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2007年06月13日(水) |
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torankiraider |
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キレイに晴れ渡った六月の朝。
バイクのセルを押して愕然とする。 バッテリーがあがってた。
由々しき事態、なんて言葉が浮かぶ。
大袈裟だ。 仕事にかまけて、この数週間エンジンをかけなかったってだけだ。
大袈裟か? 仕事にかまけてバイクに跨がれないなんてことがこの数年であったのか?
そういえば携帯に届くメールも最近は相手が決まってる。 返事をする相手ならさらに少ない。
ふと、これでいいのか?なんて気になる。
とりあえずバイクを押す。 幸いマンションから国道までの道は緩い下り坂だ。 ほんの10メートル押しただけでエンジンはあっさりはかかった。
バラバラと咳込むように回るインライン4の音を聞きほっとする。
つまり。
君の飲んでるデパスみたいなもんだってこと。
大部分の人間は何かにつかまってなきゃ真っ直ぐ立ってすらいられない。 僕はたまたまバイクを杖に選んだわけ。
君の薬と違うのはガソリン代には保険控除がないってとこだね。
チョークを引きアイドリングの調整をする僕の目の前をついっと燕が横切る。 頬にあたる温かい風もたっぷりと湿り気を帯びている。
夏が来る。
季節は人が気付いた時にだけ巡る。
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