかけをしてしまったら

「血の臭いで分かるよ」

な、なんだか野生テイストな答えで…。お陰で何も手助けすることもなく鼻血が止まり、足などの血が付いたところだけシャワーして寝た。

それにしてもエロ動画を見ていた僕こそタイミング的に鼻血ブーにふさわしいのに、先を越されてしまった。そしてティッシュの大量消費も、行動の流れとして僕が先だろうに、となんだか興醒めしてしまった。「パパが先でしょ!」とかタクと争っても不毛であるが。

鼻血とケンカはエロの華。なんちて。

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■節電(セツディーン)
2011年07月15日(金)
「節電」がライフスタイルを考える上で重要な要素になっているこのご時世。

我が家も例外に漏れず、節電のムーヴメントが押し寄せてきた。ある日、ウチの中で

せつでん!
こんなシールが至る所に見られるようになった。テレビ、冷蔵庫、照明スイッチ、そして今僕がこの日記を書きながらにらめっこしてるパソコンのディスプレイにも。そうか。ブログをやるにも電気を食う。

「節電のため、このブログは閉鎖します」

などという節電対応ブログはまだ見たことがないが…。

このシールをベタベタ貼りまくった犯人は娘・R(7才)であった。なんでも学校で配られたのだという。

「ねり丸のせつでんシールだよォ」

Rは嬉しそうに言う。ねり丸、とは

せつでん!
シールの左側にいるキャラのことである。練馬区が最近作った区の公式アニメキャラで、商店街ではのぼりがばんばん出ているし、町内の掲示板にもポスターが貼ってあるし、区内ではやたらと見かけるようになった。区は余程気合いを入れてるのだろう。

ねり丸のサイトもある→こちら

練馬名物の「大根」と区名の「馬」をイメージしたルックスらしいが、その顔の形、餃子にしか見えん。昔横浜に住んでいた時によく見た、ギョーザちゃんに似ている。まだ高島屋で売っているのだろうか。

ギョーザちゃん→こちら

それはともかく節電ムーヴメントに絡めたねり丸のアッピール、なかなか見事である。

「せつでん!だよ!」

Rも息子・タク(5才)も子供なりに電気を節約する意識が芽生えたし、ねり丸のこともポケモンを覚えるかの如く普通に浸透してしまった。練馬区民としてはこの調子でご当地キャラの大御所・ひこにゃんを倒すぐらいの有名キャラになってもらいたいところである。

さて子供達が寝た後、パソコンのディスプレイに「せつでん!」と貼られたものの、どうしても習性でダラダラとネットしてしまう。これではいかんな、と思った。パソコンを消し、明かりも消す。暗くなってやることといったらひとつしかない。大停電の後は出生率が上がるという。

すなわち、「せつでん!」の「でん」の字を「くす」にかえて

「せつくす!だよ!」

と嫁に抱き付いて行った。お約束というかいつもの通り「眠い!」と相手にされなかったけれども、それは想定内なので慌てず落ち着いてソロ活動に取り組むことにした。

「はつでん!だYO!」

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■アイス・アイス・ベイビー。
2011年07月14日(木)
昨日の日記にも書いたが、僕が台所の流しに落としたコンタクトレンズを嫁が見事探し当てた。

そのご褒美として、仕事帰りに嫁の好きなハーゲンダッツのアイスでも買ってやるよ、と嫁に礼を言っておいた。しかし

「ただいま〜」

ポックリ忘れて直帰してしまい、

「あ、すまん。忘れてた」

トイレ掃除をしていた嫁の顔を見て思い出し、くるりとUターンしてコンビニに買いに行くことにした。

「別にいいよう」

朝は「ほれ、見つけたぜ!ご褒美くれ!」と鼻息が荒かった嫁は妙にしおらしくなっていたが、いいよと言われても約束は約束。近所のコンビニにてハーゲンダッツの抹茶を選ぶ。そして嫁にだけ買うのも物足りない気がし、子供たちにも買ってやることにした。

アイスのボックスの中を開けて品定めするなんて何十年ぶりだろう。子供の頃、駄菓子屋でアイスを買っていた以来ではないだろうか。あの頃は「ビバオール」という三角形のイチゴアイスバーが好きであった。30円で安かったし。あと「フタバ食品」という地元栃木の会社のアイスがよく売られていたが、そういえば東京ではあまり見かけない。ガリガリ君を擁するお隣群馬の赤城乳業はもはや全国区だというのに。

などと昔なつかしネタを思い出しながら選んだのは練乳入りのカキ氷であった。僕はコレも大好きであったが100円のため滅多に買えるものではなかった。当時のものとはメーカーも商品名も違えども値段はそのまま100円なところが健気な感じがして気に入り、それを子供たちへのお土産にすることにした。

改めて家に帰って

「冷凍庫入れとくかんね」

と嫁に伝えると

「ありがとう。またなくさないでよね。私もう見つけられないから」

などと弱気なことを言う。なんでだ?と聞いてみると

「人がなくしたのは見つけられるくせに、自分がなくしたのは見つけられないのオオ!」

「は?何なくしたの?」

「傘!」

昼間、タクと電車に乗っていた時に日傘を忘れてしまったんだそうだ。駅に問い合わせても該当するものがなく…。

「まあ、もうちょっと時間を置いて問い合わせてみるとかね…」

なんか慰めなければいけない空気になってしまった。

「タクがね、『ぼくがきづいてあげればよかったね。ごめんね』なんてことをしおらしく言うもんだから、ついアイス買ってあげちゃった」

「お前も買ったのかよ!」

日差しが強い中を、日傘を差しながら歩く嫁に

「ぼくもかさにはいるー」

などとタクがじゃれついていたりしていたんだろうなあ。その姿が目に浮かぶようだ。

アイスアイス傘。なんつって。

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■コンタクトと毛沢東は似ている。
2011年07月13日(水)
朝、コンタクトレンズを目に入れる僕。

キッチンの流しにてレンズをちょいちょいと水洗いし、左目に入れてから右目にも入れる。おお、今日は左目が全然痛くないぞ、まるで裸眼のようだ、と思ったらホントに裸眼のままだった。つまり目の中に入れたと思ったけれども実際はどこかに落ちてしまったのだ!

「ぎゃああああ!近づくなあああ!」

まず誰も近寄らないよう厳戒態勢を敷き、這いつくばって床面を探しまくったのだが、全く構うことなく

「パパ大すきー」

娘・R(7才)が走ってきて背中に飛びついてくるので、「近寄るんじゃねえ!」という焦りと、甘えられて「ははは、こいつう」というデレデレ感が混在し、ますますパニックに。怒りながら笑う人、竹中直人のようである。

床面は見つからなかった。次は流し台である。悪いことにキッチンのシンクなので、食べ終わった朝ご飯の食器類が水を張った洗い桶に突っ込まれていた。

お椀やお皿の中に入ってないか確認しながら取り除き、洗い桶の水をゆっくり流して空になったシンクを見てみる。ない。排水口のストレーナー(網みたいになってるとこ)を見る。やっぱりない。服をパタパタしてみてもない。

「ああ、もうお手上げだ…余計な出費が…」

見つかるまで探していたいところだけれどももう家を出ないと遅刻してしまう。僕は絶望のズンドコに陥った。

「探しといてあげるからさ」

と嫁が言ってくれたがあまり期待は出来なかった。

「じゃあ行ってきまあす」

しょぼくれながら家を出ようとしたら

「あったよ!」

と嫁のシャウトが。

「なにー!どこにあった!」

「ここ!」

嫁はRのお椀を指差した。なんとお椀の外側にへばりついていたのだ!

「うわー。食器は内側しか見てなかったわー。助かったわー。ありがとう」

「これで無駄な出費もなくてよかったね!お駄賃が欲しいくらいだわ!お駄賃!」

嫁がすんごい得意気にまくし立てる。僕はその嫁の「お駄賃」の「チン」の発音に妙にエロスを感じ、

「よし、お駄賃という名のちんちんをあげよう。夜に」

子供達に聞こえないようにこっそり耳打ちした。どんなハードなプレイでもたっぷりご奉仕しよう。ソフトでも!ハードでも!コンタクトレンズをつけたまま!しかし嫁は

「いらない!」

と即答したため

「じゃあハーゲンダッツでも買ってやるよ」

仕方ないが嫁の好物でも買ってやるか、ということにした。

しかしコンタクトレンズっていろんなところに引っかかる(へばりつく)ものなんだなあ…。服にへばりついてるかも、とまでは思いついたが、濡れていればお椀の横っちょにもくっついてしまうものなんだなあ…。そこまでは考えが及ばなかった。

まさに目からコンタクトが落ちる思いである。

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■千と昌夫の金隠し。
2011年07月12日(火)
【おしらせ】

バーチャルネットストーカーのヨシミ22歳さんによる、日記ストーキングがありました。

[y22] バーチャルネットストーカー・ヨシミ22歳R

ヨシミ22歳さんのところは、『他人の依頼を受けて、その依頼をもとにその人のサイト・ブログ等、いわゆる「日記」を「ストーキング」(引用&コメントその他もろもろ)することを中心としたブログ』(ヨシミさんのブログ説明文より)という趣旨なので、あなたのブログもレッツ依頼。

【おしらせオワリ。以下日記】

以前、娘・R(7才)の学校で土曜参観日があった時、次の週の月曜日が振り替え休日になった。

その日ヒマだった嫁とRはジブリ美術館に行った。後でRからネコバスに乗っただの、アニメの原画を見ただの、グッズを買ってもらっただの、とても楽しかったという話を聞かされた。

「へー。よかったねー」

僕は行ったことがなかったので写真を見せてもらおうとしたら、館内は撮影禁止なんだそうだ。そうかー残念だなー、と僕なら話はそこで終わるのだが、

「ずるい!たっくんも行きたい!」

黙っちゃいないのが息子・タク(5才)である。確かにタクの立場からすると不公平であり、不満をこぼすのも無理もない。しかし嫁は

「普段はたっくんの方がいつもいい目にあってるのよ」

とタクに言い聞かせる。幼稚園が終わってからママ友とのお付き合いでマックに行ったりすることがたまにあり、そういう時はタクだけオマケのおもちゃを貰えてしまう。何度かそういうことが積み重なり、Rが可愛そうだから、ということでジブリに連れて行ったのだ、と嫁が主張したところタクはしぶしぶ引き下がったようだ。

で、先週のことになるが、栃木の母が

「ずっと前に買ったけど見ないからあげる」

宅配便で「千と千尋の神隠し」のビデオを送ってきた。ジブリに飢えていたタクはすさかず

「見たい!」

ということで早速見ることにした。僕は遠い昔嫁と映画館で観たことがある。

「これ、君と映画館で観たよね」

懐かしいよなあ、と嫁に言ったところ

「は?あなたとだっけ?観たって記憶は確かにあるけど、誰と観たかは忘れたわ」

しみじみと一緒にノスタルジーに浸りたかったのに、思いっきり殺伐としてしまった。あの時一緒に映画を見た嫁と今の嫁は別人なんだろうか。

そういえばこの映画、冒頭から結構怖いんである。

「あっこれジブリ美術館でみたよ!」

とRが叫んだのは主人公の女の子の両親が豚になってしまう有名なシーン。ちっちゃい子にとって親は絶対的な存在。それが食い物にがっつくわ、見えない何かに叩かれて汚い鳴き後を上げてぶっ倒れるわのひたすら醜い豚になってしまう。Rとタクには相当怖かったのではないだろうか。

更に百鬼夜行のように得体の知れない生き物がゾロゾロと出て来て

「もうやめてー!」

ずっと怖さを我慢していたのだろう、遂にタクが泣き出してしまった。

「大丈夫だよ〜。パパ豚にならないから」

と慰め、ビデオを止めたが、それ以降Rもタクも「続きを見たい」とは言っていない。泣きこそしなかったがRも相当怖かったのだろう。結果的にトトロとかポニョのようなかわいいキャラのほのぼのとした話を期待していたふたりを、思いっきり怖がらせて裏切ることになってしまった。

そのせいだろうか、タクは「ジブリ見たい欲」の矛先をまだ見ぬジブリ美術館に向けたようで

「たっくんもジブリ美術館行きたい!」

と嫁を猛烈にプッシュし始めた。タイミングのいいことに今日(月曜日)は、土曜日盆踊り大会があったため、幼稚園は振り替え休日。それで

「わかったよ。行くよ」

嫁もあっさり陥落してしまった。

「やったー。ジブリ美術館〜」

タクは大喜びである。実は僕もちょっと行ってみたいんだけどなあ…。タクから土産話を聞いて我慢するとしよう。

写真は撮れないから中の様子をジブリ手振りで。なんつって。

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■三丁目の節電。
2011年07月11日(月)
あまりにも暑いため、子供達をとしまえんのプールへ連れて行った。嫁は美容院の予約を入れたとかで午後に合流することになっていた。

三丁目の節電
今年のとしまえんプールの広告。三丁目の夕日をパクったものらしい。としまえんも住所が三丁目だから、と主張する。去年のオバサンばっかり集めた「TSM48」に比べると分かりづらいネタである。

「プールだ!」

「としまえんだ!」

娘・R(7才)と息子・タク(5才)は前日から興奮しており、朝も超早起きになってしまったため変なテンションになっていて、プールではしゃぎ過ぎて溺れないよう、嫁がいない間は特に気を付けなければなるまい。

まず浮き輪を膨らまし、ふたりに渡して泳ぎに行こうと思ったら

「パパー、たっくんの浮き輪しぼんでるー」

いつの間にかタクの浮き輪は破れてしまっていたようだ。

「あーここが破れてるんだなあ。これはもう使えないなあ…」

空気が漏れているところを見つけた途端、タクがうわああああんと大泣き。

「泣くな!買ってやるから!」

本当はトイザらスとかで買った方が安いのだが、仕方あるまい…とプール内の売店で浮き輪を調達。

「パパ、これがいい。ポケモン」

すさかず自分の好みのものをチョイスしてゲットすると

「やったー、たっくんの新しい浮き輪ー。ポケモンー。でへへへへへー」

泣いたカラスがもう笑うとはまさにこのこと。さて、プールに入るとRもタクも水を得た魚状態で、すぐさま好き勝手にどっかに行ってしまいそうになるのを

「離れるな!」

と必死に留める僕。あっという間に迷子になりそうでハラハラする。たまにすんごいエロい水着のお姉さんがいたりしても目を逸らすわけにはいかない。

「おっぱい眺めてたら子供を見失ってしまいました」

なんて情けないことになるわけにはいかない。そういえば、虎ジマのビキニにエメラルドグリーンの髪の毛の、まさにラムちゃんみたいな女の子がいたんだけれども、コスプレだったんだろうか。

午後になって女子柔道選手のような髪型になった嫁がやって来て、家族4人で流れるプールを漂う。Rとタクは足が着かないながらも潜っては床を蹴って「ぷはー」と顔を出すボビングを繰り返す。端から見てると溺れているようにしか見えないので、やはりハラハラする。

まだ宿題が終わってないRのことを考えて午後3時ぐらいになって

「そろそろ帰るべ」

としたところ、ふたりともまだ遊び足りないようでブーブー文句を言っていたが、着替えてプールの外に出るとRもタクも魂が抜けたような状態で、チャリに乗せたらすぐさま寝てしまった。

家に着いても爆睡状態で

「宿題やばいよなあ…」

と心配しながらも起こすのはちょっと可哀想だよなあ…とカワイイ寝顔をそのまま眺めている僕もつられて寝てしまった。

スイミングの後は睡眠グなんだなあ…とベタなオチで締め括る本日の日記であった。

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■咲いて咲かせていつまでも 。
2011年07月10日(日)
息子・タク(5才)の幼稚園で盆踊りが行なわれた。

そういえば去年のこの時期は娘・R(7才)と一緒によく家の中で踊っていたものだが、今年は全然そんな様子がない。

「たっくん、踊りの練習はしなくていいのかい?」

と聞いたら

「もうとっくに覚えたし」

タクはお遊戯やダンスを覚えるのがクラスの中でも一番早いという。

「じゃあどんな踊りかパパに見せてよ」

「秘密」

さすが年長になっただけあって生意気シャルロットであることよ。

さて、踊るための支度である。盆踊りなのでタクは甚平に着替えた。極楽トンボ柄がタクらしいと言えばらしい。

「ホウキを持たせてお寺の前に立たせたらまんま小坊主だよね」

とは嫁のコメントである。一方でRも

「Rちゃんも浴衣着たい!」

別に着る必要はないのに彼女なりのおしゃれ観がそうさせるのであろうか、強い希望にてRも浴衣に着替えた。別にいいのだが、ちっこいので小2なのに他の浴衣姿の幼稚園児に混じっても全然違和感がないところがアレである。

とはいえ、風が吹くと

「いやーん、浴衣がめくれるー。ぱんつみえちゃうー」

などとププッピドゥーなことを言うようになったあたり、ちょっとはお姉ちゃんになったのかなあとも思う。

盆踊りは幼稚園の園庭で行なわれた。タクが「秘密」と言った踊りは、結局はRが年長の時もやった「もったいない音頭」と「大東京音頭」であった。このふたつはもう伝統となっているらしい。

タク
タクもニコニコしながら踊っていて、カワイイ。ちゃんとリズムも取れているし上手いものである。

R
そしてRは学校の友達がいたようで、その子達と一緒にキャイキャイはしゃぎながら楽しそうに、ちょうど僕とは園庭を挟んで向かい合う場所でタクの踊りを見ていた…のだが…。座り込んだ途端、足を大股開きにしているので

パンツー丸見え
ついさっきまで風を警戒していたクセに!スキがあり過ぎだろ!愛娘のそんな姿、僕、死兆星を見るよりショックだよ!1秒たりとも公衆に晒すわけにはいかん!

園児が踊る園庭を突っ切ってすっ飛んで行きたいところだったがさすがにそれは思い留まり、園児の一族郎党でギュウギュウ詰めの観覧エリアをジリジリ焦りながら人混みをかき分けかき分け、ようやく辿り着いてRを抱え上げ

「Rッ!座るんなら足を閉じなさい!パンツ丸見えでしょ!」

ヒソヒソと耳打ちしたところ

「もう!いいじゃんそんなこと!」

と口をとんがらせて逆ギレされた。どうして親の気持ちが伝わらないのおおお!

踊るアホウに見せるアホウ…。

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■とまっとさんでした。
2011年07月09日(土)
学校で娘・R(7才)の三者面談があったのだという。子供達が寝静まってから嫁が担任から聞いてきたことを語った。

「今、みんなが育ててるプチトマトあるでしょう?」

「うん。見たことある」

土日でも「開放図書室」ということで、学校の図書室が開いている。ちょっと前Rと息子・タク(5才)を連れて行った時、中庭にプチトマトの鉢がずらりと並んでいたのを見た。Rのを見ると、まだ緑のものがいくつかぶら下がっていたので、今頃は赤くなっているのではないだろうか。

「それが食べられちゃったのよ!」

「えー。虫に?」

「いえ、アキちゃん(仮名)に」

「はあ?アキちゃん?」

アキちゃんというのは、いつもRと一緒に登校する近所の同級生だ。クラスは違うが。蛾の幼虫が実を食い荒らすのはよくあることだが、アキちゃんが何故。僕は理解出来なかった。しかし嫁が説明するところによると、

「朝、観察しようとしたら成ってるはずのプチトマトがないんだって。Rのだけじゃなく何人も。それでおかしいってことで先生が動いて調べることにしたんだって。で、隣のクラスからアキちゃんが先生に連れて来られて、『私が食べました。ごめんなさい』って。十何個も食べたらしいよ」

「えー!」

僕トマトキライだからそんな食えるなんて驚きだ。いや、驚くのはそこじゃない。お菓子とかデザートとか子供が好きそうな食べ物なら分からないでもないが、成ってるトマトである。そんなものを食うところに相当腹を減らして切羽詰まってた感が伝わってくる。今時そんなハングリーなのって…。敗戦直後か北朝鮮のような話だ。

でもよく考えてみるとだんだん分かってきたような。僕も登校するR達と途中まで一緒に行くのだが、アキちゃんはいつも家から出て来るのが遅い。

「アキは遅いから待ってなくていいよ」

とアキちゃんのお姉ちゃんが言い、こちらも遅刻になってしまうので見切り発車してしまうこともしばしばだ。間に合った時でも髪の毛もボサボサで顔もボーッとしていて、寝起きそのまんまのこともよくある。だから朝ご飯も食べてないし、お腹を空かせていたのだろう。

「で、アキちゃん家からはなんか言ってきたりした?」

と聞いてみたら「別に」と嫁は言う。僕がアキちゃんの親だったらすっ飛んでオヤツでも持って詫びを入れると思うのだが…。

「あ、もしかしたら本人からも担任からも聞いてないのかな?」

「かもねー」

ちょっとしたケンカとかトラボーぐらいならいちいち担任も伝えないだろうけど、これはちょっとそのボーダーを超えているのではないだろうか。

Rを含めた子供達はすごいガッカリしていると思うし、一応「盗み」だし、その動機は空腹のためで、それは朝ギリギリまで起きられないからゴハンを食べられないからで、何故起きられないかというと、親がちゃんと早寝早起きさせていないせいなわけで。

よそさまの子供のしつけにケチを付けるなんてことはしたくないけど、被害というか食害を被ってしまったのでそれぐらいは書かせてもらってもいいと思う。

「でも、ウチが伝えられているぐらいだから本人の親に伝えられていないはずはないだろ!」

「そうかなー」

まあしょっちゅう顔を合わせるご近所さんのことだし、

「おっちゃんトマトキライだから今度僕の分も食べてよ!」

ガハハ、ぐらいで流しておくのがベターなのかしらん。いずれにせよそれも向こうの親がなんかしら言ってきたことに対してのことなので、親がダンマリというのは問題だ。些細なことと言われるかもしれないが、小さいながらもわだかまりが残る。和田カマリと書くと日系ブラジル人みたいである。

で、肝心の三者面談の本題はどんな話が出たのかというと

「トマト盗み食いの話がインパクトでかすぎて忘れちゃったわ」

それはそれで問題だ。

トマトは、原価割れの商売とよく似ている。

どちらも売(熟)れたら赤(字)になる!

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■ランドセル。顔をホコロバセル。
2011年07月08日(金)
夜中、会社から帰って来て暗い部屋の中を歩き、自分の机に辿り着こうとしたら

「どわああ」

何か大きなモノを蹴っ飛ばしてしまった。驚いて明かりをつけたら大きな段ボールで。

「ああそうか。ランドセルだな」

息子・タク(5才)のために注文したランドセルが届いたのだった。

「いやー、すごい喜んじゃって」

嫁が言うには、タクは早速背中に背負って娘・R(7才)と「学校ごっこ」をしてはしゃいでいたという。そして夜、僕が帰って来ることを想定して

「ママ!ランドセル隠して!」

僕が帰って来た時にババーンと見せたい…というサプライズを企てていたようだが、夜も更けてどうやら自分が起きているウチには帰って来ないと判断したようで、

「パパがすぐ分かるところに置いておいて」

と嫁に命令して寝たらしい。それだけで僕に見せたい、ビックリさせたい、というワクワク感が伝わってきて、ホントにぴっかぴっかの1年生(になるのは来春だが)のとおり、嬉しさと楽しさでぴっかぴかの笑顔をしていたんだろう。

自分のランドセルを初めて目にしたタクをリアルタイムで見られなかったのは残念だが、どうせ翌朝起き抜けに言ってくるだろう…と思っていたら案の定

「パパ!ランドセル見た?」

目を覚ますなりハイテンションでキラキラとした瞳で訴える。

「ああ、見たよ。かっこいいね」

お世辞抜きで僕もこんなのが欲しかった。

「パパもしょってみる?」

「いや、それはいい」

オッサンがランドセル背負うなんてオバサンがセーラー服着るみたいなもんだろ。犯罪である。

それに、日に日に重くなる扶養家族背負ってるからもう他に背負う余裕がないんだ…。

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■弁当準備完了。
2011年07月07日(木)
嫁が台所でお弁当を作っている朝。

嫁がじっくり作り込んでいる息子・タク(5才)の弁当の中身が見えた。

「あっ。ビクティニだね」

僕はタクに聞こえないようにコッソリ言った。ビクティニというポケモンのキャラを丁寧に作り込んであるキャラ弁。タクが見たら大喜びするのではないだろうか。しかし嫁は今ここでタクにお弁当の中身を見せることはない。

幼稚園のお昼の時間まで開けてはいけない、というのがルールである。もし途中で開けたらおじいさんになってしまいます、と言っている(これはウソだが)。嫁によると

「幼稚園で一番ビックリしてもらいたい」

という趣旨らしい。毎日がサプライズ、みたいな。

「でもこれだけ凝って作ってもリアクションに乏しいんだよねー」

と嫁は笑う。いや、きっと幼稚園でお弁当箱をパカッと開けた時のタクはすごいテンションになると思う。しかしその一番リアクションが大きい時の姿は見ることが出来ない。そしてとっとと食べ終わり、お迎えの時間で嫁が迎えに来る頃には既に過去の出来事である。幼児にとっての数時間は大人にとっては何日もの感覚に相当するかもしれない。嫁が

「今日のお弁当どうだった?」

と聞いてもイマサラ感なのだ。

だったら出掛ける前に見せた方が新鮮なリアクションを見れるのに、と思うのだがそうはしないのがなんだか嫁のポリシーのようである。

翌日、僕も

「昨日、お弁当ビクティニだったろう」

とタクに聞いてみたら

「うん」

反応、それだけ。本当に「だから何」みたいな。それでも無償の母の愛に溢れる嫁は今朝も何やらキャラ弁を作っていた。今日はなんだろな…と覗いてみたら、なんか禍々しい人の形をしたおにぎりがふたつ…。そう、「形代」によく似ている。

「形代」イメージ検索。←ちょっとコワイ。

そのふたつの間に☆形のチーズがあった。形代に晴明桔梗か…?今日はやけにオカルティック、と思い


「なにこれ、呪い返し弁当かなんかか?」

と聞いてみたら

「七夕よ!」

怒られてしまった。なるほど、おどろおどろしい形代に見えたのは織姫と彦星で、間の☆は天の川を表わしていたのか。毎朝いろんなアイデアで溢れていて頭が下がる思いである。

勿論僕の弁当はノーマル仕様。キャラ弁などではない。

たまに下痢便になるぐらいである。

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■ポケモンって今全部で何匹なん?
2011年07月06日(水)
「ミジュマルクルミルダルマッカー♪」

嫁実家にてすっかりポケモンの歌に洗脳されてしまった息子・タク(5才)。百何十匹ものポケモンの名前がひたすら連なっただけの歌詞を歌うさまは落語の「寿限無」を通り越してなんかのお経のようだ。はてまただっさい日本語ラップのような。ちぇけらーとか言ってやたらと親をリスペクトするやつ。

お風呂に入ってもエコーがたっぷり効きまくったポケモンの歌が響きまくる。もうこりゃ眠るまで止まらないな、と諦めていたら嫁が風呂場の扉をバアンと開けた。

「なんだ。どーした」

「○○ちゃん家もお風呂で歌ってるよ。その歌」

近所のRの同級生、○○ちゃんの家からも聞こえてくるよ、と嫁は笑っていた。そうだ。何もタクだけではない。あれだけポケモンが流行っているんだもの。タクのような子供が何十万、何百万といることだろう。

翌朝、僕と娘・R(7才)がそれぞれ会社と学校に出掛ける時、家の前でRと一緒に行く子供達を待っていたら、家の中からまたタクの

「ミジュマルクルミルダルマッカー♪」

例の歌が聞こえてきた。そして扉が開く音がしたかと思うと、

「ぎあるぎぎあるぎぎぎあるー!」

歌の続きを熱唱しながらタクが走ってやって来た。しかしそこで昨日の○○ちゃんではない、別の家の女の子が

「あ、その歌だいぶ歌詞飛ばしてるよ」

とタクにダメ出しするではないか。ひいいいい。ホントみんな普通に知ってるんだなあ。この子達が大人になったらポケモンが昔懐かしネタになるんだろうか。

多分、僕も子供達にせがまれて断り切れなくて買ってしまったのだが、今マックでやってるハッピーセットの影響もあるのだろう。ポケモンのオモチャと、その歌の歌詞が載っているポスターがもらえるんである。

そのポスターはご丁寧に歌詞とポケモンのイラストまで載っているので、タクも食い入るように読んで覚えていた。ウチの近所の子達もみんなマックで買ってもらったんだろうなあ。恐るべきはマックとポケモンの子供達への影響力である。

僕も最初の頃のポケモンは実際ゲームもしたしアニメも観ていたのでよく覚えたものである
が、その後ガンガン新しいポケモンが出て来てとてもついて行けなくなった。しかし子供達はそれらを含めて全部覚えてるってんだからその記憶力が羨ましい。こちとらAKB48の名前、誰ひとり覚えられないと言うのに。

ポケモンじゃなくてAKBメンバーをモンスターボールで捕まえるゲームが出来れば覚えられるかもしれないけど。

主人公はサトシじゃなくてヤスシで。

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■ナチュラルハイ。掘ります掘ります。
2011年07月05日(火)
嫁実家で娘・R(7才)と息子・タク(5才)が子供達がジャガイモ掘りをしていた。

嫁と嫁父が朝5時から子供達が採りやすいように下準備をしていたという。僕は何もしない人。

Rとタク
泥対策と日焼け対策をしたRとタクはアラブの人のようなイデタチになり、畑の土をほじくる。嫁はそれを追いかけて更に深く掘り、ジャガイモの掘り残しがないようチェックする。僕は何もしない人。ただカメラを構えるのみ。

「あったー!」
「でかい!」

などと叫びながら掘りまくるRとタクは本当に楽しそうであり山盛りのジャガイモを掘り起こすことが出来た。Rとタクは

「もう疲れちゃった」

暑さと重労働のせいで30分ほどでバテてしまったので、シャワーを浴びせてサッパリした。

イモ掘りを終え、僕は見ていただけだったが何かが物足りないような気がしていた。そこに嫁が

「なんかねー。土に虫が全然いなかったのよね」

と言うので

「それだ!」

まさにその通りだと思った。去年は土の中からミミズやら昆虫やら出て来てRとタクがキャーキャー言っていた記憶があるし、Rも

「虫がこわいの…」

と構えていたのに今年は全然なかった。

「きっと放射線のせいだよ!」

とりあえずそういうことになった。

「今年はダメになっちゃったイモも多いってお父さんが言ってたわ」

「それも放射線のせいだよ!」

とにかく怪しい事象は放射線のせいということになった。

シャワーを浴びた後、嫁母がスイカを出してくれたのを見て、

「夏に出来る食べ物は放射性物質を体から出してくれるのよ!食べなさい!」

嫁がすさかずそんなことを言う。しかし僕にはみのもんた信者のオバサンが言う話ぐらいにしか聞こえなかった。

「たっくん、スイカ食べない…」

タクはどうやらスイカが嫌いらしく、手を付けようとはしなかった。

「ほら、夏といえばスイカじゃないか。食べようよ」

と僕はすすめたのだが

「あなたは食べないの?」

という嫁のツッコミが。

「いや、まあ、僕は」

塩がかかってるから食べらんない、なんて嫁母の前で言えない…。

イモ掘りならぬ墓穴を掘ってしまったことよ。

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■くらと寿司とロリータコ。
2011年07月04日(月)
嫁実家で過ごす週末。

嫁父に連れられて「くら寿司」に行く。

100円回転寿司で名前はよく聞いたことがあるが、近くになかったため今まで来たことがなかった。入ってみると店独自の工夫されたシステムがあり、わりと面白かった。

・タッチパネルで注文。
・注文した寿司は「ご注文皿」と書かれた赤い土台に載ってやって来る。
・ご注文皿が来るとタッチパネルからピーピー音がして知らせてくれる。
・皿を返却する返却口があり、そこに5枚皿を入れるたびにタッチパネルでルーレットが始まり、当たるとガチャガチャがもらえる。

等々…あとネタが全部サビ抜きなのにはビックリしたが、子供向けに焦点を合わせているんだろうなあ。娘・R(7才)と息子・タク(5才)も皿を返却してルーレット、の流れに夢中になっており、

「今度はたっくんが5枚集めるの!パパ早く食べてそのお皿ちょうだい!」

「ムチャ言うな」

とふたり争うように皿を集めまくっていた。2回当たってガチャガチャのカプセルが出て来るのだが、中身はくら寿司のオリジナルキャラで

ロリータコ
こんなの。「ロリータコ」だって。こんなところで萌えキャラが…。さっそくRのリュックにぶら下げられていた。

肝心のお味の方は、ご馳走してもらった身なのにこんなことも言うのはアレなんだが、やはり100円なので…。「寿司食った!」という気分にはなれなかった。

あとタッチパネルで注文して「ご注文皿」がやって来るまでの間が結構せわしないっていうか。かなり待たされることもあり、

「あれ、コレ誰が頼んだ?」

既に注文したのを忘れていたりして。ある時、Rが「サラダ巻」なるあまり聞き慣れない軍艦巻を頼んだことがあった。しばらくするとピーピー知らせる音がしたので構えて待っていたのだが、似たような軍艦巻の「ご注文皿」がいくつも連なっていて

「ど、どれがサラダ巻かわかんないー!」

と迷っているうちに皿はずんずんと進み、取り逃がしてしまった。

「Rちゃんのおすしが…」

ガッカリするRの顔が非常に悲しそうだったので

「ごめんよ。たぶん1回転して戻ってくるよ」

と予測したのだがキャンセル扱いされてしまったのか、二度と戻ってくることはなかった。なるほどそういうシステムなのだろうか。取るのが遅れるとおあずけを食うのだなあ。

まさに時既にお寿司ってか。

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■親はなくても子は育っていた。
2011年07月03日(日)
土曜日、嫁実家に行く。

既に昨日から泊まりに行っている娘・R(7才)と息子・タク(5才)を追いかけるのだ。手ぶらで行くのもアレなので、乗換駅の東中野の商店街でかきもちを買って行く。かきもち屋さんなのに合鍵作成もやっていて不思議なお店である。

中野で再び乗換え。小腹が空いたので立ち食いそばをすする。こんなクソ暑いのに熱いそばを食わなくてもいいのに、と我ながらと思うが、冷やし中華や冷麺といった冷たい食べ物はあまり食欲をそそらない。「冷やしたぬき」などを食わされるぐらいなら大汗かきながらでも鍋焼きうどんを食う。

そんな自分の好みを自問自答しながら券を買ってカウンター越しにオヤジからかき揚げそば(かきもちとかき揚げをかけたわけではない)を受け取ると、先客である「ヤンママの10年後」みたいなお母さんと5年生くらいの男の子も同じものをズルズルと食べていたので同志を得た気分になった。

母子は程なくして食べ終わり出て行ってしまったが、男の子だけ

「キップ忘れた!」

とすごい勢いで戻って来た。なるほど、その子がいたカウンターにキップが裏返しになって置かれていた。席が近くだったのに、気付いてやれなかったのがちょっと悔しかった。

駅に着くと嫁父が改札まで迎えに来てくれた。そして

「今、車の中にRとタクがいるんだけどさ、『おじいちゃんの友達が来るんだ。挨拶できるかなー?』ってウソついてるから」

とイタズラっぽく笑った。どうやら僕はサプライズ扱いらしい。じゃあそーっと気付かれないように顔でも隠して行きますか…と駅を出たら、車の窓からニコニコしながらこちらを見ていたRに速攻で見付かってしまい

「パパが来た!おじいちゃんの友達ってパパだったの?」

嫁父の謀略は2秒で台無しになってしまった。ふたりとも元気のようであったが、タクが車の中で

「ミジュマルクルミルダルマッカー♪」

ポケモンの歌を歌い出すのである。この歌はポケモンの名前が数珠繋ぎになっていて、端から聞いていると落語の「寿限無」みたいな感じである。僕もポケモンが始まりたてのころはアニメを見ていたが、その頃とは比べ物にならないくらい種類が増えてるし、初期のアニメの頃も

「ランランラン言えるかな、ポケモンの名前〜♪」

というポケモンの名前を羅列した似たような歌があったが、タクが歌っているのはそれとは違う!しかしうちではポケモンのテレビは見ていない。嫁実家にいるうちに一体何が…。と思ったら

「○○(嫁弟)が、ネットで見せたんだよね」

それで急激に覚えてしまったようだ。

「ミジュマルクルミルダルマッカー♪ダブランマメパトエンブオーゾロアーク♪」

何度も何度も早口で繰り返すタク。よくもまあ噛まずに言えるもんだと呆れるが、この長さは最早「寿限無」の比ではない。こんだけ早口でまくし立てられるとお経のようにも聞こえる。

「ギアル・ギギアル・ギギギアルー♪」

なんて歌っているところは

「ぎゃーていぎゃーていはらぎゃーてい」

に似ている気がしてくるから不思議である。それはそれとして、とにかくうるさい。気が狂いそうになるので

「頼むからやめてくれー!」

と歌うのをやめさせようとするのだが、酉年生まれの鳥頭なのでものの1分でまた始まってしまうのである。

嫁父は、

「こんなやかましいのはウチの家系にはいない!」

すべて僕のDNAのせいにしてしまった。九官鳥とかオウムの遺伝子が入ってるのかもしれない。

僕や嫁がいない嫁実家で寂しい思いをしていたかな?とちょろっと心配したが全然そういう気配はなく、嫁実家に着くと、風呂場に

「ここはおんせんです」

「土日やってます」

「月火水木金やってません」

などとRとタクの字でベタベタ貼り紙されており、縦横無尽に好き勝手やってたようであった。そしてタクは相変わらず壊れたラジカセのように

「ミジュマルクルミルダルマッカー♪」

延々とループしており、

「ああああ、うるさい!」

ポケモンと言うよりとんだトボケモンである。

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■ジャガエロ。
2011年07月02日(土)
「ほら、パパにしばらく会えないんだからバイバイしときな」

朝、仕事に出掛ける時、玄関のドアを開けようとしているタイミングで嫁が子供達に言った。

しばらくと言っても1日だけなのだが…。この日、娘・R(7才)と息子・タク(5才)がそれぞれ学校と幼稚園から帰って来たら、嫁実家に泊まりがけで行くことになっていたのである。

そこで嫁父が庭の畑に植えたジャガイモを掘るのだという。今はタクがジャガイモみたいな坊主頭だというのに。いずれにせよ我が家の家計のために48個ぐらい掘ってきて欲しい。IMO48。なんちて。

「はい、じゃあ気をつけてジャガイモ掘りがんばってね」

とタクと握手を交わすと

「子供達は今夜いませんから…でも私はいるけどね!」

嫁が笑みを浮かべる。え、なにそれ。それって今晩ファックミーってこと?嫁は常々「みだらな行為はもういい」と言って憚らなかったが…笑みの奧に隠れる真意を探ろうとする僕であった。

嫁は今夜いる。嫁父が子供達を迎えに来ることになっているのだ。

「はやくおじいちゃん来ないかな〜」

タクは朝からウキウキしてウェイクミーアップである。一方Rはちょっと引きつった笑顔を見せ、

「ジャガイモ掘りは好きなんだけど…おっきい虫が出て来るのがヤダ!こわい!」

女の子らしい悩みを吐露していた。

「あー。カナブンの幼虫とかねー。あれは正直パパも嫌いだ…。でもトカゲとかは好きだ」

親として子の悩みに答えるべきだったが、何の解決にもならない話を返すダメ父親。

夜、帰って来ると嫁がひとりぽつんとアイロンがけをしていた。やはり子供達がいない家の中というのはガランとした空間の存在感がでかい。

「あちいね」

などと言いながらゴロゴロしていたら

「あなたもう寝ちゃいそうだから布団敷いとく?」

などと言うではないか。え、なにそれ。ただちにファックミーってこと?どんな風の吹き回しだと思いながら布団を敷いてみて

「ママといっしょに寝るぅ〜」

タクのマネをして甘えてみたところ

「はあ?私まだやることいっぱいあんの!あとそれ全然可愛くないから!」

いつもの嫁のリアクションだった。もう遠回しに言うのがめんどくなったので

「やらせろー」

と臀部をひとなでしたら

「できません!!ザマァ!」

月次血算なんだという。一体朝からの思わせぶりな言動は何だったのだろう。僕がなんでもエロに繋げてしまう妄想回路が悪いのだろうか。

子供達はうまくイモを掘ることが出来たのだろうか。僕のイモは日の目を見ることはなかった…。

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■不審者対策に腐心する。
2011年07月01日(金)
夜、子供達が寝ようとしているタイミングで帰って来た僕は

「いっしょにねるー」

娘・R(7才)と息子・タク(5才)と共に布団に転がった。タクは

「ねーむーい!」

と叫んでいる。だから寝ろっつーの。眠いと叫びながらも

「ねえパパ、あのねえ」

と話しかけてくるアンビバレントな坊主頭の小坊主君。

「なんだい」

まあ色々話しかけてくれるうちが華であるよ、と思い聞き上手に徹してみると

「今日、怖い夢みたの」

と言う。

「へえ。どんな夢?」

「おしえない」

「おーまーえーはー」

別にどんな夢だっていいんだよ!他人が見た夢と映画のストーリーを話されることほどつまらない話はないという。まさにその通りで別にタクが何の夢を見てもわりとどうでもいいのであって、僕は会話を続けること自体を楽しんでいるというのに、この息子ときたら…。

僕がプンスカしている様子を見て、流石に5才児といえど空気を読んだようであり、

「あのね、知らない人に水に沈められた夢なんだよ」

と白状した。オバケに追いかけられた、とかそういうファンタジー系な夢を予想していたに、本当にありそうな変質者系のリアルっぽい話だったので、タクが水中に沈められている姿を想像してしまい、僕も本当に怖くなってしまった。

「あ、でも、君、泳げるじゃん」

と膝を叩いたら

「ママとおんなじこと言ってるー!」

Rがケラケラと笑った。タクは

「ママにも言ったけど、泳げないくらいせまくて深かったの」

妙に稲川淳二ライクな無駄にシリアスな顔で語った。

「うーん。まあ、世の中変な人が多いから、知らない人にはついてっちゃダメだよ」

「うん!」

ふたりは当然とばかりに頷くが、

「Rもタクもカワイイから『あっあの子カワイイなあ…連れてっちゃお』って思う変なおじさんとかいるかもしれないからね!」

と釘を刺しておくと

「でへへ」

カワイイと言われてまんざらでもない笑みを浮かべる二人はちょっと甘い言葉をかければすぐ付いて行ってしまいそうだ。

「いいですか。おかしあげるとか言われてもダメだよ!」

「うん!」

「パパの友達だからって言われてもダメだよ!」

「うん!」

「もしパパの友達だったら『パパが生まれたところはどこでしょう』ってクイズ出しなさい」

「うん!」

思わぬ所から不審者対策の話になってしまった。Rもタクも話を真面目に聞いてしまって、

「Rちゃん、土曜日お出かけするとき、防犯ブザー持って行くことにする!」

急激にリスクへの意識が高まり、

「いや、パパかママが一緒の時は大丈夫だよ」

「そんなことないもん、駅通るもん。駅は人がいっぱいだからはぐれちゃった時怖いもん!」

おおっ。僕よりレベルの高いリスク想定…!これで僕がそんなことないから大丈夫!と言ってしまって実際にRがはぐれてしまったら、僕、東電みたいにボロクソに叩かれるんだろうなあ。

街は子供のみならず大人も攫われる危険で一杯である。昔、よく歌舞伎町を歩いていた時があったが、その時よく

「オッパイスキ?オッパイスキ?オッパイスキ?オッパイダヨ!」

「オ○ンコですけど」

などと謎の呪文のような言葉を投げかけてくるおじさんがいた。必死に振り解こうとしつつも、オッパイ好きだったらなんなんだよ!お○んこだったらなんなんだよ!という疑問に囚われ、ついつい知らないおじさんに付いて行きそうになったことが何度も会った。本当についてったらひどい目に遭ったのかなあ…。

そんなバカなことばかり考えていると、そのうち子供らに「いらないおじさん」とか言われそうであり、知らないおじさんよりこっちのほうが心にくるなあ。

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