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■本年の総生理
2009年12月31日(木)
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今日から栃木の実家に籠もり、思いっきりだらけた年末年始を過ごす予定。

既に脳が溶けかかっているので今日の日記は箇条書きである。

母が息子・タク(4才)に

「たっくん何才?」

と聞いたところタクは

「天才」

と答えていた。血か…。


晩飯の買い物に行く時、娘・R(6才)とタクに

「お菓子買っていいぞ〜」

と言うとふたりとも大喜びであった一方、

「ドラッグストアにも寄ってくれる?」

嫁がコソコソっと言い出した。

「何買うの?」

「ちょっと…」

と口篭る嫁に母は

「あ、アンネか…」

今時アンネて。


実家にあった「こどもことば総じてん」という本。

コアラ
コアラの説明がちょっとやっつけ気味。


子ども達が寝た後、母に

「コーヒーいれてくれ」

とえばっていたら

「自分でいれろ!」

嫁と母からステレオで突っ込まれた。生憎、自分でいれるのはちんこだけなんでね…。そんなわけで入れさせろ…と思ったらアレだったことを思い出し…。

すなわちアンネな日記!

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■結婚は人生の修羅場
2009年12月30日(水)
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「Rちゃんはパパと結婚してるのよ〜」

何かの話の流れで娘・R(6才)が僕ラブラブであることをアッピールしたら

「ちがうよ。パパはママと結婚してるんだよ」

息子・タク(4才)が冷静なひとことを吐いた。

「でもパパはRちゃんとも結婚してるの〜」

「ちがうよ。結婚はひとりとしかできないんだよ」

頭の中が常にドリーミングなRに対してやたらと冷静沈着なタク。弟の方が余程世の中を知っている。

「でもでも…Rちゃんはパパと結婚したいの…」

立て続けにタクのツッコミを受けてRは既に半ベソ。うーむ、ここは本当のことを教えてやった方がいいんだろうか。そして更にタクは容赦なくツッコミを入れる。

「Rちゃんが大人になる頃はパパはおじいちゃんになっちゃうよ。いいの?」

今日に限ってタクはなんでこんなにみのもんたばりにイヤらしいツッコミをするのだろう。しかしRは

「いいの!パパがおじいちゃんになってもいいの!」

おお。僕がジジイになっても愛は変わらないと言うのか!

「Rちゃん…ありがとねー」

思わず涙を流しそうになったが

「おじいちゃんになってもモニモニできるから」

モニモニとは僕の腕を揉みまくることで、僕が乳を揉むのが大好きなようにRはそれが大好きなんである。ということは、体が目当てだったのね…。

とにかくRを現実的なツッコミで問い詰めるタクであったが、夜になって

「来月友達の結婚式に呼ばれてるからこの子達のお守りヨロシクね」

と嫁が言った途端タク大泣き。

「やだー!ママはたっくんと結婚するのー!」

わはははは。Rと同じこと言ってるぞ。

「ママが結婚するんじゃなくて、お友達が結婚するのよ〜。ママは結婚式に出ておめでとーってするのよ」

嫁は笑いながら説明する。

「たっくんも行きたい!」

「ダメ」

「うわああああああん!」

Rとの問答の時は「タクは天才かも」などと思ってしまったが、やはりタダの4才児のようだ。結婚とは何か、そろそろ本当のことを教えなければいけない時期なのかもしれない。でないとRはいつまでもタクに泣かされることになる。しかし放っておいてもそのうちオマセになってきて

「クラスの○○くんと結婚したい〜」

とか言うようになるのだろうけど。そしたら僕が泣く。

子供達よ、結婚とは競歩のようなものである。

すなわちどちらもかけてはいけません。

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■今夜はイート・イット
2009年12月29日(火)
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ある休日の午前11時ごろ、娘・R(6才)と息子・タク(4才)を公園に連れて行った時のことじゃった。

いつも朝飯を摂らない僕であるが、たまにこのぐらいの時間に猛烈に腹が減るときがある。この日がそうだった。なんか食いたい。でも子供達の前で買い食いとかあまりよろしくないなあ。絶対食べたがるだろうし。今食べちゃうとお昼入らないし…と悩んだ。悩みつつ

「な、悩むとお腹が空くんだな。ぼ、僕はおにぎりが好きなんだな」

結局おにぎりをふたつ買ってしまった。ひとつを半分に割って

「食べる?」

Rとタクにあげるともしゃもしゃ食べ始めた。ところがRは

「もういい」

ほんのひとくち食べただけで僕に返してしまったのである。

「お腹一杯なのか?」

と聞くと

「これはパパのだからいい」

と言うではないか。

「これは君達のだから食べていいんだよ」

「だってパパお腹空いてるんでしょう?」

なんと、娘に心配されてしまった。

「パパのはもう1個あるから大丈夫だよ」

「パパあさごはん食べてないからかわいそうだもん…」

ああああ、更に同情されてるし。僕が朝飯を食べないのは嫁から罰とか何かを喰らっているからだと思っているようだ。お前は本当にパパ思いの良い子だなあ…。

「でもね、パパが食べないのはパパがママにそうしてって言ってるからなんだよ」

しかしいくら言ってもRはおにぎりを食べようとしなかった。一方タクはバクバク食った。やはり子供の前でだらしない買い食いは良くないと思った次第。

いやそれ以前に規則正しい食生活を心掛けねばならぬ。1日3食。
そして願わくば規則正しい性生活も心掛けていきたい。1日3回(見栄を張るな)

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■血まみれ、そしてあわやうんちまみれ
2009年12月28日(月)
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娘・R(6才)と息子・タク(4才)を児童館に連れて行った。嫁は所用があり僕だけの引率である。

まずは運動部屋でボール遊び。

R
タク

体を動かした後は図書室で紙芝居を読む。

R
聞く時の姿勢は良し。

タク
僕が読んだ後、今度は僕も正座させられてRが朗読。

紙芝居が終わってからはおもちゃ部屋で遊ぶ子供達。目を輝かせておもちゃではしゃいでいる。そんな姿を慈しむ目で見守っていた。元気でいいなあ…。

しかし12時になっても1時になっても一向に遊びを止めない。

「ねー。お腹空かない?」

「まだあそぶー」

と何度かやりとりしているうちに2時。永久機関かお前ら。僕の方が腹が減ってしまったし、こんなに昼ご飯が遅くなると晩飯が入らなくなってしまうではないか。

「いい加減もうお昼食べに行くよ!」

まだ遊びたいと言うふたりであったが、もう強制終了で児童館から退去。

「じゃあ、ゴハンの後プレイルームで遊びたい…」

しかしRは条件を提示してきた。プレイルームとは、児童館のすぐ近くのショッピングセンターにある有料の遊び場である。20分300円とマンガ喫茶より高い。普段なら突っぱねるところだが何しろアイアムベリーハングリー。その手は桑名の焼きハマグリー…といきたいところだったが

「ああ、いいよ。とにかくゴハン行くべ」

Rの提案を飲んでしまった。

お店に入ってようやくランチ。それから約束通りプレイルームへ。そこでもRとタクは爆竹のように飛び跳ねて遊ぶ…と思ったら、タクが爆竹過ぎて柱に激突。緩衝材が巻かれて柔らかくなっていたが、鼻をモロにぶつけて

「うわあああん!」

「パパー!たっくんが鼻血出てる!」

タクは泣き出しRはパニック。

「はいはいはい、ほら、ティッシュ突っ込んで寝とけ」

とタクを休ませようとしたら

「いい!このままあそぶ!じかんがもったいないでしょ!」

逆に僕が怒られ、鼻からティッシュ男のまま再び飛び出して行った。なんと無駄に逞しい…。

20分はあっという間に過ぎ、

「じゃあ帰りますよ」

としたところ、タクが

「うんち…」

鼻血の次はうんちかい!上から下からまさに出血大サービスだのう!急げ〜とトイレに駆け込んだら、個室使用中。

「た、タク、まだ我慢出来るか?」

「うあああん、もう出ちゃう〜」

とりあえず替えのパンツとズボンはあるし、最早これまでか…と腹を括ったら、個室の中からもの凄い勢いでガチャガチャとトイレットペーパーを回す音と、じゃあああっと水を流す音が聞こえ、扉がバアンと開いておじさんが出て来た。

「のっぴきならない様子が聞こえてきたんで…」

「あ、ありがとうございますっ!ほれタクッ」

間一髪のところで間に合った。タクも顔真っ赤になっており、タクの脂汗なんて初めて見たことよ。ありがとう…おじさん…まだまだ世の中捨てたものではない、という感謝の意味を込めて一句。

トイレにて 人の情けが 身に染みた

危うくパンツに染みが出来るところだったし。

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■福引きより逢引きしたい
2009年12月27日(日)
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「やべー!スタンプ押して貰うの忘れてたー!今日までじゃん!」

僕は焦っていた。近所の商店街がガラポン(福引き)をやっているのである。加盟店のうち4店でお買い物をし、応募用紙にある4つのスタンプ欄に押して貰うと1回ガラポンが出来る。

手元には3店のスタンプが押された応募用紙が2枚。スタンプが貰えるのが今日までで、ガラポンは明日まで。すなわちいずれも今日中にもう1個スタンプを押して貰わないと紙切れ同然になるのである。そしてこのことに気付いた時は既に23時。日付が変わるまであと1時間。

速攻で馴染みのゲーセンに飛び込んで

「店長うううう〜!スタンプ押してええええ!」

無理矢理スタンプを押して貰い、何とかガラポン権利ふた口を死守した。

たかがローカルな商店街のしょぼいイベントにここまで本気にならなくてもいいと思うだろうが、特賞は箱根温泉旅行なのである。しかも小田急ロマンスカーの往復キップ付き。ロマンスカーに乗りたいんである。

ゲーセン店長のおかげでロマンスカーの希望が断たれずに済んだ。あなた神様だよ。ロマンスの神様、今日もありがとう。

翌日の土曜日、娘・R(6才)と息子・タク(4才)に

「ガラポン1回ずつやらせてあげる」

と誘うと喜んで付いて来た。

「最終日だからもうハズレしかないんじゃないの〜?」

と言う嫁は全く分かっていない。ガラポンなんて大当たりの出玉操作は必ずしている。主催者側にとっては出来るだけ多くの人が見ている中で大当たりが出た方が良い。

「お、当たりが出た。自分もやればもしかしたら…」

という効果が大きいからである。平日の午前中とか、客もいないガラガラな時に大当たりが出ても意味がないんである。だから土日に集中して当たり玉を入れる。最終日ならなお良し。

会場に着くと、ガラポンをやりに並んでいるのは僕らの他は何故か全員老婆。謎である。福引きじゃなくてババ抜きだったのであろうか…。既にガラポンを終えたお婆さんが僕とすれ違いざま

「全部ハズレだったよ、あはははは」

と声をかけていった。他のお婆さんも係の人に

「もうハズレばっかりなんじゃないのー?」

さっき嫁が僕に言ったことと同じヤジを飛ばす。この押しの強さ、僕には真似できない。

「いやいや、たくさん残ってるんですよ、ほら…」

係の人は未だ山積みになった特賞1等2等などの目録を指差す。なるほどチャンスは残っているようだ。

「よーし、君達、頑張って当ててくれ!」

いよいよ僕らの番になった。Rとタクに希望を託し、それぞれ1回ずつガラポンを回させると…

ガラガラ…コロン。R、赤玉。
ガラガラ…コロン。タク、赤玉。

「はい、参加賞です」

僕のロマンスカーの夢は断たれた。何がロマンスの神様だよ。広瀬香美なんて大っ嫌いだ。スキー場に行くと必ず流れやがって。

「はい、Rもタクもお疲れ様でした。これでおしまいです」

ふたりに参加賞を渡し、とっとと家路に着いた。

「パパ、これなーにー?」

道すがらRとタクが聞いてきた。ああそうか説明しないと分からないよな、と思い

「マックのポテトが貰える券だよ」

と言うと

「えー!やったー!すごーい!おおあたりだね!」

ああ、この子達って…。僕の強欲な心が洗われる気持ちである。ロマンスカーの夢は断たれたが、せめて今夜嫁とロマンスなひとときを過ごすことを目標としよう、と思い直した。

ガラポンの代わりにちんこを入れポン。なんつって。

赤玉が出たりして…。

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■プレゼンテッド・バイ・僕
2009年12月26日(土)
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クリスマスイヴに、娘・R(6才)と息子・タク(4才)の枕元にプレゼントを置いた。

Rにはシルバニアファミリーのお家セット。タクには仮面ライダーのトリガーマグナムという銃。特にRのプレゼントの箱がでかく、寝相の悪いRが時々頭をゴンゴンぶつけているので、ちょっとずらしてから僕も寝る。明日の朝起きてコレみたらどんな顔するのか楽しみであった。

仮面ライダーのおもちゃは超品薄だったけど、このためだけでも池袋中を探しまくった甲斐があるというもの。で、朝なんかうるさいのと痛いので目が覚めたら

「ずっきゅううん!さいくろん!とりがー!」

「ねえパパみてみて〜。おうちつくったの〜」

既に全力全開で遊びまくっていた。いつもは幼稚園ギリギリまで寝てる癖に、こんな時に限って僕より早く起きやがって!

子供達が朝目を覚ますと枕元には待ちに待ったプレゼントが。

「うわあ〜。サンタさん来てくれたんだね」

子供達の寝ぼけヅラがぱあっと天使の笑顔に変わる。そして

「うんうん。君達が良い子にしていたからね」

むおっほっほと見守る僕。そんなクリスマスの朝の情景を思い浮かべていたのに、現実はタクのおもちゃの効果音と暴れまくる子供達に蹴っ飛ばされた痛みのみ。

もっかいおもちゃを没収して明日やり直ししたい。しかしそんなことしたら暴動が起きるだろうなあ…。Rはせっせとお家を組み立て、タクはベルトを締めて銃を片手に暴れまくっている。とにかく夢中なのである。

「起きた時のふたりの顔、すごい輝いていたよ」

と一番早起きの嫁が言った。

「あああ、僕、それが見たかったんだよ」

「あなたにもひと目見せてあげたかったわ…」

何その故人に言うような言い方。

「ねえパパ〜。てつだって〜」

Rが僕を引っ張る。Rのお家セットは階段やらバルコニーやら細かい家具の組み立てがやたら多いのだ。

「はいはい。これが洗濯機。これがアイロン台。バルコニーの手すりはこうやって付けてね…」

とチマチマ組み立てていると

「あなた、時間大丈夫なの?」

「えええええー。もうこんな時間!」

家を出なければならない時間はとっくに過ぎていた。サンタさん〜。会社に行かなくてもいいように僕も一億万円ぐらいプレゼントが欲しい〜。

メリークリスマス。
ベリー遅れます。

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■ナイーブなイブ
2009年12月25日(金)
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24日の朝。

「きょうサンタさんが来るんだよね〜」

「たのしみ〜」

サンタが来てプレゼントをくれる日を指折り数えていた娘・R(6才)と息子・タク(4才)のテンションは最高潮に達していた。Rなどはサンタへの手紙まで用意した。どんな文かというと

「さんたさんへ

 Rちゃんだけど Rちゃんわ あかりがつくおうちがあるけど
 それがRちゃんがほしいんだけど さんたくれる?

 Rより」

…けど、けどばっかな文体。「あかりがつくおうち」とはシルバニアファミリーのお家セットで、照明が点くヤツを欲しがっているのである。

「どうして最後はサンタ呼び捨てなんだよ」

わはははは、と、からかったら

「だって、『さん』って書くともう紙からはみだしそうだったんだもん。サンタさんやさしいから『さん』つけなくてもいいかなーって思ったんだもん…」

必死に弁解してマジ泣きしそうになってしまったので

「そ、そうだね。色々考えたんだね…サンタさん優しいから大丈夫だよ…」

と慰める羽目になってしまった。するとRは

「パパにもプレゼントあげるね。Rちゃんパパだいすきだから」

なんとも嬉しいことを言ってくれるではないか。

「うわー。楽しみだなー。何くれるの?」

「これから作るよ」

Rは早速紙とか鉛筆とかを持ち出してゴソゴソやり始めた。僕が覗こうとすると

「みちゃだめ!」

はいはい。どうやら明日のお楽しみのようだ。そしてタクは

「たっくんもパパに手裏剣あげる〜」

自慢の折り紙手裏剣コレクションの中から選りすぐったものを僕にくれた。

「ありがとう。たっくんも優しいね」

あー。なんかみんな浮かれまくっていていいなあ。これもクリスマスマジックなのね!子供達にサンタを信じていて貰いたいのはなんでだろう、とこの時期ずっと思っていたのだが、単に親が「ほいよ」と買い与えるよりも、サンタを信じている子供達が目を輝かせて語ったり描いたりするファンタジーを垣間見ることが楽しいからなのだ、と思う。

夜も子供達の浮かれる姿を見てやろうと早く帰ってみたら、

「寝たら来てくれるんだよね。たのしみ〜」

本当に楽しそうな笑みを浮かべて寝床に滑り込み、あっという間にガーガー寝てしまった。そして嫁とそーっとプレゼントを枕元に置く。トイザらスのネットで頼んだRへのプレゼントは予想以上にでかかった。

「これ、でか過ぎなのよ!シルバニアファミリーのお家セットでしょう?広げたらもっとでかいよ?大きな家ならともかくウチみたいな狭さじゃ…」

「あー…なんかごめん…でもRがコレが欲しいって…」

なんだか貧乏長屋への不満や僕の甲斐性が無い方面に怒りが向かってきたようで、雲行きが一気に悪くなった。ついさっきまでクリスマスマジックの浮かれポンチハッピー気分だったのに。とっとと寝ることにしよう。

嫁は夜更け過ぎに、鬼へと変わるだろう。んんん。
バイオレンスナイト。ホラーナイト。
(何度か使い古したオチ)

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■イブイブにブイブイいわすぜ
2009年12月24日(木)
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クリスマスイブイブなので一足早くクリスマスパーティー。

娘・R(6才)は「パーティー」と言えず

「わーい、くりすますぱーぴー」

と言っているところが可愛い。

午前中はとしまえんでプリキュアショーを見て、午後はスケート。そして夜はクリスマスケーキと嫁のごちそうで「ぱーぴー」という超大サービスの1日である。

まずケーキ屋に行ってクリスマスケーキを買いに行った。行く前に

「どんなケーキがいい?」

Rと息子・タク(4才)に聞いてみたところ、Rはスタンダードな生クリームとイチゴのケーキ、タクはチョコレートケーキと意見が真っ二つに分かれ、

「Rちゃんいちごがいいの!」

「やだ!たっくんいちご嫌い!ちょこが好き!」

最早骨肉の争い。

「まあ、ケーキ屋行って決めようぜ」

と連れて行って店のウィンドーにある実物を見せたら

「いちごのケーキがいい〜」

タク、あっさり撤回。タクはこの日は興奮し過ぎているのと早起きし過ぎて眠いのとで頭がバグっており、2分前に自分で言ったことを忘れ、全然違うことを言う。ちょっとでも気に入らないことがあるとすぐ怒る。泣く。1日中こんな感じであった。

ケーキを買った後はとしまえんへ。プリキュアショーではRもタクも昼飯の焼きそばとカルボナーラをガツガツ食いながら

「ぷりきゅあがんばれー!」

と大声援をあげ、スケートでは僕や嫁の手を掴みながら一生懸命チャカチャカと足を動かしていた。そしてスケートのレベルではほぼRやタクと一緒の嫁も頑張っていたが

「これ…滑れるようになったとしても何が楽しいんだろう…真央ちゃんみたいにクルクル回れるレベルになればずっと楽しいんだろうけどさ…」

なんかブツブツ言っており、迷いの壁にぶち当たっているようだった。

夜はご馳走と子供達が待ちに待ったケーキ。おいしいね、とみんなで食べていたところふとタクが

「あ、パパ今会社から帰って来たの?」

と呟き目が点になってしまった。

「な、何を言ってるんだ。パパ、今日ずっとおうちにいたでしょ?」

「そうだっけ?」

うわー。やはり頭がバグってるー!

「ケーキ買いに連れてったのは誰だー!としまえん連れてったのは誰だー!焼きそば買ってやったのは誰だー!お前は誰に手を引かれてスケートやってたんだー!」

「ママ」

ずがーん。元々僕は存在感がないということなのか…。この瞬間ケーキの味がしょっぱくなった。

一方で嫁。

「あー。食べ過ぎた。なんかコーヒー飲みたくなったわね…」

ということを呟き、暗黒のズンドコに落ちた僕の心をちょっと浮き上がらせた。というのも僕も嫁も夜にコーヒーを飲むことは滅多にない。但しまぐわった後には必ずと言っていいほど飲む。

ということはこれは「今夜抱いて」という遠回しなサインなのだろうか…嫁からそんなサインを出すなんて珍しい…今夜はセイント性夜じゃー!と意気込んでいたら、

…気付いたら朝6時だった。子供達を寝かせる時にとっとと寝てしまったようだ。あー…。もう今年最後のチャンスだったかもしれないのに…。

本来、今日のイヴこそラボラボカッポーがまぐわうべき日。そのイヴに願いを込めて、使い古されたフレーズではあるが、敢えてこれを叫ぶことで今日の日記の締めといたしましょう。

メリークリトリス!

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■サンタより 先にウチ来る 飛脚かな
2009年12月23日(水)
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東京は夜の8時。

早く仕事を終えた僕は既に家にいて娘・R(6才)と息子・タク(4才)と戯れていた。

「サンタさんいつ来るかなー」

「あと2日だよ」

などと喋っていると

「ぴんぽーん」

玄関の呼び鈴が鳴り嫁が出て行った。いつもならRもタクも「誰か来た!」と恐ろしい勢いで走って行くのだが、

「佐川急便でーす」

という声が聞こえたのでピーンと来た僕は、さり気なく止めて行かせないようにした。そそくさと戻って来た嫁は

「Rのプレゼントが届いたよ」

コッソリ僕に伝えた。やはり…危なかった…。タクのプレゼントは僕が直接買ってきたが、Rのはトイザらスのサイトで注文したのだった。もし見られたらサンタの正体は飛脚だったとバレてしまうところだった。

しかしRとタクが寝た後で嫁に聞いたところによると、もっと危ない時があったという。それは僕がまだ会社から帰る前に佐川急便が既に1度来ていたのだった。その時みんな風呂で、ちょうどRとタクは出たばっかりで嫁はまだ入っているという最悪なタイミング。

自分は出られないし、来客大ウェルカムなRとタクなら素っ裸でも出てしまうだろう。最早これまでと悟った嫁だったが、なんとRが

「おかあさんは今お風呂に入ってて出られないんです」

とドア越しに伝えたんだそうだ。すると

「じゃあまた来ますねー」

佐川急便は帰って行ったのだという。偉い!R、来客の対応パーフェクト!佐川もきっと察してくれたんだろうな…ありがたやありがたや。

そんなわけで今年もサンタの存在を疑われることなく過ごせそうである。サンタを全力で信じているので

「ねーねー。サンタさんが来るのあとなんにちー?」

「きょうが22だからあと2だよね!」

毎日を長くして待っている。もうキリンさんになっちゃうんじゃないかってぐらい。

ああ、嫁にも何かプレゼントを用意すれば良かった。そうすればサンタコスプレとかして僕も性的なプレゼント、すなわちセクシャルプレゼントを貰えたかもしれない。ていうかサンタコスプレはウチにあるので頼んでみよう…。

毎日ちんこを長くして待っている。もうゾウさんになっちゃうんじゃないかってぐらい。

すいません見栄を張りました。

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■チョンボ返り
2009年12月22日(火)
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寒い、土曜日のことじゃった。

嫁が大掃除を始めているので僕も窓拭きををやるつもりでいたら息子・タク(4才)は

「こうえんにいきたーい」

いくら寒くても子供は風の子。外で遊びたいのだと主張した。一方Rは

「パパとまどふきしたい」

親の言うことをよく聞く良い子だった。

「えー。どうしよっかなー」

と迷っていると嫁が

「連れて行っていいよ。どうせタクは外に出ないと気が済まないから。私とRでやってるわ」

男は船、そして女は港、みたいなことを言うので

「じゃあタク、行くべか」

そういうことになった。しかし行く直前になって

「Rちゃんもやっぱり行く〜」

Rが謀反を起こしたので結局ふたりとも連れて行く羽目になった。愛車・ブラックサイクロン号(ママチャリ)にRとタクを載せ公園まで。着いてふたりを降ろそうとすると、タクは爆睡しているではないか。

「タク、起きろ!」

いくら起こそうとしても本気眠りモードでどうなってんだこりゃー。仕方がないのでタクを抱えつつRが遊ぶのを見守る。しかしそのRもものの5分で

「さむい。おうちかえりたい」

…僕は一体何をしにこの公園に来たのでしょうか。

「タクー。いい加減起きろー」

と声をかけるとタクはようやく目をぼんやり開けた。そして

「ねむーい。おうちかえるー」

ふ、ふざけんなあああ!子供は風の子とちょっとでも思ってしまったことを後悔した。この根性のなさは紛れもなく僕の子である。

「君達が来たいって言うから、窓拭きしないで連れて来たんでしょ!」

窓を拭かずに怒りが火を噴いたとさ。

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■お前の罪を数えろ
2009年12月21日(月)
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この年になるとクリスマスはサカリのついた若者と子供達のためだけのイベントだということに気付く。おじちゃんは蚊帳の外なので拗ねているのである。

そしてそろそろ子供達へのプレゼントも用意しなければならない。娘・R(6才)と息子・タク(4才)にプレゼントは何がいいかと聞いているのだが、聞く度に欲しい物が変わるので直前になって調達すればいいやと考えていた。

その直前がこの土日なので

「そろそろサンタさんにプレゼントお願いするよー。君達何が欲しいか決めなさい。今日決めたのがプレゼントになるからね!もう変えられないよ!」

トイザらスのサイトを見せて吟味させると

「Rちゃんはこれ」

Rは可愛くシルバニアファミリーのお家セットをチョイス。

「たっくんはこれ!」

タクは仮面ライダーの銃。誕生日プレゼントにベルトを買ってやり、番組も見るようになってからおおハマリしている。

「よし分かった」

ふたりが画面から離れた隙に注文してしまおう…と思ったら仮面ライダーの銃は「在庫なし」となっていてさあ大変。

「しょうがない、ちょっくら探してくる」

と嫁にコッソリ言って池袋にGO。トイザらスに着いてみたら

「仮面ライダーWドライバー(ベルトのこと)は品切れ中です。入荷予定もありません」

と書かれた貼り紙を前に呆然と立ち尽くす親子連れ多数。聞いてみると仮面ライダーのおもちゃは全般的に思いっきり品薄状態であるという。僕のお目当ての銃もなかった…。

トイザらスにはとっとと見切りを付け2軒目に行ったらココも品切れ。店員に聞いてみたらやはり同じ答え。これって昔似たような経験をしたことがある…と思いだしたら「たまごっち」だった。

たまごっちも仮面ライダーのおもちゃも同じバンダイじゃねえかよう!このパターンだと何軒探しても同じである、と判断した。

この店では銃は売ってなかったが、仮面ライダーが使うもう一つの武器・槍は売っていたので嫁に電話。

「実はこういうわけでタクと変わってくれないか」

と伝えるとタクが出た。

「もしもしー。たっくん?あのねー。サンタさんが言ってたんだけど、仮面ライダーの銃がないんだって。槍ならあるんだけどそれでいい?」

「えーやだー」

なかなかタクは折れてくれない。

「サンタさんがごめんねーって言ってるんだけど…

必死に説得している内に、タクがうんともすんとも言わなくなってしまったので

「もしもし?もしもおおおし?」

何度か呼び続けているとまた嫁が出た。

「タク、膝小僧抱えて静かに泣いてます」

ああああ。タクが落ち込んでる姿が目に浮かぶ。こりゃなんとしても手に入れないとやばいなあ…しかしたまごっちの経験からすると…と迷いながら3軒目に入ってみたらあっさりあった。

あああよかったああ。

「タク、サンタさんがあったって言ってたよ。よかったね」

「うきゃほー!」

先程の落ち込み具合から一転、タクは電話の向こうで浮かれていた。

家に帰ってから

「パパ、サンタさんと会ってたの?」

「サンタさんってどこにいるの」

「Rちゃんもサンタさんに会いたい!」

と子供達から質問攻め。

「い、いや、電話で話しただけだよ」

ちょっと目を合わせて話づらいなあ。

「たっくんも電話したい!お話ししたい!」

「い、いや、サンタさんさっき携帯トイレに落としたから話せないって言ってたよ…」

嘘に嘘を重ねるとどんどん苦しくなるなあ。

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■喫煙者は死すとも滅びぬ
2009年12月20日(日)
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息子・タク(4才)に

「くさい!」

と実もフタもないことを言われた。

「どどどど…どういう風に臭いのかな?」

人間、年を経てオヤジになるといくらでも臭くなる。その辺は人間も生ゴミも変わらない。イカ臭いのは若い内からだが、他にオヤジ臭い・口が臭い・足が臭い・頭が臭い・耳が臭い等さまざまである。思い当たることで僕に当てはまらないのはワキガぐらいだ。

「タバコくさいの!」

タクはそう答えた。

「あー…タバコっすか…」

ひとまず体質的な臭いではないことに安心したようなそうでもないような。

「パパ、タバコやめてよー。タバコすってるとけっこんできないよー」

「いやしてるんだけどね…」

「Rちゃんとけっこんするんでしょ?」

ああそうか。いつも娘・R(6才)と「結婚しようね」と戯れているので僕がまだ結婚していないと思っているようだ。

「ああそうだね。Rちゃんと結婚するんだね」

「Rちゃんとか他の人とかともけっこんできないよー。タバコすってると嫌われちゃうよ」

僕が未婚どころかいくらでも重婚できると思っているようだ。百歩譲って重婚OKという法律だったとしても僕には相手も金もないさ。しかし4才児にそこまで自虐的な説明をしなくてもよかろう。だって、涙が出て来ちゃうモン。

しかしタクは偉そうなことを言う。お前だってタオルを一日中口に当ててないと口が寂しいのだろう?それと原理は同じなので、タクも将来タバコを吸うんじゃないかなあ…。

それはそれとして、Rは僕のタバコをマイナスポイントとして見ているのかどうか聞いてみた。

「Rちゃん、パパタバコやめた方がいいかな」

僕らの言い争いをよそに横でテレビを見ていたRに聞いてみると

「うーん。すぐにやめてっていうとパパかわいそうだから、今はやめなくてもいいけど、Rちゃんと結婚する時はやめてね」

という素晴らしく慈悲深くも冷静なお答えをいただいた。

「ありがとうRぅぅぅぅー」

日に日に喫煙者にとって肩身が狭くなっていくこの世の中、Rの猶予は一条の輝く光であった。そして喫煙者であることを受け入れてくれた嫁…夜はタバコを唇に替えて…ジュテーム。

「き、きみは綺麗だね…」

と襲おうとしたら鼻で笑われた。

セリフも臭かったようだ。

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■ナチュラルハイ。揉みます揉みます
2009年12月19日(土)
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昨日の日記の通り、

「娘・R(6才)からいつも手紙を貰っているのでたまには返事を書く」

という決意をした日。夜、仕事から帰って来るとなんともう机の上にRからの手紙が置かれていた。しまった。先を越された。このタイミングは単なる偶然なのか。それともRがエスパーなのか。見てみるとこんなことが書いてあった。

『パパへ。

 ずっともにもにしていい?おへんじかいてね。

 かいて             かいて
  ↓               ↓
---------------------------------------------
| | 
| | 
| | 
| | 
| | 
---------------------------------------------


 Rより』

おおおお…今回は回答欄まであるぅ…。大事なので2回書きました、とばかりに「かいて」と繰り返し書かれている。

返事を書こうと思っていた矢先にこの内容。偶然ではない。Rはエスパーに違いない。エスパーだったとしたらエスパー魔美かエスパー伊藤のどっちだろう。実際は嫁が「パパがお返事書いてくれるらしいよ」とか耳打ちしたんだろうけどさ…。

本文中にある「もにもに」とは、Rが僕の腕を揉みまくることである。マッチョだったら腕はカッチカチやぞ!なのだろうけど、僕はガリガリなのでカッチカチなのはちんこのみである。僕の腕はプニプニしていて気持ちがいいらしく、毎日のように揉んでくる。

Rに先制攻撃されてしまったが、お返事を書くかね…と文を考えた。

「いつまでも揉んでいいよ」

うーん。これだけじゃ物足りない気がする。おおそうじゃ。

「Rちゃんも大きくなったらパパにおっぱい揉ませてね」

これだ!いや、これだじゃねえだろ…タダの変態親父ではないか。しかし揉まれっぱなしというのもなんだかスッキリしないので「僕も揉む」という意向は表したい。そこで

「パパもRちゃんをもにもにさせてね」

とした。おっぱいというエロ単語がひとつ抜けただけでだいぶ変態度合いが薄まったと思う。そしてこの文であればおっぱいのみならず全ての箇所をもにもに出来る。これだ!

というわけで翌朝Rにこの返事を書いて渡した。

「ずっとパパをもにもにしていいよ」

と言うと早速僕に絡みつきもにもにもにもに…。

「その代わりRちゃんもずっともにもにさせてな」

「いいよー」

よっしゃー。これで永久的にRを揉みまくることが出来るようになった。

娘には手紙のレスを。でも
嫁とはアレがレスである。

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■お返事返事
2009年12月18日(金)
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「パパ見て、お手紙なのよ」

娘・R(6才)が持って来たメモに書いた手紙。また僕にくれるのかなーと思ったら

「モナちゃんにあげるの」

ちぇ。がっかり。よく見ると、こんど一緒に遊ぼうね、とかRとモナちゃんと思われるふたりの女の子の絵などがあった。

「ふーん。よく書けたね」

と褒めてやると満足したのか、手紙を折り畳んだ。ふむ。きちんと畳んで渡すんだなあ…と感心していたら

「かみひこーきー!きゃははははー!」

畳んだと思ったら紙飛行機に折って飛ばしまくっているではないか。

「こらこら、ちゃんと渡す気あるのか」

と呆れたものだが嫁によるとその後きちんと渡していたらしい。

「お手紙ごっこが流行ってるのよー」

嫁はそんなことも言った。Rのクラスの女の子たちの間で、手紙を書いて渡しまくっているのだという。女の子同士だけじゃなく、中には好きな男の子に渡す子もいるんだとか。

「なにー。それじゃRも?」

それを聞いた僕は心中穏やかならず。僕以外の男に手紙なんざ許さん。でも嫁の答えは

「Rは女の子にしか渡してないよ…」

とのことだったのでホッと胸を撫で下ろした。

「それどころかRはほとんど貰うばっかりよ。いろんな子から手紙貰ってるのに返事書かないのよねえ。他の子はちゃんと書いてるのに」

「ふーん」

じゃああの時モナちゃんに書いた手紙はレアケースなのだな。しかもお手紙が流行っているのはRのクラスだけではないらしい。

「タク(4才の息子)も女の子からちょこちょこ貰ってるのよ」

「なに!やるねえ」

Rが男の子から手紙を貰ったとしたら気が狂いそうになるのに、タクが女の子から手紙を貰ったと聞くと「天晴れ。さすが我が息子」と全く正反対の感情になるのは何故だろう。

「タクもまた返事書かないのよねえ…」

しかしタクもRと同様レスポンスが悪いのだという。

「でもあの子達の年代って返事とかあまり求めてないんじゃないのか?書きたいから書く。見せたいから一方的に送る、みたいな」

「そうでもないよ」

「僕もRからわんさか手紙もらうけど、返事くれって言われたこと滅多にないし…」

「…ってそれよ!あなたが返事書かないからRもタクも返事書かないのよ!返事書きなさい!」

「えー!」

なんだか僕のせいにされてしまった。かつて僕はRの名前の由来となった、近所に住んでいたお気に入りの美少女・Rちゃんとお手紙の交換をしていたことがある。そりゃもう毎日のように手紙を貰い、貰ったらすぐさま返事を書きまくっていた。

あの頃はちんこを握るよりペンを握っている方の時間が長かった珍しい時期である。それほど頻繁にやりとりしていた。それに比べると確かにRには返事を書かなすぎたなあ…。

「分かったよ。返事書くよ。それとなく君達もお手紙貰ったらお返事書こうねって内容にするよ」

誰かに何かしてもらったら「ありがとう」と言う。お礼をする。手紙を貰ったら返事を書く。そういうことに全てが繋がっているので、そういうことをひとつひとつ教えてやらなければならないのだなあと思った。

一事が返事。なんつって。

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■スイーツ(駄)
2009年12月17日(木)
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地元の商店街でスタンプラリーが開催されている。

ドラクエ風に例えれば

「エゴタランドに散らばる4つの紋章を集めよ」

ということであり、逆によく分からん。要は商店街加盟店で300円以上の買い物をするとスタンプを押してもらえ、4店以上のスタンプが貯まれば1回福引が引けるというもの(最初からそう書けよ)。賞品はどんなものかというと、

特賞:温泉旅行

わーすごい!当たったらどうしよう!

1等:旅行券

わーすごい!当たったらどうしよう!

2等:川中美幸ショー

うわー…当たったらどうしよう…。

とりあえず僕らのような庶民をときめかせるには充分なラインナップであり、僕らもものの見事に食らいついた。

「でもあんまり商店街じゃ買わないしなあ…」

と嫁はこぼす。僕もあんまり…。あ、でもスタンプラリーの参加店舗を見てみると本屋がある。たまに食いに行く定食屋もある。そして

「あ、ここのコンビニも参加してるよ」

そういえばこないだの幼稚園のバザーの時、駄菓子コーナーがあって、

「あとで買おうね」

と言っていたらいつの間にか全て売切れてしまっていたので、娘・R(6才)も息子・タク(4才)もしょぼーんとしていたのだ。かわいそうなので約束は守りたかった。

「駄菓子買いに行こうぜ」

そういうことになった。

「おかしかっていいの?」

Rとタクは目を輝かせてキャアキャアと駄菓子コーナーを物色し、それぞれチロルチョコをひとつずつ僕に寄越した。なんという謙虚な子供達であることよ。

「…もいっこぐらい買っていいよ」

「えっ。ふたつもかっていいの?」

ふたりは更に大喜び。普段嫁がしっかりしつけてるんだなあ…。そんなこんなで僕も買うぞ嫁お前も買え、とぼんぼこ買い物カゴに入れてレジに持って行ったら

「900円です」

どーん。

「だ…駄菓子で900円って…」

赤貧洗うが如しの家計を日々やりくりしている嫁の顔が引きつっていた。

「ごめん…僕コレも追加で買っちゃったから…」

「うまい棒30本セットとか買うなあ!」

確かにコンビニで買うことはなかったなあ…。もっと安い駄菓子専門店があるのだ。

「でもほら、Rとタクを見てご覧。嬉しそうな顔してるじゃないか…」

嫁の怒りを子供達の笑顔で中和させようと強引にまとめた僕。ま、子供に免じて

水に駄菓子てくれ!…ちょっと苦しい。

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■夜這い星
2009年12月16日(水)
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真夜中のミッドナイト。

嫁を抱き締めてトゥナイトと意気込み寝床に滑り込もうとすると嫁の姿がなかった。トイレにも押し入れの中にもいなかった。一体どうしたのだというのだろう。

1.失踪(僕に愛想が尽きて)
2.サバト(奥様は魔女…しかも黒魔術系)
3.丑の刻参り(僕の髪の毛持参)

うわーん。ママー。どこ行っちゃったのーと泣きそうになったら

「ぐわらっ」

突然窓が開いたので失禁しそうになった。嫁はベランダの外にいたのであった。

「のぞきでもやってんのか、君」

「流れ星を見ているのよ」

なーにいきなり乙女チックになってんだか。そういえばニュースで双子座流星群がなんたらとかやっていたことを思い出した。

「寒いのにご苦労なことで…」

生憎僕には流星群よりおっぱい群に心をときめかす汚い心のオヤジ。星を愛でるようなロマンチックな趣味はない。いや、子供の頃はあった。むしろ天体大好き少年だった。

その名残で明るい星の名前ぐらいなら今でも言える。シリウスとかプロキオンとかカストルとかポルックスとかカペラとかアルデバランとかリゲルとかベテルギウスとか死兆星とか。

故郷の星空は流れ星どころか星座そのものがこぼれて来そうな程キラキラしていた。そして運が良ければ10分ほど眺めていれば流れ星がつーと走って行く姿が見られた。だから特段物珍しくもないのだ。

おまけに東京には空がない。前述の明るい星ぐらいしか見えないから今更流れ星など…。

「で、見えたのかね?」

「う〜ん。まだ」

夜空を眺める嫁を眺める僕。そして一句。

空眺め あのマンションがまぶしいと 愚痴をこぼして星はこぼれず

(詠み人:かじものとこきまら)

結局流れ星を見ることが出来なかったようで、ようやく諦めた嫁は窓をカロカロと力なく閉めて寝る体勢に入った。それを逃さず僕は襲う。

「まーまーまー。契りましょう」

「えー。やだ」

たわけめ。お前が求めていた流れ星はここにいるのだ。なんつっても流れ星のことを昔は「夜這い星」と呼んでいたのだから。

『星は昂星(すばる)。牽牛(ひこぼし)。明星(あかぼし)。長庚(ゆふづつ)。流星(よばひぼし)をだになからましかば、まして』

精子…じゃなかった、清少納言の枕精子、じゃなかった、枕草子にもこうある。

寒空の下で冷え切った嫁には、「求めていたものは、じつは身近なところにありましたとさ」みたいな青い鳥風の心温まるオチもよいだろう。

そうよわたしは、蠍座の男。

蠍座流精群じゃー!

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■そしてトキは動き出す
2009年12月15日(火)
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幼稚園バザーが終わった後、嫁お疲れ様の意味も込めて昼飯を食いに行くことにした。

駅前のとある喫茶店。僕が独身時代から10年ぐらい通っている店で(頻度は数ヶ月に1度ぐらいだけど)、嫁や子供達も何度か連れて行ったことがある。先月も行った。

その時は嫁と子供達が公園で行なわれていた餅付きイベントの餅で昼飯を済まそうとしていたので

「それだけじゃ僕は足りないよう」

と嫁に訴えたら

「じゃ、あなたどっかで食べといて」

ひとりで行け、ということになったのでそのようにしたところ、その店にいるプリンセス・テンコー似の店員に

「今日はおひとりですか?いつもご家族と来ていただいてありがとうございます」

と言われたことを先月の日記に書いた。このことは嫁に伝えてあったので

「今日はご家族で来ていただいてありがとうございます、って言われちゃったりして」

と嫁と話ながら店に入ったところ

「今日はご家族で来ていただいて…」

そのまんまの言葉を言うプリンセス。律儀なお人である。しかし予め伝えていたから嫁もニヤニヤしているだけで済んだのであって、もし事前に知らせなかったら

「今日『は』って前は誰と来たのよーッ」

プリンセスのひとことで疑いの目をかけられる恐れがあるのではないだろうか。確かに娘・R(6才)の名前の由来となったお気に入りの美少女・Rちゃんと何度か来たことはあるが…。遠い昔の話である。今となっては甘酸っぱい古き良き思ひ出ぽろぽろ。

それはそれとして、プリンセスにオーダーをした。みんなてんでバラバラなメニュー。僕はカツカレー、嫁はグラタン。息子・タク(4才)はお子様スパゲティーがいいと言うので

「Rもそうするか?」

と聞いたところ、

「ううん。Rちゃんはサンドイッチ」

ちょっとお姉さんぶりたいお年頃なのだろうか、チーズハムサンドを頼んだ。

タク
タクのお子様メニューは、昔懐かしいオープンカーの食器で出て来たのでタク大喜び。これも僕がかつてお子様ランチを目を輝かせて楽しんだ古き良き思ひ出ぽろぽろな感じでよい。プリンセスは子供達にアイスのサービスもしてくれた。

「いつもありがとうございます」

「ごちそーさま」

会計を済ませる時もプリンセスは丁寧だ。店を出ると、Rがウィンドウにあるメニューのサンプル達をじーっと眺めていた。

「ん。どした」

「Rちゃんが食べたサンドイッチがないの…」

「ありゃほんとだ」

カツカレーやグラタン、お子様スパゲティらはあったが、Rが頼んだサンドイッチのサンプルだけは何故かなかったのだ。

「てか、私達が頼んだの、このサンプルよりも大きくなかった?」

と嫁が驚いていた。

「わはは、ここはサンプルより実物の方がでかいという世にも珍しい喫茶店なのだ!」

そう、リンセスをはじめとした店員さんの気さくさ、サービスの良さ、そういうところが好きで長年通ってしまうんだなあ。

「パパのカレーもあるのにぃ…」

Rはまだしょげていたので

「また連れてきてあげるよ。今度はここにあるやつを頼めばいいじゃないか」

と励ました。

女の子。負けるな喫茶ここにあり。

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■バザー、マザー、ファーザー
2009年12月14日(月)
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幼稚園のバザーがあったので行って来た。

バザー…。それは園児の家庭からリサイクル品や主婦の労働力を搾取し、売上金を幼稚園に還元させる革命的イベント…。

嫁は係になっているので「ままといきたあい」と言う息子・タク(4才)を連れて一足先に幼稚園に。僕は後から娘・R(6才)を連れて向かった。

R
開園までココアを飲んで待つ。

始まってからRはビーズでのネックレス作り、キャンディーレイ作りなどのワークショップコーナーで一生懸命工作をしていた。

その後嫁がいるところに行ってタクを引き取ったのだが、ふたりになるともう大変でRもタクもそれぞれ「あれやりたい、あっち行きたい」とてんでバラバラな行動を取りたがる。Rなどは

「ママのところに行く」

と言うし、僕は工作をしているタクのそばを離れられなかったので、ひとりで行かせたところあっさり行方不明に。嫁のところに行っても

「R?来てないよ」

Rの姿はないしまったくもー…と探していたら2階の通路でうろうろしているRを発見。

「パパあああああ!」

自分の幼稚園で迷子になるなっ。

子供達を遊ばせた後日用品コーナーなどを物色。幼稚園の制服や体操着の古着も売っている。もしRを有名女子高に入学させれば、バザーでウハウハなのだろうか…と制服フェチの僕はそう思った。

バザーの撤収は早い。12時頃に終わる。さすがに日曜の朝っぱらから主婦をこき使うのは幼稚園といえどもこれぐらいが限度なのだろう。

タク
遊び足りないタクは園庭の遊具で遊んでいた。そしたら

「今日は遊具で遊ばせちゃダメなのよ!」

嫁に怒られた。

来年あたり、僕も不要品としてバザーに出されそうである。どこか裕福でキレイな奥様がいる家庭に売られ、そして僕は虹の彼方へ旅立って行くのだ。

オー・バザー・レインボー。

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■夫婦の会話
2009年12月13日(日)
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夜中、しんと静まる我が家の中で、嫁との事務的な会話。

「電気釜、来たのか?」

「うん、来た」

「どこにあんの?」

「そこの段ボール」

「まだ使ってないのか」

「マニュアル読む気力がない。今度の週末に」

「ふーん」

しばらくの間無言。そして無言のまま嫁は後片付けを始め、無言のまま寝床に就いた。MUGON、色っぽい…。

「あのさ」

「なに」

「やらして」

「やだ」

これでこの日の会話は終わった。目と目で通じ合わなかった。この会話の中で夫婦の愛が伺えるものは何もない。倦怠期ってやつ?そろそろクリスマスだから予約しとかなきゃ…ってそりゃケンタッキーだっちゅうの。

溜息を付いていると、布団で寝ていた娘・R(6才)の目がぱかっと開いた。

「R」

「なーにー」

「こっちおいで」

と誘うと僕の胸の中に擦り寄ってきて再び寝息を立て始めた。僕に抱かれてくれるのはRだけだよう。

ところで女性はこんなにあっけなく性欲がなくなってしまうのだろうか。いや、女性とひとくくりにしてしまうのがアバウトすぎる考えなのだろうけれども。

高校生の時、今時の若者を指す言葉だとして習った「三無主義」というのを思い出した。曰く「無気力、無関心、無感動」。嫁はこれに無性欲が加わるので四無主義ということになるのだろうか。

ちなみに僕はちゃんと避妊をするのでゴム主義である。

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■好きこそ僕が哀れなりけり
2009年12月12日(土)
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息子・タク(4才)がまた折り紙で手裏剣を作っていて

「パパ、あげるね」

僕にひとつくれた。

「ありがとう…」

あんたも忍者、わたしも忍者、目潰し撒いて、ドロンドロン。くのいち忍法帖プレイしたいなあ…。

タクはもうひとつ手裏剣を作っていた。

「これもあげるんだよ」

「へえ。誰に?」

「おんなのこ」

おおっ。息子よ。遂に女に貢ぐまで色気付いてきたか。

「モナちゃんか?ミキちゃんか?」

タクは好きな女の子が何人かいて、聞く度にコロコロ変わるのだが果たして今度は誰なのだろうかと聞いてみると

「きむらゆうりちゃん」

誰…。また違う女の子の名前が出て来た。まったく気が多いんだからもう!誰に似たんだ!って言わずもがな僕に違いない。

しかも僕は女子高生大好きなのに対し、タクは幼稚園児から人妻までOK。たまによそさまの奥様の乳を揉んで怒られている。とてもストライクゾーンが広いのだ。かつて「幼稚園児から森光子までOK」と言い放った僕の友人に次ぐ広さである。

こういう誰が誰を好きとかスキスキスーな話というのは女の子の方がオマセである。Rはどうかというと、嫁から聞いた話だが、トーヤ君という男の子が好きだということを言っていたらしい。しかもそのことを

「パパには言わないでね。パパが悲しくなっちゃうから」

と口止めしたらしい。話すなよ嫁。僕がどんだけ泣いたか…。しかし最近はその熱も冷め、別に好きでもないという。ならば今好きな男はいるかどうか、改めて聞いてみることにした。

「Rちゃんは好きな男の子いるのかい?」

「うーん。前はね、トーヤ君だったけど…今はいないの」

「ふーん。トーヤ君のどこが好きだったのかな?」

Rのタイプがどんなもんか知りたくて聞いてみた。そしたら

「かっこいいから!」

言っちゃあ悪いが、トーヤ君って僕も見たことあるがはまじみたいだぞ(以前の日記にも書いた気がする)。

「ふーん。トーヤ君が一番かっこいいか…」

「いちばんかっこいいのはパパだよ!」

「えー!」

わははははは。僕ははまじを超えた。はまじがカッコいいって言うRが、それよりカッコいいという僕はどんだけファニーフェイスなんだよ。

『ハンサム』(詩:ハマー)

 えっ
 誰がハンサムだって?
 もしかしてオレ!?
 なーんてねアハハハ

 …………えっ

 本当に
 オレなのかい…?

僕は今日から自称ハンサムとする。

…生まれてすいません(太宰おサム)

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■タッチ、タッチ、ここにタッチ
2009年12月11日(金)
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朝の儀式っていうか。

いつも僕が仕事に出かける時に子供たちとすることがある。

「あーくーしゅーでばいばいばい」

と握手して手をぶんぶんと振り、ハイタッチする。娘・R(6才)と息子・タク(4才)それぞれにやる。そのハイタッチも

「今日は何回?」

「かめんらいだー!」

「ほい、か、め、ん、ら、い、だ、あ!」

ち、よ、こ、れ、い、と、みたいにその日のキーワードを決め、その単語の発音数だけタッチするのである。

いつの間にこういう習慣が生まれたのかもう覚えてない。ていうか別にやらなくてもいんじゃね?と思い、ある日

「じゃ、いってきます」

さりげなく儀式をやらないまま家を出ようとしたら

「まってよ!あくしゅする!たっちする!」

が鬼の形相で追い掛けてきたのでどうやらなくてはならない儀式らしい。

ハイタッチする時の単語が何になるかはRとタクのその時の思い付きによる。何が飛び出てくるか分からない。

そんなわけで今朝もお約束の儀式。まずはRと握手。

「あーくーしゅーでばいばいばい」

「今日は何?」

「えっとねー。ねっくれす」

「はい、ね、っ、く、れ、す」

Rが選ぶ単語は女の子らしくてカワイイ。で、次はタクである。

「あーくーしゅーでばいばいばい」

「はい、じゃあ何にしようか」

僕がそう言うとタクはすぐさま叫びながらハイタッチしてきた。

「う、ん、ち、お、し、り、お、な、ら、お、ま、た」

んまあ。何という下品な言葉のオンパレード。

「たっくん!」

それを聞いたRがタクを呼んだ。お、いいぞ。お下品なタクを叱ってくれ…と思ったら

「ちんちんも言わなきゃダメだよ」

がーん。Rだけはそんなことは言わないと信じていたのに。このお下品姉弟コンビめ。まったく誰に似たんだか…。

『僕は年代物だけど、ちんこが立ってます』(昨日の日記より)

僕だああああ!

朝のハイタッチからお下品なわが家庭。

エッチスケッチハイタッチである。

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■米米ウォー
2009年12月10日(木)
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ある日嫁がこんなことを言った。

「ねえあなた、ボーナス出たら新しい電気釜買わない?」

うちの電気釜は古い。

何しろ僕が大学に入学し、ひとり暮らしを始めた時からずっと使っている年代物である。亀仙人が魔封破にてピッコロを封じ込めようとした時に使ったオンボロな電気釜に近い。

「んーそうだねー。もう買い換えてもいいかな」

もともとひとり暮らし用だし、逆によく今まで嫁が文句言わなかったものだとも思う。

「ていうかね、割れちゃったのよ…」

「え」

よく見ると、電気釜のプラッチックのボデーがパキンと割れているのである。

「どうしたんだ。ピッコロを封じ損ねたのか?」

「いえ、落とした」

このままでも炊けないことはないがみすぼらしいことこの上ない。毎日口にするお米なので、これを機会に新しいものを買おうと決意した。

きっと新しい電気釜を買えばおいしいお米が食べられるだろう。ボーナスが入ったら電気屋に行って嫁とじっくり選ぼう。嫁ひとりに選ばせたら心許ないからである。やはり家電は男が選ばねばなるまい。嫁に選ばせたら電気釜と間違えておすぎとかピーコとか、ただのオカマを買ってくる恐れがある(ねーよ)

そしてようやく選んだ電気釜でお米を炊いてパカッとフタを開けて

「わーお米が立ってるー!」

とか言っちゃって。オラなんかワクワクしてきたぞ。はーやく出ろ出ろボーナスちゃん、と祈っていたらやっと出たので

「ボーナス出たぞ。今度の休み電気釜買いに行こうぜ」

と嫁に言ったら

「もう頼んじゃったわよ。ネットで」

もんのすごく冷たいひとことが…。ネットでって…。毎日ネットで日記書いてる者がこういうことを言うのもアレだけど、ネットでちゃっちゃと済ますなんて余りにもつまらないではありませんか。もちょっと買い物を楽しもうよ…。

「で、どのメーカー?」

「××××」

ってアナタ。僕が選びたかった理由はもうひとつある。今は亡き僕の親父は、日立の白物家電を作っているところに勤めていた。なので父の仕事をリスペクトする意味で白物家電はいつも日立にしたかったんだよね…。

いつも電気釜で米を炊くのは嫁だから、そんなのは僕のワガママかもしれないけどさ…。

こうなったら嫁が選んだ電気釜の性能をとくと見させてもらおう。お米が立ってるかどうかしっかりチェックしてやる。

僕は年代物だけど、ちんこが立ってます。

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■遊戯凛々
2009年12月09日(水)
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日曜日は幼稚園のお遊戯会だった。

年に一度、クラスの男子女子に別れて踊るんである。娘・R(6才)も息子・タク(4才)もおお張り切りで、既に家で何度も踊りまくっており、だいぶ前からすっかり覚えている様子。タクなどは

「たっくんねえ、先生に『かんぺき』って言われたんだよ!」

と頼もしいことを言う。さすがおかあさんといっしょでマユお姉さんとサシで踊っただけのことはある。

「すごいなー。じゃあバッチリだね」

「うん。パパ、『かんぺき』って何?」

頼もしいんだか抜けてるんだか。何やら悪い予感がするのう。

前夜、僕はテキスト庵オフで3時頃まで飲み歩いていたため、当日の朝は眠いわゲロ吐きそうだわと、とんだダメオヤジであったが、嫁に叩き起されて

「場所取って来い!」

ポイッと家を追い出され、重い足取りで観客席の場所取りに会場に向かった。到着すると嫁が急かすほど人がいなかったのであっさり最前列をゲット。

「お、いいとこ取れたじゃん」

後から来た嫁はそう言って後方のビデオ撮影用席に向って行った。このお遊戯会のルールでは、何故か前列席はビデオ撮影不可。なので僕は最前列でデジカメ、嫁は後方でビデオ撮影と役割を分けたのである。

お遊戯会開始までまだ30分程あった。まずは年長からなのでRは嫁に連れられて舞台裏でスタンバっていた。年少のタクは最後の頃なので僕と一緒にRを見る。しかし座っている内に寝不足が祟り、僕はガースカ寝てしまった。不意に肩を揺らされ、ハッと目が覚めると隣にいたRの同級生ママに

「始まりますよ!何寝てんすか!」

と叩き起され、うおおおなんというダメオヤジぶり。

おおそうじゃ。慌ててステージを見上げるとRのクラスが入場してくるところであった。この日のために着飾った子供達がみんな眩しい。

「R〜」

Rに向って手を振るとニコニコしながら振り返してきた。全然緊張してない模様。そしてミュージックスタートにてお遊戯開始。BGMは昔オザケンとスチャダラパーがやってた「今夜はブギーバック」…のカバー。何故今更90年代。元曲はヒップホップなのにやたらとギターリフがうるさいデジロックになってるし。

R
R
踊ってる時のRは…美しいとしか言いようがなかった。歌詞を口ずさみつつ、時々にこりと笑いながら可憐に踊る誰よりも可愛い娘。幼稚園のこのRの姿を見るのはこれが最後なんだな…と思うと胸の奥から熱くこみ上げるものがあった。(ゲロではない)

「Rちゃんうまかったな…タクも頑張るんだぞ」

出番を終えたRが戻って来たので、嫁がタクをスタンバイさせに連れて行き、Rが僕の隣に座る。

「上手だったな。こっち見て手を振ってくれたよね。泣きそうになっちゃったよ」

Rをこれでもかと褒め称えながら他のクラスのお遊戯を見ていた。

「パパ、次たっくんだよ!」

「おう!」

そしていよいよタクのクラスの番である。子供達が舞台袖から入場…と思ったら

「ヤー!」

ひとりだけ雄叫びをあげながら走ってくる子供がいた。どこのバカかと思ったらウチのバカだった。

「たっくんなにさけんでんの〜」

Rは笑っていたが僕は恥ずかしかった。

タクのクラスのBGMは…光GENJIの「パラダイス銀河」だった。90年代どころか80年代である。どーゆー選曲してんだコラ。80年代はまだリバイバルさせるにはまだ恥ずかしいんである。あと20年ぐらい寝かせて欲しいんである。始まりのナレーションでも

「さあ、21世紀の光GENJIを目指しましょう!」

とか言ってるし。どの親もソレ目指してないから!で、タクのお遊戯スタート。

タク
タク
…セットにまで「光GENJI」とかダメ押ししなくてもいいじゃないかよう…。

タクもさすがに完璧と言われただけあって上手かった。親の欲目だが誰よりも光っていた。光園児である。しかしなんか顔が腫れぼったいのである。どうしたのだろう…とずっと気になっていたら、演技を終えてタクと戻って来た嫁が、

「スタンバる時、『ママといっしょがいいー』って泣いてたのよ!この子だけよ!」

と苦笑いしていた。踊りの技術は大したものだがメンタル面に脆さが…。

「もういわないで…」

タクはいっちょまえに恥ずかしそうにしていた。

Rとタク
お遊戯会が終わりパチリ。この頃には二日酔いもどこかに吹っ飛んでいたことよ。来年はもうRのお遊戯は見られない。しかしもっと男の子っぽくなったタクを見られるだろう。

来年はどんなお遊戯を見せてくれるのだろう…と帰り道を歩く子供達の背を見ながらしみじみとしていたら、

「あなた、Rの直前まで寝てたんですって?」

嫁がグサッと言い放った。

「な、なんでそれを…」

「○○ちゃんママが言ってたよ」

奥様って絶対こういうこと頼みもしないのに漏らさず話すよなーぶーぶー。

「いやー、まあ、うん」

「あなたなにやってんのよ」

僕が死亡遊戯。

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■手動でも児童館。なんちて。
2009年12月08日(火)
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日記の順序は前後するが、土曜日の昼間は雨が降りそうだったので子供達を児童館に連れて行った。嫁はその間買い物である。

娘・R(6才)はお人形遊びをひとりチマチマと始めたが、息子・タク(4才)は

「パパとボールであそびたい!」

屋内の運動場で暴れたくてしょうがないらしい。

「Rちゃん、ボール遊びしないかい?」

「やだ。おにんぎょうで遊ぶ」

ぬうう。ナンパ失敗。

「じゃあタクがやりたいっていうから運動場行って来ていいかい?ひとりでだいじょうぶ?」

「うん。いいよ」

Rをひとり残して大丈夫だろうか…と思ったがここには係員もいるし、怪しい人は僕だけなので

「じゃ、運動場にいるからね」

「うん」

そんなわけでRをおもちゃ部屋に残し、

「じゃあサッカーしようぜー」

運動場で子供用のゴムマリみたいなボールを使い、蹴り合いを始めた。自然、沖田浩之(通称ヒロクン)が歌う「キャプテン翼」のテーマソングが頭の中を流れる。

ちょっとあれ〜見な〜♪渡辺徹〜♪
すごいデブ〜だと〜♪町中さ〜わ〜ぐ〜♪

(という替え歌が流行った)

「タク、お前もキャプテン翼目指せ!ボールはトモダチ!ポールは牧だし!」

タク目がけて

「いつか決めるぜ稲妻しゅうとおおおお!」

どっかん!思わず本気で蹴ってしまったため、とてもタクが受け取れないスピードでボールが飛んで行った。まずい!と思った瞬間、ボールはタクの頭上スレスレを掠めた。

「パパ!こわあい!」

「あー、ゴメンゴメン」

キャプテン翼どころか石崎君の顔面ブロックをやらせるところであった。

そんなこんなで30分ほど全力でボールを追い掛け走り回ると、さすがにタクも疲れたようで

「サッカーもうやめる〜絵本よみたあい」

「はいはい」

図書室に移動した。おもちゃ部屋を覗いてみると、Rはまだひとりで遊んでいた。ひとり遊びが好きなんだよね…。

「一緒に本読むかい?」

「うん」

ここでようやくRとタクが一緒になった。それから暫くして嫁が戻って来て、頃よい時間まで遊ばせて帰った。

「サッカーたのしかった」

とタク。

「そうかそうか」

将来はワールドカップでも目指してくれたまえ。

「Rはお人形楽しかったかい?」

「うん。たのしかった」

「そうかそうか」

将来は86のDカップを目指してくれたまえ。

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■テキスト庵10周年記念オフ
2009年12月07日(月)
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テキスト庵というWEB日記の報告をするところ…今風にいえば手動トラックバックセンターって感じになるのだろうか、のオフラインミーティングに行って来た。

オフ会ではなくオフラインミーティングである。格調が高い。略してオフミ。オフミGO!ヒロミGO!朝、

「今日パパ飲み会だからごめんねー」

と娘・R(6才)と息子・タク(4才)に言うと、Rの顔がくしゃっと泣き顔に。

「Rちゃんが寝る時まで帰って来てね」

「いやあそれはちょっと無理かなあ…」

出掛ける時も目をウルウルさせながら見送っていたのでとてつもない罪悪感が…。

10分前ぐらいに会場に着くと、既に到着されていた方々とフライングで乾杯。そうしているうちに続々と皆さんが到着されてオフミGO。

正直この会でお会いするまで存じ上げなかった方も多かったが、日記から想像できるキャラクターとご本人とのギャップのある方はあまりいらっしゃらなかった。

文体にお人柄が表れているのか、また逆に本人自体が文体のキャラに引き摺られることもあるかも。なので本当は僕はそんなにエロくはないのです。おひとりだけ、ずっと紙袋を被ったまま参加されている方がいた。どうやって飲み食いしていたんだろう。

テキスト庵10周年について寄せられた他の方々からのメッセージを主催者【な】さんが読み上げ、大いに盛り上がる。「シログミガンバレ。南極越冬隊のみなさん」とか。格調が高い。

それからずっと大盛り上がりでオフミGOヒロミGOである。どんな話をしていたかというと、もういなくなっちゃったけどあの人の日記は一体何だったのか、とか、あとは年のせいか酒が入ると記憶がぶっ飛んでいてうわああああ。なんか男同士でチューしてるー。格調が…。

2次会ではパフュームを歌っていた気がする。2次会の後は更に記憶がない。なんかクラブで踊ってた。帰りは一緒にいた方とタクシーで帰った。

家に着くと、鍵がねえ!扉の前で立ち往生する僕。やばいやばいやばい。恐る恐るピンポーンしてみたところ返事がない。ただの熟睡のようだ。そりゃそうだよな…と腕時計を見る。

このまま玄関の前で凍死するか、ピンポン鳴らしまくって嫁に殺されるか、どちらを選んでもバッドエンドの状況になってしまった。

出て来た時の嫁の顔は恐ろしくて直視できなかった。で、すぐバタンQとなった。家に帰るまでがオフラインミーティングであるということを今後の教訓としたい。

主催者の【な】さま、このような素晴らしいイベントをありがとうございました。幹事のCHARADEさま、ご手配ありがとうございました。

参加者の皆様、とても楽しかったです。ありがとうございました。

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■ヒップをホップさせるオヤジ
2009年12月05日(土)
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娘・R(6才)は僕の腕が好きである。

以前にも書いたと思うが、僕の二の腕のプニプニ感がたまらないらしく、

「もにもにさせて〜」

と言ってひたすら揉んでくる。一緒に寝るときは必ず僕の腕に絡まり、もにもに〜とか言いながら眠りに就くのである。

この日もRと一緒に寝ていたらもにもにもにもにしてくるので、自分だけやられっ放しというのはマグロではないか、僕は嫁とは違うぜ、というレジスタンスがむくむくと湧いて来て

「パパももにもにしちゃうぞ〜」

「いいよ〜」

というわけで僕もRの腕をもにもにしてみた。やはり若い娘の肌はええのう。続いてほっぺた。

「Rちゃんはほっぺたもつるつるぷにぷにしてていいなあ」

「んふふふふ」

お互い揉み合い合戦になってしまったので、つい勢い余って

「お尻ももにもに〜」

とやってしまった。さすがにお尻は嫌がるだろう…とか思ったらさにあらず、

「きゃはは、気持ちいい〜」

と言うではないか。ズーン。なんか異様な罪悪感。実の娘になんてことをしてしまったのだ。単なるセクハラオヤジではないか。しかも気持ちいいとか言われちゃって、なんだか危ない道への第一歩を踏み込んでしまったようなそうでもないような。「やめて」と言われた方がまだマシであった。

お尻もにもにはさすがにスキンシップを越えてしまったものかなー…と深く反省した。どこからどこまでがスキンシップでどこからがセクハラなのか、その区分けは難しい。だから古来からセクハラは存在たのであって、鎌倉時代にはそれを取り締まるためにセクハラ探題という…ああっごめんなさい。

やはり、お尻を揉みまくるというのはアウトだよな…せいぜいお尻とお尻を合わせて

「お尻とお尻でおしりあい」

あたりがボーダーラインだろう。おしりかじり虫でもやってたし。お尻とお尻でおしりあい。お尻がティーバック飯島愛。おすぎとピーコとはるな愛。

以前は「あと10年ぐらいしたらひと房200円ぐらいで乳もませてもらおーっと」とか馬鹿なことを考えていたが、そんなことできるわけないじゃん…と己の愚かさを反省した。

お尻がきっかけなだけに、ちょっと尻アスなわたくし。なんつって。

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■指輪物語
2009年12月04日(金)
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朝、寝起きなのでぼーっとしていると娘・R(6才)が

「これみて」

紙とセロテープで作った指輪を持って来た。中石の代わりにこれも紙で作ったハートマークが付けられている。

「ゆびわ、つくったの」

「これRちゃんが作ったのか。ハートがかわいいね」

「パパしてみて」

「はいよ」

Rからの指輪…。最愛の娘からの指輪なので当然左手薬指にはめるべきだろう、と考え、結婚指輪をぽいっと取っ払い装着。

「お、ちょうどいいんじゃない」

「よかった〜。どのくらいの大きさがいいのかナーって考えたの」

「そうかそうか。でも急に指輪作ってどうしたんだい?」

「パパとRちゃんの結婚式に使うのよ」

おひょひょひょひょ。朝っぱらから嬉しいことを言ってくれるではないか。朝からお盛ん(違う)

「じゃあRちゃんの指輪も作らなきゃね」

「うん。これから作るの」

以前の日記にも載せたとは思うが、Rはよく僕と結婚している絵を描いてくれる。ふたりでハートマークを掴んでいたりしてとてもほのぼのとしている。

Rが考える結婚式ってどんなものなのだろうか。きっとてんとう虫のサンバのようにメルヘンなものに違いない。

「サンバ!サンバ!ブラジルサンバ!憧れーのブラジルサンバ!」

…あ、間違った。これは大学時代の一気コールだった。

「あなたーとわたーしが、夢の国。女はいつもミステリー」

あ、また間違った。途中からお嫁サンバになってしまった。

Rはモジモジしながら僕に寄り添ってきた。新妻の恥じらいだろうか。うい奴じゃのう…と頭をなでなでしようとしたら

「パパ〜。トイレ行く!」

なんだ、おしっこか。

「行っておいで」

「パパと行きたいの!」

「えー。パパそろそろ会社だから着替えたいし」

「はやく」

はいはい、慌てないで、お嫁サンバ。新婚夫婦はトイレまで一緒。健やかな時も、病める時も、おしっこしたい時も彼女を愛し、彼女を助け…ってか。

だっこして一緒に連れて行ってRがトイレに座ったのでとっとと出ていこうとすると

「行っちゃダメ!」

「えー。着替えたいし」

「おわるまでいてよー!」

僕、なんか結婚指揮の前から既に尻に敷かれてるし。

女はいつもヒステリー。

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■ラララ、ミュージッ部屋ー
2009年12月02日(水)
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娘・R(6才)は時々歌を作詞作曲する。

代表曲は「ハートピンチ」と「ドラネコ」というタイトルである。

■「ハートピンチ」
 作詞:R 作曲:R

 ※ハートピーンチ
  ハートピーンチ
  ハートピーンチ

 ※以下永遠に繰り返し

■「ドラネコ」
 作詞:R 作曲:R

 どっどっどらねこやってきてー
 いきますいきますみんなー
 どーこでーも、いーきーまーすーよー

JASRAC許諾第07214545号(嘘)

これらは去年ぐらいに突如としてRが歌い出し、以来彼女の定番ソングになった。それからアバウト1年…遂に新曲が誕生した!

「パパー。みてみてー。あたらしいお歌作ったの」

チラシの裏にびっしりと歌詞が書いてある。しかもチラシを2枚繋ぎ合わせて2番まで。

「おおっ。これは大作だね」

「パパはこの紙を見ててね。Rちゃん歌うね」

「うん。聞いてるよ」

タイトルを見てみると「ひみつのばしょ」とあった。何やら意味深である。そしてRは曲を作り上げた達成感があるのだろう、とても得意気に歌い始めた。しかし…

つりくるときわー
ことをーしるのですー
じゅんびはいいですか?
いのひのこいづみわー
すくすくいるのでるー
しろいくわくわー
くるうころにしー…

この歌詞、サッパリわからん…。徳川埋蔵金の在処の暗号か?意味深どころか意味不である。なんか電波とか神の啓示とか受信しちゃったのかしらん。

「わー。上手に出来ましたねー」

Rが歌い終わったのでとりあえず褒め称える。Rはちょっぴり照れた顔をしておじぎをした。そして

「で…こんなことを聞くのもアレなんだけど、この『つりくるときは』とか『いのひのこいづみ』とか、どんな意味かナ?」

意味が分からない、ということを言うとRが傷付いてしまうだろうか、と思い恐る恐る聞いてみた。するとRはものっすごい悲しそうな顔になり、じっと黙り込んでしまった。

「パパなら分かってくれると思ったのに…」

と目で訴えているようで、なんだか非常に申し訳なくなりそれ以上聞けなくなってしまった。

「と、とにかく良く出来たね。上手だね…」

慌てて取り繕って持ち上げるとRは気を良くしたようで

R
へ、部屋の壁に歌詞掲示してるー!そしてまた熱唱。ただこの曲、君が代のように暗くて間延びしたメロディーなので、歌っているというより新興宗教にハマって延々読経している人みたいであり、ちょっとアレだった。

子供達が寝た後、嫁とふたりで壁に貼られたRの歌詞をシゲシゲと眺めつつ話した。

「わたし、この歌詞全然わかんないんだよね…『ハートピンチ』とかも意味は分からなかったけど単語自体は理解出来たわ」」

「うん。それにお経みたいだしなあ」

「あなた聞いてみてよ」

「もう聞いたよ。でも泣きそうな顔して黙っちゃってさ…」

歌詞だけに首を歌詞げる。なんてね。

ただひたすら一生懸命考えて作ったんだろうなあ…と考えながらこの歌詞を読むと、この電波な歌詞からもRの可愛さが溢れ出てきて、

いとお歌詞。なんてね。

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■愛、あなたとふたり。夢、あなたとぐったり。
2009年12月01日(火)
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としまえんで遊んで来た。

着いた時の息子・タク(4才)のはしゃぎようったら尋常ではなかった。

「きゃっほほー!きゃっほほー!」

無駄にわめいて走り回る。

タク
楽しくてしょうがない様子のタク。

「ほらほら、気を付けなさい。転ぶよ」

「とっしまえーん!とっしまえーん!」

「タク!ひとりで行くな!」

「きゃははは!せなかーにぴーったり、フィットちゃん!」

もうテンパり過ぎてわけわかんない。心から喜んでくれるのは親としても嬉しいのだけど、

「ぶわあああああ!」

案の定思いっきり転んで大泣きしていた。

「前来た時も同じことやってるだろ…」

としまえんに来る度に何かやらかすタク。はしゃいで浮かれて大ゴケなど毎度のことで、迷子にもなって30分ほど行方不明になったこともある。いつもどこに行っちゃわないかヒヤヒヤなのである。

娘・R(6才)はまだまだ大人しいのだけれども、ここに来る前に

「あのね、とちゅうでパパとRちゃん2人だけになろ」

なんと、僕とふたりきりになりたいのだという甘い内緒話をしてきたのだ。前回としまえんに来た時、途中でRとタクがそれぞれ全然違うものに乗りたいと言って埒があかなかったので、僕とR、嫁とタクで別れて行動したことがあった。Rはそれが楽しかったらしく、また僕とふたりきりになりたいらしい。

わ〜。なんかサークル内恋愛で内緒で付き合ってるみたい〜。学祭とかの途中でこっそり抜け出そうと、かよくやったなあ…そんな甘酸っぱい思い出が甦り、いつRとふたりきりになるかドキドキしていた。

また同時に、でもこういうのっていいのだろうか、家族は4人でひとつであり、Rだけえこひいきするような真似はいかんのではないか、とも悩んだ。

「ああ、どうしよう…」

と考えつつ

「パパ、あれ乗りたい」

「はいはい」

「パパ、おなかすいた」

「はいはい」

「こんどはジェットコースター!」

「あいよ」

ふたりのやりたいままに従っていたら

「本日は4時で営業終了でーす」

結局家族4人ずっと一緒だったじゃねえかよう!今日はRとタクふたりがやりたいアトラクションが一致し、離れることはなかったのである。

「はい、じゃあとしまえん終わりだから帰りましょうね」

もしかしてRに「パパとふたりきりになれなかった」と悲しまれるのかな?と不安になったが

R
「あーたのしかった!」

R、満面の笑み。おのれ、僕に言ったことなどぜんっぜん忘れている。楽しいアトラクションの前にはオヤジなどどうでもよくなったようだ。

はあ…。若い女の子と遊園地のメリーゴーラウンドはよく似ている。

どちらも振り回されっぱなし!

過去どれだけ女に振り回されことだろう。振り回された男が出来ることは、ひとり虚しくちんこを振り回すだけである。

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