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■ビザールなバザール
2009年11月30日(月)
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我が街・江古田の商店街では「ナイトバザール」というイベントが定期的に開催されている。

一見普通の商店街が、夜になるとたちまちいかがわしくもみだらな桃色遊戯的お店になる…というのでは勿論なく(ちょっとだけ期待した)、射的・輪投げ等の夏祭り的な露店が出たりウルトラマンとか来たりするんである。

夕方5時ぐらいからの開催なので、子供達の生活サイクルを考えて普段は行かないのだが、この日はアンパンマンショーがあるとのことで娘・R(6才)と息子・タク(4才)が

「いきたい!」

と言って聞かなかった。

「わかったわかった。行こう。でも夕方だから4時ぐらいにね」

テンパっているRとタクをそうなだめたら、

「いま何時?」

「まだ10時」

「いま何時?」

「まだ12時」

朝から何度も何度もうるさいうるさい。

「いま何時?」

「そうね大体ね〜」

「いま何時ってきいてるの!」

平成生まれの子供達には胸騒ぎの腰つき的なボケは通用しなかった。

ようやく夕方になったので子供達をアンパンマンショーに連れて行くと、観客達は銀行の裏庭みたいなところに通され、あっという間にすし詰め状態。さすがアンパンマン。どんだけ人気なんだ。

会場はイマイチ照明が薄暗く、周囲にブルーシートが敷かれ殺人事件現場のようになっており

アンパンマン
わりとレアと思われる不気味なニセアンパンマンも出て来たりしてなかなか怖い感じであった。

また、音声がぶっ飛んで最初からやり直しというトラボーもあったりしたが、そこはローカルなイベントということで微笑ましい。

アンパンマンショーが終わってからは商店街を回って出店をひやかす。

「わたあめ食べたい!」

Rとタク定番のわたあめおねだり。

「はいはい」

絶対言われるだろうと思ってたのでわたあめの屋台に並んだら、わたあめの機械が昇天して長蛇の列ができまくっていた。これがホントのわたアーメン。なんちて。

あとRとタクがやりたがっていたのはダーツ。

R
タク
矢を投げまくるRとタク。

おもちゃのダーツなので、マジックテープで矢がくっつくやつなのだけれども、タクがやってみたら全くくっつかず、的には当たるがポロポロと矢が落ちる。

「あらー。でも上手だったねー」

こりゃ絶対泣くな、と思い慰めたのだけれども

「う…う…」

案の定「悔しいです!」みたいに顔がひしゃげてマジで泣き出す5秒前。

「ほらほら、お菓子もらえるよ!何がいいかなー?」

景品にお菓子をもらえることを必死にアッピールしたら半ベソ顔でしっかりチョコをゲット。

「でへへへへー」

現金なものである。泣いたカラスがもうデヘヘ。

「さて、もう遅いから帰ろうかね」

もうお風呂に入らなければならない時間なので、急いで家に帰ろうとしたら

アンパンマン
…なんかこんな感じの萌え系美少女が何人(何体?)もうろうろしており、さすがマンガ家やアニメ製作会社が多い街・江古田である。そこはかとなくオタっぽい。彼女達は子供にアメを配りながら握手したり手を振ったりしていた。わりとかわいいではないか。Rとタクももらった。

「でもあれって中は男なんだよね…」

嫁は趣のないことを呟いていたが、

「あ、ごめんなさい…」

僕にぶつかった彼女の声は女の子だったぞ!萌え系着ぐるみの中に本物の女の子が入っている…そしてその声は声優っぽいロリ声が…。そう考えるとなんか声だけで萌えてしまった。こんなレアな設定で欲情するとは思わなかった。

そんなわけでなかなか賑やかなバザールであった。中には地元の大学生が出した屋台もあって、そのうち

「からあげとポテトいかがですかー」

と売り子が回っているのをタクが見て

「たべたい、たべたーい」

と執拗におねだりしていた。確かに美味しそうだし、何より売り子の女子大生がカワイイ。

「お嬢ちゃんがビールのお酌してくれたらツマミに買っちゃおうかなー」

と僕も思わず買ってしまいそうになったが

「からあげとポテトなんて今食べたら晩ご飯入らなくなっちゃうでしょー」

と振り切った。

「やーだー。たべたいたべたいー」

「ダメッス」

見ざる聞かざるナイトバザール。

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■昭和枯れ落ち葉
2009年11月29日(日)
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今日も今日とて公園遊び。

娘・R(6才)も息子・タク(4才)も元気に公園内を暴れまくっておった。折りしも紅葉の季節であり落ち葉が舞い、地面にもたくさん敷き詰められていた。Rとタクはそれにソソられたのか

「落ち葉を集めまーす」

ふたりして落ち葉を集め始めた。

R
タク

「みてみてー」

「…君達は何をやっとるんだ」

「枯れ葉のふとん」

僕も子供の頃に枯れ葉を集めてダイブとかしたもんだが、親目線で見るとなんかホームレス幼児みたいなものである。

「はははは…たまにミノムシがいるから気を付けろ」

ミノムシじゃなくてミノモンタだったらやだな…とどうでもいいことを思った。そんなことをしていたらあっという間にお昼時。

「はいはい、そろそろお昼ご飯だからどっか食べ行く?それとも帰る?」

と子供達に言うと

「ここで食べる!」

「えー!」

というわけで

R
タク
こんな有様になってしまった。

地ベタでメシを食う羽目になってしまうとは。

「お外で食べるとおいしいねー♪」

あっ。嫁がわりと順応している。逞しいなあ…。

本当はこの大量の枯れ葉を集めてヤキイモでも作りたいところだけれど、大都会東京ではそれは叶わぬ。ただし以前栃木に帰郷した時に、

「東京でたき火はダメなんだよね、栃木だったら庭で出来たのに」

ということを母に言ったら

「今はこっちもダメなんだよ。怒られちゃう」

ダイオキシンがなんたら防火上のなんたらで世知辛い世の中らしい。まあ昔はゴミも何でもかんでも庭で焼いてたしね…。

メシを食べ終わり、まだまだ遊び足りないというRとタクはとっとと走って行き、僕はゴミを捨てるためにゴミ箱に、とそれぞれ散っていったら

「ちょ、ちょっと、私を置いてかないで」

ひとり取り残された嫁がいた。ちょっと離れたところから落ち葉にまみれた嫁は、吹き溜りに掻き集められたゴミのようでみすぼらしかった。

「ひとりになっちゃったら、私、なんか可愛そうな人みたいでしょ」

「うん。なんか悲愴感たっぷりでいい感じだ」

「きゃははは、ママひとーりー!」

Rとタクもはやしたてる。ここで一句読めた。

うずもれる 落ち葉で親の 立場なし

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■異心伝心
2009年11月28日(土)
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恒例の娘・R(6才)のお絵描き披露。

Rはお絵描きが好きで、よく僕に見せてくるのだ。

「ねーパパーみてみてー」

「ほいほい、どんな絵を描いたのかな?」

見せてもらうと

Rの絵
チラシの裏にこんな感じで右から僕と嫁、息子・タク(4才)とRの4人が仲良く描かれている。

「みんなであそんでるの」

「あ〜…いいねえ…」

いつまでもこのように仲良しの家族だといいな。何しろ昨日は会社から帰ってきたら嫁に舌打ちされるし(まだ根に持ってる)、Rも将来

「ちっ。臭オヤジ」

とか言って僕から離れ、タクも

「けっ。オタオヤジ」

とか言って僕を毛嫌いする時が来るのではないかと今からオロオロしているのだ。現在子供達が僕に懐けば懐くほど嬉しい反面不安も増大するのである。

そういった意味でこのRが描いた絵は心にグッと来るものがある…。よく見ると僕のところに何やら字が書かれている。

Rの絵
「これなんて書いてあるんだい?」

難解な文字なのでひとつひとつ目で追ってみると

「こころのなかでRちゃんをみている」

心の中でRちゃんを見ている?これまたスピリチュアルな…と首をかしげていると

「あのね、この絵ではパパとRちゃんは離れてるけど、パパはずっと心でRちゃんを見ているんだよ」

「おおお、そうなのか」

「Rちゃんもパパを心で見てるの。だってパパとRちゃんはラブラブなんだよ!」

ドッギャアアアアン。僕は死んだ。感激しすぎて死ぬる。もう何度Rの殺し文句で殺されたろう。

「あ、ああ、そうだね。僕たちラブラブだもんね…」

こんなにラブラブな僕たちなのに、いつかは「チッ。臭オヤジ」なのかな…。そうならないようにするためには、常に自分を磨かなければならないだろう。オヤジにはオヤジの渋さがある。

その渋さがオヤジの魅力でありすなわちダンディなのであると僕は考える。ではダンディさを目指すには何をしたらいいんだろう。ゲッツ?違うか。そんなことを考えていたが

「ラブラブだからRちゃんの頭の上にもハートマークがあるんだよ!」

Rが矢継ぎ早に話すので思考が中断する。

「ふふふ。相思相愛だね」

「それってなに?」

「どっちも好きってことだよ」

「ふーん」

いつまでも相思相愛であるべく、僕はダンディなオヤジにならばければならぬ、と幼い娘のキラキラとした瞳にそう誓った。

夜中、Rとの相思相愛の余韻を反芻すべく改めてしみじみと絵を見ていた。嫁も寄ってきた。

「かわいいよね」

「うん」

そういえば今は知らんがかつては嫁とも相思相愛だったはずなので、ちょうど植物で言えば花粉に当たるものが溜まっている時期でもあり、ちょっと嫁に花粉撒きます的なことをアピってみたら

「寝る」

とっとと寝てしまった。

相思相愛どころか精子割愛!

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■舌打ち合わせ
2009年11月27日(金)
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今日もわりと早めの帰宅。

家に着いて暗い寝室を覗いてみると

「チッ。あと5分で寝たのに…」

暗闇の中から嫁の恨み言が聞こえた。こえー!息子・タク(4才)は寝てしまっていたが、ちょうど娘・R(6才)を寝かしつけるところだったようである。

てかマジむかつくんですけド。せっかくぉ給料日だから今月のぉカネおろして来て渡そっかなぁってタイミングに舌打ちなんてヒドス。アタシ的には喜んではもらっても舌打ちされる覚えはナイ。亭主元気で留守がイイってか?子供寝るまで帰ってくんなってか?

おかしくない?ありえなくない?なくなくなくなくなーい?もぉとりま犯すし。ガッツンガッツン犯すし。

…と思わずギャル文体になってしまうほど怒りが湧いてきたので

「帰りざま舌打ちはないだろ。ひどいなあ」

Rの前で感情を顕わにするのはよろしくない。とっとと隣の部屋に籠ってでオネイニーでもすることにした。怒りのリビドォを全てみだらな動画にぶちこんでやりますことよ!

みだらな動画を用意し、どれにしようかなとセレクション。小生の愚息は既にエレクチオン。着々とスタンバイにとりかかる。小生の愚息もスタンドバイミー…といったところで

「ぐわらっ」

いきなりフスマ全開で嫁が入って来た。日頃鍛えられたものっすごい反射神経で画面を消す。うををををびっくりした。まだ愚息を出してなくてよかった。

「…なんスか?」

舌打ちするほど邪魔な夫に何の御用でございやしょう、と嫁にへつらったら

「Rがパパと寝たいってさ」

ふてくされた顔で言いおった。見よ。娘は僕を待っている。

「パパー」

Rはポヨーンとした眠そうな顔で待っていた。

「今日は何をしたのかな?」

「きょうはママのお友達が来たんだよ…」

などと少し話してRは眠りに落ちていった。可愛いなあ。

娘の後は嫁。舌打ちの制裁として、みだらなソロ行為を中断され行き場を失ってしまったリビドォを嫁に向けてやろうかしら、と思った。

しかし振り返ると嫁の背中が怖い。先程僕が吐き捨てたがまだ胸に刺さっているのであろうか。長年の付き合いの経験から察し、おいそれと近付けないことが分かった。

もし強引に押し倒そうとしたら舌打ちどころかメッタ打ちである。

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■夢幻の如くなり
2009年11月26日(木)
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夜帰って来ると子供たちはまだ起きていた。

息子・タク(4才)は布団から飛び出てはしゃぎまくり、娘・R(6才)が

「パパ〜。よかった〜」

と布団の中でニコニコしていた。

「んー。何がよかったんだい?」

「あのね、ぬいぐるみをだっこして寝ると楽しい夢が見れるの。でもパパが来たからぬいぐるみじゃなくてパパと寝るの」

「あはは〜そうか〜。じゃあ一緒に寝るかい」

いつもこの子の頭の中はメルヘンだなあ…っていうか僕はぬいぐるみの代用品かい。ホールドミー、ぬいぐるミーってか。

「君達の楽しい夢ってどんなんだい?」

子供達が考える楽しい夢ってどのようなものだろう…と興味が湧き、聞いてみた。するとタクはこう答えた。

「お空を飛ぶ夢」

「おー、いいねえ」

極楽トンボのタクらしい夢である。そしてRの夢は

「Rちゃんもお空を飛んで、雲まで行くの。雲はわたあめになってて、いっぱい食べるの」

というものだった。

「わたあめか、君達大好きだもんね」

「それで、雲の上でお昼寝するの」

わたあめなんだからベタベタするんじゃないか…とか突っ込むのは野暮であろう。

「とっても素敵な夢だね。見られるといいね」

そのように誉めておいた。そしたら

「パパはどんな夢見たい?」

逆に聞かれてしまった。本音としては2億4千万のオッパイに囲まれ、おっくせんまんの胸だらけ〜♪、ドエロティックジャパーン!と叫ぶのが夢であるが、

「君達が空なら、パパはロケットで月まで行くぞ。そんでウサギさんとお餅つくんだ。で、君達に食べさせてあげる」

というRとタクがそそりそうな夢をでっちあげた。

「わー。たのしみー」

とか言いながらいつの間にか僕らは寝てしまった。

翌朝、あれだけ盛り上がった夢の話だったが、Rは僕と公園で遊んだ夢を見たという。タクは折り紙の手裏剣をたくさんもらった夢だったという。大して現実と乖離してない地味ーな内容である。わりと現実志向なのね君達…。

「じゃあパパは?」

「え、僕?」

えーと、僕はどんな夢だったかというと…起きてから急激に忘れていく夢の記憶。僕はそれを必死に追い掛けて…、あ、そうだ、思い出した。

夢の中では学生時代で、嫁と大学で喋っているところであった。そして何故か二日酔いで嫁の前でゲロをモリモリと吐きまくっていたのだった。なんというしょうもない夢。

僕はよく大学時代の夢を見る。現実の記憶とごっちゃになっていて

「やべーそういえば仕事ばっかりで授業全然出てないじゃん。卒業できねー」

という内容が定番である。そんなにギリギリで卒業したわけでもないのに…。

「えーとねー。学校に行った夢を見たよ」

子供達にはゲロを省略してそう伝えた。しかし何故ゲロ…。寝てる間気持ち悪かったのだろうか。

夢がMORIMORI。
ゲロがMORIMORI。

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■ちんちんかもかも
2009年11月25日(水)
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栃木の実家には弟がいる。

僕らが帰郷した時は、仕事で疲れているだろうに車を出してくれたり娘・R(6才)や息子・タク(4才)の相手をしてくれたりと、感謝している。

遊んでくれるものだからRやタクにも大人気。

「やっちゃん(弟の名)、あそぼー!」

弟と遊んでいる時は僕なぞ放って置かれる始末である。

「ねえ、パパも入れてよ」

「やだー。やっちゃんとあそぶー」

我が家では、子供ヤダモン父ノケモンってか。しょうがないので外でタバコでも吸って、戻って来てもまだ弟とRとタクがドタバタやっている。そしてRの衝撃的なひとことが聞こえてきた。

「やっちゃん、ちんちんみしてー」

「なにー!」

R、お前はお前はお前はお前は!いつから男のイチモツを欲するような女になってしまったのだ!ここで止めねばRは将来ビッチの道を歩んでしまう。今叱るべきである。今叱らないでいつ叱る。鉄は熱いうちに打て。ちんこは固いうちに入れろ。普段はRにメロメロの僕も

「こら、R…」

心を鬼にして叱ろうとしたら

「Rちゃん、だめでしょ!」

なんとタクに先を越された。

「ちんちんは、みせるもんじゃない!」

おおお、偉いぞタク。そうだ。見せるもんじゃない。入れるものだ。たまに「ほ〜ら」とか路上で見せるおじさんいるけど。

「Rちゃんにみられたら、やっちゃんはずかしいでしょ!だからみようとしちゃダメ!」

おおおおおお、この子はいつの間にこんな理路整然と話せるようになったのだろう。父はちょっと感動してしまったことよ。その言葉を聞いたRは

「は〜い」

とちょっと拗ねて弟から離れて行った。いつもRがタクのイタズラや意地悪を叱っているのに今日は全く逆になってしまった。しかも完全にタクに分がある。

ちょっとRのフォローに回ろうかな…と思ったが、じゃあ代わりにパパのちんちんを見るがいい、とか言ってべろーんと出したら変態なので、どうやって慰めていいか分からなくなってしまった。

その後勝ち誇って勢い付いたタクは、弟に

「おまたはちんちんの仲間なんだよ」

などと独自の理論をかましていた。タク、それは…えーとえーと、おしべとめしべが…ああああどこからどうやって話していいか分からない。

弟に「どーいう教育してんだ」と言われそうで怖い。

兄の股間、いや、沽券に関わるなあ。

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■年賀状で常楽我浄
2009年11月24日(火)
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地元栃木に帰郷中。

近くのだだっ広い公園で娘・R(6才)と息子・タク(4才)を遊ばせていた。

景色がよく、抜けるような青空(ヌけるようなAVではない)だったので

「ここで年賀状用の写真撮ろうよ」

と嫁が言った。我が家の年賀状は一家4人揃った写真を送り付けるという多少ウザい仕様になっている。僕はあんまり好きではないのだが嫁がそう言って聞かない。同行した母に撮ってもらうのだ。

「このへんがいいよね」

適当な場所を選んで母にカメラを渡そうとすると

「Rちゃんが撮ってあげる」

Rがカメラを構えたくてしょうがない様子。

「えー。君も写らないと意味がないんだけど…」

と言うと

「じゃあパパとおばあちゃん撮ってあげる」

というわけでこの年になって母とツーショットを撮られてしまった。ツーショットって言葉、懐かしいなあ…。

「じゃ、お母さん頼みます」

Rの気が済んだので母にカメラを渡そうとすると

「たっくんもやりたあい」

タクも写真を撮りたいのだとダダをこねた。

「もーしょうがないなあ…」

Rにだけやらせてタクにやらせないんじゃ可愛そうだとカメラを渡そうとしたら

「いい加減にしなさい!」

さっきから待ってイライラしていた嫁が切れた。メンス中(英語で言うとメンシング)の嫁はこえーよー。

「ぶわああああああ」

怒られて大泣きしてしまったタク。こんな状態で年賀状の写真も何もないもんだ…とし

「じゃあ早く撮りなさい」

タクに何枚か撮らせてようやく家族写真撮影開始。

「あのさ、あなたが空を指差してさ、みんなが大空を見上げている写真っていうのはどう?」

「えー」

そんな選挙とか宗教とか自衛隊員募集みたいなクサい写真やだよう…と思ったがメンシング嫁に逆らうのは得策ではないと思い、そのようにした。

「どう?」

母が撮った後、プレビュー画面を見てみたら、なんかみんな口が半開きで単にUFOを発見した人々みたいな写真になっていた。

「…普通でいいよ」

結局ごくごく普通の、ボケた我らのツラが写った画像となった。

ピンぼけところか大ボケである。

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■願わくばハッピーバースデー
2009年11月22日(日)
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連休は栃木の実家で過ごす。

本日栃木にて家族の皆が僕の誕生日を祝ってくれることになった。

祝ってくれる内容。

1.ケーキを食う

以上。

これは僕のためというより誕生日をダシにケーキを食べたい娘・R(6才)と息子・タク(4才)のためである。そして僕はオヤジ化したためスイーツ(笑)は全く食べる気がしなくなってしまった。

僕が食べないとなるとホールのケーキを買っても余るだけだし、また、それぞれの好みがうるさいため、各自思い思いのショートケーキを買う、という血の絆を全く感じさせないバッラバラな感じであった。

「さて、どれにする?」

ケーキ屋に行くと早速ショーケースに食らい付くRとタク。

「これ!」

2秒で即答したタクの指の先を見てみると

「こ、これはシンケンジャーのケーキではないか…」

シンケンジャーがデザインされシンケンジャーの小さなフィギュアも乗っている、どどーんと5号のケーキである。他にプリキュアのもあるし、これは大いなるケーキ屋の罠だ!

「あの…一応パパの誕生日なわけで、いい年のおっさんがシンケンジャーのケーキでハッピーバースデーってかなりヤバイでしょう?それに今日はみんなショートケーキって決めてたから、ね…」

切実な思いでタクを説得したのだが

「うわーん!」

タク、ケーキ屋で号泣。おいおい、僕のお祝い事なのに涙を見せないでくれよ…。

結局なんとかその他の好きなものを選ばせて実家に帰った。

「はっぴーばーすでー、とぅーゆー」

みんなが歌ってくれるのは嬉しいが、歌われる側になるのはやっぱり恥ずかしいなあ…。ケーキはあっという間に平らげられ、すなわち僕の誕生日祝いはとっとと終了したわけだが、夜の誕生日祝いというものもあってもよいはずだ。

すなわち嫁とおちょめちょめな行為をすることであるが、いつもコンスタンチノープルの城壁並みの防御力を誇る嫁も「誕生日祝いの締めとして」ということならばお股も緩めてくれるであろう。

そんな計算をしながら夜申し出てみると

「残念でした。出来ません」

月例のアレなのだという。

「そんな。なんていう間の悪い」

がっくりと肩と亀頭を落とす僕を尻目に

「あはは、ちょうどよかったわー」

僕が求めてくることなぞとっくに想定済みだとばかりに高らかに笑う。

「キイイイイ!」

僕は布団の端を噛みながら泣き寝入りするしかないではありませんか。…ていうか、毎年齢を1つずつ重ねているのに、やってることは毎年変わりないなあ…。

ファッキンバースデー、トゥーユー。

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■20,November
2009年11月21日(土)
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センチュリー、トウェンティ、ワン〜。

じゃなくて

トウェンティ、ノベンバ〜。

すなわち誕生日の朝だった。

「パパ、たんじょうびおめでとう!」

娘・R(6才)も息子・タク(4才)もまず起き抜けの第一声がコレ。君たち、そんなにパパの誕生日が嬉しいのか…本当はケーキ食べたいからなんだろうけど。

「はいこれプレゼントォォォォ!」

ふたりともものすごい勢いで僕にプレゼントをくれた。タクは折り紙で作った手裏剣と、新聞チラシで作ったピストル。

「ほお〜よく作ったね〜。これアレか。仮面ライダーのトリガーか?」

と付け焼刃の知識で、最近ライダー好きのタクに合わせようとしたところ

「違うよ。サイクロンだよ」

どうやら間違っていたようだが何が間違っているのかよく分からなかった。

「Rちゃんは、これ!」

続いてRが持って来たのはこれも新聞チラシを切ったりお絵描きして作ったバースデーケーキの箱。中にはまたまた紙製のバースデーケーキ。

「ふたりともありがとう。よく出来てるね」

「きのうね、『あしたまにあわない〜』って思って、急いで作ったらまにあったの」

「そうかそうか。一生懸命作ってくれたんだね…」

子供たちがせっせせっせと工作している姿が目に浮かぶ。こんな僕のために…と目頭が熱くなった。ふたりのプレゼントをシゲシゲと眺めていると

「はいこれ」

なんと嫁もプレゼントをくれた。これは全く予想GUYだったので驚いた。嫁がくれたのはチョコだった。

「え…くれるの?ありがとう」

「うん。でも愛はないから」

ガビーン。そのひとことで幸福の有頂天から絶望のズンドコに叩き落された。

「そうか…愛はないのか…」

「うん。ない。でもお金はかかってるよ」

愛がないならないでいい。身から出た錆である。思い当たることがあり過ぎて身の毛がよだつから触れないでおこう。しかしそれならそれで別に言わなくてもいいではないか。さすれば僕も素直に喜んだままでいられたのに。言わぬがフラワーである。

お金がかかっていると言ったって…数百円じゃないか。そしてこの金額は過去嫁からもらった誕生日プレゼント最安値を更新した。

僕はチョコの箱をぴりぴりと開け

「君たちも食べるか」

Rとタクに一切れずつ渡し、自分もひとつ口の中に放り込んだ。

チョコなのにしょっぱいなあ〜。

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■朝のちゃげあす
2009年11月20日(金)
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朝、娘・R(6才)が起きると

「パパー」

起きると必ず僕に抱き付いて来る。

「はいおはよう〜」

愛いやつじゃ。近う寄れ。しばらくモフモフとじゃれつく。特に言葉は交わさない。愛するふたりに言葉はいらない。ていうか寝起きでふたりともボーっとしているのである。でもRが

「さむい…」

沈黙を破ってポツリと呟いた。

「ん、上着着なさい」

パジャマ姿のRにそう言ったところ

「ううん、いらない」

「なんでよ」

「パパ、あっためて」

「まあ、Rったら」

ぎゅっと抱き合う僕とR。はいここでBGM入ります。

ジャジャーン。

よっけいな、ものなど、ないよね〜♪

Rが…そんなことを言うなんて…寒さのせいではない鳥肌が僕の全身を覆う。このまま時間が止まってくれればいい…そして…

〜HAPPY END〜

ってなんだよこのベタな恋愛ドラマみたいなの。Rがこんなメロメロな台詞を吐くとは思わなかった。いけません、僕には嫁と子供が…ってお前じゃあ。しかし悲しいことに現実はドラマと違って区切りのいいところで終わってくれぬ。ただひたすら平々凡々な日常が永遠に続く。そして僕も仕事に行く時間が刻々と迫っていた。

僕はぎゅっとRを抱きしめながら

「さ、そろそろ会社行くよ。Rちゃんも幼稚園でしょう。トイレ行きなさい」

名残り惜しいが抱擁をやめようとすると

「パパとおしっこいく。だっこして」

なかなか離れようとしないもんだからまいっちんぐ。ベタ惚れなんすよ。

君は〜確かに、僕を愛し〜てる〜♪

嫁もこれぐらい素直になってくれればいいのになあ。でももう愛想尽きてますかそうですか。

迷わ〜ずに〜、性交〜♪

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■Xデー迫る。S*Xデーではない。
2009年11月19日(木)
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「じゅーいちがつにじゅーはパパの誕生日だよねー」

ここ最近娘・R(6才)と息子・タク(4才)が僕の誕生日をチェックしている。

「きょうは18日?じゅーいちがつにじゅーまであと何日?」

毎朝こんな感じでカウントダウンしているのである。僕としては日々オヤジ化していくことがリアルに数値化される誕生日なんて大っ嫌いなので記憶から抹消したいところである。

僕の誕生日なんて忘れて、ひとことも話題にも出さずスルーしていれば今年は年を取らなくて済む…訳はないのだがあまり触れてほしくない、体はオヤジで心もオヤジでもハートは乙女である。しかし毎朝子供たちの問いかけで思い出してしまう。

なぜ僕の誕生日をここまでウキウキしているのかというと、おそらくケーキが食べられるからであろう。

バースデーケーキもローソクの数でリアルに年の数が表され、禍々しいったりゃありゃしない。まあいい…子供達にとってケーキはお口のパラダイスである。その代わり僕も少しは楽しませてもらえるのだろうか…?と

「君達はパパにプレゼントくれるのかナ?」

と聞いてみたら

「あげるよー!」

2人揃って元気な返事。

「おおお、何くれるのかナ?」

タクは

「しゅりけん!」

と答えて自分の折り紙手裏剣コレクションをドッサリ持って来た。この手裏剣、タクが大いにはまっていたものだ。何個も何個も作らされ、幼稚園に持って行ったら無くしたと言ってものすごいショボーンとしていたのだ。

運良く戻って来たのだが、あんなに大切にしていた物を僕にくれると言うのか。…さては飽きたな。一方Rは

「Rちゃんはないしょね!」

まだ教えない、と言ってちょっとイタズラっぽく笑った。

「そうかそうか、楽しみにしておくね」

誕生日までのお楽しみ、か…。お、あんだけ嫌がっていた誕生日も少しは楽しみが出て来たではないか。あとは嫁がススキノのソープ嬢レベルとまでは言わないが、そこそこのご奉仕してくれれば言うことはない。

…などとにやけていたら

「パパ、紙とノリとハサミ取って」

Rに腕を引っ張られた。

「ん。何に使うの?」

「えっとねー。紙でバースデーケーキ作るの」

どうしよう。さっきRが「ないしょ」って言ってたプレゼントが分かってしまった。

ともあれ子供達のお陰で、誕生日が迫り陰々滅々になっていた気持ちも元気になった。今日も元気に会社に行ける。

今日も元気に…。

きょーうも元気にドカンを決めたらローラー背負ってプレゼント!へい!
(何が「へい」だか)

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■8時だヨ!全員就寝!
2009年11月18日(水)
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これも日曜日のことじゃった。

夜、サザエさん40周年ということでいつもより長くやっていた。昔やったアニメ、40年の思い出を語るキャラ達、そして実写版ドラマ…。

小学生の癖にオヤジばりの貫禄で40年の思い出をノスタルジックに語るカツオは不気味であった。まともに時間が流れていれば

「さーて、来週のサザエさんは〜。

 波平大往生。
 カツオ、初めてのヅラ。
 イクラ、四十路なのにあの足音。

 の三本でーす」

ってな感じのはずなのに、成長の止まった化け物のようで怖かった。

それにしてもサザエさん、いつまで経っても終わらないのである。ゴハンを食べながら見ていたのだが、娘・R(6才)と息子・タク(4才)も夢中になってちっとも食が進まない。そうこうしているうちに我が家のテレビタイムリミット20時が過ぎたので

「はい、テレビ終わり」

と消した。あたかもドラマはイクラちゃんが産まれる時の話で、僕はタイコ役の白石美帆の妊婦姿に思いっきり欲情していたのだが仕方あるまい。

「やだー。みたーい」

タクはそろそろ眠そうであったがRがダダをこねた。

「だめです。もうおしまいだよ。いつも8時になったらテレビ消すでしょ」

「いくらちゃんが産まれるの、みたかった…」

Rは恨み節を残しながらも渋々と寝支度をし、布団に入った。しばらくするとタクはガーガー寝てしまったが、Rはまだモゾモゾとしており、

「くすん…くすん…」

よく聞くと小さな小さな声がする。泣いているのか?真っ暗なので目元にそっと指を当ててみると濡れているではないか。

「泣いてるのか?」

Rはコクリと返事。

「そんなにサザエさん見たかったのか?」

またコクリと頷いた後、

「う…うわああああん」

とうとう声を上げて泣き出してしまった。いつもは素直なRなのに、ここまで後を引き摺るところを見ると、余程見たかったんだろうなあ。しかしならぬものはならぬ。

「パパもねー。子供の頃は小学生になっても8時までだったんだよ。土曜のドリフの時だけ9時まで見せてもらえたんだ」

平成2ケタ生まれにドリフとか言っても分からないと思うが、そう言い聞かせた。

ババンババンバンバン、風呂入ったか!
ババンババンバンバン、歯磨いたか!
ババンババンバンバン、子供が寝てからにしろよ!

また来週〜。とか歌ってたら嫁にうるさいと言われたので自粛。

「そんなわけで寝ましょうね」

背中をトントンすると、Rはようやく落ち着きを見せ泣くのを止めた。しかしボソッとひとこと

「…パパ、ビデオは?」

「…ごめん、撮ってない」

「ううう…」

「わー、泣くな!」

それぐらいの気を利かせてやってもよかったような気がする。今の子は生まれた時からビデオありきでいいな!

Rはようやく寝た。可愛そうだが文字通り泣き寝入りってやつである。

さ、僕もひとりでマスオさんでもするか。

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■紅茶がオマケの、喫茶店
2009年11月17日(火)
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日曜日の昼下がり。

近所の公園で小さなイベントが行われており、餅つきやら豚汁の販売などが見受けられた。

「おもちたべたーい!もちつきしたーい!」

娘・R(6才)と息子・タク(4才)は目の色を変えて飛びつき、嫁も

「今日の昼ごはんはお餅と豚汁でいいわ」

とか非常に質素なことを言うので、それだけでは僕はとても足りぬ、と異議を唱えると

「じゃああなただけどっかで食べてきていいよ」

素っ気ない嫁。

「パパひとりで行っちゃうよ〜。おいしいもの食べに行っちゃうよ〜。君達はどうする〜」

Rとタクに誘惑をかけてみたら

「お餅がいい」

君らそんなに餅好きか。パパより餅を選ぶのかキー悔しい。文字通り焼き餅だな。なんちて。グダグダやってても腹が減るだけなので、結局駅前の喫茶店にでも行くことにした。店に入ると

「あの、今日はおひとりですか?」

プリンセステンコー似のおばさま店員にそう言われた。

「ええ、今日はひとりです」

ここは独身時代からずっと利用しているお店で、結婚してからは家族連れで来ていたが、何ヶ月かに1度ぐらいの頻度だったのでそこまで覚えられてるとは思わなかった。カツカレーを頼んでガツガツ食い終わると、

「いつもご家族で来ていただいてありがとうございます」

ミルクティーのサービスまでしてもらってしまった。いい店だなあ。ありがとう、プリンセス。

公園に戻ると嫁達は本当に餅と豚汁を食べていた。タクは餅つきをやらせてもらったらしい。食べ終わると嫁は買い物に出かけていったので僕はRとタクと遊ぶことにした。

「パパ、こっち来てー」

Rに言われるまま着いていくと、高いハシゴのような遊具に登りたいから支えてくれと言う。下からお尻を押しながら登らせると

R
「みてみてー」

「おおおおお、だ、大丈夫か」

余裕で4メートルぐらいあり、高過ぎて見ているこっちが股間がムズムズするんだけど。

「みてみてー」

Rが登っていると思ったらタクも木に登っていた。

「うおおおお!アブい!落ちる!大丈夫か!」

アマゾンの猿かお前は!タクの方はホントに危なっかしげでカメラ構える余裕もなかった。なんとかと煙は高いところが好きというが、君達大好きだな!

餅を食べまくってエナジー満タンになり、高いところに登りまくるRとタクの体をずっと支えていたことであるよ。

気は優しくてきなこ餅。
縁の下のあんこ餅。
そんな私は所帯餅。

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■わっかい息子が、ぱっつーん。
2009年11月15日(日)
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前髪パッツンといえば

かしゆか
Perfumeのかしゆかであるが、

「ただいま」

仕事から帰って来たら

「パパみてみて〜」

タク
息子・タク(4才)も前髪パッツンになってしまっていた!頭がちんぽのようではないか。公然猥褻カットである。

「なんじゃその頭はああああ!」

思わず叫んでしまったがいかん、タクが傷付いてしまう、と慌てて

「うん、可愛いよ」

と言い直した。

「ちょっと切り過ぎちゃったんだよね…」

背後で嫁がボソッと呟いた。お前か。

「ねえパパ、みてみて」

「ん?」

タクが僕に見て欲しかったのは髪の毛ではなく手に持っている何かのようであった。受け取ってみるとそれはサンタクロース宛のクリスマスカードであった。なんかの雑誌のオマケらしい。まだ11月なのに気の早いことで…と思っても商業施設などはハロウィンの装飾が終わったらすぐクリスマスである。1年中お祭りをやってないと売れないのだろうか。

カードを読んでみると

「サンタさんへ。プレゼントありがとう。タクより」

と書かれていた。今年は何が欲しいという希望より、まず今までプレゼントをもらったことへのお礼。奥ゆかしくてよし。

「よく書けたね。タクは今年はどんなプレゼントが欲しいのかな?」

ついでだからプレゼント希望を聞いておこう、としたところ

「えっとねー。仮面ライダーのカード」

とのことだった。

「え、そんなもんでいいの?何枚ぐらい?」

「ひゃくまい」

「そ、それは多過ぎるよ!」

「じゃあにまいでいいや」

欲があるんだかないんだか分からない子である。

もうクリスマスのプレゼントを考える時期か…となると、その前に僕の誕生日もそろそろなのであった。もう年の数を増やしたくないので自分の誕生日なぞどうでもよくなり忘れていた。

もしプレゼントを貰えるのだとしたら、僕もカードがいいな。嫁がいつでもやらせてくれる券。死ぬるまで有効。嫁じゃなくても誰か…っておっと。

僕は股間がパッツンなのである。

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■魔球は魔球は手ー裏ー剣
2009年11月14日(土)
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今、手裏剣がナウなヤングにバカウケ。

とは言っても我が家のヤングというかチルドレン限定なのだけれども、娘・R(6才)と息子・タク(4才)がやたらと折り紙で手裏剣を作るようになった。

作ると言っても最後まで出来ないので

「パパやってー」

結局僕が何個も作らされる羽目になった。あまりにもしょっちゅう作らされるので

「なんだよう。君達忍者にでもなるつもりかよう」

と悲鳴を上げた。確かに僕も子供の頃たくさん作ったけどさ…。タクなどは特に気合いが入っており、手裏剣を輪ゴムで束ねていつも持ち歩いていた。

「みてみてー。しゅりけん、13個になったよー」

うん、パパいっぱい作らされたからね…。しかしようやくこれだけの数になったところでタクは満足したようであり、僕はやっと手裏剣作りから開放された。

ところが…。

数日後、またタクが「しゅりけんつくってー」と言うではないか。

「あんなにいっぱいあったのに、どうしたんだ」

と聞いてみると、

「幼稚園でなくなっちゃったの」

なんと幼稚園にまで持って行って遊んでいたのだそうだ。

「お前、幼稚園に持ってかせてたのか?」

オモチャを持って行くようなものではないか…と嫁を睨んだところ、折り紙の手裏剣だけはその限りではないという。何故ならば

「園長先生がよく子供達に配ってるのよ」

「なにー!園長はくノ一か!」

あんたも忍者。わたしも忍者。目潰し撒いて、ドロンドロン。園長自ら子供達に手裏剣を配っているので、持って行ってもお咎めはないのだそうだ。

タクのことだから、みんなに「13個もあるんだよー」とか言って見せびらかしていたのだろう。そして羨ましく思った誰かが隙を突いてスッと持って行ってしまったに違いない。

「誰かに取られちゃうからもう幼稚園に持ってくのはよしな」

とタクに言って聞かせた。

「うん。わかった。だからしゅりけん作って」

何が「だから」でホントに分かってるのか分かったものではないが、また僕は手裏剣を作らされる羽目になった。

で、数日後。なくした手裏剣が幼稚園で見付かったのだという。コッソリ持って行った誰かがもう飽きたのか、良心が咎めたのかは定かでない。幼稚園のある場所にぽつんと置かれていたのだそうだ。

それを取り戻したタクは得意満面。

「しゅりけん、25個になったよー」

「ははは、よかったね…」

重ね重ね言うが、パパ、いっぱい作ったからね…。

「でももっと作って」

「えー!」

「Rちゃんのも作って」

「えー!」

Rも加わり、ふたりで争って僕に作らせようとする。そんなこれ以上何十個もあってどうするんだよう。うちは忍者屋敷じゃねーぞ!

「はいはい、パパはひとつずつしか作れません」

手裏剣の前に整理券が必要です。なんつってな。

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■エンジョイ天狗
2009年11月13日(金)
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来月だったか、毎年幼稚園の発表会がある。

近所の武蔵大学の講堂を借り切って、クラスの男子女子に別れて踊るのである。その練習が始まったようで、息子・タク(4才)が早速、

「踊りを見せてあげるね」

と見せてくれた。タクはニコニコと歌って踊る。

「よおこそーここへー、あそぼーよパラダーイス」

なんで光GENJIなんだよ!アニメの主題歌とか今流行りの歌とかあるだろうに、敢えてダサダサな80年代アイドルソングをチョイスする幼稚園先生のセンスが分からない。僕が唸っていると嫁が笑いながら言った。

「なんかタクの先生って、私らの世代に流行った歌が好きみたいよ。女の子の踊りの歌は国生さゆりだって」

国生さゆり!子供の発表会は「あの人は今」のコーナーじゃねんだよ!でもそこまで追い求めるならどうせならセイントフォーとかスターボウとかイモ欽トリオあたりをチョイスして欲しかったな…。

あ、いや、そんなことはどうでもいい。今大事なのはタクが一生懸命歌って踊っていることだ。まだ練習が始まって間もないだろうに、タクはつかえることなく歌詞も踊りもすっかり覚えてしまっているようだ。

「もうすっかり上手なんだね」

と褒め称え、嫁に

「さすがおかあさんといっしょで『ゴッチャ』に出ただけあるね」

などと話したら、タクの顔が得意満面になった。

「たっくんのクラスはねー、たっくんとヒカル君が上手なんだよ」

「ほう、そうか」

「でも、どっちかっていうと、たっくんの方が上手かな〜」

あ、天狗になってる。子供は褒めて褒めて褒めまくって伸ばす、という考えに基づき、タクがおかあさんといっしょにてマユお姉さんとサシで見事に踊った時からことあるごとに褒めまくっていた。その度が過ぎたのだろうか。なんか増長してますけど…。

「あとね〜先生がいつも『たっくんは賢いね』って言うんだ〜」

あ、ますます天狗になってる。タクは自惚れやさんになってしまたようだ。このままでいくとスネ夫みたいなイヤなヤツになりかねない。どうしよう。

なんとかタクの自惚れを叩きのめす方法はないものだろうか。やーい包茎!とか言ってもしょうがないしなあ…4才で剥けてる方が怖いし。

一方娘・R(6才)は絶対自分からそんなことは言わない子である。むしろ目立つことを極端に嫌う。Rもリトミックをやってるぐらいだから踊りは当然上手い。上手い子は発表会でも真ん中あたりの立ち位置になる。上手い子が真ん中にいる方が他の子もつられて踊るからである。

でもRは先生に言われても絶対真ん中の位置はイヤで、今年も真ん中からチョイずれたぐらいの位置になったのだそうだ。

同じ血を引く子供達でもこうも違うのだねえ…。

タクは自惚れ。

Rは自惚れではないが、

「ねえパパ〜。Rちゃんパパとけっこんする〜」

僕にベタ惚れなんである。

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■一心同体少女隊
2009年11月11日(水)
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商店街のお祭りの後、近くの公園に連れて行った。

娘・R(6才)も息子・タク(4才)も先程行なわれた綱引き大会の興奮が冷めやらぬようである。要するに暴れ足りない。

Rとタク、そして一緒に綱引きをやったRの友達ぴなのちゃんとタカシ君母子も一緒に来た。嫁は近所のスーパーへ買い物である。

「きゃはははは!」

公園に着くなり暴れ回る4人。さ、後は若い者に任せて…と僕は公園の外でタバコを吸っていた。で、戻って来たらRとぴなのちゃんはおそらく小学5〜6年生と思われる女の子グループと一緒になって遊んでいるではないか。

「ほら、早く逃げよっ」

とか手を引かれてドロケーをやってるさまはもう本当の姉妹のようである。いいなあ。僕もロリっ子達と一緒に遊びたいなあ…と思ってたらタクとタカシ君は蚊帳の外だった。タクは

「パパ、いっしょにあそぼ〜」

と甘えてくるし、タカシ君もママに寄り添って所在なさげな感じだ。

「ん。君達もRちゃん達と一緒に遊ばないのか?」

「えー…」

タクもタカシ君も照れてモジモジしていた。どうやら知らない子、しかも女の子だらけのグループに混じるのは照れがあるようで、

「いーれーて」

のひとことが言えないようであった。4才でも男は男である。

「じゃ、パパと遊ぼうぜい」

ヒャッハアアア!と僕らは戦いゴッコを始めた。タカシ君も僕らに対しては照れが全然無いので

「いーれーて」

すぐさま走ってこっちに来たので三つ巴の戦いである。

「かんちょー!かんちょー!」

タカシ君はカンチョーの必殺技をマスターしており、しきりに僕のアナルを狙ってきた。見かねたママが

「こら!やめなさい!」

と叱るが、まあいいではありませんか奥さん。うちのタクなんかよそのママさんの乳を揉む。カンチョーは男子が誰でも通る道。男の必須科目である。

但し僕が中3の時、クラスの新井君という子が女の子に豪快に誤爆カンチョーをしてしまい、大騒ぎになったことがあるので注意が必要だ。

午後4時になるともう薄暗くなってきた。日が短くなったことよ。ぴなのちゃんママは「もう帰るよ」と言っていたので僕らも帰ることにした。

「あのお姉ちゃん達が『あそぼ』って言ってきたのか?」

帰り道、Rに一緒に遊んでいた女の子達のことを聞いてみた。

「うん、『かわいいねー。あそぼー』ってきたの」

成程。子供が子供に言っても微笑ましいだけだが、僕があの女の子達に同じことを言ったら直ちにパトカーがすっ飛んでくるだろう。

「あーそーぼ」

「いーれーて」

のひとことだけですぐ友達になれる。子供っていいなあ。

嫁、ちんぽいーれーて。

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■綱を引いても風邪引くな
2009年11月10日(火)
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近所の商店街でまたお祭りがあった。

しょっちゅう何かしらのイベントをやってるような気がする。商店街の真ん中の広場に行くと、定番のヤキソバやフランクフルト、わたあめ等の屋台が出ていて、餅つきも行なわれている。ステージでは音大生の金管五重奏コンサート。何故かドラクエのテーマ…。

娘・R(6才)も息子・タク(4才)も餅を呪われたように食う食う。つきたての餅は確かにとてもおいしい。ついでに僕が食べようとしていたヤキソバもフランクフルトも皆食べられてしまった。ああ…。

嫁もこういう屋台の食べ物が大好きなのだが、この日は

「先着100名!卵1パックが貰えるのよーッ!」

と目の色を変えて列に並んでいた。さすが主婦。

食うだけ食った後はスーパーボールすくい。

スーパーボールすくいとは?→金魚すくいの金魚がスーパーボールになっただけ。

Rは小さめのスーパーボールを狙い、ひょいひょいと何個も取っていたが、タクはいきなり特大のスーパーボールを狙ったためあっけなく紙が破れた。ここにふたりの性格がよく出ているような気がする。

「うわああああん!」

1個も取れなかったタクは泣いてしまった。

「泣いたってダメだぞ。Rちゃんがいっぱい取ったから何個かもらえばいいじゃないか」

大体いきなり大物狙いをするのがよくない。これは罠なのである。女もそうだ。高嶺の花よりも嫁のような地味ーなのを確実に狙って…って嫁から卵を投げつけられそうだ。

途中でRと同じ幼稚園のぴなのちゃんと弟のたかし君とママに会う。僕自身はあまり接点がなかったのだが、何故かいつの間にか僕VSR・タク・ぴなのちゃん・たかし君の1対4で戦いゴッコをする羽目になってしまった。

「ぬおーりゃー!」

「おやじパーンチ!」

「まけないぞー!」

「おやじキーック!」

はあはあ…さすがに4人を相手にするのはキツイ…ていうか嫁かぴなのちゃんママ、止めてくれよ。もう疲れた、ギブと思っていたところで

「えー。まもなく2時から綱引き大会を始めます。小学生以下のお子さん、どうぞ参加して下さい。お菓子が貰えますよ」

という天の助けの商店街アナウンスがあり、

「ほら行って来い。お菓子貰えるってさ」

やっと戦いから開放される…とみんなを参加させた。

Rとタク
はちまきも配られて光GENJIっぽくなったところでレディ。

Rとタク
ゴー!

3回やって2勝1敗であった。負けた時はタクがまた泣いていたが

「おかしもらったよー!」

「よかったねー」

幼稚園の運動会でも綱引きはないし、目新しくて楽しかったのではないだろうか。

「パパもやればよかったのに」

と言うR。

「ふふふ、子供だけの綱引き大会だからね」

「そっか」

それに僕は綱引きどころか毎日が綱渡りなのさ。

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■食欲の秋。物欲の秋。
2009年11月09日(月)
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嫁が服を買いたいそうなので、買い物しようと街まで出掛けた。財布は忘れていない。

街に着いたらもう昼飯時だったのでまずは腹ごしらえ。嫁はうどんをかっくらった後、とっとと店に向かった。

娘・R(6才)と息子・タク(4才)はお子様ランチを食べていた。ふたりにしては量が多いお子様ランチで全部食べられないだろうなと思っていたら、ふたりとも全部平らげた。食べ終わるまで1時間もかかったが…回転率の悪い客である。

嫁も買い物を終えたところだろうと思って電話をしてみたら、なんとまだ試着室におり、1着も買っていないという。仕方がない。女の買い物(特に服)はマンション購入並に時間がかかるのだ。

「じゃあ公園で遊んでいるからな」

と嫁に告げ、近くの公園でRとタクを遊ばせることにした。ところがふたりともてんでバラバラなことで遊びたいと言う。

R
Rはこのようなターザンみたいな遊具をやりたいと言うし、タクは↑の画像の奥に写っている、絶壁をロープで登るというリポビタンDみたいな遊具をやりたいらしい。そしてRは僕の助けがないとロープに掴まれないし、タクも僕が押してやらないとファイト一発できない。

なのでRとタクが遊ぶ遊具を行ったり来たりしなければならなかった。

「パパー!早く来てー!」

そんな父の苦労も知らず両方向から早く来いと催促するふたり。おのれ嫁が早く買い物を終えていればこんなことにはならずに済んだのに…。

「ごめんごめーん」

Rタク間の何十往復で僕が疲弊しまくっていたところに嫁はようやくノコノコと現われた。

「服、買えたのか」

「すごい混でてさー。人気のある色とかもうないの」

セールか何かなのだろうか。何色でも関係ない。僕はただそれを脱がすだけである。

R
タク
Rとタクは夕暮れになるまで遊んでいた。公園の土には枯れ葉で覆われ、銀杏並木も大部分が黄色に染まっていた。もう秋も終わりなんだなあ。もう暦では冬だし気付けば来月で1年が終わる。

そういえば僕も冬服買ってない。「ドエロ」とか書いてあるマヌケなパーカーしかない。そろそろ僕も買わなきゃな…年が明けぬウチに買うヒマあるかな…とか思いながら枯れ葉をみしみし踏みしめながら帰途についたのであった。

まあ、明日は明日の風が服。

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■姉を姉と呼ばずにアレと呼ぶ
2009年11月08日(日)
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以前から疑問に思っていたことを息子・タク(4才)にぶつけてみた。

「たっくんはRちゃんのことを『お姉ちゃん』って言わないの?」

タクは娘・R(6才)のことをそのまんま「Rちゃん」と呼ぶ。別にそれでもいいのだが世の弟くん妹ちゃん達ははいつから「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ぶようになるのだろう。産まれた時からそうなのか。それとも何かのキッカケでそうなるのか、そんな素朴な疑問が頭に浮かんだのである。

僕はずっと弟から「お兄ちゃん」と呼ばれていたが、嫁は弟からずっと名前で呼ばれていたという。
で、大学生ぐらいになった時に何故か

「今日から『姉さん』って呼んでいいかい?」

と言われてから「姉さん」になったのだという。なんか訳分からん弟である。

タクの答えは

「えー。RちゃんはRちゃんだよォ」

という僕の問いの趣旨を分かっていないものだった。

「えっとね、やっちゃん(僕の弟)はね、ちっちゃいころパパのことを『お兄ちゃん』って呼んでたんだよ。Rちゃんはたっくんのお姉ちゃんでしょ?だから『お姉ちゃん』って言わないのかなーって」

と説明してやると

「言わない〜。でも『ママー』って言う」

タクは「ママー」と叫んでRに抱き付いた。Rは「いやーん」とか言っている。そうなのだ。これがタクの手口だ。お気に入りの女の子に「ママー」と甘えてじゃれつくのである。

「君、この前もモナちゃんにそうやって抱き付いてたよね…。しかも結婚しようとか言って…」

ハロウィン仮装パレードの時、お気に入りの女の子であるモナちゃんに抱き付いた上に「結婚しよう」と求婚しているのを僕は見た。それを見つめるモナちゃんママの視線が「血か…」と言っているようで痛かったのである。

「でも本当に結婚したいのはアレだよ」

タクは祝勝にもRをアゴで指してそう言った。何その態度のでかさ。

「タクはRちゃんと結婚したいのか〜。でも好きな女の子をアレとか言っちゃダメだぞ。モテないぞ」

「はーい」

人に言われたことの9割は右から左に流すタク。

「今パパが言ったこと結構重要だぞ!モテるかモテないかでキムタクとダンゴムシぐらい人生違うぞ!」

「はーい」

返事はしたもののどこまで分かってるんだか。

さ、今夜こそはアレにナニするよう甘えてみようかな。

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■はじめてのハイチュウ
2009年11月07日(土)
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あれは9月のことじゃった。

僕はキッザニア(子供達が楽しみながら職業体験できるテーマパーク)の予約を取ったのだった。娘・R(6才)と息子・タク(4才)はハンバーガー屋さんになるのかな?それともピザ屋さんかな?消防士かな?ふたりが一生懸命働く体験をしているところを見てみたかったのである。

既に約1ヶ月半後まで予約が埋まっていて、取れたのは10月中旬の土曜日。それまで首を長くして待っていたのである。ところが10月に入ってから仕事が忙しくなり、僕はどうしても休めなくなった。

キッザニアはお金を前払いしないと予約を受け付けてくれない。そして1度予約を入れたら最後、キャンセルが効かず、行けなくなっても絶対返金しないという非情なシステムである。僕の代わりに誰かが行かないともったいないので栃木から母を呼び出し、嫁と子供達で行ってもらうことになった。

「言い出しっぺのあなたが行けないんじゃかわいそうにねえ」

と苦笑いする嫁に

「頼む、せめて僕のデジカメで写真を撮ってきてくれ」

そう託して撮ってもらったのがコレである。

Rとタク
ジュース屋さん。

Rとタク
次はソフトクリーム屋さん。

Rとタク
そしてガソリンスタンド。

Rとタク
あと何故かもともとリアル幼稚園児なのにわざわざ幼稚園(しかも園児役)。

写真を見るだけでも悶絶するほど可愛いのに

「じゅーすやさんやったんだよ!そふとくりーむつくったんだよ!ばっくおーらいってやったんだよ!」

と興奮気味に話すのを聞かされ、ああ、やっぱり行きたかったああああ…。でもいいのさ、君達さえ楽しければ…とひとり枯れていたところに

「はい、パパのハイチュウだよ」

Rとタクが僕にお土産をくれた。森永のブースでハイチュウを作る体験もしたのだと言う。つまりこれはふたりが作ったハイチュウなのだ。

「あ…ありがとう…。これ、パパが食べてもいいの?」

「うん!」

ケースに入ったハイチュウは4個。全て僕が食べてよいのだという。

「うむ。パパはお土産をくれたという君達の気持ちだけで満足だ。もし食べたかったら食べてもいいよ?」

「いいの!パパ食べて!」

なんという思いやりのある子供達なのだろう。正直なところ、僕はハイチュウとか甘いものはあまり食指が動かないため、上記のように気持ちだけで充分ということにしたかったのだが、妙なところで律儀である。お菓子に目がないRとタクだから絶対飛び付くと思っていたのに…。

「ねえパパ食べて〜」

Rとタクはキラキラした瞳で僕を見つめる。うーん。正直、今、あんまり食べたくない。

「ぴっかぴっかちゅー」

「それはハイチュウじゃなくてピカチュウでしょぎゃはははは!」

逃れるためにダジャレでごまかした。

「はやく食べて〜」

「でぃすいずあぺーん!」

「?」

平成生まれにアライチュウは分からなかったようでごまかし失敗。

「今日はもう遅いからね。虫歯になっちゃうから明日食べるね」

とかなんとか言ってこの日は誤魔化した。で、次の日は食べなかったら

「パパ食べてない!」

ハイチュウのケースを持ったRのチェックが入ってしまった。

「一度に食べるともったいないからちょっとずつ食べるのさ」

慌てて言い繕って覚悟を決め、1日1つずつ食べたよあたしゃ。

「今日食べた?」

「うん。いっこ食べたよ」

こうして僕は4個のハイチュウを全て食べ終えるまで、Rに毎日チェックされたのであった。

ハイチュウよりチュウしてくれよ…。

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■あなたすてきよ。いい漢字よ。
2009年11月06日(金)
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息子・タク(4才)は漢字にはまっている。

毎日のように新聞などから漢字を拾って

「これ○○って読むんだよね!」

僕はこんなに読めるんだぜ、をアピールしてくるし、

「パパ、漢字の問題出してー」

と日々の勉強にも熱心。今どんぐらいのレベルかというと、「山本」と書かれた字を見て

「これ、『やまほん』って読むんだよね!」

まだ易しい字のみ、しかも音読み訓読みの区別が出来ていないが、娘・R(6才)よりも読めるのではないかと思う。

ある日、テレビを見ていたら

「わが心の大阪メドレー」

というド演歌ライブの番組が始まったのでチャンネルを変えようとすると

「やだー!みるー!」

Rもタクも大反対。

「演歌でもなんでも、こういうコンサート見るのが好きなのよ」

と嫁。はあそうですか。演歌でもえーんか。仕方がないので見ていると、ちゃちゃーんちゃちゃっちゃーちゃ♪と聞き覚えのあるイントロが。画面に

「浪花節だよ人生は」

とテロップが出た。そうそう。これだこれだ…と眺めていたら、タクが

「かつおぶしだよじんせいは!」

と叫んだので大爆笑してしまった。

「お前、『節』とか『人生』も読めるのか?すごいなあ」

タクは僕が思うよりもずっと漢字が読めるようだ。しかし鰹節だよ人生は…とはあながち間違っていないのではないかと思う。

いつも人のダシに使われて、身を削られる思いでございます。なんてね。

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■どうしたの、うん、ちがでたの
2009年11月05日(木)
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昨日の日記の続き。

音大の学祭の後、としまえんに行った。

としまえんには「木馬の会」というSMクラブチックな名前の会があり、僕ら家族はその会に入って年間パスを持っている。今日行くと会員限定の抽選会があるのだ、と嫁が言う。

嫁に従い木馬の会の事務所に行くと

「4回分どうぞー」

と言われたので娘・R(6才)と息子・タク(4才)に2回ずつクジを引かせると

「4って書いてある!」

「5って書いてある!」

タクが4等、Rが5等を当てた。4等はスケートタダ券、5等はサインペンセットであった。僕と嫁としてはどうせ冬になればスケートしに来ることになるので、それがタダになるのはありがたいことであり

「タク、やったな!」

とタクを褒め称えたのだが、タクにとってはタダ券なぞただの紙切れであり、Rがもらったサインペンセットの方が羨ましくて

「ぷー」

と拗ねた声を上げていた。

「まあまあ、Rちゃんにも貸してもらいな、ね」

と慰めながら入園すると、なんともうひとつクジがあるのだという。嫁が言うには

「東京ガスがガスパッチョのキャンペーンでとしまえん内に出店を出していて、そこでクジがうんたらかんたら」

とのことなので東京ガスの出店を見つけて行ってみると

「2回どうぞー」

とのことなのでRとタクに1回ずつ引かせた。

「2って書いてある!」

「3って書いてある!」

今度はタクが2等、Rが3等を引き当てた。えっ。2等?それって昔J-PHONEがやってた

「2等、携帯電話が当たりました!おめでとうございまーす」

とか言って契約を結ばせ、携帯本体はタダだが実は毎月ランニングコストがかかるんだよバーカバーカ、というものや、USENがやってた

「2等、無料有線放送チューナーが当たりました!おめでとうございまーす」

とか言って契約を結ばせ、チューナーはタダだが実は毎月使用料がかかるし解約すると何万円も違約金が取られますバーカバーカ、っていうインチキ商法じゃないよね…と身構えてしまったが、もらったのはでっかい箱に入ったシャンプー+ボディソープ+手洗い石鹸のセット。そしてRの3等は入浴剤。

「君達、すごいクジ運だな!」

と褒め称えたのだが、タクはやはりおもちゃか何かを期待していたらしく

「ぷー」

また拗ねてしまった。ま、そこはとしまえんなのでジェットコースターに乗せてやるとすぐご機嫌になりテンション回復。

「さ、次は何に乗るかい」

Rとタクに聞くとふたりのリクエストは全く別のアトラクションであった。両者とも譲らないので仕方なく嫁とタク、僕とRに別れてそれぞれ乗りたいものに向かうことにした。

「パパ、こっちだよ!」

全力で走っていくRの姿、そしてアトラクションに乗っている時のRの楽しそうな姿、どれを見ても可愛いったりゃありゃしない。可愛いって言うかいとおしいと言うかいうか、なんとも表現出来ないほどの暖かさが込み上げる。

「Rちゃん…」

「なーに」

「Rちゃんが大きくなったらパパをとしまえんに連れて来てくれるかい?」

「うん。いーよー」

嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。どうせすぐ忘れてしまうだろうけれども、今「いーよー」と言ってくれることが嬉しい…。

そろそろ嫁タク組と合流するべと思い電話をしてみると、メリーゴーラウンドにいるという。早速行ってみると、嫁とタクはメリーゴーラウンドの馬に乗っているところであった。ところが今まさに動き出す、という時に嫁がものすごい形相でタクを抱え上げドドドドド…と出て来てしまった。

「どうしたんだ?」

と聞くと

「うんち!」

嫁とタクは同時にそう叫んでトイレに飛び込んで行った。そうか。タクのあの2等賞を引き当てたのは、まさにウンを腹に溜め込んでいたからだったんだな…。

「ねーパパー。ママとたっくんどうしたの?」

とR。

「タクがうんちしたくなったんだってさ」

今頃嫁がタクのズボンとパンツを速攻でずり降ろしているところであろう…とトイレの前でRと一緒に待つ僕であった。

クマの子見ていたかくれんぼ。お尻を出した子2等賞。なんつってな。

Rとタク
夕焼け小焼けでまたあした。まーたあーしーたー。

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■もうだめカンタービレ
2009年11月04日(水)
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今日も大学の学祭巡り。

ウチから徒歩10分圏内に大学が3つもあるのである。今日行った大学は某オーケストラマンガのモデルになった音大。ここで高尚なクラシックを聴いて教養を高めよう…というのではなく、単に娘・R(6才)と息子・タク(4才)が

「わたあめたべたい!」

という執念によるもの。こないだ行った学祭にはわたあめの模擬店がなかったのだ。

「でも今日もあるとは限らないよ〜」

とふたりに釘を刺しつつキャンパスに入ると、こぢんまりながらなかなかの盛況。普通の学祭はサークルごとに屋台を出しているが、ここは楽器パートごとに活動しているのが音大らしい。また、○○県人会という故郷ごとに屋台を出しているのも特徴的であった。

「あっ!わたあめあるよ!」

目聡くわたあめの模擬店を見つけたRとタクはドドドドと突っ走っていく。

「ふ、ふたつ下さい」

必死に追いついて生女子大生の売り子に声をかけると

Rとタク
でけー!

「ゴメン…ひとつでいいです」

こんなでかいのRとタクで食べきれるわけがない。謝ってひとつにしてもらった。もうふたりとも手と顔がベッタベタ。

わたあめの目的を果たし、しばらくうろついていると広島県人会なる模擬店で広島名物「もみじまんじゅう」が売られていた。

「あ、私、食べたいな〜」

これには嫁が興味を示した。模擬店の看板には、おそらく生女子大生の手によるものと思われる可愛らしい字で本家本元のもみじまんじゅうであることの説明が書かれ、更には

「もみまん いかがですか」

と書いてあった。じょじょじょじょじょ女子大生のもみまん!おじさん、どうしてもソッチ方面の妄想をしてしまうではないか。けけけけ毛剃りプレイありっすか、とかセクハラ行為をしてしまいそうであり危険。

しかしもみじまんじゅうの由来は、茶店に伊藤博文が訪れた際、茶店の娘っ子がお茶を差し出す手を見て

「もみじのようなかわいい手。焼いて食べたらおいしかろう」

となんともエロい発言をしたことによるという。元々がセクハラなのだ。

女子大生のもみまんかあ…。僕はもう頭がそれでいっぱいになってしまった。

1121年、六波羅探題。
2009年、セクハラ音大。

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■抱き締めてトゥナイト
2009年11月03日(火)
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夜中、自分の部屋でインターネッツなどをしていたら

「ひーん」

隣の寝室から泣き声が聞こえた。娘・R(6才)である。すぐさまRに添い寝して

「おーよしよし。怖い夢見ちゃったのかい?」

と聞くと首を横に振る。

「目が覚めて暗くて怖くなっちゃったのかい?」

また首を横にフルフル。

「パパがいなくて寂しかったのかナ?」

と言うとコックリ頷いた。ああ、僕が恋しかったんだね…。

「ごめんねー。一緒に寝ようねー」

Rを優しく抱いてやると泣き声は寝息に変わっていった。

翌朝、

「Rちゃん昨日泣いてたねー。あなた一緒に寝てやりなさいよ」

と嫁が言った。そんなこと言ったって、夜中だってやることあるし…。男が夜中ひとりでやること。皆まで言わない。察しろ。ていうかお前が相手しないから。

「こないだも泣いてたよ」

「え、そう?」

「あの時あなたは隣の部屋でマンガ読みながら寝てたでしょう」

「あああ」

あの時は夜中ふと「ガラスの仮面」1巻から読み直したら止まらなくなってしまって、いつの間にか朝まで爆睡してしまったのだった。

「あなたのイビキが隣から聞こえてくるもんだから怖くて泣いてたんだって」

「そうなのか…」

この話を聞いていたRに

「そうなのか?」

と聞いてみると

「あのね、パパがRちゃんの隣にいないし、いびきがこわかったの」

とのことであった。

「ご、ごめんねー」

僕のイビキはそんなにうるさかったのか。これではギャルとホテルでウッフンとか出来ないではないか。ていうかイビキ以前の問題が多々あるけど。

その日は仕事が休みだったので夜は子供達と一緒に寝ることが出来た。

「パパ、ずっと一緒にいてね」

寝る時Rは僕にこう念押しをした。その言い方と仕草が結婚初夜の新妻のように初々しくて、なんだか胸が締め付けられてしまったことよ。

「フフ…わかったよ」

パパはな。その言葉を鵜呑みにするぞ。死ぬまで一緒に寝るぞ。将来どこぞの馬の骨、いわばホースボーンを好きになってねんごろになって、逢い引きするようになっても僕は地獄の底まで付いて行くぞ。そして一緒の布団に入り続けるぞ。

逢い引きをイビキで阻止するんだああああ。

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■大学は出たけれど
2009年11月02日(月)
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近所の大学が学祭をやっていたので、娘・R(6才)と息子・タク(4才)の手を引いて見に行ってきた。

この大学の学祭には一昨年も行っており、Rとタクは覚えていた。

「わたあめ、たべたい!」

特にわたあめ好きのRは、その時買ったわたあめを今年も食べたいのだと言う。また、昼飯が足りなかったらしく

「なんか食べたい」

という小腹の空いた嫁も付いてきた。僕としても生女子大生の手作り料理が食べられるこのチャンス、みすみす逃すことはありますまい。

キャンパスに入るとたくさんの屋台が出ておりいい感じである。

「いかがっすかー」

という売り子に声をかけられながら冷やかしてみると、一生懸命ヤキソバを焼く男子大学生や、中華鍋を手際良く振りながらジャコジャコとチャーハンを調理する男子大学生。

なんか大学祭とは思えぬ程本格的で旨そうだがそれは違う。僕は生女子大生の手料理が食べたいのだ。

不慣れな女子大生がエプロン姿でテンパりながら一生懸命作っている…という理想のシチュエイション屋台がなかなか見付からずにいたが、

「わたあめないよー」

Rとタクのお目当てであるわたあめを売っている屋台も今年はなかった。学祭で屋台を出すサークルというのは、代々同じものを出品するところが多いのだが当てが外れたようだ。

「ごめんねー。今年はわたあめないみたい…」

その代わりタクはワッフルの屋台に反応し

「わっふる食べたい!」

と言い出したので、チェックしてみるとおお、女子大生が作っている。オッケー!そんなわけでいっこ購入。ではRには何を買ってやろうか…と探していると、可愛い女子大生がクレープを作っている屋台を発見!

「Rちゃん、クレープはどう?」

「たべる!」

そんなわけでクレープも購入。

「チョコバナナと黒蜜きなこのどっちがいいかな?」

と生女子大生がRに声をかける。

「ちょこばなな…」

Rが恥ずかしそうに答えると横から明らかに酔っぱらった赤ら顔の男子大学生がRに近付き

「どうもありがとうございまっすー。うわーこの子超カワイイ!」

とベタ褒めであった。ウチの娘に近寄るんじゃねえ!ちなみに嫁はオムソバとタコ焼きを買っていた。本気食いモードだなこいつ。

食べ物を買った後、ライブをやってる芝生広場で聴きながら食べる。ちょうど僕好みのテクノ系の音が流れていたのである。

Rとタク
うんこ座りで聴くRとタク。

なんかトランスに民族音楽をオカズにしたような感じで、曲のテンションが上がると立ち上って踊り始める人が増え、野外レイヴ状態になった。その中には何故か友蔵(まる子の祖父)みたいな爺さんがいて、ひとり異様なテンションで狂ったようにカポエラのようなストリートダンスを踊りまくっており怖かった。のりピーの仲間に違いない。

踊る人が増え、ズンドコズンドコとトライバルなビートも最高潮になると、タクも興奮してきて

「うっきゃー!」

前の方に走って行ってしまい、タテノリで踊りまくっておった。さすが僕の血を引く子。なんかもう4才にしてクラブとかWIREとかのレイヴとか連れて行っても全然普通に楽しみそうな感じである。

野球を志した父が息子の野球をする姿を見るのってこんな感じなんだろうかとか思ってみたり。昼間の野外レイヴとかに連れて行ってやりたいな…とか思った。

僕も学祭の時の思い出は多々あるけれども、あの頃はまさか子連れでまた学祭に来るなどとは思ってもみなかった。今日見る大学生達も何か楽しそうだが、学祭自体の他にも色々お楽しみはあるわけで、僕も学祭が終わった後の夜の校舎で当時の彼女と…。

あの時の彼女は今何をしているのだろうな…と思ったら横でタコ焼き食ってた。

みんな食べ終わってライブも終わったので

「そろそろ帰るかね」

と帰ることにした。でもタクは帰り道になっても踊りをやめず、

タク
赤い靴を履いたバレリーナかお前は。

この学祭に来る度に思うのだけれども、ここは酒を売っている店が多いし、クレープの屋台にいたような酔っぱらい学生も多い。

僕の大学では学祭で酒を売ることは禁止されていた。実際は「水:200円」とか書いて日本酒を「密売」していた屋台もあったが、こうも大っぴらに大学内で酔っぱらうことは不可能だったのである。理由はミッション系大学だからなので、

すなわちミッション・インポッシブル。なんてね。

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■お菓子もしくはイタズラ
2009年11月01日(日)
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夕方、近所の商店街でハロウィンパレードが行なわれることになっていた。

「いきたいいきたいいきたいいきたい!」

娘・R(6才)と息子・タク(4才)は、去年参加してお菓子をたくさんもらったことを覚えているらしく、何日か前から是非行きたいとうるさかった。連れて行かなければ文字通りトリックオアトリートな勢いだったので

「うん。わかった。行こうね」

行く時は一緒よ。

「あ、でも着ていく仮装服が…」

何にも用意していないのだ、と嫁が言った。去年着た服はある。タクはシルクハットとドラキュラマントなので、特にサイズを気にすることはないが、Rのシンデレラのドレスは3〜4才用と書いてあるんである。

「ちょっと着てみて。大丈夫かなあ」

心配になって着せてみたらなんとまだピッタリ。3〜4才用がピッタリの6才児って…さすが学年一のちびっ子である。

商店街に行くとRやタクの友達も来ていた。みんなオーロラ姫だのアリエルだのお姫様の格好をしており、女の子は誰でもみんなお姫様なのよ、という小公女セーラのセリフを思い出す。

タクはその中のお気に入りの女の子、モナちゃんのお姫様姿にときめいてしまったらしく、

「モナちゃーん」

と抱き付き、

「たっくんとモナちゃん、結婚しよ!」

いきなり求婚してきた。お前突っ走りすぎ。

「あらまあ〜、どうする?」

とモナちゃんママは苦笑い。ちなみにモナちゃんママはタクに乳を鷲掴みにされたことがある。タクは親子ドンブリを狙うおそろしい子!すいません、迷惑ばかりかけて。

「モナちゃん、まだ結婚は早いよね〜」

と言ってみると

「うーん、どうしよっかなー」

あら、まんざらでもない様子。おのれタク。父に似ずモテ野郎である。

「やっぱり考えておく」

うん、そうした方がいいぞ。公家やお武家さまじゃないんだから6才で結婚相手を決めることはない。

子供達は商店街のお店を周り、お菓子をもらう。

R
みんなで手を繋いでパレードのR。

タク
お姫様に囲まれて羨ましいタク。

「さ、君達、お菓子もらう時になんて言うんだっけ?」

とRとタクにおさらいをさせてみると

「とりっくあとりーと!」

「うん。よくできました」

Rは「とりくあとりーと」と書いたメモを持っていた。しっかりした子!こうしてお菓子をもらい歩き、結構な量になった。これで当分おやつは困らないだろう。

ひと昔前はハロウィンなぞは馴染みが無く、無理矢理流行らせているような感じがしてイヤであったが、こうして現物支給されたり、友達の美女が

「川崎のパレード行って来ました!」

とすんごい色っぽい自作衣装を身に纏った画像を送ってくれたりすると、

「ハロウィン最高!」

と思ってしまうのであった。

そんなわけでトリックオアトリート。

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