職業婦人通信
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卒業旅行のパンフを街で見かける季節になった。
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テロだのSARSだの、海外に不安の多い昨今の 大学生はどうか知らないけど、
私が大学4年生だった頃(すでに10年近く前だな)は 「卒業旅行にはみんな行くもの」という暗黙の了解があり、 私もバイト代を貯めこんで友達と卒業旅行に出かけたものである。
行き先は ・ギリシャ ・イタリア ・フランス ・イギリス ・スペイン の5ヶ国。
この5ヶ国を23日かけて周遊するというプランであった。
学生向けのツアーだったから、 添乗員ナシ、食事ほとんどナシ、現地案内もナシという ナシづくし。 飛行機とホテルだけは用意してやるから、 あとは勝手にしろ、という 自由度の高いツアーであった。
そのかわり、めちゃくちゃ旅行代は安かった。 23日で5ヶ国まわって22万円だったと思う。
私も友達も、このときが初めての海外、 飛行機すら初めてであった。 しかも、「なんとなくヨーロッパ」に来てしまった 私達は、全くのノープラン。
来てみたはいいが、 どこへ行きたいとか、何をしたいとか 全く決めてなかったため、 買い物しまくりたい友達と 観光とスポーツ観戦をしたい私との間には 大きな溝が生じ、 よくケンカになったもんである。
23日間も日本語が通じないことに すっごく疲れたし、 ロンドンでカメラを盗まれたし、 パリでは変な人にからまれたし、 英語すら通じないギリシャで迷子になって 本気で泣きそうになったりと ツラいこともたくさんあったが、
イギリスのエプソム競馬場で競馬をして 結構儲けてしまったこと、
イタリアで当時最強だったACミランの試合を見たこと、
スペインでやっぱりサッカーを観に行ったとき まだ日本人が珍しかったらしく、観客に取り囲まれて 握手しまくったこと(友達はついでにカバンを盗まれていた)、
マドリッドで夜中にフラメンコを観たり、 ロンドンのバーで泥酔して、親切なイギリス人に介抱されたりと 非常に良い思い出も多い。
当時は、楽しいことよりも旅行の疲れと 言葉の通じないストレスとで、早く日本に帰りたいと 思ったものだが、
8年経った今思い出すと、 辛くも楽しい、かけがえのない23日であった。
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会社員になってしまった今は、 長期の海外旅行など絶対に行けなくなってしまった。
金銭的にも難しいけど、なにより時間がね・・・。
早く定年退職して、 退職金で長期の海外旅行に行きたいものである。 (定年退職まであと30年)
先日、某大手エステ会社主催の映画試写会に応募した。
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応募したことも忘れたある日のこと、突然1本の電話があり、 「残念ながら試写会には外れましたが、エステ2万円ぶんのコースが当たりました」 という。
試写会に落選して、エステ2万円コースというのも なんだか微妙な話だし、 エステの優待って、たいていしつこく勧誘されるか 高額な化粧品やら美容器具を売りつけられるのがオチなので 「結構です」 と、断ったのだが、先方のエステ会社の人は 「プレゼントですから、勧誘もいたしませんし販売することもありません」 というのである。
ま、勧誘されても販売されてもどうせお金ないから払えるわけじゃないし、 名前の通った大手のエステサロンであることもあり、腹を括って行ってみることにした。 こうして私は、30歳にして生まれてはじめてのエステ(痩身コース) に行くこととなったのである。
予約した日に行ってみると、まずアンケートを手渡され、 普段の食生活や既往症の有無や今の体重、美容の悩みなどを書かされる。
そして、 手足を「ゲルマニウム」なる物質の溶けた湯に漬けられてハンパない汗をかいたりとか、
アブトロニクスの強力版(肩こり用の低周波治療機みたいなやつ、あれの超強力版) のような機械に全身をつながれ、 魚の生け作りのようにビクビク身体を震わせさせられたりとか、
まぁ、色々なメニューをお試しさせてもらったのである。
が、中でも一番記憶に残ったのが エステティシャンのマッサージ。
イメージ的には、腹の肉をつかんでこねて、という程度の 結構気持ちよさそうな感じを予想していたのだが・・・
エステティシャンは私の腹を触るなり 「アナタ便秘してるでしょ、これじゃダメよ」とかなんとか言い出し、 腹の肉どころか内臓にひびく深さで棒を腹にめり込ませたのである。
その棒をぐいぐい動かすもんだから。 これが痛いのなんのって・・・。
「こうやって腸の動きを活性化させるんです」 と、得意満面のエステティシャンであったが、あまりの痛みにこちらは返答もできず、 悶絶寸前であった。
こうして外から腸をこねくり回されるという恐怖体験が終わったときには 私はぐったりと虚脱していたのである。
すべてのコースが終わった後に 腹・・・1センチ 足首・・0.5センチ 等のサイズダウンが報告されたのであったが、
感謝して帰ろうとすると、
「どうかしら?もっと痩せてみたいと思わない?」と、価格表を片手にエステティシャンが迫ってきた。
やっぱり勧誘するんじゃん・・・。
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げんなりしつつも、一応は「今日は帰ります」とハッキリ言ったのだが、
先方はムっとしたのか
「ねぇ、アナタその身体のままでいいの?あと8キロは減量しないとベストプロポーションにはならないのよ」 「その身体、彼氏に見られて大丈夫って自信ある?」 「せっかく背が高く生まれてきたのに、ホントにそのままじゃもったいないわ」 「もうちょっと痩せたら人生も変えられるし、もっと自信を持って明るい表情で生きられるのに」 などと、めちゃくちゃ失礼なことを言い始めたのである。
・・・うっさいわね!! そりゃ、痩せたいしキレイにはなりたいけど、 だいたい、彼氏に見られてどうかなんてアンタに言われる筋合いないし、 今の私の給料じゃ80万円も払えないし、 そのお金があったら違うことに使いたいし、自力で頑張るからほっといてよー!
と、思ったが口には出せず、黙っていると、 相手は急に態度を変え、神妙な表情で
「ごめんなさいね、あなたを救ってあげられなくて・・・」
と言いやがったのだ。
その言い方は、 「(救いが必要なほど)千代子が女としてひどい状態にある」と、 言外に断罪されたも同然である。
それにしても、誰が救ってくれって頼んだんだよ!ぷんぷん!(憤慨) 将来玉の輿に乗り、エステに行く余裕ができて、必要を感じることがあったとしても 絶対ここには来ないわ、と私は堅く堅く堅〜く心に誓った。
やっぱりタダより高いものはないわけで、 たしかに2万円分のメニューは満喫させてもらったが そのぶんちょっぴりイヤな思いもした、初めてのエステ体験であった・・・。
2004年01月09日(金) |
湯けむりバースデー その2 |
渋温泉にやってきた私と相方。 なかなか風情のある古式な旅館に荷物を置き、 早速旅館のお風呂にGO!・・・と思ったのだが・・・
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相方「どこ行くんだよ」 千代「どこって・・・風呂に決まってんじゃん」 相方「風呂はそっちじゃないよ、こっち」 千代「こっちって・・・旅館の外に出ちゃうじゃん、寒いよう」 相方「渋温泉は外湯めぐりが基本なんだよ、こっちこっち」
外は凍えんばかりに激しく寒い。浴衣1枚の下駄ばきで震えながら カラコロと温泉街を歩いていくと、30メートルも行かないうちに
相方「おっ、ここここ」 千代「ハァ?」
見ればそこには公衆トイレ大の小屋が立っており 『一番湯』と書いてあった。
聞けば、渋温泉には9つのこうした公衆浴場風の外湯があり、
一番湯「初湯」・・・・・胃腸 二番湯「笹の湯」・・・・湿疹、ほうそう 三番湯「綿の湯」・・・・切り傷、皮膚病 四番湯「竹の湯」・・・・痛風 五番湯「松の湯」・・・・神経痛、病気回復期 六番湯「目洗の湯」・・・目 七番湯「七操の湯」・・・外傷性の障害、病気の回復期 八番湯「神明滝の湯」・・婦人病、子宝 九番湯「渋大湯」・・・・万病
と、それぞれに効能が違うのだという。最後の湯なんか全部に効いちゃうのだ。 大したもんである。
旅館で借りられるカギでしか開かないこの9つの湯を めぐるのが渋温泉の基本的な過ごし方なのだそうだ。 出掛けにフロントで相方が何やら受け取っていたのは そのカギだったのか・・・。
相方「この手ぬぐいあげる」 千代「何コレ?」 相方「1つの湯に入るごとにこの手ぬぐいにスタンプ押すわけ」 千代「へー、面白いねぇ」 相方「スタンプ9個集めたらあそこの神社で最後のスタンプ押してお参りすると」 千代「お参りすると?」 相方「・・・なんか・・・いいことあんじゃねぇかな・・・」 千代「・・・ふーん・・・」
と、いうわけで相方がカギを開け、それぞれ男女別れて湯につかることに。
まぁ、予想していたような露天風呂のある小奇麗な温泉とは ちょっと違ったけど、これはこれで面白そうじゃん、などと思いつつ 小屋の脱衣所でモソモソと服を脱ぎ、風呂の戸をカラカラと開けると 3人も入ればいっぱいになってしまいそうな風呂がそこに。 誰も入っていなかったので独占状態である。
当然シャワーなんてないから、「ケロヨン」と書いてある黄色い洗面器で 湯船から直接湯をすくい、ザーっと自分に浴びせ掛けたところで
千代「うぁぁアっちーーーーーっ!!!!」(←絶叫)
めちゃくちゃに湯が熱い。熱湯コマーシャル(古い)もかくや、という 強烈な熱さであった。一回浴びただけで身体がまっかっかになって しまったではないか。
呆然と、赤くなったわが身を見下ろしていると、どこからともなく 相方の大爆笑が聞こえ、
相方「ごめん、言うの忘れてた、ここの湯、どこもすげーアチーからさ、水でうめてから入るようにって」 千代「言うのおせーよ!!!」
男風呂は壁を隔ててはいるものの、板一枚で仕切られているだけなので 私の絶叫は相方に筒抜けだったらしい。
水をダバダバと湯船に注ぎ込むこと3分。 やっと熱湯が少しうすまってきたので身をひたすも、 ・・・やっぱり熱い・・・のであった。あっという間に汗が出てくる。
そして5分もしないうちにすっかりゆだってしまった私。 風呂からあがり、またモソモソと浴衣を身体に巻きつけるも、まだ身体が まっかっかで汗が噴出している。
外に出ると相方が待っており、
相方「次行くぞ次」 千代「もう結構ゆだっちゃったんだけど・・・」 相方「何言ってんだよ、9個あるんだぞ?お前長くつかりすぎなんだよ」 千代「そうだね・・・ゴメン・・・つい・・・」
2番目の湯はお肌に効くという湯である。 先客がいた。 ここの温泉街の地元のおばあちゃんであるが 見れば肌がピチピチのつるっつるではないか。
(こ・・これはマジで効く湯なのかも・・・)
と、さっき相方に「あまり長時間入りすぎぬよう」と諭されたのも忘れ、 ばっちりと湯につかりまくり、顔も入念に洗いまくったところ、 フラフラになるぐらいに茹であがってしまった。
相方「さっ、次は3番だな」 千代「ちょ・・・ちょっと待って・・・少し身体冷ましてからじゃないと・・・」 相方「普段『温泉大好き』とか言ってるくせに。全然ダメじゃん」 千代「うん・・・ごめん・・・ダメぽ・・・」
こうして2人は浴衣を脱いでは熱湯を水で薄め、湯に漬かり、また浴衣を着る という作業を繰り返しながら9つの湯をめぐり続けた・・・。 (さすがの相方も5番目か6番目でフラフラになっていた)
頭の血管がブチ切れて死ぬかと思ったけれど、 最後は意地になりながら無事9湯めぐり達成。何かいいことあるんだろうか。
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その後、旅館でご飯を食べ、カラカラになった喉にビールをがんがん流し込んだ のであるが、湯上りの身体にアルコールは砂に染み込む水の如く吸収され、 ビール1本で真っ赤に仕上がってしまい、
千代「・・・もう・・寝る・・・」(夜9時) 相方「もう寝るのかよ?旅館の風呂もいいみたいだから行ってみようぜ」 千代「ごめん・・・10個も風呂には入れないよ・・・キミ一人で行ってきて」
こうして、私は意識を失ったまま、30歳の誕生日を迎えたのであった・・・。
<追記> いや、でもたしかに湯質はすっごく良かったと思うんですよ。 その後お肌の調子も胃の調子もすこぶるよろしいし。 そもそも、一気に9個の湯を巡ろうなんて気を起こさずに、 何回かに分けてゆっくり漬かればこんなことにはならなかったはず。 温泉街もなかなか趣があって良いところでした。 「千と千尋の神隠し」みたいな温泉旅館があったりとか。 また行きたいです。
3日〜4日の一泊二日で、またも温泉に行ってきた。
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サイパンに行ったばかりであんまりお金もないし、私は日帰りでもよかったのだが、 相方は「せっかくだから泊まりで」と大ハリキリ。 それならそれでいいんだけど、私たちは2人とも優柔不断なので なかなか行き先が決まらないのだ。
急な話だから予約もなかなか取れなさそうなのに、 やたらとなんでもこだわる相方が 温泉選びに出してきた条件は以下のとおりであった。
----今年オレが行きたい温泉の条件---- ・湯は掛け流し(絶対条件) ・白濁湯であればなお良し ・ホテル厳禁 ・風情のある旅館が望ましい ・一軒宿であればなお良し ・クルマで3時間ぐらいかかるところが良い ------------------------------------
あーーーもうっ。うっさいわーーー。
私は温泉は「湯の効用」よりも、景色がそこそこ良くて清潔な風呂 さえあれば、それほど色々こだわりはないのであるが 相方はごちゃごちゃうるさいばっかりなのだ。
『日経おとなのOFF』の温泉特集なんかを見ながら 「ああ、ここもここも捨てがたいなぁ・・・風情があって・・・」 などとブツクサ言っている相方であるが そんな雑誌に載ってる「風情のある温泉宿」なんていうのは どこも一泊5万とか10万とかしちゃうのである。 貧乏人の我々にそんなトコ行けるわけがないのにさー。
で、私が他のガイドブックやインターネットを見ながら 「ああ、ここどう?まだ予約取れそうだし、掛け流しって書いてあるけど」 なんて言うと、 「ダメダメ、そこは近すぎる、旅情的にはもうちょっと遠いところがいいんだよな」とか 「こんなコギレイなホテルなんて風情がイマイチ」 などと好き放題言うのである。もう勝手にさらせ!
こうして、相方に選定をブン投げて予約もおまかせしていたのであるが 日にちは迫っており、相方の希望するような温泉(だいたい規模の小さい秘湯が多い)の 予約はなかなか取れない模様であった。
しかし、ついに出発予定日を2日後に控えたある朝、 「ついに取れました、予約」 と、短いメールが届いた。
今回の行き先は、渋温泉。聞いたこともないんですが・・・
「で、どんな温泉なの?」 「うん、まぁ一軒宿でも白濁湯でもないんだけど、湯質は相当いいらしい」 「湯質・・・そんなの私、よくわかんないんだけど・・・」 「まぁ期待してもらっていいと思うよ」 「期待・・・何に?」 「だから、湯質」 「料理とかは?」 「知らネ」 「・・・・・・・・そっか・・・、予約とってくれて・・・ありがとうね・・・」
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と、いうわけで 自信たっぷりの相方と、いくぶん不安な私はこうして1月3日、 渋温泉に向けて出発したのであった・・・。
2004年01月07日(水) |
よろしくサーティーズ |
ついに30歳になったわけだが
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20代を振り返ったりとかすることもなく、
曙のあまりの弱さに感動したり、 おしゃれカンケイにおける谷ヤワラ夫妻のウスラボケぶりに(ある意味)感心したり、 「内村プロデュース」のCDを誰が買うのかについて考えたり、 そんなことしているうちに年も明けてあっという間に30になっていた。
こんなことじゃいけないわ。
というわけで、30歳を迎えた今、あっという間だった20代を 勝手に振り返ってみたい。
20歳(大学2年生) 彼氏にフラれた。大学にあまり行かなくなった。
21歳(大学3年生) ソフトクリーム屋、家庭教師、試食のお姉さん、弁当工場と4箇所でバイトの日々。 2つ年下の男とつきあいはじめる。
22歳(大学4年生) 就職決まるも単位の計算違いであやうく留年しそうになる。 入社式で寝てこっぴどく叱られる。
23歳(入社1年目) 5日連続オールで飲むという大記録を樹立。 胃を壊す(以来今日まで壊れている)。 ひとり暮しをはじめる。少しやせる。
24歳(入社2年目) うっかり社内恋愛。太った。
25歳(入社3年目) 引き続きうっかり社内恋愛。 なぜか広報に異動となる。当時の上司から激しいイジメを受ける。
26歳(入社4年目) やっとうっかりに気付いて社内恋愛解消。 上司が代わって会社の居心地が急上昇。 転職活動して内定もらうもめんどくさくなってやめる。 友達の結婚が激増。リョウスケとつきあいはじめる。
27歳(入社5年目) 実家で飼っていた犬が死んでしまい、悲しみのあまり酒の量がさらに激増。 本格的に胃が壊れる。 ますます仕事に身が入らなくなり、WEB日記をはじめる。 はじめてのお見合いに失敗。
28歳(入社6年目) 当時のWEB日記が会社バレして自殺しそうになる。 2回目のお見合いにも失敗。お見合いに懲りる。
29歳(入社7年目) ますます絶好調に仕事をしなくなった
現在に至る
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とにかく、月並みな20代であった。 大きな悩みを抱えることもなく、警察のお世話になることもなく、 どこにでもいるフツーの大学生としてOLとして生きた20代であった。
たぶん30代も フツーの会社員(もうOLとはいえないな、年齢的になんとなく)として生きていくだろう。 おそらく主婦とか母親になることはないだろうが。
これからもフツーの凡人として生きる30代のわたくしをどうぞよろしくお願いします。ああ、あと、あけましておめでとうございます(遅すぎ)。
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