|
|
2009年12月10日(木) |
|
トリコロール |
|
携帯の電池が切れてることに気付いた。 同時に、最後に充電したのがいつだったか思いだせない。 零子からメールが来たのはいつだったろう?
カーテンから斜めに差し込む光は、おろしたてのリネンのようにふんわりしてる。 ソファーの前に投げ出してた脚をたたみ、眺めてた写真集を閉じる。 入江泰吉の撮った写真を見るたび、漂泊の思いに囚われる。
キッチンで紅茶をいれた。 ディンブラにウバを少しだけ混ぜた。 アンティークババリアのカップは最近近所にできた店で手に入れた。 デイジーの上絵が気に入ってる。
なんだか、ひどく胸が虚ろだ。 暖かく、明るく、いい香に満ちた、この空間、この瞬間のバランスが不安だ。
音楽がないんだ、と思った。 色彩が足りない、と思った。
君がいないんだ、と気付いた。
|
|