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■WIRE03。日本最大レイヴ。
2003年08月31日(日)
WIREという毎年夏に行われる日本最大の
レイヴパーティーに行って踊って帰ってきた。
レイプパーティーではない。

…一昨年も同じことを書いた気がする

しかし当時は日本最大のレイプパーティーが
本当にあるなんて思いもしなかった。スーフリ。

さて、毎年一緒に行っていた嫁は出産直後で
娘・Rちゃんと共に実家に里帰り中なので参加不可能だが
「1年に1度のことだから」と頼み込んで
僕は行かせてもらった。

一緒に行ったのは踊り友達のちあきちゃん。
ダンスフロアに可憐に咲く一輪の華、
美人じょしだいせいである。しかも

「今年はチャイナドレスで踊りまあす」

など前々から言っていたので
今年このイベントの最大の見ものは
石野卓球でも海外有名DJでもなく

「チャイナドレスだあああ!」

と、勇んで行ったのだが、
溜まりまくった洗濯物を洗って干していたら
到着がだいぶ遅れてしまい(へぼすぎる理由)
ちあきちゃんと合流した時は既に

「踊ってるうちに破れてしまったので着替えました。
 エロっぽくなってしまったんで…」

ということで普通の服に戻ってしまっていた。

マンガのような、おっぱいポロリのような
おいしいハプニングではないか!

もっと早く来れば目の当たりにできたのに。
惜しい。実に惜しい…。
洗濯はまめにやっとこう…。

そんな僕の落胆っぷりが目に見えて
明らかだった為か、ちあきちゃんは
自分が飲んでいたジュースのペットボトルを
「飲め」と僕に渡した。

彼女が口を付けたものなので
純情なおじさんである僕は
ちょっとドギマギしていたのだが
ちあきちゃんはおかまいなく

「若い娘のエキスを吸っておいたほうが
 いいですよ」

などと破廉恥なことを言った。自分で若い娘とか言うな!
(結局吸ったけど)

そんなこんなで一晩踊り通してボロボロである。
だからもっと若い娘のエキスを吸いに出掛けることにする。

勿論「もっと若い娘」とは我が娘Rちゃんであり
「エキス」とはRちゃんのヨダレのことである。

眠るヒマもなく嫁の実家へGO!
お父さんナンパとかしてないからねー!

テクネイジアのサイン
参加アーティストの一組、テクネイジアに
Tシャツに書いてもらったサイン。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■娘とクラブに行きたい。
2003年08月30日(土)
嫁は娘・Rちゃんの写真を携帯カメラで撮って
送ってくれるのだが、今日は泣き顔だった。
そしてこんなコメントがついていた。


『眠りたいのに眠れないあたち;
 ママは子守唄にアニメソング歌ってるし、
 もぅィヤー!           *R*』


…嫁がRちゃんになりきって書いてるわけだが、
何を歌っとるんじゃこら。

まさかヤゴゲルゲの子守唄じゃないだろうなあ。
てか、寝かせろよ。

今の時期に聞かせる音楽は
Rちゃんの将来の音楽の嗜好に
非常に大きな影響を与えるような気がするので
選曲は重要である。

まあ子供のうちはアニメソングはいいと思うが…。
あまりいつまでも聞かせていると
31才子持ちの癖にポケモンの歌をふふ〜んと歌う
不気味な大人になってしまう恐れがある。

嫁の母はクラシックを聞かせているらしい。
胎教にもいいと聞くし、これもまあいいと思う。

問題は嫁の親父である。

自分の詩吟と演歌をRちゃんに
聞かせるのはやめてくれえ!

このままではRちゃんが金沢明子かなんかに
なってしまう恐れがある。

Rちゃんには僕と同じような音楽の好みに
なって欲しいのである。
だから胎教の時期からテクノやらハウスやらを
ガンガン聞かせていたのに。

Rちゃんに好き勝手な音楽を聞かせている我々…。
なんだか「サボテンには心があるか」みたいな
実験のノリになってきているようだ。

実際のところRちゃんの本当の好みは
分からないのであるが。

本命のない音楽会。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■嫁:出産直後。夫:危ない禁欲生活。
2003年08月29日(金)
携帯電話の暗証番号を忘れてしまったので
DOCOMOショップ都内某店へ行った。

もう閉店直前の時間だったが
「いらっしゃいませ!」出迎えてくれたのは、

なんと浴衣のギャル。キャバクラかよ!

しかも、ものすごく可愛いんですけど…。
嫁が出産直後につき禁欲生活中の僕には危険である。

「ご用件はなんでしょう?」

浴衣ギャルはニコニコ上目遣いで聞いてくるので

「しっぽりコース60分で…」

などと言いたい衝動を必死に抑える禁欲な僕。

更に浴衣ギャルは「どうぞ」とおしぼりまでくれた。
本当にキャバクラじゃないよね?

腋の下、股間までしっかり拭いて

「ういー極楽極楽。はいオネエチャン、ありがと」

と、浴衣ギャルの掌にぎゅっと握らせたくなる衝動を
ぐっとこらえる禁欲な僕。

結局、大して時間も取られずに無事に暗証番号復活。
店を出る際にもユカタギャルが

「ありがとうございました」

と深々とおじぎ。その時胸元が開いて
ムヒョーな状態に!禁欲な僕、発狂寸前。
このDOCOMOショップは危険すぎる!

でも…開いててユカッタ!

こんど指名しようっと(だからキャバクラじゃないって)

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■娘の顔は僕の顔?
2003年08月28日(木)
自分ではあまり分からないんだけど
娘Rちゃんは僕似のようである

「口元はアナタ似よね」

「目が奥二重なのもアナタ似よね」

などと嫁は言う。

そして嫁母もこんなことを言う

「泣いた顔なんて特にそっくり!」

僕、密かにRちゃんの泣いた顔は


tonpei

左とん平に似てると思ってたんだけどなあ…。
嫁母…。

一方で嫁母と僕の母の間でこんな会話があったらしい。

嫁母:「Rちゃんは生まれたばかりなのに髪が黒々としてて
   これもお父さん似かもしれませんねえ」

僕母:「ウチのアレ(僕のこと)も髪の量は多かったですねえ」

嫁母:「それにつむじが二つあるんですよ。どんな気が強いきかん坊に
    なるかって心配なんですよアハハ〜」

僕母:「ウ、ウチのアレも二つあるんですけど…」

嫁母:「あ…あらあ〜」

ウチのアレ(母のこと)はつむじを曲げてしまったようである。
嫁母…。

すわ、姑VS母の争い勃発か!
僕としては中立な立場を守りたいところであるが、

左とん平できかん坊だしな…。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。


■またしばらくお別れ。
2003年08月27日(水)
日曜の夜、嫁実家を後にした。娘・Rちゃんを覗き込んだら

「この時間はずっと寝てるよ」

と嫁の言うとおりぐっすり眠っていたので
嫁にだけサヨナラして家に帰った。

家に戻ると洗濯物がうぞぞーと溜まっている。
嫁が里帰りしてから1度も洗濯してないのだ。
仕方なく洗濯機に放り込んでスイッチオン。

しかし、動かん。

実は、結婚してから僕は1度も洗濯をしていない。
つまりこの洗濯機を動かすのはコレが初めてなのだ。

いろいろいじくったがダメ。

全自動洗濯機と書いてあるがおよそ全自動と名の付くものは
全自動にするまでが大変だったりする。

恥をしのんで嫁に電話。ほどなくして嫁が出た。

「あ、アナタ?実はRちゃんがね…」

「まず洗濯機の使い方教えてくれ!」

嫁が何か言いたげなのを突っぱねて操作法を聞き、
ようやく洗濯機がぐおんぐおん回り出したことろで

「で…Rちゃんが何か?」

改めて話の続きを聞いたのだが

「Rちゃん、アナタが帰る時は寝ていたでしょう?
 だけどアナタが帰ったらすぐにもの凄く泣いちゃって…。
 お父さんがいなくなって寂しいのかなあって思ったら
 私も寂しくなってきちゃって…」

なんと嫁まで泣き始めてしまった。

どどどどどどど(滂沱の音)

僕は間違っていた!

嫁とRちゃんの溢れる涙と寂しさよりも
部屋中に溢れる洗濯物とその臭いを
優先させてしまったなんて!

ワイは日本一のどあほうや…。
こんな家族を放っておけるか。

僕は何をするにおいても嫁とRちゃんを中心に
考えていくのだ。僕は父だ。

僕は心を入れ替えなければならない。

洗濯機…確か、

みそぎボタンってのもあったような。

あ、「すすぎボタン」か…。

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■初めてのお風呂。娘と。
2003年08月26日(火)
「アナタ、水風呂入れたからRちゃんを行水させてあげて」

日曜の午後、嫁の実家にて。
あまりの暑さに嫁がRちゃんを慮って言った。
生後2週間にして僕とRちゃんの初めてのお風呂。
僕はホイキタとRちゃんを抱き上げ
風呂場に直行したのだが嫁に止められた。

「ちょっと!アナタも服脱いで!」

「え?なんでよ!」

「アナタがまず湯船に入らないで
 どうやってRちゃんを入れるつもり?」

「ああそうか…って、恥ずかしいー!」

僕は異性と風呂に入ったことがほとんどない。嫁とすらない。
子供まで作っといて何を照れることがある、と変に思われるだろうが
子作りの際は明かりを消しているので平気である。

かといって真っ昼間でも堂々とやってたけど…。
そこまで突っ込まれると自分でも良く分からないのだが
とにかくイヤなのである。

これがもし息子とだったら

「いくぞ息子!男と男の裸のつきあいじゃー!
 ちんちんでチャンバラしようかわはははは」

なんてノリで行けるんだけどなあ、と、しぶしぶ服を脱ぎつつ

「お…お父さんと気持ちいいことしようね…」

女の子相手だとどうしてもこういうノリになってしまい
ドギマギしながらRちゃんのベビー服も脱がし、湯船にちゃぽん。

ぎゃわーん!Rちゃん、大泣き。

「ほーら、涼しいねー。気持ちいいねー」

と湯船にゆらゆら揺らしても、ぎゃわーん!

「あら、ワタシが入れる時は大人しくしてるんだけどなあ。
 初めての男の人だから緊張してるのかな?」

嫁が覗きにやってきた。うわ!嫁!入ってくるな!
のび太さんのエッチ!

「僕は変なおじさんじゃないからねー。
 百歩譲って変かもしれないけど
 一応君のお父さんだよーん」

僕も泣きそうになりながらRちゃんをあやしても無駄。
結局最後まで泣かれたままで初めてのお風呂は
終わったのであった。

下は大水、上は大火事。

コレ、湯船の上で火が付いたように泣く
わが娘のことなり。

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アリガトウゴザイマシタ。
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■初夜。
2003年08月25日(月)
「ネットはいい加減にしてそろそろ寝ようよ」

嫁の実家でパソコンを借りていた午前2時。
僕の後ろに嫁がぼーっと立ってうらめしげに言った。

わかってるわい。実はドキドキしているのだ。
何故なら、今日は娘Rちゃんと初めて過ごす夜だから。

Rちゃんは生まれて1週間は病院だったし
退院したその足で嫁実家に行ってしまったので
僕は1度も娘と寝てない。

いわば初夜。しかも嫁もいるから3p。キャー。

寝る前に外に出てタバコを吸って落ち着かせてみた。
嫁の実家は田舎なので街灯もなく星が良く見える。
子供の頃僕は星座が大好きだった。

夜空を見上げて星と星を線で繋いでみた…が、
星の名前も星座もすっかり忘れてしまっていた。

かつての天体少年は
今や只の変態中年に
成り下がっていたのを自覚し
とっとと寝ることにする。

ちょうどRちゃんがぎゃわーんと泣いていたので
おむつを取り替えて初夜準備完了!

「今日はお父さんもいっしょですよ」

嫁がRちゃんに話し掛ける。僕も

「お、おやすみ」

嫁との初夜よりも何故か緊張していた。

「今夜は寝かせないわよ…」

新しいおむつに満足げなRちゃんは
そんな表情を投げかけていた。

いや、頼むから寝かせてくれ。

その願いも虚しく、眠りに入ってから
3度ほど彼女の泣き声で叩き起こされた。

1度目は僕がおむつを取り替えたが
その後は目が覚めても起き上がることができず
嫁に頼ってしまった。

ごめん、お父さん若くないから
1晩に3回は無理です…。

今後、実家から戻ってきた時から始まる
僕と嫁だけの育児に思いっきり不安を感じてしまった。

…育児なし。

押すとわりとくだらない一言が飛び出ます。


アリガトウゴザイマシタ。
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■2度目のチュウ。娘とチュウ。
2003年08月24日(日)
お待ちかねの土曜日。僕は仕事が休みなので
実家で育児中の嫁と我が娘Rちゃんに会いに行ける。

しかも今日は泊まる予定だ。いえーい。
マイワイフとマイドーターと一緒のオールナイトロング。

サタデーナイトフィーバー!
サタデー嫁とドーター!

赤ちゃんは1日ごとに表情が変わるし成長する、
ということを聞いていたが、1週間ぶりに
Rちゃんの顔をじーっと見ても
そんなに変わってないし
抱っこしても大して重くなってないように思えた。

一方で嫁とも1週間ぶりの再会だったが
顔をじーっと見たら先週より元気そうで
ちょっとふっくらしたし
抱っこしたら思いっきり腹の肉が厚くなっていた。

まさかまた懐妊か…(なわけない)

思わぬ嫁の成長(?)に打撃を受け、
再びRちゃんに目を移す。

髪もそんなに伸びてない。
この子は成長が遅いのだろうか…?

ちょっと心配になって抱っこしてみる。
が、美しい瞳を眺めているうちにそんな不安は
どうでもよくなってしまって
ついでにムラムラしてきちゃって

ちゅー。

と、またRちゃんの唇を奪ってしまったが…

「う、うわああああっ!」

僕は思わず唇を離した。鳥肌が立ってしまった。

なぜなら…Rちゃん、舌入れてきた!

前回は軽く唇が触れただけだったのにー!
しかし、なんとも言えぬ心地良さ…。

テクニックだけはしっかり成長しておったわ!

まさか、僕と嫁がやっているのを見て
覚えたんじゃないだろうなあ…。

昔の人は言いました。

親のベロ見て子は育つ。

押すとわりとくだらない一言が飛び出ます。


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■嫁色、桃エロ。
2003年08月23日(土)
嫁は実家に帰って娘Rちゃんの育児をしているので
パソコンはこちらに置きっぱなしである。

今、僕はそのノートパソコンに手をかけた。
決してガサイレしようとしているのではない。
嫁にウィルスバスターのアップデートを頼まれたのだ。

ちなみに

家庭内暴力をよくドメスティックバイオレンス(DV)と呼んでいるが
家庭内ガサイレはドメスティックハッキング(DH)とでも言うのだろうか。
家庭内まぐわいはドメスティックファッキング(DF)かしらん。

ぱかっと開けてみると、メモ用紙が挟んであった。
邪魔なのでつまんでみると、こんなことが書かれていた。

夫:#4682B4
嫁:#FF00FF

わが嫁の秘密めいた謎の記述。僕としては
父ちゃんの名にかけて解読したいところである。
(顔にナニかけようとすると怒られるけど)

謎はすぐに分かった。答えは、これだっ!

寝る前のマターリしたひととき…

「Rたん(胎児名)とジメジメして嫌だねぇ〜

 って話してたんだぁ〜♪」


「…で?」

「アイス食べたいねぇ〜って♪」

「誰が?」

「Rたんが…」〜パチ〜んっ★

言い終らないうちに夫の平手打ちが

アタシの頬を直撃&大打撃っ!

「…ぃ、ぃだぁ〜い@マジ泣き;

(顔ぶたないでぇっ!

 アタシ巨乳←ヲイッ;なんだからぁ!)」


「アイス食べたいのはキミでしょぉっ!

 ねぇ、Rちゃん?ママ嘘ついてますよぉ〜」


お腹ナデナデ♪Rたんにも同意を求める。


これは嫁のWEB日記である。勝手に転載。
WEBサイトを作ってる人だったらすぐピンと来るだろう、
嫁のメモ書き、それはカラーコードである。

嫁はこのメモを見つつ僕と嫁のセリフを色分けしていたんである。
…無駄にマメなことやってるなあ。

それにしても嫁の日記の中では僕はすっかり
訳の分からないキャラになってしまっている。
あんな気持ち悪い喋り方しないし!

だがあくまで嫁の日記である。僕がダメ出ししても聞いちゃくれないだろう。
第一「絶対覗かない」って約束してるし話を切り出すこともできんし…。

もういいっ。好きにしてっ。アナタ色に染まります。



アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■せめて声を聞かせて。屁はいいから。
2003年08月22日(金)
毎日「今日のRちゃん」というメールが届く。
嫁がケータイカメラで撮った娘・Rちゃんの写真を送ってくるのだ。

しかし今日は来なかった…。

「おいこら今日のRちゃんは〜?」

嫁に怒りの電話を掛けると

「ゴメン。忘れた」

嫁はおとぼけていた。なんということだ。嫁の後ろのほうからあう〜、まう〜、と
Rちゃんの声が聞こえてくる。

「じゃあせめて声だけでも聞かせてくれ」

僕は嫁に哀願した。すると嫁が

「はい、お父さんですよ〜」

とRちゃんに電話を近づける音がゴソゴソと聞こえ…
がたたたっ…

「おんぎゃあああああ!」

ふぎゃああああ!耳が!頭がすっ飛ぶかと思った。更に叫び声の後に
「きゃぽっ。きゃぽっ」という謎の音が。何?この音?

「シャックリ。今日はおならもしたんだよね」

シャックリどころかこっちはポックリ逝きそうなので
屁音を聞かされる前に電話を切った。

電話が終わって、ようやく「今日のRちゃん」が届いたので開けてみた。

見ないうちに随分大きくなって、嫁そっくりになっていた。

…ってこれ嫁じゃん。騙された。

いくらなんでもサバ読みすぎだろ。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■美少女を見失った日。
2003年08月21日(木)
娘、Rちゃんの名前の元になったのは
近所の超美少女Rちゃん。

明るくて優しくて頭が良くて愛想が良くて
マニアックでお酒が弱くて小悪魔で
背が小さくて美しいロリ顔で胸がバイーンと攻撃的で
いつも強くて時には弱くて

僕の好みがぎっちり詰め込まれた女の子である。
娘も少しでもあやかれたらと思って
名前をもらった。親心である。下心ではない。

もう近所じゃないし、しばらく会ってないし
電話やメールのやりとりもなかったが

「君の名前をもらったよ」

久しぶりにメールで送ってみた。

速攻で返信されて来た。
さすがに驚いてすぐ返事を書いたのかな、
などとにやけてながら開いてみると、

「送信エラー:このアドレスは存在しません」

…。

ショックで絶句で気絶しそうになった。
まさかと思って電話もしてみた。

「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

…。

もう死にそうになった。

Rちゃんとの連絡手段が絶えてしまった。
今の住所など聞いてないし。

…でも大丈夫。

今までもこんなことあったし!
料金滞納したとかでよく解約していたし!
新しいケータイにしたらすぐ連絡くれるよ!

僕とRちゃんは付き合い長いし!毎日のように会ってたし!
同時に文通してたし!文通、2年近く続いたし!

そう無理矢理明るく思い直してははみたものの、
もう2度と会えないんじゃないかという
悲観的な思いの方が実は大きい。

避けられてるんじゃないかと思うことがあるのだ。

電話してもすぐ「出られません」というアナウンスに
変わってしまうしメールしても返事がない時もあるし、
最近やりとりが途絶えたのもそのせいである。

嫁がいながらデレデレしてくる僕の態度が嫌だとか、
実はこのサイトを知っていて勝手に書かれるのが嫌だとか、
実はRちゃん彼氏に嫌がられていて付き合いを
止められているとか。

ああああああ。嫌なことばかり思いつく。
でもさ、嫌いなら嫌いと言ってくれればいいのにさ…。

こんな時に限って嫁からの電話もない。
誰も居ない家の中で絶望的な孤独のどん底にはまった。

僕の美少女Rちゃん…。

僕の赤ちゃんRちゃん…。

ついでに嫁…。

僕はロリ…

じゃなかった、ロンリー…。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■出生届をお役所に届出。
2003年08月20日(水)
娘、Rちゃんの名前の由来。
それはかつて近所にいた友達、超美少女Rちゃんから
そのままいただいた。
僕がメロメロに惚れている女の子である。

そんな動機なもんだから事情を知る人達全員から

「不純」「人としておかしい」「嫁の立場は」
「実の娘に何かする気?」「鬼畜」

などなど猛反対を食らった。

そう言われると僕も多少迷いが無い訳ではなかったが
何故か嫁はあっさり賛成。

そしてそのまま親戚の前で名前を披露してしまった。
もう後戻りはできない。

更に出生届を提出してしまった。

これで「梶林R」(思い切り仮名)という僕の長女が
今日から存在することになった。

もう絶対に後戻りはできない。

ただ…

元祖Rちゃん本人にはこのことをまだ言えていない。
いつか言おう、言おうと思っていたのだが
これだけは後戻りというか後ずさりしてばかり。

だって恥ずかしいんだもーん。

とりあえずメールでもしておくか…。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■覚えよう娘の誕生日。
2003年08月19日(火)
我が娘Rちゃんの出生届を眺めている。
これを区役所に出す。

「はーい、僕が作りましたー」

とか言って。有機栽培のナス農家みたいに。

名前を書く欄…ここに僕が「トメ」と書いて出してしまえば
この子は一生「トメ」なのだ。
こんな重要な書類今まで書いたことがない。
だから他の項目もひとつひとつチェックをしてみる。

産まれた日は8月9日3時33分。

「ぞろ目だねえ。覚えやすい時間だねえ」

と、嫁や親戚は言っていた。
でも分娩室での産まれた直後を思い出してみると…

Rちゃん:「おぎゃー」

助産婦 :「はい、生まれましたー!」

医 師 :「時間見てー」

助産婦 :「えーと、3時33…あ、4分かな?」



「あの時確かに『4かな?』って言ってたぞ!」

僕は記憶を辿って皆に主張したのだが

「ぞろ目のほうが覚えやすいじゃん」

「1、2分なんてどうにでもなるのよ」

「4は縁起悪いし。病院もわざとそうしてくれたんだわ」

などと周囲は口をそろえて言う。
腐った大人の世界なんか嫌いだっ。

さて、僕はRちゃんの誕生日を覚えておかなければならない。
結婚前に嫁の誕生日を1週間ほどポックリ忘れていて
えらい目にあったことがある。

決して忘れることは出来ない。
母娘両方忘れて袋叩きに会うことだけは避けたい。
何か語呂合わせでも考えることにする。

8月9日3時33分。



89333。



ヤクザ散々。

将来、極妻にならなければいいけど…。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■君の名は〜命名。
2003年08月18日(月)
我が娘Rちゃんが産まれて今日で1週間経った。

栃木の母に電話した。

「嫁の家でRちゃんの初七日やるっていうんだけど来ない?」

「そりゃ死んだ人の法事だ!お七夜っていうんだ馬鹿息子!」

思いっきり怒られてしまった。慶事弔事に疎い僕。
なので今度はRちゃんを実家で育児している嫁に電話。

「お七夜って、一体何やるんだ〜?」

「別にウチに親戚が集まってお祝いするだけよ〜。
 それとRちゃんの名前をみんなの前で発表するぐらいかな。
 あ、それはアナタがやってね」

「え…こんな風にやらなきゃならいけないの?」
      ↓
平成おじさん

「そんな大げさじゃなくていいの!」

また怒られてしまった。

そんなわけで嫁の実家でお祝いに集まってくれた
嫁一族と飲み食い。

「名前は決まったか!」

「どんな字だ!」

やはり命名式(?)は今日のメインイベントらしく、
字のうまい嫁のイトコが毛筆で

「命名 R」

と書いた和紙が部屋に飾られた。嫁一族もご満悦。

「可愛い名前をつけたね〜」

「ど、どうも」

「字をいい漢字を使ったね〜。姓名判断やってみた?」

「…いえ、全然」

まさか僕がトリコにされている近所の超美少女Rちゃんの名前を
そのままいただいちゃった、なんてことは言えない。

頼む、これ以上突っ込まないでくれ、嫁一族。

僕はそんなことを願いつつ酔っ払っていった。
嫁が授乳のために寝室へ移動した。僕も付いて行く。

授乳後のRちゃんの横で添い寝していたら本気で寝てしまい
Rちゃんの泣き声で起こされたのは1時間後。

Rちゃんにはおむつを取り替えて、
嫁にはちゅーをして帰った。

可愛いベイビー、バイバイ。

明日から1ヵ月、地獄の1人暮らし生活。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■姫との秘め事。
2003年08月17日(日)
嫁と娘Rちゃん退院。そのまま嫁の実家へ帰った。
1ヵ月ほど実家で育児をするのである。

僕も今日は休みなので嫁実家に出撃。
実家でくつろいでいた嫁や嫁母や嫁祖母には
挨拶もそこそこに

「娘はいねがー!」

と、ナマハゲの勢いで上がりこみ
居間でちょこんと寝てるRちゃんを発見。

ようやく…ダッコすることが出来た。
時々まぶたを開き、じーっと何かを見つめてる瞳に吸い込まれ

「やっぱ名前は『瞳』にしようかな」

と命名予定変更したくなるぐらい心を奪われ、
抱いたまま固まってしまった。

「ふふふ…ちゅーはしないの?」

嫁が横からニヤリと笑う。

そりゃしたいよ。

しかし、現在嫁と嫁母と嫁祖母に囲まれた状況。
Rちゃんを含め、嫁の直系女一族グランドスラム。
こんな中でベーゼできるかっ。

一旦Rちゃんを布団に戻して僕も添い寝することにした。
しばらくウトウトしていると

「ぎゃわーん」

Rちゃんの泣き声で起こされた。
僕がオロオロしていると

「おなかがすいたのよ」

嫁は哺乳瓶を持って嫁母と台所にミルクを作りに行った。
ちょうど嫁祖母もトイレかどこかに行ってしまった。

居間に残されたのは僕と娘のみ。
再び抱き上げてヨシヨシとかやってみる。
健気に泣く姿も可愛くて仕方がない。

ドキドキドキドキドキ…。

つん、と唇を当ててみた。
ああああついにやっちまっただよ。

Rちゃんはぴたっと泣きやんだ。

ポカーンとした顔をしている。

「あの…お嬢さん?」

ポカーン。

本当に( ゜д゜)ポカーンってな表情で
恍惚というより初めてのちゅーを奪われ
茫然自失しているような表情。

…僕は取り返しの付かないことをしてしまったのではないか。
無垢な娘の人生に初っ端から汚点を!
自分がスーフリメンバーになってしまった気分。

罪悪感に押しつぶされそうになりつつも
幸福感に溺れそうになる僕。

ほんの少しだけ唇触れただけだったが
今までのどんなちゅーよりも気持ち良かったのだ…。

そしてどんなちゅーよりも緊張した…。

これは2人だけのひ・み・つ…ね。

(その後う○ちひっかけられた)




アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■KISSは目にして。
2003年08月16日(土)
そろそろ退院する予定だった嫁と娘Rちゃんだが。
Rちゃんの新生児黄疸の症状が強いので
退院が遅るかもしれない。

そう嫁から電話がかかってきた。

Rちゃんは毎日検査で注射を打たれいて
嫁にとってもその姿は痛々しいらしく

「よくがんばったね、っておでこにチュウしちゃった」

とのこと。

何…チュウだと。Rちゃんのファーストキスの相手は
僕であると決めておいたんじゃー!

初めてのチュウ!
君とチュウ!

「なんだバカヤロー!抜け駆けはずるいぞ!」

初めてのチュウ!
荒井注!

「おでこだけよー!大丈夫。唇はアナタのために
 とっておいてあるからね」

嫁は慌ててそう取り繕ったが…本当なんだろうか。

入院している間は僕は指1本触れることが出来ない。
鉄壁の箱入り娘である。

退院する日を指折り数えて待っていたのに、
また遠のいてしまうのか。

早くチュウしたいなー。居ても立ってもいられない。

飛んでも8分、歩いて接吻。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■だっこしてチョ♪
2003年08月15日(金)
我が娘Rちゃんを一目見ようと病院に行ったが面会時間に間に合わず、
無理やり新乳児室に忍び込んだがカーテンがかかっていて結局見れず…。


ほんげー、と新乳児室の中から泣き声が聞こえた。
あの声はRちゃんかも知れぬ、と病院の廊下で立ち尽くす。
僕だって泣きたいわい。ほんげー。

いつの間にか嫁が横に立っていた。

「看護婦さんにお願いしたら開けてくれるって」

え…?なんだ、正攻法で済むんじゃん…。
嫁、最初からそう言え!

看護婦さんがやって来て窓の向こう側からカーテンを開く。
ガラス窓に食らいついて待っている僕はまるで
パンチDEデートの桂三枝のよう。

ご対面ー!Rちゃーん!あああ3日ぶりの対面。
なんと、目が開いていて僕を見つめている。
君の無垢な視線が痛い!キャー!痛い!キャー!
しかし、顔が黄色かった。これが黄疸なのだ。

「でも夕方なんたら値が下がったので特に治療は必要ない」

というようなことを嫁が言った。ひとまず安心なのか…。
ますます愛い奴。

看護婦さんはRちゃんを抱き上げてこちらにやってきた。
え?まさかダッコさせてくれるのー?

「はい、じゃあ奥さん持ってね」

看護婦さんが嫁にRちゃんを抱かせた。

「はい、じゃあアナタこれ持ってね」

嫁が僕にカメラを渡した。

はい、チーズ。ぱちり。

「はい。どうもー」

看護婦さんはRちゃんを新乳児室の中へ
連れ帰って行ってしまった。

僕はダッコしちゃダメなのか!

「たとえ父親といえども男には指1本触らせない
 教育方針なんだろうか…」

「教育とかじゃなくて病院なんだけど…
 とにかく退院するまでダメなの。また今度ね」

嫁自身はダッコできたのでご満悦である。

ダッコしておんぶしてまた明日。

おんぶもしたい…。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■娘、愛し恋し。
2003年08月14日(木)
嫁の抜糸とRちゃんの新生児黄疸…。
嫁はいざという時のクソ度胸がないので

「抜糸痛いよウワーン!Rちゃん顔黄色いよウワーン!」

などとわめいてるに違いない。僕は僕ですっかり
「お父さんは心配症」になってしまい、「すわ重病の前触れか!」と
気もそぞろで結局その日の夜、残業をパスして嫁の病室に行った。

嫁の顔がパアアと明るくなったのが分かった。

「痛かったよウワーン!」

ああやっぱり。でも来てよかったと思った。
嫁の顔は見れたが、しかし…

「Rちゃんには…会えないよねえ。」

Rちゃんがいる新乳児室に入れる時間は19:00までである。
この時既に19:30。

「忍び込めばいいじゃん」

嫁は恐ろしいことをケロっと言った。
母になって強くなったのか…。
僕は迷ったが、足がいつの間にか新乳児室に向かっており
気がついたらドアの前に立っていた。

周りをキョロキョロ見渡すと、誰もいない。
入るなら今。

このドアを開ければ新乳児室の中。
僕らはそこから更にひとつ奥の部屋にいる赤ちゃんを
窓ガラス越しに見るのだ。

まさか病院で不法侵入&覗きをやるとは思っていなかった。
ばれたら強制退院になんてならないだろうか。
田代まさしみたいに下らないダジャレ言い訳でも考えておいたほうが
いいのだろうか。

新乳児室に侵入〜とか。

ええい。どうにでもなれ!
父の愛は強いんじゃー!

ドアノブに手を当てて、がちゃり。

…窓、カーテンかかってるー!

神よ、何故我々親子を引き離すのですか…。
(続く)



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■初・病気…なの?
2003年08月13日(水)
1人で寂しい。
嫁は病室で。娘Rちゃんは新乳児室で。僕は家で。
それぞれがバラバラ。

仕事が終わらなくて病院の面会時間内まで間に合わない。
こちらから電話することもできない。

病院内ではケータイは禁止だし、おまけに嫁は相部屋にいる。
だから昨日は嫁に病院の公衆電話からかけてもらった。
しかし、今日は電話がない…。

そんな風にしょぼくれていたら嫁からメールが入った。
速攻で開いてみたら…

「Rちゃんは新乳児黄疸になってしまいました」

なんと娘が病気に!

我が娘が、み×も×たと同じ病に!

僕はかなり焦ってネットで検索してみた。

『新乳児黄疸』

産まれたばかりの赤ちゃん、特に女の子に良く起きる症状。
股間の陰部の肌が黄色い状態になる。

これを「恥丘黄疸化現象」という。



…すいません。コレ、僕が出鱈目に書きました。

本当はもっと怖いことが書いてあったのでかなり動揺している。
しかし、こうでもしておちゃらけていないと
窓から飛び降りでもしてしまいそうなのだ。

「ワタシは明日抜糸なの…」

メールには嫁の手術のことも付け加えられていた。
更に心細くなる僕。大丈夫なんかよ…。

実際は病院にいることだし、それほど恐れることでは
ないのかもしれない。本気で怖かったら嫁は電話してくるはずだ。
そう思いたい。せめて明日会社を休めたら…。

とにかく不安そうな嫁とかわいそうな娘に
会いたくて仕方がない。

これって恋心なのかしら。いや、親心も混じってるぞ。
こんな複雑な寂しさは初めてだ。

いとしさと、切なさと、たけのこの里。

森高千里と糸井重里もおまけだ。

…。

こうでもしておちゃらけていないと…(以下略)



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■おっぱい飲んで♪ねんねして♪
2003年08月12日(火)
出産翌日。産後の入院生活に入った嫁は元気だった。

嫁は元から泣き虫なので産まれたら
ガンガン泣くに違いない、などと思っていたのだが
わりとケロッとしていて意外だった。

「感激が多すぎで逆に涙も出なかった」

とのことで、感情が一回りしてフラットに
戻ってしまったらしい。そして僕は恨まれた。

「アナタだけRちゃん抱いて写真撮ってもらってずるい!」

「いいじゃんかよ!僕なんかそれ以来抱けないんだぞ!
 お前は授乳プレイ時間に抱けるじゃないか!
 乳を思う存分貪らせてるじゃないか!」

「プレイじゃないよ!本番なのよー!」

現在我が娘Rちゃんは「新生児室」という
無菌室(だと思う)に入れられていて
その姿を外からガラス越しにしか見ることが出来ない。

しかし母親たちは1日数回、新生児室に入り授乳をする。
その時に会えるし抱くこともできるのだ。

「でも、授乳の時ね、ワタシ、恥ずかしくて」

嫁が顔を赤らめて言った。

「ナゼ?お母さん同士、恥ずかしいことないだろうが」

「だってみんな胸大きいの…ワタシだけ小さすぎるの…」

「ふごぉっ」

僕はイスからひっくり返りそうになった。

「Rちゃんはね、母乳を吸うことは凄い早く覚えたの。
 でも、私の胸がないから掴まれなくて…そのせいで
 うまくできないの…」

まだ下のほうの毛が生えてない中学生が
修学旅行で風呂に入る時の心境のよう。

僕も暗ぁくなってしまった。…なんて不憫な嫁と娘。

しかし、それでもRちゃんは嫁の貧相な乳を必死に探して
吸おうとするのだそうだ。

逞しい。どんどん成長して欲しい。

乳をたずねて三千グラム。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■抱いてみた。
2003年08月11日(月)
「抱いてみますか?」

分娩室の外で嫁の出産直後の処理を待っていた僕に
助産婦さんが赤ちゃんを連れて来てくれた。

初めて至近距離で見る我が娘Rちゃーん。
抱いていいんですか…じゃあ今日が初夜…。

熱くて重かった。じーん。

「写真撮りましょうか?」

感激にひたる間もなく助産婦が言ってきて、
え?、じゃあ、お願いします、と慌ててパチリと撮られたかと思ったら
「はいどうも〜」と、Rちゃんを僕から取り上げてまた分娩室に
入って行ってしまった。ええもう終わり?

僕はフラフラと未練がましく助産婦さんの後を付いて行ったが
まだ分娩室では嫁の手当て中で…

「患者以外は入らないで下さい!」

怒られてしまった。額にマジックで傷を書いて

「僕もクランケ(患者)ンシュタイン〜」

などとやっても出禁になるだけのような気がしたので諦めた。
…。

ああっ!ちゅーするの忘れた!
絶対ファーストキスは僕がもらう!と決めていたのに…。

Rちゃんのファーストキスは、翌日授乳した時に
嫁のB地区に奪われてしまったようである。

無念。


アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■いらっしゃいませ。この世界にようこそ。
2003年08月10日(日)
早い出産だった。
8/8の22時ごろ破水があって、入院したのが23時ごろ。
僕も付き添って、「勝負は朝になってからだ」などと
構えて寝ていたのだが

「アナタああああ。助けてえええ」

深夜2時半ごろ、陣痛に耐え切れなくなった嫁に起こされた。
僕がナースコールをすると、宿直の助産婦さんがやってきて
彼女の指揮のもとに分娩室に運ばれて行った。
僕もしばらく待機した後、呼ばれた。

嫁が陣痛に耐え切れずにヒーヒー叫んでいるのを

「声なんか出さなくていいの!呼吸なの!」

「ほら!呼吸!さっき教えた呼吸法はどうしたの!」

「まだきばっちゃだめなの!今きばっても
 赤ちゃんが苦しむだけなの!」

助産婦さんはビシビシと叱咤する。すげえなあ…。

「旦那さん!ちょっとそこどいて!
 あ!分娩室内ではちゃんと白衣着てください!」
 
感心していたら僕も怒られてしまった。怖いなあ…。

彼女を「ボブ産婦」と命名。

いよいよ産まれる、というタイミングでボブ産婦が医師を呼ぶ。
今まで嫁の担当医だったという男の先生がやってきて
子供を取り出す準備にかかりだしたのだが、
器具が足りないらしくてボブ産婦が慌てて探し始め出した。

「君の事前確認がしっかりしてないからこうなるのだ!」

ピシャアー!と医師が一喝。
さっきまで檄を飛ばしていたボブ産婦を
すっかり縮こまらせてしまった、更に怖い医師。

彼を「力医師(リキイシ)」と命名。(copyright:電気グルーヴ)

しかし、先生たちのおかげで陣痛から1時間程度で
あっさり産まれてしまった。

「ほげー」

というブラックデビルの断末魔のような産声を聞いた時は
今までの不安やら悲しみが一気に浄化されてしまい
身体そのものが消えて無くなってしまうのではないか、というぐらい
力が抜けて崩れ落ちてしまった。

「流産してるから今回のお産も早かったのね」

嫁にボブ産婦が言っていたのが聞こえた。
嫁は何言っても聞いちゃいねえ状態だったが。

去年、声も聞けないまま消えてしまった子。
ああ、そうか。
この子が嫁とおなかの子を手伝ってくれたんだ。

いなくなってしまった子、親、友達、たくさんの人たち
みんなが後押ししてくれた結果に違いない。

初めて胎内から出てきた我が子。
彼女にとってこの世界は第一印象はどう映ったのだろう。

この世界で君は愛されるんだよ。
ようこそ。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■マジで産まれる?????秒前。
2003年08月08日(金)
会社で残業していたら嫁からケータイにメールが…。

「おしるしが出たーーー!」

むうう。やっと来たか。

僕はケータイをぱたんと閉じた。

むうう。やっと来たか。請求書。

今度遅れたら払わねえぞこのヤロー、と残業を再開したら

「あれ?奥さんから連絡あったんじゃないの?」

隣で残業していた同僚がたずねてきた。

「ええ、おしるしが出たらしくて」

「何やってるんだよ!早く帰りなよ!」

ヒイイイ!おしるし、じゃなかったお許しー。

ということで速攻帰ってきた。

家に帰ってから2時間後、嫁、破水。
あと30分ほどで病院に行くことにした。

とかいって、落ち着いたフリをしているが、もう何書いていいか頭が真っ白なので
このへんにしておく。

しかし台風襲来と共に産気付き…。
産まれてくる子はジェイソンじゃないだろうな。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■産まれた!…隣の赤ちゃんが。
2003年08月07日(木)
嫁が隣のダンナさん(イギリス人)と家の前ですれ違った時に

「コドモ、ウマレマシター!」

と教えてもらったという。更に

「チョット待ってクダサーイ!」

と、わざわざ家に戻って写真を持ってきて見せたんだとか。

うちの嫁と隣の奥さん(日本人)は、ほとんど同じ時期に妊娠し、
出産予定日もほぼ変わらずオマケに病院も同じだった。

ひょっとしたらお互い壁ひとつ隔てて
同時に仕込んでいたのかもしれない。

奥深く 隣もナニをする人ぞ。

そしてこの頃は

「どっちが先かねえ、いや、ウチが先じゃあ!」

などと嫁と話していたのだが結局先を越されてしまった。
日英子作り合戦に負けてしまった〜。

さすが産業革命発祥の地イギリス。
産業の「産」はお産の「産」であったことよ。

所詮、東洋の島国はグレートブリテンには敵わなかったのだ。
僕がどう頑張ってもグレートフリチンがいいところ。捕まるけど。

それでもってお隣の子はハーフである。
きっと少女漫画の主人公のような可愛い子になるんだろう。

うちは100%大和民族、
しかも縄文糸とオタク系の掛け合わせだし…。

あ。こんな風にいじけていたらおなかの中の娘、Rちゃんが

「ワタシだって可愛いでちゅ!」

と、拗ねてしまってますます出てこなくなるかもしれない。なので

「Rちゃん。お隣にお友達がいまちゅよ。早く出ておいで。」

などとRちゃんを誘う今日この頃である。

更に僕は隣のダンナも誘わなければならない。

何故かは知らんが、彼は僕らのことを「怪しい人」だと思っている、
と、奥さんが言っていたからである。

でも今回、嫁にはフレンドリーな接し方である。

…うすうす分かってはいたが認めたくなかったこと。

やっぱ、僕だけが「怪しい人」?

僕もお友達になりたいでちゅ!!
怪しくないでちゅー!



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ヒロシマ銘菓。
2003年08月06日(水)
会社で、旅行のお土産にもみじまんじゅうをもらった。
モミヂマンデュー!

僕にはそれが赤ちゃんの手のひらに見えた。
おなかの中のRちゃんの手はこれより大きいのだろうか
小さいのだろうか。

嫁にもあげれば喜ぶかもしれない、と思って
家に持って帰った。

「食べる?もみまん

「その略し方ヤメテー!」

逆に怒られてしまった。

しかし僕は全く懲りずに、沖縄の銘菓メーカーが対抗して

もみじちんすこう

を開発してくれたらなあ、と思う今日この頃である。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■妊婦は大変でござる、の巻。妊妊。
2003年08月04日(月)
嫁と電車の中。運良く座れた。

重そうなおなかを撫で回す嫁。
出産間近なのでもう電車に乗ったりするのは
きついのかもしれない。

「ププッ」

嫁の正面に立っていた外国人男がいきなり笑い出した。
ぎょっとする嫁。

「スミマセン。オナカ撫デル姿ガ可愛クテ…ツイ」

異人さんにとってウチの嫁は珍獣か何かに映ったようだ。

「お…お子さんいるんですか?」

果敢にも会話をする嫁。
嫁は田舎で育ったせいか外国人が珍しいらしく、
街などでみかけるとよく

「あっ!外人!」

と大声で叫んだものである。
1度本人に聞こえてしまってムッとされてしまい

「外人だって『ガイジン』ぐらいの単語は
 知ってるわボケ!」

と叱り飛ばしたもんである。また、ボストンに行った時も

「あっ!外人がいっぱい!」

と大声で叫んでいたので

「ここじゃ僕らが外人だボケ!」

と叱り飛ばしたもんである。
その頃と比べたら成長したなあ…
僕は感慨深げに嫁と外人さんを眺めていた。

「3才ノ男ノ子ト、モウ1人ハ奥サンノオナカノ中二イマース!」

この時、嫁の隣に座っていた女性と目が合った。
彼女はニッコリ笑った。この人が奥さんかな?

僕も「お宅も矢継ぎ早でんなあぐへへ」といった意味を込め
ニヘエ、と返した。

「男ノ子、イツモ『パパ!パパ!』マトワリツクネ。
 モウ引キ離スノ大変!」

そう言いながら外人さんは「足にしがみつく息子を引き離す」
ジェスチャーをし始めた。

「ヤメナサーイ!ハナシナサーイ!カイコクシテクダサーイ!

あまりの熱演を何度もやるので、他の乗客達もチラチラ見ている。
奥さんも苦笑いしてるし…。

いや、あの、僕ら強盗じゃないんで…。

「ジャ、ガンバッテクダサーイ」

外人さんと奥さんは僕らより先に降りて行った。
降り際に再び奥さんと目が合ったので

「お大事に」

僕は奥さんに声をかけて2人を見送った。

「随分怪しいガイジンだったな」

「そうね…ハリウッドを観て育つとああなるのかしら…」

2人になってから、ヒソヒソと話す。

「でも、奥さん妊娠中だって言っていたけど、
 それにしちゃずいぶん痩せてない?」

「え、あの女の人、奥さんじゃないよ。
 全然別に電車に乗ってきたもん」

僕が1番怪しかったー!



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ハートに気をつけて。
2003年08月03日(日)
見知らぬアドレスからケータイにメールが届いていた。

カズキ君(僕の本名だ!)へ。元気?
暑いよね!体に気をつけてがんばってね(ハートマーク)

…あんた誰。いきなりこの馴れ馴れしさは何だろう。
僕の本名が書いてあることからスパムではないようだし
文章と「takakoなんたらかんたら@ドコモ」というアドレスから察するに
送り主は女性であると思われる。

ひょっとして僕を密かに慕っている女性とか。

ああっいけませんお嬢さん。
僕には嫁と妻と女房と子供と娘が。

いや、待て。これは大変危険なことである。

嫁にこんなメール覗かれたら
ケータイごとトイレに捨てられる。

「誰よこの女ー!」

「僕だって知らねーよ!」

なんてことじゃ話にならないだろう。

ともかくこの女性の素性を明らかにせねばなるまい。
takako、タカコさん…知り合いにいるかどうか記憶を探ってみる。

あ、いた!

タカコさん(59才)

か…母…さ…ん。

そういえば最近ケータイメールデビューした母。
先月ウチに来た時にせがまれたので
僕のアドレスを打ち込んでおいたのだった。

母さん、来年60なのにハートマークはヤメテー!

あなたの愛は形に現さずとも充分伝わっております!

カズキ、カンゲキー!
母は、カンレキー!



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■あの子の一周忌。 Life Goes On…
2003年08月02日(土)
産婦人科の医者はおなかの中のRちゃんの出産予定を

「あと1週間以内です」

と告げた。この言葉を聞いた僕は胸が締め付けられた。

「あと1週間以内です」

昔、末期がんの親父を見舞いに行った時も
僕と母だけが医師に呼ばれ、そう告げられたのだ。
親父はその日の夜中に死んだ。

新しい命を待ち焦がれている時なのに
強烈な死の記憶が蘇るとは。

しかし、更にもうひとつの死の思い出が蘇った。
そうだ、去年流産してしまった子の命日じゃないか。

クソ暑さと死の重みを背負いながら病院に行った日。
嫁が中絶手術の麻酔から醒めるのを傍らで待った日。

帰り際「あそこでやったの」と嫁が指差した手術室を覗いたら
そこが残虐な処刑場に見え、立ち止まらなければ良かったと後悔した日。

その夜「水が流れる音がする」と一晩中怯えていた嫁を
抱いて守るしか術がなかった日。

全てを失った心境になった日。それが去年のこの日。

それから嫁が再び身篭っても、僕らには死への恐れが付き纏っている。
Rちゃんが産まれる時まで消えることはない。

でも、当のRちゃんはというとそんな僕らの恐れを
打ち消してくれようとしているのか
嫁のおなかの中でぼっこんぼっこん動いている。
肉親の死が悲しかった分、それがいとおしくてたまらない。

「そこにはね、君のお兄さんかお姉さんがいたんだよ」

Rちゃんがなかなか出て来ないのは
ひょっとしたら兄弟で話でもしてるんじゃないか、
などとも思えた。

まあゆっくり出て来なさい。

親父にも見せられたら最高だったなあ。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ラブユー貧乏ラブユー女房。
2003年08月01日(金)
風呂から上がって、嫁と戯れた。

「まだ産まれて来ないの〜?」

僕は嫁のおなかを唇でがぶがぶ噛んで
胎児Rちゃんの様子をうかがう。

嫁は僕の濡れた髪をブラシで梳く。

「Rちゃんはワタシの中が一番好きなのかも」

嫁は僕の髪を横に流しながら言う。

「えー。今さらそんなこと言われても」

僕は引き続きがぶがぶ。

「それともお父さんが嫌いだから出てこないのかなー?」

「そんなバカな!そんなのイヤだー!
 娘は僕にラブビームのはずだー!」

僕はがぶがぶをやめて暴れ出したが
嫁はブラシで制して

「七・三のお父さんは嫌いだって」

と、ニヤリと笑った。

「…え?」

ああっ!

いつの間にか僕の髪が

オクレ兄さん!

こんなんなってるー!

こんなマヌケな姿を娘に見せられるかっ。
僕はぐしゃぐしゃと髪をかきむしり元に戻した。

よし。身だしなみ完了。

さあRちゃん、早く産まれて来てオクレ。




アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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