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■待ちぼうけ心労妊婦。
2003年07月31日(木)
嫁の産婦人科の定期検診。
医師によると、いつ産まれてもおかしくないとのこと。

わーい。

…先週と同じじゃないかよ!

停滞気味である。ついでに欲求不満でもある。
出産間際の嫁を押し倒すわけにもいかないし
更に出産後1ヶ月間アレはしてはいけないという
阪神タイガースのような死の我慢ロードも待ち受けているし。

「後は『きっかけ』が必要なんだって」

嫁が諭す。きっかけねえ…。

「運動すると産まれやすい、って聞いたことがあるわ」

そうひらめいた嫁は外に出た。何をするのかと思ったら
ウチの前の階段をエッチラオッチラ昇り降りし始めた。

「おいこら!隣り夫婦に見つかったらまた変人扱いされるだろうが!」

隣りのダンナは僕らを変わり者だと思ってるんである。理由は知らないが…。
それよりも転げ落ちないか心配だったのでやめさせた。

きっかけねえ…。部屋の中に入って再び考えた。
あ!今度は僕がひらめいた。

「やらないか?きっかけ」

僕は嫁を布団に押し倒したのだが

「ダメ。今そんなことしたら死ぬ」

…ぶっかけのきっかけも欲しいところである。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■出産じらしプレイ。
2003年07月30日(水)
あ”あ”あ”あ”ー。

子供が産まれて来るのは今日か明日かと
身構えていたのに、それっぽい気配がないので
緊張感が中だるみである。

かと言って仕事している間は気もそぞろ。

嫁が産気付いたはいいが、苦しみのあまり病院にも僕にも
電話も出来なくてひとり倒れていたら…。
などと考えていたりする。

というのも嫁が

「イヤー!ダァリンと一緒に産むのー!
 ひとりじゃ怖いー!」

などと甘えていて全く頼りないのである。

子供を産むのにお前が子供になってどうするんじゃー!

と叫びたい気持ちを抑えている。
嫁の不安も分かるし。初産だし。流産もしたし。

だから僕も出来るだけ早く家に帰りたい。
しかし、会社ではちょうど予算作成の時期。

毎年この予算の仕事というのは超ド修羅場になる
明け方まで仕事が続くこともあり、

メンバーも疲れを通り越して心は彼岸に飛んじゃって
シヴァ神とかが見えちゃったりして
麻原彰晃の歌を歌いながら仕事をしていたりする。

「奥さん大丈夫ですか?帰ったほうがいいんじゃないですか?
 でも予算もあるし…大変ですね」

会社の女の子がそう心配してくれた。
僕もしばし迷った。が…。

決めた。今日は早く帰る!

予算よりお産じゃー!

女の子は

あんた男じゃー!

そう言って見送ってくれた。

…。

予算もお産も全て誤算にならなければいいけど。

(持ち帰って仕事してます。眠れん)



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■夢の途中。
2003年07月29日(火)
結局週末には産まれなかった。
昨日バカなことを言って脅かしてしまったからだろうか。

明け方、Rちゃんの夢を見た。

Rちゃんといってもおなかの中の子供ではなく、
その名前の元になった本家Rちゃん。

近所にいた僕の超お気に入りの超美少女。

既に近所ではなくなり、だんだんと電話もメールも
通じなくなりもう3ヶ月ほど音沙汰がない。

そんな寂しさがぽこっと出たのであろうか。

夢の中のRちゃんは図書室のような場所で本を読んでいた。
僕は懐かしさで小躍りしながら彼女に声をかけ、
何かの話題で盛り上がり、それから…。

目覚めた時、僕はもうその先の夢の内容を忘れていた。
目を開けたらいきなり嫁の顔があったからかもしれない。

「あらアナタ、起きたのね」

嫁は先に起きていた。

嫁と、おなかの中の子。
僕が愛する人はここにいる。

これが現実だ。しかし、夢を見るなんて何年ぶりだろう。

寝ぼけた僕に嫁はニヤァと笑って言った。

「アナタ、朝立ちしてたよ」

「うっそおおお!」

これも現実だ。しかし、これまた何年ぶりに…。

どんな夢見てたんだろ。



アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■我が子の出待ちウィークエンド。
2003年07月28日(月)
子供、そろそろ産まれるかも、ということで
産まれて来るなら出来れば僕が仕事休みである
土日にしてもらいたいところである。

産休2日。なんつって。

そんなわけで家で待機していた土曜日。そわそわ。
おなかの中のRちゃんは窮屈そうに
ボコボコ動いていた。

「そろそろ出ようとしているかしら」

「出てくる練習をしているのかもね」

嫁は自分のおなかに手を当てて
Rちゃんの様子を探り、言った。

「Rちゃんが

『お父さん、お外は怖くないですか?』

って聞いてる」

この世界か…。

大人達はストレスで押しつぶされそうな社会で
不況の中であっても必死に金を稼ごうとし、
子供達は受験地獄であるのは相変わらずであり
何かが狂ってきて子供が子供を殺す時代になり

更にRちゃんは女の子だから変なおじさんやロリオタや
プチエンジェルな罠や毒牙も盛りだくさんであり

どう考えても怖い。(僕が一番危ないとか言わないように)

毎日がパラダイスでちゅよーん、などとはとても言えない。
むしろ毎日がパラライズ。

「ちょっと、アナタ、怖いか怖くないかどっち?」

僕がいつまでも黙っていたので嫁が催促してきた。

「ああ、お外はね…怖いよ!
 ち○こがいっぱいあるんだよ!」

「そんなお外やだー!」

嫁が絶叫し、そして怒った。

「怖がらせてどうすんのよ!」

今日は出てこなかった。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■そろそろ産まれまっせ。
2003年07月27日(日)
まだ出産なんて半月ぐらい後のことかと思っていたら
なんともう今日にでも産気づいてもおかしくないという。

どうすんべ。

あわてて心の準備をする僕である。

産気づく→出産までにはいくつかのポイントとヤマ場が
あるはずなので事前に押さえておかなければならない。


1.--嫁がいきなり破水した時--

 →いつもの癖で「潮吹き」と思ってはいけない。

2.--救急車を呼ばなければならなくなった時--

119番にかけるとまず「火事ですか?救急ですか?」と聞かれる。
僕はここまでは知っている。

→気が動転して「押し花電報で」などと言ってはいけない。


3.--病院に持っていく物--

入院に必要なものをバッグに詰め込んだ
「病院セット」を既に用意してある。

→気が動転して「おふろセット」を持って行ってはいけない。


4.--立会い--

嫁が踏ん張っている時に僕は側に立って見守ることになるであろう。
ひょっとしたら看護婦が僕に向かって

「ひっひっふー!ひっひっふー!ほら!旦那さんも一緒に!
 ひっひっふー!ひっひっふー!」

と言ってくるかもしれない。

→気が動転して「けんけんぱー!」と、どこかに飛んで行ってはいけない。


5.--対面--

おなかの中の娘、Rちゃんが無事誕生!という時。
僕には感激のあまり号泣したり嫁に駆け寄ったりするヒマはない。

→誰よりも早くRちゃんの唇を奪わなければならない。
 ファーストキスの相手は父であったと一生語り継ぐのである。

…。

こんなことを書いているうちにも
嫁がいつ「うっ」となるか分からない。
正直、とても怖い。胃の辺りがキリキリする。

腹が痛くなって、僕のほうが先に産み落としてしまった。
下痢で…。

いつわりのつわり。



アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■娘、行きマース!
2003年07月26日(土)
嫁が産婦人科に行って来た。
定期健診というやつである。

嫁が強張った顔で僕に寄ってきたので
何か悪いことでもあったのかと思ったら

「あと1週間で産まれるって!」

えーーーーーーーーーーーーー!

出産予定日は8月中旬ごろだと聞かされていたのに。

「それより早く産まれることもあるって!」

えーーーーーーーーーーーーー!

思ったより成長が早く、もういつ産まれてきてもいい状態らしい。
おなかの中の子、Rちゃんはもうスタンバっているのだ。

予定より早い展開に僕も顔がひきつった。
二人して注射されるのを待つ子供みたいな表情に。
いよいよか…。
なんだかたまんなくなってきた。

そうなると、しばらくできなくなるよな…
出産後1ヶ月はエロス行為は禁止である。

なんだかたまんなくなってきた。

「やり収めじゃー!」

僕は嫁を押し倒したが

「イヤー!刺激すると出ちゃう!」

思いっきり拒否された。
それって、僕のセリフなんだけどムラムラ。



アリガトウゴザイマシタ。URY!
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■夜中暴れるミッドナイト娘。
2003年07月25日(金)
寝ている嫁が唸っていた。
さてはもう産まれちゃうのかよー!と思ったら、
おなかの中のRちゃんが動きまくっていて眠れないのだ、という。

「どうしたのー?もう寝てくださいー?」

嫁は呼びかけるのだが全然大人しくならないらしい。
僕が嫁のお腹に手を当てると、確かにぼっこんぼっこん動いている。

「Rちゃん、また明日遊ぼうね〜」

と言ってみた。ピタっと動かなくなってしまった。

「…アナタの言うことなら何でも聞くのね」

嫁が目を見張った。
普段も「動け」とか「蹴れ」とか言うと、そのとおりの胎動が
返ってくるので、そうなのかもしれない。
ふふふ、可愛い奴、などと悦に浸っていたら

「いつもワタシと一緒にいるのに何でお父さんのほうが好きなの?」

嫁がいじけ出した。僕に背を向け壁に向かってブツブツと語り始めた。

「父親になついてる娘を見て私はワタシは嫉妬して、
育児ノイローゼになって、そして虐待に…」

不吉な妄想に走っちゃってるよこの人ぁ…。

僕はRちゃんに続いて嫁もなだめなければならないようだ。
子守2人分。

子供が産まれてからもこんな感じなのだろうか。

育児ノイローゼ、幼児虐待で荒れた家庭を
夫はやがて避けるようになり、つい手を出してしまった女と不倫…。
娘もグレ出してプチエンジェルに…。

不吉な妄想に走っちゃってるよ僕も…。



アリガトウゴザイマシタ。URY!
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■嫁の奇妙な冒険。
2003年07月24日(木)
「どこでもいっしょ」のトロちゃんが好きだ。

トロだらけ
我が家の「トロの巣」

7月22日はトロちゃんのパスネットが10000枚限定で
都営地下鉄の各駅で発売される日だった。

幸い僕らは都営地下鉄沿線に住んでいる。
僕は出勤時に駅に行くのだけれども
朝はいつも忙しくてとても買う余裕がない。となると…

「嫁!始発の時間に買いに行け!」

「えー。そんな早くなくてもいいでしょう」

「貧弱ゥ!マニヤを舐めるな!速攻で売り切れるはずだ!」

「そんな早くは無理だけど…朝9時ごろでいい?」

妊婦に無理をさせては悪いのでしぶしぶ承諾した。
やがて昼ごろ嫁からメールが入った。

「もう売り切れてた。隣の駅にも行ったけどダメだった」

…こういう時にイヤというほどマニヤの迅速さと
執着心を見せつけられる。

嫁よ…隣の駅にもなかったら何故更に次の駅に行かないのだ!
それでもだめだったら更に次!

各駅下車して手に入れるか、終点まで辿り着いて途方に暮れるまで
何故追い求めないのだ!それがマニヤだ!

「君が!手に入れるまで!追い求めるのを!やめさせない!」

と、言いたかったがやはり妊婦には無理はさせられない。
僕は諦めた。

…と思ったら、午後外回りの用事が出来、
その途中の駅で駅員にダメモトで聞いてみたら
「ありますよ〜」とあっさりゲットしてしまった。


パスネット
家に帰って嫁に知らせようー!

帰ってきたら嫁は風呂に入っていたが
おかまいなく扉をばーんと開けて報告。

「手に入れたよー」

「わあすごーい」

「…」

「…」

「…何?」

「早く閉めてよ!」

何となく悔しかったので嫁のB地区をつまんで逃げた。

「まあ!あなたったら、いけないひと!」



アリガトウゴザイマシタ。URY!
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■アイスる人よ。そばにいて。
2003年07月23日(水)
嫁はアイスが大好きだ。

「Rちゃんがアイス食べたいと言ってます!」

最近はおなかの中の娘、Rちゃんをダシにすることも覚え、
週1ぐらいは食べさせないと非常にうるさい。

なのでナンジャタウンのアイスクリームシティに行ってきた。

初めて見るようなアイス専門店が数店舗が並び、
それに加えて全国各地の「ご当地アイス」がずらりと売っていた。
かなりの数があったので見て回ることにする。

牛タンアイス

「牛タンアイス」!宮城!

ミソラーメンアイス

「ミソラーメンアイス」!これも宮城!

納豆アイス

「納豆アイス」!出たー!茨城!

「イカアイス」!(既に画像を貼り付けるのがめんどくさい)

「タコアイス」!(同上)

「鯨アイス」!(同上)

「ニンニクアイス」!(まるごと一個入っていたらしい)

…キワモノ、ありすぎ。
もうどんな食い物だか想像もつかない。

どれもこれも特産品をぶちこめばいいってもんじゃ
ないような気がする。

我が故郷栃木のアイスメーカーも血迷って

「かんぴょうアイス」とか
「湯葉アイス」とか
「ガッツ石松アイス」とか

そんなもん作ってんじゃねえべな、と不安になったが、
そのへんの商売っ気はないようで見当たらなかった。
ほ…。

結局、僕が一番気に入って買ったのがコレ。

まなむすめ

これこそ食べちゃいたいぐらい可愛い、ということだろう。

むふふ…我が愛娘Rちゃーん。
食べちゃいまちゅよーん。

べろーん。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■娘の顔。
2003年07月22日(火)
腹が減ったある晩、嫁と馴染みの居酒屋に行った。

「しばらくですね。出産はそろそろ?」

店長が出迎えてくれた。嫁は照れているのか
ニタニタ不気味な笑みを浮かべて「はい」とか答えている。

飯をカツガツ食っていると

「これ…去年生まれたウチの娘なんですよ
 見てくださいよ〜」

店長がフォトアルバムを持ってきた。
きっとこの人は娘の写真を肌身離さず持っているに違いない。
子煩悩店長め。嫁と2人で写真を見てみる。

「かわいい〜、でも店長そっくり」

やはり女の子は父親に似るのかもしれない。
嫁は僕の顔をじーっと見ながら

「アナタに似てしまうのね…Rちゃん、かわいそう…」

「なんだとー!失礼な!」

「そのぶっとい眉毛…」

「なんだとー!
 お前の『固いもんしっかり食って育ちました』っていう
 縄文人みたいな顔エラだって似て欲しくないぞ!」

「なによこのオタク顔!」

「うっせー!10代の頃はメチャクチャ可愛かったから
 上級生に怖いくらいにモテたんだぞ!
 でも僕はロリだからありがたみがなかったけどな!」

「アタシだってバレー部にいたころはモテたのよ!
 …女からだったけど」

…。
…。

お互い傷に塩を擦り付け合うようなことは
やめよう…ということになった。

どんよりした雰囲気になり、つまみと酒を
ちまちまつまんでいたところに店長がまたやってきた。

「アハハ〜みんなに似てるって言われるんですよ」

店長はイイ男(ウホッ)だから羨ましい。

遺伝か…。

「あ、店長。いでん…じゃなかったおでん下さい」

「ないです」

…。


アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■「いつも庭にバナナの皮が捨てられる」と母が言った。
2003年07月21日(月)
「本日午後6時から!町内盆踊り大会を行います!
 皆様ふるって!ご参加ください!
 くりかえします!本日午後6時から!…」

「どわー!うるせー!」

朝、外からガンガンがなりたてるダミ声アナウンスで
眠りから叩き起こされた僕。町内会、張り切り過ぎだよ…

悪態をつきながら寝直そうかと思ったら「ぺぺぺぺ」と電話が。
今日はどうしても眠らせない神の意思が働いているのか、と
渋々受話器をあげると

「今池袋着いた!こっからどうやって行けばいいんだべ?」

ちはやぶる神ではなく、たらちねの母だった。
しまった。今日栃木の実家からウチに来るの忘れてた。
慌てて2人で迎えに行く。久し振りに会った母親は元気だった。
母は息子の顔を見るやいなや

「お母さんケータイ新しくしたんだよ。
 お前のメール番号(母のセリフそのまま)教えてよ〜」

そう自慢気に見せてきたケータイ画面には

氷川きよし。

これを見せたかったんだ。きっとそうだ。

「母さん!いい年していい加減やめろよ!」

「よかんべ!今度またコンサート行くんだ!」

きよし顔入りのストラップもじゃらじゃらと付いており
母のケータイ総重量は現役女子高生のよりも重くなっていた。
僕はゲンナリしながら自分のケータイに母の「メール番号」を入力する。

「ちょっと!誰だその女の子は!嫁さんじゃなかんべな!」

どわあ!今度は僕がケータイ画面を覗かれてしまった。
僕の待ち受け画像は近所の友達、愛して止まない美少女Rちゃん。
そのまま説明するといろいろ突っ込まれそうで面倒だ。

「アイドルの…えーと、少女隊の真ん中の子」

だからそう答えておいた。Rちゃん、ごめん。

母は、出産直前の嫁に気疲れさせては…と思っていたのか、
昼飯を食ってちょっと話しただけで

「もう帰るわ。浅草でも見ていくわ」

すぐ帰って行ってしまった。ちょっと寂しかったような。
母を見送った後、近所の公園から祭囃子が聞こえてきた。
朝のアナウンスでしつこく告知していた町内盆ダンスだ。

嫁が見に行きたい、と言うので連れて行った。
さっきまで流れていた東京音頭が終わり、次の曲が流れた。

ズン♪

ズンズン♪

ズンドコ♪

き・よ・し!

うわーん。また氷川だよー!

「お母さん、今日泊まって行けば良かったのに」

嫁が苦笑いした。

確かに、お揃いの浴衣を着て一糸乱れぬ踊りを披露している
町内会踊り子軍団(推定平均年齢58才)に混ざっても
全然違和感がないと思った。


夏なのに きよしこの夜 母帰る

詠み人:かじのもとひとまろ


アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■いつもより余計に噴いております(血が)
2003年07月20日(日)
嫁が産婦人科に定期健診に行ったのが火曜日。
その日から嫁のある場所から出血があるという。

ある場所とは産婦人科が合法的にいじくれる部分である。

「エロ医者めが!ウチの嫁に何しやがったー!」

僕は物好きな、と思いつつも一応怒る。

「そういうんじゃなくてえ〜」

嫁は一応フォローする。

「まさか子宮に傷ついてるんじゃないだろうな?」

「それはないと思う」

「もしかしたらRちゃんの初潮!嫁、赤飯炊け!」

「バカじゃないの?とりあえず明日までアレは禁止ね」

そんなわけで「二日間まぐわい禁止令」が出された。

三日目…解禁とばかりについやってしまった僕ら。

その結果…

嫁の下半身、グレート・ザ・カブキ。

潮噴きは何度もさせたことがあるけど
血噴きなんてハジメテダヨー!

「嫁、大丈夫か?気分は?」

もともと貧血体質であり、妊娠中もそれを指摘されていた嫁。
さらに血が足りなくなっては…と、心配したが

「別に、普通だよ」

どうやら大丈夫らしい。
そして、僕は血染めの布団をゴシゴシ洗う。

時、既に午前4時半。

もの凄い馬鹿らしい理由で寝不足になってしまった。

血が不足している嫁と
睡眠時間が不足している僕。

こんなアホな僕らは親として役不足?



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■動きます。
2003年07月19日(土)
嫁の産婦人科の定期健診によると、
おなかの中の我が娘Rちゃんは前回の健診からの間に
急成長していたらしく、いつ産まれて来てもいい状態だという。

嫁の奴め、僕に隠れてアイスの一気食いでも
してるんじゃないだろうかと疑惑の念も起こったが、
とりあえずほっとした。

いずれ取り調べるけど。

胎動も相変わらず活発で、今日、僕が会社から帰って来ると

「Rちゃんが動き出したよ。
 お父さんお帰りって言ってる」

そう嫁が言うので

「ただいま」

と嫁のおなかに手を当てると
豪快にドオンと蹴り返してきた。

「反応いいよね、この子」

「元気だし素直だしあなたの声をいつも聞いているのよ」

ふうん。そうなんだろうか。
僕はRちゃんに語りかけてみた。

「よし、今から暴れろっ」

速攻でおなかの中からドッカンドッカン
ものすごい胎動が伝わってきた。

「ちょ、ちょっと、苦しい〜」

あまりの動きの激しさに嫁が悶絶し始めたので

「はい、終わり。また遊ぼうね」

と言うと、すっと静かになってしまった。
本当に素直な子だと感心せざるを得ない。

僕は、あることを思いついてニマァと笑い、
嫁のおなかをつかんだ。

「なによアナタ。なにをする気?」

僕は大声で言った。

「Rちゃん、おなかから出て来い!」

「ぎゃああああああ!ちょっと待って!
 心の準備がああああ!まだ出てきちゃダメよー!」

ちっ。まだ早いか。

思えば去年の夏、成長することもなく
動くこともなく静かに去っていってしまった子。

僕の中にはまだ、名前も付けられなかった
あの子の影が落ちている。

「わたしは大丈夫だよ」

Rちゃんは胎動で僕らを安心させようと
しているのかもしれない。

早く君を抱きたい。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■忘れん坊将軍IV
2003年07月18日(金)
ある雨が降った日、嫁の傘を借りて仕事に出かけた。
家に帰ったら玄関に嫁が「どーん」と仁王立ちして待ち構えていた。

「あなた、傘は?」

はっ。仕事場に忘れてきてしまった。

「明日は持って来てね」

と言う嫁に僕は頷いた。

次の日帰ってきたら、玄関に嫁が「どどーん」と仁王立ち。

「傘は?」

「…忘れました」

「明日こそ持って来なさい!」

更に次の日。玄関に嫁が「ずどどーん」

「あの…忘れました」

「何で3日連続で忘れるのよ!」

「いや、傘って持ってると結構かったりいしさ、
 ましてや雨が降ってない日に持つのは余計おっくうで…
 それに重いし、つい…」

嫁は呆れ顔になって、おなかをなでながら
Rちゃん(胎児名)に語り始めた。

「お父さんはひどいんですよー。
 お母さんの傘、忘れっぱなしなんですよー」

いかん。このままではRちゃんに「だらしない父親」の
イメージが埋め込まれてしまう。
なんとかRちゃんに釈明しなければ。

「あのね、お父さんはね、お母さんと結婚してから
 Aカップより重いものを持てなくなってしまったんだよ…」

「ムカアアア!何よそれー!
 今は妊娠中だから大きいのよ!
 母乳が出るようになったらもっと大きくなるのよ!」

嫁、激怒。

僕はプンスカ怒る嫁を適当にあしらって
帰り際コンビニで買ってきたひげそりの替え刃を
ゴソゴソと取り出した。

「何で傘は忘れてるくせに
 ひげそりはしっかり覚えてるのよー!」

それを見た嫁が更に突っかかってきた。

ああもう。僕が悪うございましたよ。

アイアムソーリー、ひげそーりー。

…。

田沢
『魁!!男塾』


アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■突撃隣のダンナさん。
2003年07月17日(木)
お隣夫婦と仲良くなろう作戦。

隣の奥さんとウチの嫁は妊婦同士という繋がりもあり
最近喋るようになってきていた。

しかし、ダンナとはまともに喋ったことはない。
イギリス人だし。

おまけに奥さんの話によると、そのダンナは
僕らのことを「変人」だと思ってるらしい。

「アナタがいつもそんな服着てるからでしょう!」

嫁はそう指摘する。
僕はこの時、カンチョーをしている男が描かれた
Tシャツを着ていた。ぐうの音も出なかった。

そんなことを話していたら丁度隣夫婦が帰ってくる物音が。

「そうだ!お前!隣に巨峰を持っていけ!
 親睦を深めつつ常人であることをエゲレス人に
 アッピールするのだ!」

先日実家から巨峰が大量に送られてきて困っていたのである。
(嫌いだからイラネって言ってるのに…)
早速嫁は出て行った。

僕は家政婦(市原悦子)のように玄関の扉にへばりつき
聞き耳を立てて様子を窺う。
やがて嫁と隣の奥さんの話し声が。笑い声も飛び交い、
いい感じのようである。

更に顔が歪むほど扉に耳を押し当てると、
「HAHAHAHA…」とダンナの声も聞こえてきた。

なんだよっ!3人で仲良しかよ!僕だけ仲間はずれかよ!
裏切ったな嫁…、とジェラシイが湧き上がったのだが

ていうか、僕も出て行けばいいんじゃん…。

そう思い直してドアノブに手を掛けたその時、

はっ。カンチョーのTシャツ…。

着替えたほうがいいのか?

そういえばダンナの故郷イギリスには
カンチョーの風習はあるのか?
英国紳士のたしなみのひとつであったりとか。

そもそもカンチョーの由来は紀元前2世紀、古代中国の
漢超という武術家が編み出した恐るべき暗殺術で…

…なんだかパニックになってきたところで

「じゃあまたーごめんください」

との嫁の声が。どわあああ。戻って来るー!

僕は足音を立てずに、かつ迅速に自分の部屋に戻り
何食わぬ顔で

「どうだった?変人疑惑は晴れそうか?」

乱れる息を抑えて嫁を迎えた。

とはいっても今の僕はちょっと変人かもしれないと思った。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■Tシャツ夏祭り。財布は血祭り。
2003年07月16日(水)
謎の「Tシャツ夏祭り」に行って来た。
「是非来て下さい」と誘ってきたTシャツ屋の店主が妙にモジモジしていたので
結構へぼいイベントなんじゃないか、と思い込んでいたのだが
多くの出店と客で思いっきり賑わっていた。

ドリンクバーやDJブースも設置されており、
何故か美空ひばりの歌声が轟く会場の中を僕は物色して回った。

以下は僕が買ったTシャツとお店の人とのやり取りである。

店名【ちくわぶ】

僕が指差して大爆笑していたら、製作者と思われる
兄さんが説明を始めた。

店員「果物からスーパースター!サ○エさん一家大喜び!って感じなんです」
僕 「はあ」
店員「よく見るとジョー○ンもイ○ローも口元が笑ってるんですよ」
僕 「はあ」

ギャグの解説ってつまらないなあ、と思った。

店名【三国志専門ショップ赤兎馬】

店番の女の子が僕好みの美少女でちょっとお気に入り。

僕 「三国志専門とはまた思い切ってますよねえ…」
店員「デザイナーが超マニアでそうなってしまったんですよ」
僕 「信長とかないんですかね」
店員「…」

…三国志以外のネタは黙殺。マニア恐るべし。

店名【RED BAZOOKA】

危ないネタなのでこのイベント限定発売、というシロモノ。

僕 「あのー。お店の皆さんはプライベートでもコレ着てるんですか?」
店員「勿論です!自分たちのTシャツですからね!」
僕 「どっか連れて行かれそうになったりしません?」
店員「あはははは!大丈夫ですよ!……たぶん

「蛍ぅ!どこだぉ!」と、田中邦衛のモノマネをしたくなった。

店名【ハンバーグ009】

写真を撮ってそろそろ帰ろうか、としていたところ
「あ!これ日本史の教科書で見たことある!」と立ち寄った店。

店員「あ、ちょっとこのTシャツ持ってくれます?」
僕 「はあ」
店員「店のホームページ用に写真撮らせてください」

…ちっ。先を越された。

そんなわけで大漁にTシャツを買い、大変充実したイベントであった。

実はもっとイカれた、というか載せたらサイト削除間違い無し、
というTシャツも買ったのだが…。

消されてはイヤなので「日記才人」の投票ボタンに仕込むことにする。
7/16で終了しました。登録していただいた方、
ありがとうございます。
今はタダの投票ボタンです。



アリガトウゴザイマシタ。

■イベント主催者サイト■

ブレインバスター
http://www.brainbuster.co.jp/

東京Tシャツ部
http://www.tokyotshirts.com/

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■渋谷裏通り系ダメファッション。
2003年07月15日(火)
渋谷の奥まった場所に、その怪しい店はあった。

僕はスーツ姿で店の重い扉を開けた。
客は誰もおらず、店主がひとりカウンターに座っている。

店主は、僕が入ってきたのに一瞥もせず、口も聞かず、
ただ馬鹿でかい音量のハウスミュージックだけが
店内にこだまするのみ。

一見さんお断り、そんな重苦しく、怪しい空気。

しかし僕はそんなことにはおかまいなく、
怪しい店の怪しいモノ達を
うっすら汗を浮かべながら物色し始めた。

極道893号線

うーん、これ欲しいなあ…。

ここは渋谷のとあるTシャツ屋。

「通い妻」「牛殺し」などと書かれたTシャツや
そのへんの爺さんを捕まえて撮った顔写真のTシャツ他、
とにかく頭の悪そうなTシャツしかないのである。

さて、どれを買おうか…と品定めに没頭していると

「あの…すいません」

「どわあああ!びっくりした」

さっきまでヒマそうにしていた店主が
いつのまにか僕の後ろに立っていた。

「実は今度、イベントをやることになりまして…
 ウチみたいなお店が25軒ほど集まって
 面白いTシャツをたくさん販売するんです…」

店主は妙にモジモジしながら、僕にそのイベントやらに
是非来て欲しいのだ、とお願いし始めた。

おじさんにモジモジされても困ってしまう。
頬を赤らめた女の子がおずおずと

「今日、誰もいないからおウチに来て欲しいの…」

とお願いしてくるのとは雲泥の差がある。

とは言うものの、僕も店主から差し出されたフライヤーを

「あ、こりゃどうも、スイマセンねえ…」

などとペコペコモジモジしながら受け取っていた。
そして、僕はそのフライヤーに視線を移した。

Tシャツ祭り

どーん。

これは…マニヤとしては行かなければなるまい!

…人、あんまり来なさそうだから。

※次回予告:

「Tシャツ夏祭り」の全貌とは?
会場で出会った「三国志を熱く語る美少女店員」の正体は?
乞うご期待!(しないで下さい)




アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■メイド喫茶潜入。
2003年07月14日(月)
友達のななこちゃん。

「メイド喫茶に連れて行け」

というので連れて行った。

本来メイド喫茶というのは

「ご主人様ああ!!もっとご奉仕いたしますうう!!」

というエロ系ゲームにありがちなシチュエイションに
どっぷりはまったオタク達のためにある。

その中でメイド服を着せる彼女がいるわけでなく、
かといってそういうプレイをさせてくれる風俗に行く度胸も金もない。

そんな漢達が静か足繁く通って、メイド店員たちの一挙手一党足を
穴が開くほど見つめてハアハアする萌え心の癒しの場なのである。

実際、客席には変なチェック柄のシャツの裾を
ケミカルウォッシュのジーンズにしっかり入れて
バンダナとウエストポーチのおしゃれも忘れない

「え、それオタクのコスプレなんですか?」

という絵に描いたような風貌のオタクが大半を占める。

そういう店に乗り込んだ僕ら。

僕はともかく、マタニティドレスの嫁と、
二の腕を露わにしたヒラヒラの白いロリィタ服のななこ。

明らかに浮いていた。

僕にとっては近所の超美少女Rちゃんが勤めていたのがきっかけで
何度か足を運んだ思い出の店である。
Rちゃん、今頃何やってるんだろうか…。
と、感傷に浸りながら荒れた酒を飲んでいたら

「キャアアあのメイドさんカワイイーーー!

「私も働いてみたーい」

ななこ、オタク顔負けの興奮ぶり。

「カワイイ女の子大好き!ぐへ。うえへへ…」

こういう楽しみ方もアリなのかなあと考える僕であった。

その後、別の店で日本酒を飲みなおした僕とななこ。
(嫁はジュース)

升酒をかっ食らうロリィタ少女というのも
あまり見れるものでもないのでよく拝んでおいた。

帰り際、ななこに実家から死ぬほど送られてきたブドウを
お土産に渡した。

「巨峰2房あげるから
 巨乳乳房揉ませろー」

喉まで出かかったおやじセクハラを
嫁の手前であるので辛うじて押さえ家に帰った。

我が娘が産まれ、ほどよく成長したら
ああいうメイドのコスプレをしてくれないものだろうか。

「よくここまで成長してくれた」

と悦に浸らせてもらいたいものである。

メイドの土産に。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■素肌のムコウ。
2003年07月13日(日)
嫁は妊娠中なのでマタニティを着ている。

そろそろ寝ようか、という時間帯の夜、
嫁はトイレに入り、出てきて、
部屋の中に干された下着をゴソゴソいじっていた。

僕は後ろから

「お尻には愛がある。それがお尻愛」

などとマタニティ越しにまさぐってみたら

…。

この感触は…

「お前!なんでパンツはいてないんだあ!!」

「い、今、着替えようとしてるの!触らないで!」

あーらそうですか、失礼しました。

ノーパンマタニティ喫茶…。
そんな単語が浮かんですぐ消えた。そういえば

「素肌エプロン」もしくは「裸エプロン」というのはよく聞くが、
「素肌マタニティ」「裸マタニティ」というのは聞いたことがない。

…そりゃマニアックっぽいもんなあ…。妊婦専。

しかし、やるとすれば妊娠中の間だけである。
人間、何事も経験だ。

もそもそと着替える嫁を眺めつつ、
そんなことを考えていた。

今度嫁にやらせてみようか…「裸マタニティ」

「裸クロマティ」だったらちょっとイヤだけど。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ウナギのネドコ。
2003年07月12日(土)
晩ご飯はウナギだった。

食べるまでは食欲もあまりなく、
バテバテ気味だったのだが…

うはははは、

よっしゃあいっちょ二人目作ったるかー!

と、まだおなかの中に一人目がいるのに
嫁を押し倒し、思いっきり燃え上がってしまった。

燃え尽きた後、

「ウナギを食ったらハッスルしてやっちゃいました、なんて
 鍵を掛け忘れたら必ず泥棒に入られるサザエさん家みたいに
 ベタな展開だよね〜」

などとおしゃれなピロートークをしていたら

「え、あれ、アナゴよ」

アナゴさんかよ!

ウナギとアナゴさんの区別もつかなかったとは…

アナゴ食ったら入れたい、じゃなくて
穴があったら入りたい。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■まだ見ぬ娘へ。
2003年07月11日(金)
嫁の産婦人科定期健診の日。
心配事がふたつあった。

ひとつめはおなかの中のRちゃんが小さいこと。
成長具合は未熟児ギリギリのラインにある。

そしてもうひとつは、Rちゃんの性別。

「女の子です」とは言われているものの、
その根拠はエコーカメラのぼやーんとした画面を眺めて

「アレ」が見えれば男のコであり、見えなければ女のコ。
見えてて且つ双子でシナを作っていたらおすぎとピーコ。

という単にそれだけの心細いものなのだ。

実は「アレ」は付いていながらも
今まで小さくて見えなかっただけで
着実に大きく成長したところで発見され、

「あ、ついてましたね〜。男の子でしたね〜」

なんてことを言われたらどうしよう…。

いや、妊娠が発覚した当初は男女どちらでもよかった。
しかし、もう「女の子」と宣言されているのである。

「お父さん大好き」

なんて言われたらどうしようグヘヘヘ、

とか

「オヤジのパンツなんかと一緒に洗わないでよ!」

なんて言われたら、ふざけんな小娘、僕が1週間ぶっ通しで
はいたパンツを娘の洋服ダンスに忍び込ませてやる、

とか

今まで膨らみまくった僕の夢と希望と妄想を返せーーー!

と、医者の胸ぐらを掴んでしまうかもしれない。

ちゃんと成長してますように。
「アレ」が見つかりませんように。

そう願いつつ悶々と会社で仕事をしていた午後、
健診が終わった嫁からメールが入った。

「大きくなってたよ」

何が大きくなってたというのだろうか。
まさか…

「ちんこが?」

そう嫁にメールで聞いてみたら

「そりゃアナタでしょ」

速攻で突っ込みが入った。失敬な。

確かに娘をネタに大きくなるのは
妄想ぐらいにしておいたほうがいい。

とにかく女の子だと確定したことだし、
「コスプレ衣装倉庫」と「地下お仕置き部屋」を
作る計画を立てることにしよう。

…誰か止めて。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■3年後の近未来を考える。
2003年07月10日(木)
嫁のおなかの中で育っている我が娘Rちゃんは、
平成15年生まれということになる。

平成フタケタ生まれ。凄すぎる。
恐ろしい生物を作ってしまった。

同じ人間ながら昭和生まれの僕とは
ウルトラセブンとニセウルトラセブンぐらいのギャップ(このへんが昭和)があるだろう。

元号の壁は厚い。

そしてもっとショックなのは、あと3年後には確実に
「平成生まれのAVギャル」が現れるということだ。

「これ食べちゃっていいんですか?」みたいな戸惑いでパニックになりながらも
こっそり借りてしまうに違いない。

平成フタケタ生まれの娘が寝静まった後、
こっそり平成AVギャルのDVDを観る。

今まで想像した中で一番リアルな近未来のヴィジョンかもしれない。
未来の世界とは周りが新しくなるのではなく、自分が古ぼけることなのだと気づいた。

昭和生まれの三十路としては
「びっくりしたなあもう」なのである(このへんが昭和)



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■血痕記念日(2nd)
2003年07月09日(水)
鯖ーのー歯、ざーらざらー♪

などといい加減に歌っているように、
僕にとっては7月7日イコール七夕ではない。
ましてやジャガバタでもない。

結婚記念日なのであった。

僕にとってどうでもいいんだが
嫁は記念日や誕生日などにうるさい。
昔、嫁の誕生日を1週間ほど忘れていた時があって
その時の修羅場を思い出すと今でも脂汗が出る。

失敗してはならない。

なので何か贈り物でも買っていくか、と
仕事もそこそこに渋谷の街を練り歩き、
結婚記念日にふさわしいものを探して散々迷った挙句…。




カンチョー世界選手権

またこんなTシャツを買ってしまったあああ!
自分が欲しくなっただけじゃないか…。

まあよい。大切なのは「気持ち」なんだと自分に言い聞かせながらも
一方で嫁の冷たい視線を浴びる恐れも抱きつつ帰って嫁に渡すと

「ぶわはははははっ」

大笑いされた。その後

「ちゃんと覚えていてくれたことが嬉しいの…」

と、ウフーンだのアハーンだのしてきたので
一応、今年の結婚記念日はささやかながら
うまくいったと言えよう。

…。

今、嫁が寝静まったので白状する。

実は結婚記念日のことなどポックリ忘れていた。

しかし前の晩、常連さんの「今日って確か…」
という書き込みでギリギリのところで思い出せたのであった。

皆様にはいつもお世話になっております。
今年もお蔭様で首の皮が繋がりました。

来年も自信がないのでよろしく。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■お米には八十八柱の神様がおわします。
2003年07月08日(火)
「お米5キロ買って来て。重くて…」

嫁にお使いを頼まれた。身重な嫁に代わり、
ここは手伝ってやらなければならない。
しかし、自慢じゃないが結婚してからこのかた、
僕は食料品など買いに行ったことがない。

「お米って…どこで買えばいいの?」

「駅前のセイフー」

おお、あのスーパーか。というわけで、

「初めてのお使い」〜かずきくん3才(×10才)編。

スーパーに行く途中、熱心にエッチなお店に
勧誘する兄さんに声をかけられ、かずきくん早速ピンチ。

お店の入り口をチラリと見ると、チャイナドレスを着た
艶かしいお姉さんがいて…

しまったあああああ!
お米じゃなくてオ○コ買ってしまったー!

勿論そんなありふれたオチじゃなくて。

お色気攻撃をかわし、スーパーにたどり着いたかずきくん。
えーと、茨城のコシヒカリ、新潟のコシヒカリ、
親のナナヒカリ(嘘)…

僕の地元、栃木の米がねーべよ!

茨城の米なんて食えっかよ!茨城弁が伝染っちまうべよ!
(栃木弁も目糞鼻糞である)

しかし、いくら探しても故郷の米はなく…

はあ〜栃木の農家は大事(大丈夫)なんだべか…
したっけらけえってねっぺが(もう帰って寝よう)

と思ったのだが米がないと餓死してしまうので
親父の故郷である新潟の米で手を打って帰った。

「ありがとう〜」

嫁はえらい感謝された。別にこれぐらいは…。

しかし、その日のゴハンは味が違った気がする。
愛情をコメたコメはうまいのだ。きっと。

「あ、そうだ。ちゃんとオメ○買わずにお米買ったんだから
 おだち○こくれよ」

「バカー!!!!」




今日もアリガトウゴザイマシタ。


■よっこっはまっ♪おっつっかれっ♪
2003年07月07日(月)
美美美人じょしだいせいのお友達
ちあきちゃんと横浜で会った。

当初は

・メイド喫茶
・手錠でつながれたり鞭で打たれたりする居酒屋
・アンナミラーズ

などで会おうという話もあったが
結局普通の居酒屋に(店員が全員ゲイっぽかったが)

アンナミラーズ…行きたかったな…。

いつも小学5年生にも負けるぐらいの
ささやかな嫁の乳を吸ってる僕である。
たまにはあの胸を強調した制服を穴が開くほど拝んでも
罰は当たるまいに。

話を元に戻す。

今回の主たる目的はオミヤゲの交換であった。

まず僕はゲーセンで採った『格闘系チャイナ服』を。
「格闘系」というところがミソである。

「これ、着れるんですかあ〜」

と言うちあきちゃん。
確かにサイズは小さめではみ出てしまうかもしれないが(何が)
むしろそれが重要なので、はみ出しながら「格闘」して欲しいと思う。

そして先々月に行った大阪で買ったTシャツ。


ボク、ドザエモン


「ど、どこで着るんですかっ!」

うろたえるちあきちゃんであったが
根性を見せて欲しいと思った。

そしてちあきちゃんのオミヤゲは
こないだ行ってきたという
グアムナマコ掴み旅行で買ったTシャツ。


I'm


…さすが僕の好みを良くわかってらっしゃる。

「ぺぷしー!せくしー!って店のガイジンが
 吼えまくってたんですよ」

せくしー♪あなたはぺぷしー♪(ピンクレディー)

ぺっぷし。(カトちゃん)

…。

これ着てセクシーコマンドーでもするか。



今日もアリガトウゴザイマシタ。


■妊婦連れの宿命。
2003年07月06日(日)
「お子さん何ヶ月なんですか?」

おなかがでかくなった嫁と歩いていると、
友達や、入ったお店の人にしょっちゅう聞かれる。

「…9ヶ月です」

嫁はいつも恥ずかしそうにモジモジ答える。

「…なんば花月です」

僕はいつもそう言いたくてウズウズしている。

いつか言える日がっ。



アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■子宮内イントラネット(ヘソノヲ接続)
2003年07月04日(金)
嫁とおなかの中のRちゃん(たぶん娘)は一心同体少女隊。
嫁はRちゃんの考えていることが分かる、と断言する。

僕が食欲がなくて何も食べないでいると

「Rちゃんが心配してるよ」

と嫁が言う。いい娘だなあ。
でれでれ、と胸がくすぐったくなる。

「んまっ。この子ってば優しいのね…」

僕は照れ隠しのために口調がピーコになってしまう。
仕事が終わらず午前様で帰って来た時も

「Rちゃんがお父さんの帰りが遅くて心配してたよ」

また嫁が言う。でれでれ。

「んまっ。アタシはアナタの為なら殺し以外は何でもやるわよー」

僕は照れ隠しのために口調がおすぎになってしまう。
そして結論として嫁が言うには

「Rちゃんはお父さんが大好きなのよ」

でれでれ顔面土砂崩れ。

「アタシもアナタを超愛してるわー!」

とうとう口調が日出郎になってしまった。

でも僕は半信半疑だ。本当にそうなのか?
嫁が勝手に思い込んでるだけでは?

Rちゃんとは常時接続の嫁と違い、
嫁と時々情事接続になるだけの僕には確かめようがない。

しかしこんなことがあった。
ある晩、寝ている時に嫁が僕の腕を急に掴んだ。

イヤー!犯されるー!…と思ったら、
嫁は僕の手を自分のおなかに当てた。

「Rちゃんがあなたの手をさわりたい、って言ってるの」

程なく、お腹の中からRちゃんがぼよーん、ぼよーん、
と突き上げて来た。まるで僕の手を探すように。

これは…嫁は本当にRちゃんの考えが分かってるのかもしれない。

Rちゃん、僕の手はここだ。おなか越しだが分かるか?
本当に直に握手出来るのはあとどれくらいか…。

ぼよーん、ぼよーん。

「Rちゃんが、手をさわれて嬉しがってるよ」

嫁が解説した。

「そうか。じゃあ大きくなったら胸をさわらせてくれよな」

僕がそう言った途端、おなかが急に堅くなってしまった。

「ちょっと!Rちゃんドギマギしてるでしょ!」

嫁に怒られた。まだセクハラは早かったようだ。

それにしても僕の言うことも分かるのだろうか?

物心ついてから「セクハラ親父!」と罵られるのはやだなあ…。



アリガトウゴザイマシタ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ダジャレレレのおじさん。
2003年07月03日(木)
ダジャレ使いの僕であるが
単なる下らないオヤジの域を出ていない。
人を唸らすほどの華麗な言霊を発したいものだ。

この物語はダジャレを愛するが故に悩み、苦しみ、
感動する様を描いたスペクタクルエピソードである。
(ダジャレ嫌いな人はサヨウナラ)

仕事中、三島さん(仮名)が席を立って言った。

「ちょっとワシントン・クラブに行ってくるから」

「あ、はい。行ってらっしゃい」

僕は反射的に答えたものの、…どこよソレ。

会社名でもないしなあ、と考えていたら
5分もしないうちに「ただいま」と三島さんは戻ってきた。

近場、ていうか社内なのか?そんなクラブがあるのか?
もしかして上級社員にしか知られていない
ムフフな限定クラブがあってそこで気持ちいいことを…。
でも5分は早いなあ…。

悶々としていたら聞きそびれてしまった。
家に帰って一晩考えても分からなかったので

「あの、ワシントン・クラブってどこですかっ!」

次の日、恥を忍んで三島さんに尋ねた。
三島さんは「こういうことだよ」と教えてくれた。

ワシントン・クラブ

   ↓
Washington Club

   ↓

   W.C.

…。

うんこだったのかっ。

弟子にしてください!と唸らずにはいられなかった。
これぞダジャレ。いや、お洒落。

早速帰って嫁にも言ってみよーっと。

帰宅後、タイミングを見計らって嫁にそれとなく告げる。

「ちょっとワシントン・クラブに行ってくるよ」

「行っといで」

スルーかよ!

トイレの中でひとり尿と涙を流した夜。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■おかしい夫婦。
2003年07月02日(水)
嫁と近所の道を歩いていた。
嫁はお腹が大きいのでエッチラオッチラ歩く。

「エッチなパンチラ」というダジャレが思い浮かんで消え、
嫁の歩調に合わせて僕も歩く。

すると向こうからもエッチラオッチラ歩いてくる妊婦さんが。

「こんにちはー」

嫁が声を掛ける。

「あらどうも…ウフフ」

妊婦さんは笑みを浮かべてすれ違っていった。

それは隣の奥さんだった。

前の日記にも書いたが(6/17)、
ウチの嫁も隣の奥さんも妊婦であり
出産予定もほとんど同じなんだそうだ。

「妊婦同士頑張りましょう」

と、嫁同士で友情が生まれたらしい。

コレを機にお隣同士仲良くお付き合いしたい、
と行きたいところなんだが、奥さんが言うには、

何故かは知らんが隣のご主人は僕らのことを

「変な人」

だと思っているらしい。

誤解である。冤罪である。

大きいお腹で重そうに歩く嫁をいたわって
寄り添うように付いて回る旦那。

今日の僕らだって平凡で微笑ましい夫婦以外の何者でもないはずだ!
チャーミーグリーンのCMだって出れるぞゴルア!

奥さんだってこういう僕らを見て、徐々に旦那さんにフォローして
くれるんじゃないかと期待する僕であった。

PUMAじゃないよ

こんなTシャツ着てたけどな!



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■おなかの子、受難の日。
2003年07月01日(火)
僕がタオルをぶんぶん振り回していたら
嫁のおなかにべしっと当たってしまった。

「あう。Rちゃんが…」

しまった。おなかの中のRちゃん(我が子の名)をぶってしまった。

なんということだ!この手で我が子をー!

「ごめんよオオオオ!お父さんが悪かった!」

嫁の腹にすがりついて謝ったものの、
我が子は聞き取ってくれたかどうか…。

更に嫁が布団に寝っ転がっていた時のこと。
僕は隣の部屋でネットをしていた。

「タバコの箱を見せて」

と嫁が言うので、「ほい」と箱を投げたら、

ぼこーんと、仰向けの嫁のおなかに当たってしまった。

「キャアアア、Rちゃーん!Rちゃーん!」

「ごめんよー!ごめんよー!
 お父さんまたやってしまっただよー!」

僕も嫁もパニックになってしまった。

子供に手を上げるような親にはなりたくないのだ。

時にはビンタをかますことも必要だろうが
(グーは良くないと思う)
それは怒りに任せて行き着く行為ではなく
子供に意思を伝えるための最後の手段としたい。

僕の母親はわりとポンポン引っ叩く人だが
父親は滅多に手を上げなかった。

それだけに引っ叩かれた時は相当に堪えた。
父親の掌から伝わってくる強烈な訴え。
それは頬の痛みよりはるかに重いものだった。

「Rちゃん、縮こまっちゃったよ…」

度重なる外からのショックで緊張してしまったのか。

いつもなら嫁が寝ている時のおなかは柔らかいのだが
触ってみるとカチコチになっていた。
許せ、娘。グレないでね…。

僕は嫁のおなかを撫でて詫びた。

嫁は相変わらず「でろーん」と寝っ転がっている。

…。

妊娠中で苦しいのだろうが、まるでひっくり返った
カエルのようである。

お股ぐらい閉じておいたほうが…。
もうちょっと、こう、「女」というものを…。

ドメスティックバイオレンスより
コスメティックルネッサンスを
切望して止まない。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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