妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【いせひでこ 偕成社】
ゴッホの弟テオの視点の絵本。 二人の足跡を叙情的に描く内容で、具体的なエピソードもほとんどないし、そもそも二人の名前も記されていない。 あとがきで「にいさんは、ぼくのすべて、ぼくだけのにいさんだったのです!」というテオの手紙が引用されているように、絵本もその言葉に沿った内容。 この兄弟はどうしてこんなに強固な絆で結ばれているのか、ずっと気になってるんですよねぇ。 他にも色々読んでみたいです。
2011年04月22日(金) |
『パンプキンシザーズ 1〜14』(漫) |
【岩永亮太郎 講談社】
1から14の感想をまとめるのもどうかという気がしたけれど、ばらばらに書くのも面倒だったので。 戦災復興部隊というお飾り部隊(6人しかいない)が主役。 ちょっと他の戦争物とは違う印象なのは戦災復興が名目だからか。 キャラクターがみんなよいです。 少尉と伍長。 男勝りでまっすぐな女性キャラって大抵苦手なんですが、アリス少尉のまっすぐさは嫌じゃない。 伍長との関係も好き。 ちゃんと二人で幸せになってもらいたいなぁ。 伍長はいつでも死にそうだから心配。
2011年04月15日(金) |
『SP 革命篇』(映) |
【監督:波多野貴文 日本】
完結編ということで。 いやーひたすら、議事堂の再現が凄いなぁという。 映画のほとんどは国会議事堂の中なのですが、あんだけのセット作ったらそりゃそうだよな、という感じ。 緒方たちによって、国会が占拠されるというストーリー。 ようやく緒方の真意がわかるわけですが、そんなことよりお前ら兄弟だったんかい!という衝撃。 なんと、それならそうと早く言ってくれれば(言ったらだめだろ)
テロに揺らぐ国会を描いている今作を眺めながら、天災に揺らぐ現実を思わずにはいられない。 現実と照らし合わせてみても、映画の中の国会はそれほど現実とは違わないかもしれないという暗澹。
2011年04月11日(月) |
『まことの人々』(小) |
【大森兄弟 河出書房新社】
どうしても大森兄弟の本は、どうやって書いてるのかなぁというのが気になってしまう。
「まことの人々」という題の劇で、人間のクズであるエドモン軍曹役をやることになった彼女が、徐々にエドモン軍曹役にのめりこんで行ってしまうという話しなんだけれど、イメージするほどホラーなわけでもなく、何か大きな事件が起こるわけでもない。 なんとなく嫌な感じというのは『犬はいつも足元にいて』の時と同様。
ラスト、舞台本番のシーンで、観ているものも現実と舞台の境界を見失っていく様が、ト書きに紛れ込んでいく手法で書かれていて読んでいても不安で不気味。
終わってみればやっぱり大きな事件はなかったのだけれど、ほっとするような落ち着かないような気分。
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