妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2010年05月31日(月) 『処刑人 2』(映)

【監督:トロイ・ダフィー アメリカ】

1から10年の歳月を経てようやく公開。
といっても、私が1を観たのは10年も前じゃないのですが。
ちょっぴり前作の内容忘れてましたが・・・前作ネタもてんこ盛りで、できれば復習はしていただきたい。復讐じゃないよ。

今回も兄弟の行き当たりばったり感は健在。当初とは違ってたけど、結果オーライ!そんなノリの処刑シーン。
派手でかっこいいシーンにBGMも素敵。
バカ可愛い兄弟喧嘩もにこにこです。
10年経って、ショーンとノーマンはちょっと老けたけど、やっぱ可愛い。

処刑人といえば変態捜査官ですが、今回、捜査官が代わり、彼女は彼女でいい感じにクレイジー(基本、みんなクレイジーなんですが)
前回のスメッカーはどうなったかは観てのお楽しみ。

兄弟のパパの話しが核になっていて、シリアス度が終盤高かったですが、パパの確執もなかなか良かったです。

次回作はプリズン・ブレイク編になるんでしょうか。


2010年05月27日(木) 『神様のカルテ』(小)

【夏川草介 小学館】

長野県の病院を舞台にした小説・・・というとなんか違う気がしますが、海堂尊と森見登美彦の中間みたいな感じです。
作者は実際に長野で地域医療に従事してるみたいですが、がっつり地域医療小説というわけではなく、あくまで主人公がその職業についている、というにとどめているところがいいですね。
医療物のヘビーさは薄くて、キャラたちはみんななんだか飄々としていて、爽やかな感動があります。
実際、大変な現場知ってるだろうにこんな爽やかに書き上げられるとは。
二作目も楽しみに。


2010年05月18日(火) 『マドンナ・ヴェルデ』(小)

【海堂尊 新潮社】

『ジーン・ワルツ』の続編、というより姉妹編。
ジーン・ワルツを、理恵の母親の視点から見たもの。
『医学の卵』が好きなので、出生の経緯は興味ありますが、ジーン・ワルツの出来がいいだけに、同じ話しをもう一度読む必要があるのかちょっと疑問。
理恵の母親のみどりが、意外と普通の女性で、今回の話しはやっぱり理恵には賛同しにくい。
双子の片方の話もそのうち読みたいです。


2010年05月06日(木) 『フィッシュストーリー』(小)

【伊坂幸太郎 新潮文庫】

連作短編のような。
連作というほど密接ではなく、伊坂作品はだいたいほぼ全部リンクしてるから短編を集めれば連作になる、といいますか。

「動物園のエンジン」
ちょっとしたミスリードはあるのだけれど、伊坂作品に馴れてる人は引っかからないかな、と。
たわいない話なのにどうしても暗い影を落としたいんですねぇ・・・。

「サクリファイス」
お馴染みの黒澤が主人公。
田舎の変わった風習が題材となってて、『オーデュポンの祈り』のような。
ちょっと変わった趣向でよかったです。

「フィッシュストーリー」
方法は『死神の精度』と同じ。
どんな歌なのか聴いてみたい。
最近の伊坂の中では素直に爽やかな印象の話しではないでしょうか。

「ポテチ」
ポテチの意味がなるほどな、と。
ただ若葉さんがどうも好きじゃなく。


2010年05月04日(火) 『アリス・イン・ワンダーランド』(映)

【監督:ティム・バートン アメリカ】

白状しておくと私はアリスは好きなんだけれど読んだことはないんだなぁ。
でもね、このアリスはうーん・・・と思いました。

2Dで見ましたけれど、アリスの自立というのがテーマで、自立した女性になるのは結構だけれど、自立の先が結局実業家なのかぁというのがなんかがっかりしました。
あんだけ不思議体験しといて実業家かぁ・・・と。
ま、時代的に冒険家に近い職なのかもしれないけれど。

アリスだとしても、バートン映画だとしても、全体的に狂気の度合いが薄くて、帽子屋なんていったいどこがマットなのか。それならジャック船長の方がよっぽどマットじゃないか、と。
そんな意外とまともなアンダーランドの住人達のなかで、白の女王だけがどこかオカシイ。とてもよかったです。

チェシャ猫がふわふわして凄い可愛い。


2010年05月03日(月) 『KUNIMORI』(小)

【五條瑛 中央公論社】

五條はこんな地味な小説書いていて大丈夫か、と勝手に心配になった。
帯には相変わらず国家とか祖国とか家族といった毎度おなじみワードが並んでいるし、そういう話しではあるのだけれど、陰謀が渦巻いてるわけでもなくアクションがあるわけでもないので本当に地味〜な一冊。
ずっと五條作品読んでる身としては面白く読んだのだけれど、そうではない人は潤が結局ヨウヒを選ぶこと、ヨウヒたちが祖国からどうしても離れられないこと、などなどがあんまりぴんとこないんじゃないかなぁと思いました。
思いがけず寂しいエンディングでした。


2010年05月01日(土) 『緋色の研究』(小)

【コナン・ドイル 訳:延原謙 新潮文庫】

デビュー作で有名な緋色。
読んでみて、あまりの記憶に残っていなさに驚いた・・・。
ホームズとワトスン君の出会い編でもあるのだけれど、あんまり印象に残ってなかったな〜。
古き良き・・・良いかどうかはわからないけど、まあ、時代を感じる設定、ストーリーです。
今だと、血液検査しろ、とか、指紋取れ指紋、と思う数々の捜査。
鬼平だってもっとちゃんと捜査するんじゃ、というグレグスンやレストレードの捜査っぷり。
いろいろと微笑ましい気持ちで読むしかないです。
終盤突如挿入された第2部は一体誰の語りなのか気になりつつ、そういやホームズ物ってミステリーであると同時に冒険譚でもあるんだったなぁなどと思いました。



蒼子 |MAILHomePage

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