妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2012年02月19日(日) |
『秀吉の枷 上』(小) |
【加藤廣 日本経済新聞社】
本能寺三部作の二作目。 一作目の『信長の棺』は未読ですが、ドラマで見た。確かドラマ。 これが流行った頃から妙に秀吉黒幕説が流行した気がしたんだけれど、これより前からかもしれない。
タイトルからわかるように、本能寺あたりの話しを秀吉を主人公に。 本能寺に掘られた抜け道や、消えた信長の死体などややミステリー的趣向もありつつ、どうせならもっとごりごりにミステリーにしてもらってもいいんだけど。
半兵衛が死ぬ辺りから始まり、相変わらず死せる半兵衛が生きてる人間を動かしている。 秀吉にとっての半兵衛はそんなに重要だったのだろうかと、実はけっこう懐疑的だったりもするけど。 官兵衛が牢獄暮らしでキリシタンかぶれになって、ちょっと不思議ちゃん。 で、やっぱり何たくらんでるかわからんという理由で、信用されない。かわいそ。 信用されないというか、根本的に人間的にそりが合わないのかもしれない。秀吉と官兵衛は。 歌のことがわからない官兵衛にはちょっと異議があります。
秀吉のことはとくに美化はされておらず。 誰のこともとくによくは書かれていないけど(半兵衛はともかく)、悪く書いてもいいから魅力的に書いて欲しいなぁ。
【監督:三池崇 日本】
どうせなら堤幸彦監督がよかったなぁ・・・と思いつつ、原作ファンとしてとりあえず行きました。 予告などで、ビジュアルは見ていたのですけど、やはり冒頭しばらくは笑いがこみ上げます。 山野星雄の再現が素晴らしい。
原作やったことがない人はストーリー訳分からないだろうなぁと思うので、よほど強い意志がない限りは薦めません。
原作ファン的には、あのシーンが三次元に!という喜び以外はあまりないですね。 あと私は、タクシューが出ていて嬉しかったです。 なるほど君と御剣はなかなかがんばって再現してました。 イトノコ刑事はもっとおっさんでいいと思います。 真宵ちゃんはなぜ、あんなに不自然なカツラに。そして綾里姉妹、アイライン濃すぎないでしょうか。
そんな違和感ばりばりなかっこうも、舞台だと思ってみればだんだん慣れます。 でも、千尋さんには谷間を、谷間を! もう誰でもいいから、谷間を!!
1の内容を超ダイジェストな上に、主に4話がメインなので、肝心のなるほど君と御剣の対決シーンはあまりないです。
霊媒がやたらホラーに仕上がっていたのと、灰根の過去シーンもやたら怖かったです。
小中だけなんでゲームに忠実じゃなかったんでしょうか。なんでスネイプ先生だったんでしょうか。 ま、いいけど。
サユリさんの名演技が見所です。 そんなキレキレのアクションしなくてもいいのでは!?と思った、御剣父と灰根。小日向さんがそんな動きするわけないと思ってやたら面白かったです。
大画面でトノサマンとタイホくんが観れて良かったなぁ。 タイホくんに中の人などいない。
2012年02月10日(金) |
『ヘリオガバルス または戴冠せるアナーキスト』(小) |
【アントナン・アルトー 訳:多田智満子 白水Uブックス】
ヘリオガバルスはローマの皇帝の一人だけれども、この小説を歴史小説と呼ぶのは難しい。 たいそう面白かったのだけれど、その面白さとか内容を説明するのも難しい。 小説の面白さはこういう小説を読んだときに一番感じるけど、こんなのばっかりだとそれはそれで頭がどうにかなるな。
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