職業婦人通信
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沖縄旅行中です。
現在の千代子についてはこちらをどうぞ。旅日記です。 特に面白いことは書いてませんが。
先週の土・日と、一泊で伊東へ旅行に行っていた。 千代子が昔いた部署の人たちとの宴会旅行である。
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千代子がその部署にいた頃は(もう7年ぐらい前だけど) 私も22、3歳だったし 先輩たちもみんな20代後半から30代半ばの人ばかりであったから、 平日は毎晩のように飲み、 休日はキャンプやらバーベキューやらスノボやらにでかけ、 アウトドア大好き、元気いっぱいのグループであった。
が。
気付けばみな続々と結婚し、子供が産まれ (いや、私はそのウェーブには乗り遅れたけどさ)、 ある者は中年太りに悩み、 ある者は離婚調停に悩むようになり、 最年少だった私さえも30歳になった。
そして、我々のグループの金科玉条であった 「宿泊はテントかコテージ、料理は自分たちでする」 という決まりごともついに破綻し、
齢を重ねて体力が弱まり、子供を抱えた (もちろん私の子供ではないが)わたしたちの 今年の行き先は
「ホテルニュー岡部」。
「♪ホテルニューーーーウ オ・カ・ベ♪」というCMソングが 関東人ならすぐに頭に流れるであろう、あのホテルニュー岡部である。
宴会場で刺身を食べてビールを飲み、 温泉に漬かり、 そのへんを走り回る同僚の子供と戯れる、 そんな旅行であった。
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7年前のわたしたちは、自分たちで火を起こしてごはんを食べ、 焚き火を囲んで酒を飲むことを至上の喜びとしていたから、 このテの大きいホテルに泊まるなど考えてもみなかった。
むしろ、 「そんなところに泊まって宴会するなんてオヤジのすることだ」と バカにしていたぐらいなのだが、 今回こういう上げ膳据え膳のラクチンツアーをやってみて、 「いいじゃん、これで」 と思えるようになっていた。
わたしたち、みんなトシをとったのね。
※明日から7日間、沖縄に行ってきます。
2004年04月23日(金) |
おさぼりFRIDAY |
たまには普通の日記も書いてみたり。
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今日は上司がいないからってサボリすぎ。
8:50 すっぴん(もはやデフォルト)にて出社
9:00 メールチェック(主にプライベート)
10:00 お腹がすいたので会社の冷蔵庫をあさる
10:05 何もなかったので舌打ちし、コンビニまでおやつを買いに行く
10:20 おやつ(ハーゲンダッツのあずき味。これウマいんだよね・・・)
11:00 ネットで今日の外出先周辺のウマい店をチェックする
11:30 会社を出発
12:00 神保町に到着
12:15 いもやで天丼をむさぼり食う。安い。ウマい。ハイカロリー。
13:00 某雑誌編集部へ(今日の初仕事)
13:40 仕事終了
14:00 大手町でPR代理店の人と打ち合わせ(という名のもとに喫茶)
14:20 突然、代理店の人が 「千代子さん、これから時間ありますか?」と言い出す
14:21 「もちろん時間はあるよ」と即答
14:22 「千代子さん、バーニーズのファミリーセールのチケットあるんですけど、 今から一緒に行きません?」と悪の道へ誘われる
14:22 「バーニーズ!!行く行く!!」二つ返事で即答
15:00 バーニーズファミリーセールへ。 無言で2人とも買いまくる(夏のボーナス一括カード払いにて)
16:30 買いまくった買い物袋をさげて帰社。 買い物した荷物を上司に見られるとヤバいので、 他のフロアの女性社員にあずかってもらう。
16:35 何事もなかったように自席に戻り、 「すっげー疲れました・・・」と、仕事で疲れたかのごとく偉そうに振舞う (実際は買い物疲れ) 16:50 丸ビルの地下で買ってきた、亀十のどら焼きを食べながら茶を飲む 17:00 日記を書き始める
17:10 現在
17:45 定時にベルサッサで帰る予定
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【結果検証】
千代子、本日の稼動時間・・・40分(営業先での歓談) 千代子、本日の出費・・・・・数万円(バーニーズのスカート、ジャケット他、アイス、どら焼き) 千代子、本日の食・・・・・・天丼、アイスカフェオレ2杯、アイス、どら焼き
バーニーズのファミリーセールは今日はプレセールだったから招待状が必要だけど 明日・明後日はHPからプリントアウトすれば入れるみたいですよー。
今日のところは結構まだいいモノあったのでオススメです。
あれは数年前のこと。
プレイステーションというゲーム機を購入したばかりの私は こっそりゲームソフトを収集していた。
毎日毎晩ゲームにあけくれる日々であったが、 OLたるもの、 私生活でせっせとゲームなんかやってるような 素振りを会社で見せてはならない。 (ゲームやってるっていうとイメージダウンだから)
私は会社の独身者用マンションに入っているので 近所のゲーム屋に行くこともできず (だって同じマンションに住んでる同僚に見られたらダメじゃん) ちょっと遠くのゲーム屋まで わざわざチャリで通っていた。
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そんなある日のこと。
あるソフトを購入しようか死ぬほど迷っていた私は その日もゲーム屋で15分ほど立ち尽くしていた。
すると後ろから
「あのぉ・・・『*****(ソフト名)』買うんですか・・・」
と、地を這うような暗い声が。
(しまった!同僚に見つかったか?!)
と思った私がぎょっとして振りかえると そこには見知らぬ男性がひとり。
ストーンウォッシュのGパンに 洗いざらした「Polo Club」と刺繍されたポロシャツ、 牛乳ビン底メガネの彼は まぁ、わかりやすい感じのオタク的外観であった。
「・・・いや、迷ってるんですけど・・・何か・・・」
と、私が答えると
「あの、先週もそれ買おうか迷ってましたよね?」
と、彼は突然言うのだ。
たしかにその前の週も、私はそのソフトを買おうか悩んでいたのだが (結局買わなかったけど) なぜそれを他人のアンタが知っているのか?
ますます不審げな目で相手を見る私に対し、彼は
「いえあの、先週もあなたを見かけたもので」
と、目を伏せて釈明し、さらに
「実は・・・あの・・・すごくあの・・・その・・・」
と30秒ぐらい口ごもった後に
「・・・お付き合いしていただけませんか?」
とのたまったのである。
私はそれまで人生二十数年、通りすがりの人に 「付き合ってくれ」などといわれたことのない人生を送ってきたため 著しく仰天し、かつ激しく動揺した(しつこい表現で申し訳ない)。
動揺を隠しきれないまま 「え?えと・・彼氏いるので・・・」とお定まりの返事をすると
男 「あの、では・・あのその彼女じゃなくていいのでお友達からで」
千代子「・・・・」
男 「ゲームの話とか色々できると思うんで」
千代子「えっ」
別にゲームの話はできなくていいんだけど。
ていうか、この男、私の外見が気に入ったのではなく (しゃべったこともないからもちろん内面でもなかろう) 単にゲーム好きで女であるという2点のみを 評価しただけなんじゃないのか。
色々な思考が浮かんでは消えていったが
男 「あのう・・・電話番号とか教えてもらえませんか」
と、チビた鉛筆とメモ帳を持って迫ってきたので 結局、パニックに陥った私は 適当なウソの電話番号を書いて逃げようとしたのだが・・・(人でなし)
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渡された鉛筆の、そのお尻をフと見ると
そこには
歯型が。
今時、成人男子として、鉛筆のお尻を齧っちゃマズいでしょ・・・。
そのことばかりが記憶に残ってしまい、 結局、その男性の顔は全くおぼえていない私であった。
こうして、人生たった一度の (いや、今後あるかもしれないからその言い方はよそう) シチュエーションは終了したのである。
そして今日、その店の前を何年かぶりに通りがかったら、つぶれてた。 なんか寂しい。
入社十数年、千代子の大先輩にあたる大山さん(女性・独身)。 大山さん、仕事はできるししっかり者。私も尊敬する先輩である。
が、大山さんは一見とっつきにくいタイプ。態度がぶっきらぼうだし、返事もそっけない。
おまけに、そこらのオヤジ管理職なんかより仕事がデキるもんだから、どうしても ダメオヤジども(上司を含む)を叱咤してしまう。
ちゃんとしゃべってみれば温かい心の持ち主だし、ホントに頼りになる姐さんなのだが・・・
オヤジどもからは 「女らしくない」 「態度が悪い」 との評価が下されてしまい、どうにも損をしている人なのであった。
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そんなある日のこと、社長が大山さんのいる部署のそばを通りかかった。
社長といえば、ウチの会社では神格化された存在。 客観的に見ればただのガラの悪いオヤジなのだが、会社内において彼は神であり、 口ごたえなど許されないのはもちろんのこと、 社長がくだらないギャグを言えばその周辺1キロにいる社員は一斉に笑わねばならぬ。
神は神らしく、神棚(社長室)に納まっててくれればいいのだが この神は人間界(一般社員のいるフロア)に降臨されるのがお好き。
そして神はその日、たまたま大山さんのいる部署へ気まぐれにやってきてしまったのである。 それが悲劇のはじまりであった。
神は、「白い巨塔」の学部長回診の如く取り巻きを従え、 大山さんの横を通りすぎようとしたのだが、彼女にとって運の悪いことに その時、大山さんはダメ上司に激しく食ってかかっている最中であった。
腕組みをした大山さんは 社長がすぐそばにいることに気付かず、 「だからぁ〜、そうじゃないって言ってるでしょぉ!」 と、上司を叱り飛ばしていたのだ。
それを見た社長は その場では何も言わなかったが、翌日、うちの会社の全経営陣が集まる最高会議の席上で 急にその話を持ち出したのだという。
神(社長) :「なんだあの女は!ああいう態度の女子社員を放っておくような会社だから ウチは業績がワリーんだよ!」 僕(取巻き):「(平伏しつつ)まったくもっておっしゃる通りでございます、すぐに対処を・・・」
という(ような内容の)やりとりがあった30分後、 こんな通達が回ってきたのである。
----通達---------------------------------------------------------------------------------------------------- 【ベストスマイルキャンペーンでV字回復】 〜ビジネスマナーを守ろう!!〜
楽しい職場で新しい仕事へのチャレンジ! 一人ひとりの『笑顔・身だしなみ・身のこなし』から! ★一日の始まり(出社) 余裕ある出社を心がけよう・明るく元気に挨拶をしよう! ★仕事中 『ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)』を忘れずに、新しい仕事を創造しよう! ★一日の終わり(退社) 効率的に仕事をして残業を減らそう・帰るときも挨拶を忘れずに!
※ベストスマイル・キャンペーン月間MVPを投票・上司の推薦等で選びます ------------------------------------------------------------------------------------------------------------
「な・・・なんじゃこりゃ・・・」 千代子は激しく脱力した。
今さら「ホウ・レン・ソウ」はともかく「笑顔・身だしなみ・身のこなし」までを 会社業績回復のために強要されるとは思いもよらなんだ。
そして「ベストスマイル・キャンペーン月間MVP」とは。 そのサブいセンスはどうにかならんのか?
それに、大山さんの件が社長の逆鱗に触れたというならば、本来は ・上司の前で腕組みをしないキャンペーン ・社長が来たら速やかにその視界から逃げ去るキャンペーン を展開するべきだったのではないか。便乗して「残業するな」とか「ホウレンソウ」とか 全然違うものまで盛り込むとは。あざといのう・・・。
この通達にとどまらず、さらに他部署の同僚に至っては、上司から 「この部署には女性が多いから私語も多くなっている。ついては私語を今後はつつしむように」 と言い渡され、 「私語が多いのはヒマな窓際管理職じゃん!女性だからとか余計なことまで言われてムカつくーーー」 と、キレまくっていた。
こうして「ベストスマイル」の名のもとに 社員の細かいところに至るまでの過剰な生活指導がスタートし、 バカバカしいやらムカつくやらで、ますます会社辞めたい熱が増幅される今日この頃である。
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そして今日。
「本日より、会社の出入り口にて、総務部長が朝の挨拶と、社員の遅刻チェックを行います」 というお達しが。
当社の就業規則では9時が出社時間だが 8時50分には来てないとチェックされるのだという。
総務部長みずからチェックとは。ご苦労様というかアホらしいにもほどがあるんですけど。
「大山さんの腕組み事件」はこうして、あまりにバカらしい波紋を広げてしまい、 おかげで大山さんは 「大山さんのせいで余計なキャンペーンなんぞはじまってしまった」 という視線を一身に受けるハメになって非常にかわいそうだし、 私だって、いつもより一本早い電車で出勤しなければならず、これまた(自分が)非常にかわいそうなのだ。
同僚とは冗談で
千代子「どうせなら狙っちゃうもんね!MVP!」 同僚 「ぶわはははは!マジで!?キモいんだけどー」 千代子「何言ってんのー?アタシのベストスマイルで社長も撃沈よ」 同僚 「千代子がベストスマイル!?ありえねぇ!バーカ!バーカ!」
と、悲しい会話を交わしている。
張り紙ひとつで笑えるかっつうの。 笑ったら業績回復するんだったら世話ねぇっつうの。
バーカ。(←小さい声で)
沖縄へ行くんですよ。 (去年も一昨年も行ったのにまただけど)
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最近、ヒマOLであるところの千代子にも ちょっとばかり仕事が多い。
仕事が多い=ムカつくことも多い。
が、最近の何が起きても 「もうすぐ沖縄でしょ」と、自分にまじないの如く言い聞かせると ストレスも雲散霧消。
おのれの簡単な精神構造に感謝しつつ ストレスフリーな日々を送っている。
今回の沖縄旅行を計画するにあたっては けっこう苦労が多かった。
私もリョウスケも、 「長期滞在してこそ旅は楽しい!」(いや、短期滞在したことないんだけど) と勝手に思いこんでいるのにもかかわらず、
旅行会社のパッケージツアーはたいてい 2泊3日or3泊4日どまり。
私たちは予算と休日の許す限り長くいたいのに、 5泊とか6泊のツアーなんてめったにありゃしないのだ。
「それなら飛行機とホテルを自分で勝手に取ればいいじゃん」 と言われるが、 GWは飛行機がめちゃくちゃ高いため、 ツアーじゃないとすっごく高価な旅行になってしまう。
おまけに今年は4月30日を休めば7連休、 さらに5月6・7・8を休むとなんとなんと11連休も実現できるので 旅行に行く人が多いらしく、例年よりツアー代金の相場も高くなっている。
おかげでツアー幹事(いつも旅行の段取りするのは相方ではなく私) としては、旅行の選定に苦心を極めたが、 今年は4月29日も休んで 人様より一日早くGWに突入する形にすることによって (上司にはめちゃくちゃ顰蹙を買ったがまぁいい) なんとか6泊7日の旅程を確保することを得た。
それで8万5千円(行きかえりの飛行機代・宿泊費・レンタカー代込み) であるから、まぁ幹事としてはギリギリ及第点といったところか。
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最初に、私も最近多忙で・・・などとエラそうなことを書いたが
本日、私が他人に送ったメールといえば
【朝9時半】 mailto:相方 title:那覇ハーリー、見れそうです
【朝11時】 mailto:相方 title:沖縄釣り情報
【昼12時】 mailto:相方 title:慶良間行く?
【昼12時半】 mailto:相方 title:羽田空港までの高速バスについて
全て沖縄関連のメール、そして宛先は全て相方。 仕事が忙しいなどとエラそうなことを言う資格などない。まったくない。
植草教授、逮捕さる。
私は、仕事でこの人の講演会の裏方をやったことがあり、 非常にこのニュースには興趣を覚えるというか味わい深いものがある。
物静かな人で、とてもそんなチャチなことをする人には見えなかったのだが。
うちの会社のオヤジどもは口々に 「あの人、金持ってんのに、なんで15の小娘のパンツのために全てを賭けるかねぇ・・・」 「もうちょっと金払えばもっといいパンツも見れただろうに・・・」 と語り合っていた。
植草教授はたぶん、「金を払わなくてよいパンツ」こそを見たかったのではないか。
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大学生のころ、私は海老名という誰も知らぬローカル都市駅の駅ビル書店で バイトをしていたことがある。
書店のバイトは、 本を社割で購入することができたり(2割引だったような記憶が)、 新刊本を常にチェックすることができたり、 ビニール袋に入れて売る写真集やマンガを袋入れ作業前に読めたり、 そういう意味では非常にステキな仕事であった。
が。
なにより書店は腰が。腰が。
重い雑誌を台車に載せた瞬間にギックリ腰を起こし、 そんな私を見かねた店長は 早々に文具売場への異動を命じてくれた。
以来私は、鉛筆や消しゴムや下敷きやノートといった、腰には影響のない 軽い商材に囲まれてシアワセな日々を送っていた。
そんなある日のこと。
地べたにひざまづく格好で、ボールペンの棚の補充作業を行っていた (棚の下に在庫の引き出しがあって、そこから陳列棚の補充作業をする) 千代子の視界の隅に妙なものが。
ひざまづいた姿勢の千代子には客の足ばかりが見えていたのだが
客の足の中にひとつだけ、
靴の先に鏡の取りつけられた足が。
最初千代子はなんのことやらわからず、その鏡付きの靴を凝視していたのだが その足はどうやら、女子高生やOLの後をピタリと追跡しては 後ろからスカートの中を鏡で映していたのであった。
(の・・・のぞき・・・!?)
万引き現場は何回も取り押さえた千代子だが、 のぞきの現場なんか見たのははじめてである。
動転しまくって店長のもとへ走りよった千代子は
「てて店長、出ましたノゾキ、110番」 と、意味不明の報告をしてしまった(意味なく七五調)。
「なんだ千代ちゃん、落ちつけよ」と驚く店長に やっと事の仔細を理解させ、警備の人を呼んだまではよかったが、
警備の人が近づいたことを察知するや、 ノゾキ野郎(仮称:植草君)はものすごい勢いで 近くにいたお客様をつきとばし、 ちょうど千代子が補充陳列し終わったばかりのクリップの販売棚にブチ当たりながら 逃げ去ろうとした。
書店の男性バイトや警備の人が追い掛け回しての 捕物絵図が展開された挙句、 結局、植草君(仮称)は無事つかまったのだが、
発見者の千代子は大して誉められもせず、 植草君(仮称)が散らかしていった陳列棚の後片付けに追われるハメに。
おまけに植草君(仮称)が蹴倒した棚に置いてあったゼムクリップの箱が 床にぶちまけられており、 これを拾って元に戻す作業に 千代子はたっぷり一時間、血の汗を流すことになったのであった・・・。
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見られたほうの女子高生は お世辞にもカワイイ子ではなく、 当時流行っていたガングロメイクで ギャルを気取ったミニスカ娘であった(といっても所詮は田舎ギャル)。
わざわざ鏡でのぞかなくたって、 電車や階段など色々なところで パンツをチラ見せしちゃってる(不作為だろうけど) タイプである。
鏡を仕込まなくたってパンツは見られただろう。肉眼で。
捕まえられた植草君(仮称)は30代のサラリーマンだったけど えらく暗い目をしていたことは今でもよく覚えている。
植草教授逮捕の報に、 あの時のサラリーマンの目に宿った漆黒の闇を思い出す千代子である。 植草教授も同じような暗黒を宿していたのであろうか。
ヨン様、お忍びでロータスへ。 ちぇっ、3日前にロータス行ったのに・・・。 昨日も行けばよかったわねぇ(オバさん風に)。
それにしても「ヨン様」て。杉様(杉良太郎)じゃあるまいし。
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東京証券取引所へ行って来た。 千代子の会社が上場することになり、その「上場認定証」なるものを 受け取るという副社長のお供に随行したのである。
副社長は、偉い人なのにもかかわらず、お付きの秘書も 運転手もなく、電車で移動。
千代子30歳、東京在住歴8年。 しかし、いまだに地下鉄の乗り継ぎが頭に入ってないので 「随行する」といってもほとんど副社長が私を引率している格好に。 おまけに副社長はめちゃくちゃせっかちなので その歩みに遅れないよう、小走りに後を追う千代子であった。
無事認定証の授与式を終えた後、東証の人に 「これもお渡ししてますので」と、なんだかえらく重いものを渡された。
それは商業の神様だとかいうマーキュリーの彫られた 重い重いブロンズの記念盾。 「上場記念」と、重々しく彫られているシロモノである。
そんな重いものを(男性とはいえ)副社長に持たせるわけにもいかず、 「ワタクシめが持たせていただきます」とばかりに エイヤと盾の入った紙袋を持った瞬間、腰に鈍い痛みが走り、 「ぐへ」 と変な声が出てしまった。軽度のグッキリ腰である。
しかし、副社長に「ワタクシ、ギックリ腰でこんなもの持てません」 などと言えるはずもなく、何食わぬ顔をしてバカでかい紙袋を肩にかけ、 東証を後にした。
副社長は 「キミ、大丈夫?僕が持とうか」と優しい言葉をかけてくれたものの、 相手は副社長である。やはり持たせるわけにはいかない。
歩みの速い副社長に合わせて小走りに茅場町の駅についた頃には 軽く意識が遠のき、変な汗が出てきていた。
副社長は私が重い荷物を持っていることなど忘れているらしく 気軽に色々話しかけてきてくれるのだが、 正直こちらはそれどころではない。
にもかかわらず、副社長の話は次第に熱を帯びてエスカレートし、 「あたしみたいなヒラ社員に、そんなネタをバラしていいのであろうか・・・」 と、こちらが危ぶみたくなるような内幕話をしはじめた。
普段の千代子ならばうまく合いの手のひとつも入れられるところであるが 腰の痛みに打ち震える千代子にその余裕はない。
ゆえに 「なるほど〜」とか「ハァ」といった気の抜けたような返事しかできず、 額を伝う変な汗をぬぐいつつ、ずっとうつむいて電車に揺られていた。
副社長が「桜がキレイだねぇ」と、電車から見える桜を指差したときも 私には桜の色はモノクロでしか見えず、 「ハァ」と、これまたバカな返事しかできなかったのである。
(一万円払ってもいいから席に座りてぇ) と、心では絶叫していたが、残念ながら席はひとつしか空かず、 「どうぞ副社長、おかけください」と譲り、 副社長が「いいよ、キミそれ重いんだから座んなさいよ」 と言ってくれても、やはり千代子は痩せても枯れてもサラリーマン。 副社長を立たせて自分が座るなどということができるはずもないのであった・・・。
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こんな苦労をして持って帰った記念盾にもかかわらず、 会社の人々は 「ふーん、なんか変なのー」 「ムダにデカくてこんなの置くトコないよね」 と、誰も喜ぶ人はなかった。
散りゆく桜に思ふ宮仕えのむなしさよ。
またまたお久しぶりです。
ゆったりたっぷりの〜んびり(@ホテル三日月)なOL生活も この4月で8年目を迎えた。
最近の千代子は名刺が2種類になり(親会社の仕事を兼務するようになったので)、 仕事量もほぼ1.5倍増。
あいかわらず仕事はしてないから仕事のことなんかどうだっていいのだが、 うっかり浮気なんかしたりしてたもんだから私生活の混乱度も1.5倍増。 やれやれな日々が続いている。
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学校ではよくあった、取っ組み合いや掴み合いのケンカ。 ・・・会社で見たコト、ありますか?
千代子の会社の財務課に勤務する、入社3年目のK君(25歳)。 おとなしくていつも口をもぐもぐさせるクセがあるために 「山羊(ヤギ)君」というあだ名をつけられていた。まぁそんなことはどうでも良い。
うちの会社は昨年から、ちょっとした激動状態にあるため 財務担当のヤギ君・・いやK君は 相当な仕事量と精神的なストレスにさらされていた。
ついにある日、会社に出社したK君は 机の上に山と置かれた仕事の書類を見た瞬間に キレてしまったのである。書類に。仕事に。(たぶん)
机の上にある書類をすべてばばーっと払い落とし、 近くにあったゴミ箱を蹴飛ばし、 叫びながらそこらにあるものを投げ飛ばした。
びっくりしたのは周囲の人々(千代子含む)。 おとなしい人が急に暴れたときほど恐ろしいものはない。
あばれるK君を全員があっけにとられて見守ったまま数秒がすぎた。
が。
隣のグループにいる人事担当のT係長(39歳)が 「うっせぇ、大変なのはおまえだけじゃねーんだよ!静かにしろォ!」 と、K君を怒鳴りつけたのである。
K君は一瞬我を取り戻したかに見えたが、 「んだとぉぉお〜」とかなんとか再び絶叫するや、
なんとなんと、T係長に飛びかかり、 首を、首を、首を(しつこい)締めたのであった。
千代子も会社に入って8年、色々なことがあったけど 瞬間的にこんなにびっくりしたのは初めてである。
だって首よ?会社で他人の首締めちゃうんだよ?(くどいけど)
びっくりのあまり、 全ての人の動きがスローモーションのようにゆっくりと見えた。 近くにいた男衆が2人を引き離すまで、 千代子はちょうどかけようとして持ち上げた受話器を握ったまま 固まっていたのであった。
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そして、もともと繊細な性格だった彼は そのままうつ病→長期療養→そしてこの3月末に退社した。
おとなしい人は、そこまで追いこまれる前に 会社を辞めるかストレスのはけ口を見つけないと 大変なことになるんだねぇ・・・。 他人の首を締めるなんてことにならないよう、注意したいもんである。
そして、K君のことを思い出すたび、 自らのストレスを貯めこまない性格と 自らに与えられた安楽な職場のありがたみに 深く深く感謝する千代子であった。
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