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2014年11月30日(日) セレッソ大阪、衝撃の降格

筆者が開幕前、優勝候補にあげたセレッソ大阪が、J1第33節(11月29日)、ホームで鹿島に1−4で敗れ、クラブ史上3度目のJ2降格となった。昨季はクルピ監督の指揮の下4位と躍進。今季はウルグアイ代表FWフォルランを年俸6億円で獲得しながら、最悪の結果を招いた。

降格の要因はいくつかある。今季から指揮を執ったポポビッチ監督のチームづくりが選手になじまなかったこと、FW柿谷のスイス移籍、大黒柱のMF山口の負傷による長期離脱、結果として交代監督の人選失敗。監督交代が2度というのは、選手も戸惑ったのではないか。

それにしても残念なのは、Jリーグクラブが縮小均衡を図るなか、セレッソだけがフォルラン獲得という積極策をとったにもかかわらず、それが失敗したことだ。セレッソの降格はほかのクラブの投資意欲をよりいっそう弱くするに違いない。すなわち、Jリーグはこの先も先細りする。日本のサッカー界は2014年を境に間違いなく、より一層下降線を描き弱体化する。

Jリーグだけではない。リーグの衰退にシンクロして、日本代表も弱体化する。たとえば、代表選手に、新戦力の台頭が認められないことが深刻だ。来年のアジア杯はけっきょくのところ、ブラジル組が主体になりそうだ。そうなれば、モチベーション不足により、たいした成績は残せない。

海外組をみると、期待の香川はドイツでも伸び悩み、イタリアの本田は相手に研究されて思うような活躍はできないでいる。長友もピークを過ぎ、この先は下り坂。唯一活躍が期待できるのがドイツの岡崎だが、岡崎のようなタイプは、代表チームを引っ張るような選手ではない。そのほかの海外組もよくてレギュラーと控えの中間的存在ばかり。田中、柿谷、大津、大迫らはどこでどうなっているのかもわからない。

さて、J1は残り一節を残して、浦和が首位から陥落し、今季昇格したガンバ大阪が首位に躍り出た。ガンバの頑張りは評価してしすぎることはないが、それでも、昇格チームが優勝してしまうというのは、Jリーグのなかに安定した実力を備えたクラブが不在であることを証明している。

Jリーグにおいては、イングランドプレミアの5強(マンチェスターC、チェルシー、マンチェスターU、リバプール、アーセナル)、スペインの3強(バルセロナ、レアルマドリード、アトレティコマドリード)ドイツの1強(バイエルン)、イタリアの3強(ユベントス、ナポリ、ローマ)のように、すらすらと強豪チームを列挙することが難しい。広島、鹿島、浦和は平均して上位を占めるクラブではあるが、いかにも強い、という感じがしない。

国内選手は小粒化し、実力派外国人選手も移籍してこない状況から、Jリーグの優勝戦線は偶然性が左右するような展開になってしまう。どこが優勝するかわからないというのは見ている方にとって「おもしろい」半面、レベルの低下、すなわち、コンテンツとしての弱さも併せ持っていることを忘れてはならない。


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