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2006年12月24日(日) 岡田主審はクロか

浦和レッズの優勝の陰に、岡田主審の存在があることは既に書いた。岡田主審のカードで、浦和の相手チームの選手が消されることがたびたびあった。

天皇杯ベスト4を賭けた浦和vs磐田では延長を含めた120分間、退場者こそ出なかったが、試合を決めるPK戦で、磐田のGK佐藤が岡田主審にやられた。

浦和の1人目・小野のPKが決まった後、GK佐藤は岡田主審に「(ゴールラインより前に)動くタイミングが早い」と指摘されたという。佐藤は浦和の4人目・酒井のPKを左に跳んで阻止した。しかし、やはり岡田主審は佐藤が前に出るのが早かったとし、蹴り直しを宣告された。この蹴り直しで、浦和が岡田主審から勝利をプレゼントされたことになる。

前にも書いたことだけれど、岡田主審の特徴の1つは、悪質な反則等の重要なプレーを見逃し、どうでもいいようなトリビアルなプレーにこだわって笛を吹くことだ。自分は、細かいところまで見て笛を吹いているんだぞ、という存在証明のためだ。この「演技」にだまされて、サッカー関係者(TVコメンテーター、協会関係者・・・)からは、「岡田主審は優秀なレフェリーだ」という評価がある。もちろん、いつも自分達にプレゼントをしてくれる浦和関係者からも評判がいいに違いない。

もう1つの特徴は、若手や準レギュラー、無名外国人選手には、高圧的態度を取るし、すぐカードを出すことだ。だから、浦和のように、監督は元ドイツ代表、選手も大部分が日本代表となると、悪質な反則でもカードを出さなくなるし判定も浦和有利となる。

PKの場面では、岡田主審の2つの異常行動(=特徴)がまさに、出てしまった。前出のとおり、岡田主審は佐藤に、「(ゴールラインより前に)動くタイミングが早い」と注意した。おそらく、佐藤には何のことだかわからなかったと思う。ほかの主審は、そんなトリビアルな注意はしない。この注意は、自分は微細なところまで見て笛を吹いているんだぞ、という自己顕示にすぎない。だが、相手のゴールを止めたはずのGKが、やりなおしとなると、主審の自己顕示欲で済まされることではない。主審の自己顕示欲が選手の生活を奪う。パワーハラスメントに近い。

もう1つは、GKが佐藤だったことだ。磐田の正GKは日本代表川口だが、川口はケガで出場できなかった。佐藤には礼を失するが、岡田主審はおそらく川口が磐田のゴールを守っていたら、何も言わなかったに違いない。控えGKの佐藤が岡田主審の犠牲となった。

報道によると、MF福西選手は、「PK戦だけじゃない。浦和の岡田さんにやられた」と話したというから、PK戦にもつれる前のゲーム中にも浦和を利した判定が多かったようだ。

ここまでクロの材料が揃ってくると、岡田主審と浦和の特別な関係に興味を抱いておかしくない。浦和が実力でリーグを制し天皇杯を勝ち抜いたと思いたいが、ビッグクラブ、有名選手に対して甘い判定を下す主審にアシストされたというのでは情けないし、浦和の選手も可愛そうだ。

Jリーグは、今季の岡田主審のレフェリングをVTRで検証してみてはいかがか。一方に対して、ホームアドバンテージを越えてバランスを欠いたレフェリングが行われていることが事実に近づいてきた以上、来季、岡田主審の休養も必要だろう。重大な問題となる前に、VTR調査をし、判定にバランスを欠いていることが認められれば、本人から事情聴取をするべきだと思う。



2006年12月20日(水) 超凡戦

亀田vsランダエタは亀田の判定勝ち。TV観戦を含めて、あまりにもつまらない試合にブーイングを浴びせたに違いない。とうが立ったやる気の見えない挑戦者と技術の低いチャンピオンが、12回(36分間)、ボクシングのようなじゃれあいをしていたっけ。身銭を切ってこの試合を観戦した人には気の毒だ。

亀田の「アウトボクシング」が技術の向上だといえるのかどうかは、専門家の冷静な評価を聞きたい。素人目には、ファイトしない挑戦者に救われただけと見えたのだが。

ボクシングの世界戦としては、最もレベルの低い試合の1つ。ベルトを奪おうとしない挑戦者、話題づくりだけで技術もパワーもないチャンピオン――こんなマッチメークはこれで最後にしてもらいたい。テレビ局の企画で膨らんだ「亀田ファン」は、この試合をもって、確実に去っていく。亀田騒ぎもこれで終わる。その意味で、かような凡戦は区切りをつける意味で幸いだった。

最後に、亀田の試合中のリング上のパフォーマンスは、見苦しいをとおり越して醜悪であった。なんとかならないものか。



2006年12月18日(月) 底力(その2)

FIFAクラブW杯決定戦が日本で開催される意義があるとするならば、世界のサッカーの今日的傾向(モダンサッカーの実情)を日本のサッカーファンが知ることができる点だろう。昨年のサンパウロに続いて今年はインテルナシオナルが欧州代表を撃破した。得点は2年続けて1−0。ボールポゼッション、シュート数、FK数、CK数ともに欧州勢(リバプール、バルセロナ)が南米勢を圧倒したにもかかわらず、2年続けて、南米勢が勝ちをものにした。

日本のマスコミ報道では、南米、ブラジル・・・と言えば、観念的に判でおしたように、ラテン、サンバ、個人技、自由、個性、創造性、攻撃・・・と続く。南米サッカーには組織性や規律がないかのように報じてきたし、いまでもその傾向は続いている。ところが、昨年のサンパウロ、今年のインテルナシオナルの勝利は組織力、規律、守備力の勝利だ。ブラガ監督(インテルナシオナル)も約束事を選手が忠実に守ったことを勝因に挙げている。

サッカーに限らず、勝負の戦略・戦術は、相手によって変わる。それが鉄則だ。インテルナシオナルの場合、相手がバルサならば、かくのごときゲームプランを描き、それを実践する。では、ホームで、相手がJリーグのクラブ程度ならばどうなるのか――おそらく、インテルナシオナルは攻撃的ゲームプランで打って出てくる。

オシム監督は、インテルナシオナルとバルサの試合を、“片方は生活のために戦い、もう片方は美を追求――見世物サッカーをした”と評したらしい。守備を放棄し利己的に攻撃に専念したロナウジーニョを暗に批判したようだ。バルサが本気でなかったわけではないが、インテルナシオアナルの方がしたたかだった。ブラガ監督の言うとおり、相手に“敬意を払った”が、もちろん、勝つことを放棄したわけではないのだ。隙あらば、足元をすくってやる、と全員が結束し、そのとおりにした。

どんな相手でも、攻め合って勝てればいい。だが、相手によっては、“敬意を払う”戦い方(守備的な)を選択するときもある。理想は相手かまわず、点を取るサッカーをすることだろうが、そうはいかない。南米リベルタドーレスを勝ち抜けるチームは、戦略・戦術の幅が広いのだ。

翻って、日韓大会終了後からドイツ大会までの日本代表を振り返ってみよう。日韓大会ベスト8をかけたトルコとの試合に負けた日本代表は、その後の4年間、攻撃サッカーに専念したように思う。攻撃サッカーに専念したと言えば聞こえはよいが、“相手に敬意を払う”戦い方を究明しただろうか。戦略・戦術の幅広い構築がなされただろうか。当時の日本代表は、自分たちは世界レベル、“敬意を払う”相手などいない、かのようであった。

この傲慢さは、先の大戦で日本は神の国、欧米列強、恐るに足らず・・・と、戦略・戦術もなく玉砕した日本帝国に似ていた。大戦当時、玉砕を鼓舞したのは大本営発表とマスコミだった。02―06年当時、それを鼓舞したのは、サッカー協会と代表監督とマスコミだった。

もちろん、世界に対して卑屈になる必要はない。でも、よくよく考えてみれば、欧米、アジア、アフリカ・・・を問わず、人間は相手に敬意を払う必要がある。それが世の常というものだ。たかがサッカー報道と侮るなかれ。サッカーはその国を表す文化である、とはよく言われる。そのとおりなのだ。日本サッカーの02年から06年は、日本が相手に敬意を払わず、自国を“サッカー大国”であるかのように誤認した4年間だった。それはあたかも、日本が大国であり不敗の神国であるかのように錯覚した、大戦時の日本の姿にあまりにも似ていないか。

昨年のサンパウロ、今年のインテルナシオナルから学ぶべきは、まずもって、日本のマスコミだ。南米、ラテン、ブラジル、サンバ・・・という紋切り型のサッカー評論を即刻中止し、南米のサッカーを見てほしい。少なくとも、リベルタドーレス、コパアメリカの2大会はテレビでいいから、チェックしてほしい。そうすれば、“南米”と一口で言えない、多様なサッカースタイルを確認できる。インテルナシオナルがリベルタドーレスを制覇できたのは、守り勝った結果だと断言できる。南米のサッカー大国・アルゼンチンとブラジルはまるで違う。パラグアイはW杯南米予選では常に守備的で、しぶとく出場権を得てきた。ラテンという概念は、陽気な音楽のラテンではない。

ロナウジーニョはトリッキーなプレーをするが、インテルナシオナル出身のドゥンガ(ブラジル代表監督)が重要な試合でそれを許すかどうかはわからない。その根拠は、ロナウジーニョは、W杯ドイツ大会で最も重要な試合だったフランス戦で活躍をしていないし、このたびのクラブW杯でも、インテルナシオナルに完封された。インテルナシオナルの全選手は、常に基本に忠実なプレーを心掛けていたように私には見えた。闘将ドゥンガがロナウジーニョに何を求め、どのような結果を出すか。ブラジル代表の今後も楽しみだ。



2006年12月17日(日) 底力

FIFAクラブW杯ファイナルは、下馬評を覆してインテルナショオナル(ブラジル)が1−0でバルセロナ(スペイン)を破った。インテルは代表選手ゼロの田舎チーム。報道によると、南部ブラジルはガウチョというカウボーイに代表されるタフな風土だという。インテルはその象徴で、彼らの戦いぶりを一言で言えば“ハード”に尽きる。組織的な守備、強いタックル、90分間落ちない運動量。とてもタフな彼らだが、体格は日本人とそう変わらない。

この大会、バルセロナにハンディキャップはあった。厳しいスペインリーグを戦った次の日に飛行機に乗り、翌日にはカリブ北米代表のアメリカと雨中で戦い4−0で圧勝した。そこで、がっくりと体力を落とした可能性は高い。

この大会が開催される日本は、北・南米、アフリカ、欧州から遠い。ところが、近いはずのアジア、オセアニアのクラブチャンピオンは、5位、6位だった。豪州の抜けたオセアニアはともかくとして、日本が属するアジアのクラブが世界レベルから遠く隔たっている事実をどう受け止めるか。さらに、Jリーグチャンピオンがアジア予選で敗退する現実をどう受け止めるか。

Jリーグの現状の課題は、単刀直入に言って、チーム数に選手層が見合わないことだ。J1で18チームは多すぎる。クラブ数が多いため選手間の競争が弱まり、レベルの低い選手がレギュラーになっている。日本人選手のレベルが低いため、外国人選手への依存度が高まり、外国人選手が活躍したクラブが上位に来る。浦和はブラジル系日本人2選手に元ブラジル代表のワシントン、さらに、ブラジルからドイツで活躍したポンテらが優勝の原動力となった。2位の川崎はジュニーニョ、3位のG大阪ではやはり元ブラジル代表のマグノアウベスの活躍が見逃がせない。

とにかく、Jリーグのクラブが、アジアで勝てない事実を見逃すことはできない。代表強化ばかりに目が行く日本のサッカー界だが、インテルの優勝にブラジルサッカーの底力を見ると同時に、日本サッカー界がクラブ強化の方策を構築しなければ、日本サッカーは強くならないのではないか・・・と感じた次第。



2006年12月15日(金) 寂しい師走

06年サッカーJリーグは浦和の優勝、京都、C大阪、福岡が降格、横浜FC、柏、神戸の昇格で閉幕した。

入れ替え戦2戦目では、福岡のゴールを巡る誤審騒ぎがあった。TV中継では問題のシーンのビデオ放映がなく、欲求不満がたまるばかり。日本のテレビ局はサッカー中継が下手だ。視聴者が見たいシーンを放映しなければ中継の意味がない。技術の低い公営テレビ局になんで、視聴料を払わなければいけないの・・・と、サッカーとは関係ない疑問がわいてきてやがて、怒りに変わる。

日本のメディアは審判に甘い。審判の誤審は、はっきり、テレビ局がビデオを使って視聴者に説明すべきだ。そうすれば審判の技術が上がる。審判に物申せるのは、選手、クラブではなく、メディア、サポーター(ファン)、中立的サッカージャーナリストしかいない。協会やリーグ関係の管理職を目指す元Jリーガー出の評論家諸氏は、審判批判、クラブ批判、監督批判、選手批判をしない。日本サッカーの談合体質を変革できるのは純粋に自立した専門的評論家であって、コーチや監督の順番待ちの「評論家」ではない。順番待ちの「評論家」を養っているのが、これまた、公共放送で「評論家」に視聴料の一部が支払われている。これまた、怒りで頭に血が上る。

アジア大会では、日本は予選リーグ敗退。続いて、FIFAクラブW杯が開催。日本のクラブは予選敗退しており、まったく盛り上がらない。決勝は欧州vs南米。アジア、アフリカ、オセアニア、中南米は刺身のツマ。オークランドに飛び入り入団した岩本が話題づくりに一役買っているが、昨年のカズのシドニー入団の二番煎じ。日本サッカーが、世界から置いてきぼりを食らっているような感じ。なんだか寂しい師走の風が吹く。



2006年12月02日(土) 浦和優勝

J1最終節で浦和がG大阪を退け、優勝した。当然の結果だろう。ワシントン、ポンセ、ネネのブラジル人3人に、トゥーリオ、三都主のブラジル系日本人が加わり、鈴木、田中、長谷部、都築、山田、控えに小野、永井、坪井、岡野、(黒部)・・・と日本代表、元代表が揃えば、“日本のチェルシー”と呼ばれて当然だ。加えて、強烈なサポーターの存在、地元の応援、安定した経営と、Jリーグで優勝するに相応しい存在だ。こういうクラブが優勝しなくて、どこが優勝するというのだ。

昨年の王者・G大阪も頑張ったが、やはり、終盤でのF東京の大逆転負けが響いている。あの試合を拾っておけば・・・と悔やまれるのではないか。最終試合の浦和との直接対決はアウエーだし、しかも、3点差での勝利で逆転優勝というのでは、荷が重過ぎる。DFの宮本、シジクレィの衰えが心配だ。

06年Jリーグの総括は改めてこのコラムで行うこととするが、今年はW杯開催年ということもあったが、強行日程の解消が最重要課題だろう。選手の深刻なケガも多かったような気がする。Jリーグの現状では、浦和のような選手層の厚いクラブが有利なのは当然だ。ビジョンをもったクラブでないと、優勝できないということか。


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