妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2011年01月22日(土) |
『町でうわさの天狗の子 1』(漫) |
【岩本ナオ 小学館フラワーコミックス】
天狗の父親と人間の母親の間に生まれた秋姫が主人公。 小さな町の中で、親が天狗様なのは周知のことで、なんとなくみんな自然に不思議を受け入れているゆるさがいい。 父親が天狗でちょっと力が強い意外は普通の女の子として、普通にクラスメイトに片思いして、友達とわいわいしたりという普通の話し。 現時点では。
出てくる子達がみんなかわいい。 特に天狗を目指してる瞬ちゃんと、秋姫の友達のミドリちゃんがかわいい。
2011年01月21日(金) |
『雨無村役場産業課兼観光係 全3巻』(漫) |
【岩本ナオ 小学館フラワーコミックス】
フラワーコミックス久しぶりやな。 若者三人しかいない雨無村の職員ギンちゃんと、給食作りしてるメグと、ぷらぷらしてるスミオのトライアングルな関係。
ギンちゃんが主人公なのだけれど、少女マンガで男の子が主人公なのも珍しいし、メグが小柄でぽっちゃりで無愛想なのも珍しい。でも可愛い。なんか可愛い。 そしてスミオはギンちゃんが好きという。 吉田秋生の鎌倉物をもう少し、ほんわかしたような話しです。 三人の恋の行方と、町興しのために企画した桜祭りのためにがんばる村人達が並行して描かれている。 ここまで田舎じゃないけど、やや田舎に住んでいる身としては、食い物と景観だよなぁ、やっぱりと思ったり。
三人の関係は、そこにしか落ち着きどころはないとは最初から分かっているとしても、やっぱりなんだか寂しくなる。 東京でスミオ大丈夫かなーと心配になっちゃう。何しろ若いからこの先、長いよ。
2011年01月17日(月) |
『神の棘 II』(小) |
【須賀しのぶ 早川書房】
どうでもいいけど、全2巻なのになんで上下巻にしなかったのだろうな。
Iはアルベルト視点が多かったのだけれど、IIはほぼマティアス視点。 いよいよ戦争が激化して、二人とも戦線へ。 戦場の場面になると須賀先生の筆致も冴えるな。
ずっとどうしてこれが、このミスにランクインしているのか疑問だったのだけれど、IIの終盤になっていろいろと判明してくるにつれ、確かにミステリー的な仕掛けもあるなぁと納得。 あんまりテオのこととか、アルベルトのこと深く考えてなかった…。
イルゼの告白、フェルシャーの告解、そしてアルベルトの覚悟。 終盤で彼らがどんな思いで生きてきたのかが怒涛のように明かされて、ラストの痛ましくも美しいシーンに繋がる。 須賀先生の一つの到達点といえるのでは。
しかし、IIになってからやたら誤字脱字が多くて残念。 6箇所くらいまでは数えてたんだけどもっとあったと思う。 文庫化の時にでも直してね。
2011年01月12日(水) |
『あなたのためならどこまでも』『顔のない女』(漫) |
【中村明日美子 花音コミックス】
中村明日美子の耽美系はどうも苦手なんだけれど、これはラブコメ路線。 テーマはあほエロらしいけど。 逃亡中の犯人×刑事でかるーいノリ。 まあ、確かにあほエロ。エロってほどでもないかな。 軽いノリなので、なんで高千穂が七海に惚れちゃうのかわかんないなーということはつっこまない方がいいのかもしれない。
後半に載ってる高校生カップルの方が可愛いかな。
++++++++ 【高橋葉介 早川書房】
連載してる時にだいたい読んでいたんだけれど、一見女版夢幻紳士のような見た目。 毎度お馴染みの手法、連作短編ですが、さすがの安定感。 新しい主人公・顔のない女も素敵でした。
2011年01月11日(火) |
『神の棘 I』(小) |
あけましておめでとうございます。今年もゆるゆる行きたいですが、今年はもう少し読む冊数増やしたい。
【須賀しのぶ 早川書房】
コバルトでお馴染み須賀先生が、最近は一般でも書くようになって喜ばしい限り。 そもそもコバルトでも若干浮いていたからな。 延々軍議とか、第一次世界大戦の飛行機野郎とかとか。私はそっちの作風の方が好きなのでいいのですが。
表紙がお馴染み梶原にきかと思ったけれど多田由美だった。これはこれでいいですね。
舞台はナチス・ドイツなので一瞬、一歩引いてしまいそうになりますが、主人公は情報部員のアルベルトと、幼馴染(と言ってもそんなに仲が良いわけでもないが)で修道士となったマティアス。 あらすじには友情と裏切りって書いてあるけど、そもそも二人の間に友情が希薄なので因縁に近いような。
こうして読んでみて、ナチス・ドイツの時代の普通のドイツ人のことって何も知らないなぁと思います。 順風満帆だったアルベルトの転落で二人の運命がどうなっていくのか。 須賀先生のドライな人間観察眼が光っているなぁ。
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